間取り図のMBとはメーターボックス。よくある英略語18個の意味を解説
物件選びの参考に!MBやPSなど間取り図の略語についてご紹介
マンションの間取り図を見ていると「MB」や「PS」といった略語が目に入る。他にも「S」「DEN」「SB」など、間取り図には多くの英語の略語が使われている。これらがいったい何を指しているのかを知っておかないと、正しい間取りを把握できない。
そこで今回は、MBやPSをはじめとする間取りに使われる略語の解説と、間取り図をチェックする際に見ておくべきポイントについて解説する。間取り図の見方に迷ったときの参考にしてほしい。
この記事でわかること
MBはメーターボックスの意味
PSはパイプスペースの意味
「Sto」や「DEN」など見慣れない略語の意味とは?
このページの目次
MBやPSとは?マンションの間取り図でよく見る略語の意味
マンションの間取り図には、MBやPSといった名称の小さなスペースが記載されていることがある。これらのスペースが何を意味しているのか、また、実際に暮らすうえでどんな役割を持つのかを知っておこう。
MBはメーターボックスの意味
MBは、メーターボックスを略した言葉だ。間取り図では、玄関の脇あたりに書かれていることが多い。
メーターボックスとは、電気や水道、ガスなどの使用量を確認するためのメーターが入っているスペースのこと。メーターは点検や検針のために使用するもので、入居者がメーターボックスを開ける機会は少ない。地震や漏水などで特別な操作が必要にならない限り、触れることのない部分だと思っておこう。
なお、メーターボックスは玄関の隣に小さな扉がついた形で設置される場合が多い。扉付きの収納のように思えるかもしれないが、なかに私物を置くことはできないため注意しよう。専有面積にも基本的に含まれないが、気になる場合は事前に管理会社に確認してみるといい。
PSはパイプスペースの意味
PSはパイプスペースの略で、ガスや給排水の配管(パイプ)が収納されているスペースを指す。マンションでは上階から下の階まで、縦に給排水管を通している。そのため、パイプスペースの近くは上階の音が伝わりやすい可能性がある点に注意したい。
また、MBは室外のスペースだが、PSは室内の水回り付近に小さなスペースとして記載されているケースが多い。ただし、室外にPSが設けられている物件や、PSとMBをひとまとめに設置している場合もあるので、詳細は各物件の間取り図を確認してみよう。
PSとMBがまとめてつくられている物件では、間取り図に「MBPS」と書かれる。なお、そもそもPSの記載がない間取り図も多い。
マンションの間取り図でよく見る略語
マンションの間取り図では、さまざまな略語が使われている。「L」や「DK」といった略称は、多くの人が当たり前に利用しているものだ。しかし、「Sto」や「DEN」といった略称は、意味がよくわからないという人もいるのではないだろうか。
そこで、間取り図で利用される略語と意味を一覧にまとめた。
略語 | 意味 |
---|---|
LDK(リビングダイニングキッチン) | リビング(居間)とダイニング(食事をする場)、キッチン(台所)が合わさった間取り。間取りの違いによって「L」「DK」などと記載が変わる。 |
S/SR(サービスルーム) | 窓がないなどの理由で採光基準を満たしていなく、居室ではない部屋。納戸とも呼ばれる。 |
Sto(ストレージ) | 倉庫、貯蔵庫、納戸。居室の要件を満たしていない空間。 |
DEN | 書斎などで使われる小部屋。DENは英語で「ほら穴」という意味がある。 |
SB(シューズボックス) | 下駄箱。 |
CL(クローゼット) | 洋服や物の収納スペース。 |
WIC(ウォークインクローゼット) | 人が歩けるくらいの大きめのクローゼット。 |
SIC/SC(シューズインクローゼット) | 玄関の脇にある小部屋で、靴を履いたまま出入りできる収納スペース。 |
R | 冷蔵庫置き場。英語で冷蔵庫を表す「Refrigerator」の頭文字。 |
W | 洗濯機置き場。英語で洗濯機を表す「Washing machine」の頭文字。 |
DS(ダクトスペース) | 空調や換気などに使う、太いパイプを通すためのスペース。 |
AC(エアコン) | エアコン用のコンセントがあり、エアコンの設置が可能な場所。 |
UT(ユーティリティテラス) | キッチンや洗面所とつながっている半屋外スペースで、洗濯物を干したりゴミ置き場にしたりして使える。 |
SK(スロップシンク) | 底が深い流しで、靴や汚れた雑巾などを洗いたいときに使える。UTに設置されていることも。 |
UB(ユニットバス) | 壁・天井・床が一体になっている浴室。 |
TR(トランクルーム) | 玄関脇や地下にある倉庫のことで、部屋に持ち込まない物を収納するスペース。 |
EPS(エレクトリックパイプスペース) | 電気や通信の配線を通すためのスペース。 |
EV(エレベーター) | 基本的には部屋の間取りの外に記載される。 |
上記の略語は、すべての間取り図に使用されているわけではない。そもそも該当のスペースがない間取りもあれば、「R」ではなく「冷」、「W」ではなく「洗」などと記載する間取り図もある。それぞれの略語の意味を知っておくことで、間取り図の記載方法に惑わされずに正しい間取りを把握しやすくなる。
マンションの物件選びでチェックしておきたい間取り図のポイント
マンションを選ぶ際は、まず、間取り図や家賃、設備などを参考に物件の絞り込みを行うのが一般的だ。その後、候補の物件の内見に行く場合が多いだろう。間取り図からは、部屋の配置や広さだけでなく、窓やドア、収納、部屋の向きについての情報も得られる。
希望どおりの住まいを見つけるために、間取り図から住みやすさを確認する4つのポイントを紹介しよう。
1.部屋の配置や広さ
間取り図を見る際は、まず、部屋の配置や広さの確認をしよう。同じ40㎡の物件でも、一部屋が大きい広々とした1Rもあれば、コンパクトな部屋の2DK物件もある。住みやすい間取りの種類は、住む人の数や関係性、理想の暮らし方によって変わる。例えば、ペットと暮らす一人暮らしの人なら、広々とした1Rが良いかもしれない。一方、ルームシェアをしているならそれぞれの部屋は必須であろう。
部屋の配置も同様だ。「片方の部屋を通らないともう一方の部屋に行けない」といった配置の物件は、ルームシェアには不向きである。しかし、来客を迎えるスペースと寝室を分けたい一人暮らしの人には適している。奥の部屋を寝室にすることで、プライベートな空間を確保しやすいからだ。
同時に重要なのが、キッチンや風呂、トイレといった水回りの配置。来客時や普段の生活のなかで、不便なく、プライバシーを守って生活できるかどうかも検討したい。
2人以上で住む場合は、どのような間取りや配置が適しているか話し合おう。一人だけで決めてしまうと、意見の相違でトラブルになる可能性もある。実際に暮らし始めた後の生活を想像しながら、生活動線や家事動線がスムーズな間取りを検討することが大切だ。決めかねる場合は、異なる間取りの物件を候補に残し、現地を訪れて室内を歩いてみるのがいい。
2.窓・ドアの位置、開き方
窓や扉の位置や開き方も、間取り図からわかる情報だ。まず、窓や扉がどこにあるのかを確認しよう。
例えば、部屋の窓を塞がないためには、それ以外の場所に背の高い家具を配置しなければならない。手持ちの家具を問題なく置けるかどうか、間取り図を見ながら検討しよう。
同時に、家具は扉の干渉を受けない場所に置く必要がある。扉が引き戸なのか開き戸なのか、また、開き戸の場合、どちら側に開くのかも確認しておこう。
なお、引き戸の物件には、ドアを開けっぱなしにすることで部屋を広く使えるというメリットがある。一方で、遮音性やプライベート性に劣る可能性がある。家族構成や暮らし方、部屋の使い方に合っているかを検討することが必要だ。
3.収納の数や位置
収納が多いほど、荷物を納めてすっきりと暮らしやすくなる。1部屋に1つ以上の専用収納と、玄関など部屋の外にも収納スペースがあると便利だ。さらに、ウォークインクローゼットや食材をストックするパントリーなどのある物件であれば、荷物の多いファミリーでも暮らしやすい。
ただし、必要な収納も家族構成によって変わる。一人暮らしやミニマリストなどの場合、収納にスペースを割くよりも広い居室面積を確保するほうがすっきり暮らせる可能性もある。ライフスタイルに合った選択をすることが大切だ。収納位置を間取り図で確認し、手持ちの荷物の何をどこにしまうかイメージしてみよう。
4.部屋の向き
間取り図には、方位が記載されている場合もある。主に過ごす居室や寝室がどちら向きかを確認しておこう。一般的には、日当たりや採光に優れた南向きの住宅の人気が高いといわれている。
ただし、理想の暮らし方によって適した部屋の向きは変わる。朝が早い人は東向きの部屋にすると日が差し込むのが早く、早朝から活動しやすい。
また、寒がりの人は冬の午後に日が差し込んで温かい西向きの部屋が良いかもしれない。反対に、日が差し込みにくい北向きの部屋は、本などを保管するのに向いている。部屋に何を求めるのかによって検討しよう。
間取り図を見ながら実際の暮らしをシミュレーションしよう
賃貸物件を検討する際は、間取り図を見ながら実際の暮らしをシミュレーションしてみることが大切だ。そのためには、間取り図の内容を理解できるようにしておく必要がある。
MBやPSなど、日頃あまり使うことのない略語が利用されているが、一つひとつ確認していけば、特に難しいことはない。実際に利用できるスペースとそうでないスペースを踏まえて、間取り図をチェックしよう。