テラスハウスとはどんな物件?内見のときのチェックポイント4つ

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テラスハウスとは長屋のこと

テラスハウスとは
テラスハウスはシェアハウスのことではない

人気テレビ番組の影響で聞き馴染みのある人も多い「テラスハウス」だが、実際どういったものかを知らない人が多い。テレビ番組の影響からか、共同生活をするシェアハウスだと勘違いされがちだが、実はテラスハウスとは壁を共有した長屋建て物件のことを指す。

マンションのように住人全員で共有するエントランスはなく、一戸建て住宅と同様に各部屋に玄関がついているのが特徴のテラスハウスは、建築基準法では長屋に分類される。

2〜3階建てになっている物件が多く、室内の階段を使って1階と2階、3階のやり取りができる。2〜3階建ての住宅が2〜5軒連なっているイメージがわかりやすいだろう。

テラスハウスとよく似たタイプの物件に「タウンハウス」というものがある。タウンハウスも一戸建て住宅が連なった建物の構造で、建築基準法の分類もテラスハウスと同様に「長屋」にあたるのが一般的だ。外観はテラスハウスと似ているが、タウンハウスは庭や駐車場などを住民で共用するのが一般的である。分譲時の権利形態も異なり、テラスハウスは所有権、タウンハウスは区分所有権とされる場合が多い。

さらに「メゾネット」タイプの物件も、テラスハウスと似ている物件である。メゾネットは、住戸内に階段を備えた2層構造の間取りを指す形式で、建物の構造によって建築基準法上の分類が異なる。多くの場合は、マンションのように複数戸がひとつの建物内に集まっており、共用のエントランスや廊下を通って住戸に入る集合住宅として設計されているため、「共同住宅」に分類されることが一般的だ。住戸ごとに2〜3階が内部でつながっているタイプも多く見られる。

ただし、共用部分を介さず、各住戸が独立した玄関を持つ構造であれば、「長屋」として扱われる場合もある。これはテラスハウスと共通する特徴であり、両者は見た目や構造に類似点が多いが、メゾネットはあくまで間取りの形式を指す点に注意が必要だ。

テラスハウスのメリット・デメリット

テラスハウスには住むにあたりメリットとデメリットが存在する。それぞれどういったメリット・デメリットがあるかを見ていこう。

メリット

テラスハウスに住む大きなメリットは以下の3つである。

・一戸建てと同じように住むことができる
・1階と2階で居住スペースを分けられる
・上下階の騒音を気にする必要がない

一戸建てと同じように住むことができる

通常のマンションやアパートと違い玄関や階段が独立しているテラスハウスは、一戸建てと同じ感覚で暮らすことができる。共有スペースがないため、他の入居者に気を遣わず自由に出入りができるのもメリットのひとつである。賃貸物件でも戸建てのように住みたい人にとってテラスハウスは理想に近い物件だ。ただし、壁を共有している点では完全に独立した戸建てとは異なるため注意が必要だ。

テラスハウスの月々の家賃は、一戸建て住宅に比べると比較的安いことが多い。それぞれの物件の壁がつながっているテラスハウスは、一戸建てであれば2軒建てられる広さの土地に3戸分の物件を建てられるため、土地が有効活用できるためだ。

1階と2階で居住スペースを分けられる

通常のマンションやアパートに比べると、住居スペースを広く取ることができるテラスハウスタイプの賃貸物件。一般的に、1階はリビング・2階は寝室、1階は居住スペース・2階は大きな収納など生活スタイルによって部屋のレイアウトを工夫できるのが大きなメリットだ。

さらに、部屋数が多いテラスハウスは共同生活にも使いやすい賃貸物件だ。生活スペースを分けたり、プライベートスペースと共同スペースを分けたりとさまざまな使い方ができる。

上下階の騒音を気にする必要がない

テラスハウスは、賃貸マンションやアパートで気になりがちな上下階の騒音を気にする必要がない。特に小さな子どもがいるファミリーや音に敏感な人にとっては大きなメリットだといえる。

デメリット

そんなメリットがあるテラスハウスだが、もちろん万能ではなくデメリットも存在する。メリットとデメリットを加味した上で入居を検討する必要がある。

・隣の家の騒音を気にする必要がある
・集合住宅のルールがある
・窓が少ない

隣の家の騒音を気にする必要がある

隣の家と壁一枚のみで隔てられているテラスハウス。上下階の騒音は気にならないが、壁の厚さや防音の性能によっては隣の家の騒音が気になってしまう場合がある。

さらに、アパートに近い構造を持つテラスハウスは木造の物件が多い。鉄筋コンクリートが主流である通常のマンションに比べると、隣の家の騒音がより気になる可能性が高くなってしまう。隣人トラブルを防ぐためにも、生活音には配慮が必要だといえる。

集合住宅のルールがある

一戸建て住宅のような感覚で住めるとはいったものの、あくまでもテラスハウスは集合住宅であることを理解しよう。ゴミ出しやペットの飼育可否など、物件によって異なるので、入居前に確認しておく必要がある。

窓が少ない

端の部屋以外は、4面のうち2面が隣の家と隣接しているため、戸建て住宅に比べると窓の配置が限られやすく、構造上どうしても窓の数が少なくなってしまう。日当たりや風通しが気になる場合は、端の部屋を選択すると良いだろう。

テラスハウスの家賃相場はいくら?

テラスハウスとは2
テラスハウスの家賃相場が気になる

メリットもデメリットも持ち合わせるテラスハウス。次はそんなテラスハウスの家賃相場を見ていこう。

東京都23区内に存在するテラスハウス(一戸建て含める)物件の家賃相場の平均は20.15万円(2025年7月25日時点)。区ごとの主なテラスハウスの家賃相場とマンションの家賃相場をそれぞれ比較した。

23区名テラスハウス・一戸建て家賃相場マンション家賃相場
新宿区29.90万円14.80万円
品川区22.90万円13.10万円
目黒区36.50円14.70万円
大田区25.00万円12.60万円
世田谷区28.00万円13.20万円
中野区31.50万円12.90万円
杉並区27.50万円12.80万円
板橋区21.50万円11.45万円
練馬区22.50万円10.30万円
足立区20.20万円10.80万円
葛飾区19.00万円8.90万円
江戸川区17.50万円10.50万円

※出典:CHINTAIネット(一戸建て・テラスハウス・2025年7月25日時点)

どの区でもマンションと比較すると、テラスハウスの方が家賃相場は高いことがわかった。テラスハウスは通常のマンションよりもスペースが広い物件が多く専用の庭などがついている部屋があるため、家賃が高い分住みやすさも高いといえる。

テラスハウスの家賃を少しでも下げたい場合は、築年数が古い賃貸物件を狙うと良いだろう。

テラスハウスを内見するときのチェックポイント

良いテラスハウス物件に住むためには内見時のしっかりとしたチェックが重要だ。最後に内見でどのようなポイントを見るべきかを説明する。住みたいテラスハウスが見つかったらぜひ参考にしてほしい。

防音性

テラスハウスで一番のポイントといっても過言ではない音の問題。他の住人の音はもちろん、自分の生活音が漏れてないかも気になってしまい、快適な生活が送れないこともある。

上下階の騒音はないものの隣の家の生活音が気になってしまうので、選んだテラスハウスには壁にどれくらいの防音性があるかを必ず確認しよう

不動産会社に確認するほか、壁を軽くトントンと叩いて厚さや防音性をチェックするのがおすすめだ。軽い音がしたり音が響いたりするなら壁が薄い可能性が高い。

隣の家の騒音はもちろん、外の音がうるさくないかを確認することも重要だ。窓を開けた場合と閉めた場合両方の環境音を確認するのはもちろん、別の曜日や時間帯に物件の周囲を歩き、どれくらいの音の環境なのかをチェックしても良いだろう。

階段の傾斜

テラスハウスを内見するときは必ず階段の傾斜を入念にチェックしよう。内見時だけだと気にならなくても、毎日使用すると傾斜がきつい階段では1階からの行き来が億劫になってしまうからである。

特に子どもがいる家庭では、傾斜がきつい階段は足を踏み外してケガをしてしまう可能性があるので注意が必要だ。

階段が急すぎると引越しの際に荷物が搬入できない場合もある。階段のスペースや傾斜を測って、引越し会社に事前に伝えておくと良いだろう。

さらに、階段に手すりがあるかもチェックしたい。たとえ階段の傾斜が急な場合も、手すりがあるのとないのとでは安全性が大きく変わる。病気のときや寝起きのときなど、生活のあらゆるケースを想定してチェックを行おう。

庭の有無

全ての部屋に独立した玄関があるテラスハウスは、玄関の先に庭がある賃貸物件もある。ちょっとしたガーデニングや子どもの遊び場などさまざまな使い方ができ、楽しみ方が広がるだろう。

庭がついているテラスハウスの場合、その庭が専用なのか共用なのかを事前に確認すると良い。使い方にルールが設けられている可能性もあるので、しっかりチェックしておこう。

1階と2階の設備

物件によっては2階にキッチンやリビングがあるテラスハウスも存在する。それぞれの階の設備が、自分の想像するライフスタイルと合っているか確認しておく必要がある。特にトイレやお風呂といった水回りの設備は必ずチェックしよう。

テラスハウスは戸建てで住める

テラスハウスは、2〜3階建ての住宅が2〜5軒連なっている長屋建ての住宅。一戸建て感覚で暮らすことができるのが大きな特徴である。1階と2階で居住スペースを分けて暮らしたい人にはかなりおすすめの賃貸物件だ。

一方、外観や居住感覚が戸建てに近いとはいえ、構造上は隣接する住戸と壁を共有しているため、隣の部屋の騒音が気になってしまう可能性もある。構造や間取りも物件それぞれなので、内見時に気になるポイントをしっかり確認することが重要だ。

一戸建て住宅よりも比較的安く住むことができるテラスハウス。気になった方はぜひ住みたいエリアのテラスハウス物件を探してみよう。

文=CHINTAI編集部

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