ディンプルキーとは? 防犯性の高さや、合鍵は作れるのかといった疑問を解説

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特に女性の一人暮らしにおすすめ!防犯性の高いディンプルキー

初めての一人暮らしでは、物件選びからワクワクするもの。立地や間取りに気を取られがちだが、特に女性の一人暮らしで注意したいのがセキュリティの面である。できるだけ防犯性の高い賃貸物件を探すのが基本だが、そのポイントとなるのが「ディンプルキー」付きの物件だ。

今回はディンプルキーの特徴やメリット、なぜ防犯性が高いのか、また取り扱い上の注意点について説明していく。

ディスクシリンダー、ピンシリンダー、ディンプルシリンダー……さまざまある鍵の種類
ディスクシリンダー、ピンシリンダー、ディンプルシリンダー……さまざまある鍵の種類

ディンプルキーとは

ディンプルキーとは、表面に複数のくぼみ(ディンプル)が開いている鍵のことである。従来のディスクシリンダーは外側にギザギザが付いた形状であり、見た目もディンプルキーと大きく違っているのだ。

鍵の基本的な仕組みは、鍵の形状と、鍵穴の内部にある「ピン」と呼ばれるたくさんの部品の高さが一致して解錠となる。従来のディスクシリンダーは、ギザギザした形状を合わせるピンの方向が1~2つのみである。

それに対して、ディンプルキーの表面に開けられた複数のくぼみは、それぞれ大きさや深さが異なっていて、鍵穴の内部にあるピンは裏・表・側面などの3~4方向に付いているのだ。ディンプルキーの鍵のパターンは、理論上で数十億~数千億通りにもなるという。

防犯性の高さが魅力のディンプルキー
防犯性の高さが魅力のディンプルキー

ギザギザした形状のディスクシリンダーは、鍵の複製が簡単なため、ホームセンターなどで依頼して短時間で合鍵を作れる。しかしディンプルキーは構造が複雑であり、簡単に合鍵を作ることはできず、時間も費用もかかる。防犯性も高いため、ピッキングは困難だ。

近年新しく建てられる賃貸住宅で採用されるのは、防犯性の高さからほぼディンプルキーである。築年数が経過した物件においても、ディンプルキーへ付け替えするケースが多くなってきており、従来型のディスクシリンダーキーを使う物件は減少してきているのが現実だ。

ディンプルキーのメリット

ピッキングや不正開錠に強いディンプルキー
ピッキングや不正開錠に強いディンプルキー

メリット①:ピッキングに強いため、防犯性が高い

ディンプルキーの一番のメリットは防犯性の高さ。先述の通り、従来の鍵に比べ複雑な構造を採用しているためピッキングなどの不正な開錠がされにくい。

メリット②:耐久性がある

耐久性もディンプルキーの魅力のひとつ。ギザギザ型の「ディスクシリンダー」に比べ、摩耗で開きにくくなったり折れたりすることがない。

ディンプルキーの注意点

セキュリティ面と耐久性に優れているディンプルキーだが、当然ながらその防犯性は100%というわけではない。性能の違いにより、価格もそれぞれ異なる。

とはいえ、ディンプルキーの性能の違いは素人が見ても判断しにくい。そのため、新居でディンプルキーが採用されているからといって、安心は禁物だ。

犯罪を行うのは人間なので、試行錯誤によりその手口は日々進化していく。もちろんディンプルキーへの対応策も練られているであろうし、ディンプルキー専用のピッキング用ツールも出回っているという話もある。

高い防犯性が謳われているディンプルキーであっても、開錠されてしまう恐れはあることを常に念頭に置いて生活しよう。鍵の防犯性だけに頼らず、モニター付きインターホンなど、ほかの防犯設備も設置されている物件を検討するのがベストだろう。

オートロックやモニター付きインターホンなど、他の設備と併せて防犯対策を
オートロックやモニター付きインターホンなど、他の設備と併せて防犯対策を

ディンプルキーでも合鍵は作成できる?

ディンプルキーは、防犯性を高めるための綿密な構造により、複製が難しい。鍵屋さんにもよるが、技術や道具次第では合鍵を作れないケースもある。

ディンプルキーの合鍵を作る場合は、その鍵のメーカー(大手が多い)や通販サイトの合鍵業者に依頼するといいだろう。この場合、費用は2000円~4000円ほど、かかる日数は2週間~4週間が目安だ。ちなみにディンプルキーでは、「合鍵から合鍵を作成する」ことはできない。構造の複雑さから、少しの誤差で解錠できなくなるためだ。

もし鍵を紛失した場合は、ドアに設置されている鍵自体の交換が必要となる。また、その費用は従来の鍵より高額になることが多い。ディンプルキーは失くさないよう、取り扱いに注意が必要だ。

ドアの取っ手を掴む女性の手
ディンプルキーでも合鍵は作成可能!ただし注意点も

鍵以外の防犯もしっかり行おう

先述した通り、ディンプルキーだけに頼らず、ほかの防犯もあわせて行うようにしたい。賃貸生活でできる防犯を3つ紹介する。

補助錠を設置する

空き巣によるピッキングは、開けるまでに10分以上かかると諦める傾向があるといわれている。そこで、単純に鍵の数を増やすのが効果的だ。賃貸生活では、玄関や窓に気軽に後付けできる補助錠がおすすめだろう。さまざまな形状のものが市販されているので、ホームセンターなどで実際手に取って性能を確かめてから決めよう。

窓に防犯ブザーを設置する

空き巣の6割が窓からの侵入ともいわれる現在、窓に防犯ブザーを付けるのも有効だ。なかにはWi-Fi接続ができ、異常を感知するとスマホに通知が入るというものもある。

外に下着を干さない

これは防犯の基本中の基本だ。犯罪に巻き込まれないためにも、自ら原因となり得るものを外から見えるところに置かないようにしよう。逆に男性用の下着を干しておくことで、犯罪者を寄せ付けない可能性もある。

シャッターが閉まった窓の鍵
ディンプルキーだからといって安心は禁物

ピッキングなど防犯に役立つディンプルキー。ただし過信は禁物

ディンプルキーが付いた物件は、従来型のディスクシリンダー錠の物件より防犯性が高い。ただし、だからといってディンプルキーの性能を過信してはならない。女性の一人暮らしの際はオートロックの物件を選ぶなど、ほかにも防犯を施して、十分注意しながら生活しよう。


文=ぴりか
京都大学法学部卒。約10年間の弁護士経験を活かし、現在はライターとして活動中。不動産賃貸、売買、活用等の分野も得意。
Twitter:@pirica8 ブログ:https://legalharuka.com/

2021年4月加筆=CHINTAI情報局編集部

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CHINTAI編集部
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