同棲の入居審査と賃貸契約マニュアル|審査が厳しい理由と、スムーズに通るコツ

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同棲の入居審査と賃貸契約マニュアル。審査が厳しい理由とスムーズに通るコツ

同棲のお部屋探しで、多くのカップルが不安を感じるのが「入居審査」。未婚カップルの同棲では、一人暮らしや夫婦の入居審査に比べ、大家さん側の判断が慎重になる傾向がある。

しかし、現在の賃貸事情に合わせた正しい対策を知っておけば、必要以上に恐れることはない。本記事では賃貸借契約や入居審査の仕組みを解説するとともに、「お部屋探しのプロ」エイブル安佐南店の中村店長が審査をスムーズに通過するためのコツをわかりやすく解説する。

監修:エイブル安佐南店 中村店長

業界歴は10年超。九州・広島エリアを中心に、一人暮らしから同棲カップル、ファミリーまで数多くのお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介のプロフェッショナル。現場での豊富な経験と高い交渉力でお客様の味方となり、一人ひとりに寄り添った的確であたたかいアドバイスを送る

このページの目次

未婚カップルの入居審査。大家さんが気にする「家賃滞納」リスク

大家さんや管理会社が恐れているのは「家賃の滞納」だ。
夫婦の場合は法的な婚姻関係に基づき、互いに助け合う「扶助義務」が生じる。一方、未婚カップルの場合は「ケンカ別れ」や「ライフスタイルの変化」によって、共同生活が突然解消されるリスクが高いと判断されがちだ。 

仮に同棲を解消してどちらか一方が退去した場合、残された一人が単独で家賃を支払い続けなければならない。二人の収入を合算する前提で高めの家賃の物件を契約していた場合、一人になった途端に支払いが滞る可能性が非常に高くなる。大家さんはこの「破局に起因する家賃滞納リスク」を警戒しているのだ。

このように同棲カップルへの懸念が存在するのは事実だが、過度に恐れる必要はない。現代では家賃保証会社を利用することで、大家さん側の金銭的リスクをカバーできる仕組みが整っているからだ。

保証会社が立て替えた家賃は後日入居者へ請求されるため、支払い義務自体が消えるわけではないが、大家さんにとっては「家賃が入ってこない」という最悪の事態を防げる大きな安心感となる。

大家さんの不安を先回りして解消し、信頼性をアピールするための重要なポイントを押さえておこう。

同棲カップルの入居審査に通りやすくする3つのポイント

1. 収入が安定している方を「契約者」にする

二人のうち、勤続年数が長く、雇用形態(正社員など)や毎月の収入がより安定している方を主たる契約者にしよう。

ここで注意したいのが、同棲の審査特有の落とし穴だ。家賃の予算決めでは「二人の手取り額を合計した3分の1以下」が目安になるが、入居審査では原則として「契約者(1人)の収入単体」で支払い能力が判断される ことが多い。

そのため、主たる契約者1人の収入だけで「家賃の3倍の月収(家賃が月収の3分の1以下)」を満たしていると、審査の通過率が一気に高まる。

もし単独の収入では審査基準に届かない場合は、事前に不動産会社へ「二人分の収入を合算して審査を受けられる『連名契約(二人とも契約者になる形)』が可能な物件はないか」と相談してみよう。 

2. 「婚約中・入籍予定」と書かなくても、不利にはならない

ネットでは「将来的に結婚を見据えているなら、申込書に『婚約中』と明記することで大家さんに安心感を与えられ、審査に通りやすくなる」と書かれていることがある。しかし、中村店長によるとこれは少し古い常識のようだ。

現在では「婚約中」でも「同棲」でも審査の不利・有利に差はなく、大家さんも過度に気にしないケースが増えている。むしろ苗字が変わると手続きが必要になるため、結婚する予定が明確にある場合のみ、不動産会社に口頭で一言添える程度で十分だ。

3. 保証会社を利用し、「緊急連絡先」に双方の親を立てる

かつては同居するパートナーの親にも「連帯保証人」になってもらうケースが多かったが、現在は民法改正などの影響もあり、保証会社への加入がほぼ必須となっている。

そのうえで、万が一に備えて「双方の親を緊急連絡先に設定する」よう求められるケースが多い。「双方の親公認の同棲であり、いざという時に連絡がつく」という事実は、大家さんにとって十分な安心材料となるのだ。

「同棲だから」という理由で大家さんに難色を示されたり、審査に不利になったりすることは今ではほとんどありません。かつて大家さんが最も警戒していたのは「別れて家賃が回収できなくなるリスク」でしたが、現在は手厚い保証内容の保証会社を利用することで、その金銭的リスクが完全に解消されるようになったからです。

混同しがち!賃貸借契約の「契約者」と住民票の「世帯主」の違い

部屋探しにおいて、多くのカップルが混同しやすいのが「契約者(名義人)」と「世帯主」という言葉だ。一言で言えば、「契約者」は大家さんに対して家賃を支払う人のことで、「世帯主」は役所に届ける住民票上の代表者のこと。それぞれ「不動産契約」と「行政手続き」という全く別の枠組みの言葉である。正しい違いを整理しておこう。 

賃貸借契約の「契約者(名義人)」とは?

契約者とは、大家さんや管理会社に対して「家賃を支払う義務を負い、部屋を借りる権利を持つ人」のことだ(契約書では「賃借人」と記載される)。不動産会社との間で交わす「賃貸借契約」における主役であり、入居審査の主な対象となる。同棲の場合、契約の形には主に以下の3つのパターンが存在する。

契約の
パターン
メリットデメリット
パターン1:
代表者1名が契約
・手続きがシンプル
・同居人の親は「緊急連絡先」のみで済むことが多い
契約者が部屋を出ていく場合、残された同居人も退去せざるを得ない
パターン2:
代表者1名が契約+保証人は「双方」
パターン1より入居審査に通りやすい
パターン3:
連名契約
・入居審査において有利
(家賃の支払い能力が、二人の収入合算で判断される)
・片方が部屋を出ていく場合も、「再審査・契約の結び直し」を経て住み続けることが可能
・契約時、必要書類等の手間が2倍になる
・片方が出て行ったとしても「契約者としての支払い義務」が残り続ける

パターン1:代表者1名が契約

収入が多い一人が「契約者」となる形。手続きが最もシンプルで、同居人(パートナー)の親は「緊急連絡先」の登録のみで済むことが多い。ただし契約者が部屋を出ていく場合、残された同居人も退去せざるを得ないリスクがある。

パターン2:代表者1名が契約し、双方の親が連帯保証人になる

大家さんに安心感を与えられやすいが、双方の親に連帯保証人を頼み、印鑑証明書や収入証明書などを提出してもらう必要があり、親の心理的・手続き的負担が大きい。
なお、保証会社が主流となった現在では、このケースは減少傾向にある。

パターン3:二人がそれぞれ契約(連名契約)

二人ともが名義人となり、それぞれが家賃支払いの義務を負う形。二人の収入を合算して審査を受けられるため、家賃が高い物件を借りやすいメリットがある。反面、契約時の必要書類の手間は増える。

また、仮に片方が部屋を出ていき、もう一人は住み続けるという場合には「再審査・契約の結び直し」が必要になる。もし契約がそのまま残っている場合、出て行った側も引き続き家賃の支払い義務(連帯債務)を負い続けることとなる。契約変更や解約をめぐってトラブルになりやすい点は留意しておこう。

住民票の「世帯主」とは?

世帯主とは、引越し後に市区町村の役所で行う住民票の手続き(転入・転居届)において「その世帯の生計を維持している代表者」のこと。これは行政上の区分であり、賃貸借契約の「契約者」と必ずしも同一である必要はない。

世帯主の決め方や住民票変更時の注意点はこちら

同棲を解消(破局)した場合の契約リスク

万が一「同棲を解消することになった場合」の法的なリスクについて、事前に確認しておくことは極めて重要である。

契約者ではない側は、そのまま住み続けられない?

賃貸借契約における「部屋に住む権利」は、原則として契約者本人に帰属する。もし契約者であるパートナーが出て行き、同居人だった自分がそのまま部屋に残り続けたいと思っても、大家さんや管理会社から拒否されるケースがある。契約者が解約手続き(退去予告)を行ってしまえば、同居人も一緒に退去しなければならないのが法的な原則だ。

名義変更は原則NG!再契約には初期費用が再度かかることも

「契約者をパートナーから自分に名義変更すればいいのでは?」と考えがちだが、賃貸借契約において途中の名義変更は原則として認められない。名義を変えるということは、「現在の契約を一度解約し、新しい契約を結び直す(再契約)」ということになるためだ。

残された側がそのまま住み続けるためには、改めて自分単独の収入で入居審査を受け直し、さらに敷金・礼金や仲介手数料などの初期費用を再度支払わなければならないケースがほとんどである。こうした退去時のトラブルや金銭的リスクを防ぐためにも、最初の契約名義は慎重に決める必要がある。

同棲の賃貸契約をスムーズに進めるための手順と必要書類

気になる物件が見つかった後、審査や契約の手続きでつまずいて他の人に物件を取られてしまわないよう、必要な書類とスムーズに進めるためのプロのコツを押さえておこう。

申し込みから入居までの流れ

物件が決まってから入居までの一般的な手順は以下の通りだ。

  1. 入居申し込み:申込書の記入、必要書類の提出
  2. 入居審査:不動産会社や大家さん、家賃保証会社によるもの(2日〜1週間程度)
  3. 重要事項説明:宅地建物取引士による、契約内容の説明
  4. 初期費用(契約金)の支払い、契約
  5. 鍵の引き渡し(契約締結当日~入居日)、入居

上記1~5ステップにかかる期間は、通常「約2〜3週間」程度となる。

契約に必要な書類リスト

同棲の場合、主たる契約者だけでなく「同居人(パートナー)」の書類も同時に求められるため、準備に時間がかかりやすい。不備があると審査がストップしてしまうため、先回りで用意しておこう。

対象者必要な書類等
契約者本人 (名義人)・身分証明書(免許証・保険証等)
・収入証明書(源泉徴収票や確定申告書)※
・住民票※
・印鑑(実印を求められる場合あり)
同居人 (パートナー)・身分証明書(免許証・保険証等)
・住民票※
連帯保証人・連帯保証人引受承諾書(署名・捺印)
・印鑑証明書
・収入証明書
※収入証明書や住民票は、3ヵ月以内に発行されたものを提出するのが一般的

スムーズに契約を結ぶためのコツを「お部屋探しのプロ」エイブルが解説

親の承諾は内見前に得ておくこと

中村店長によると、自分たちだけで盛り上がって物件を申し込み、いざ実家に帰って報告したところ親から猛反対されてキャンセルになる……というケースがよくあるという。契約時には、保証会社の緊急連絡先として親の電話番号を記載する場合も多い。事前に同棲の報告と承諾を得ておくことが、最も強力な審査対策となる。

入居審査や初期費用のスケジュールも把握しておく

友人同士のルームシェアや同棲の場合は、手厚い保証を備えた保証会社への加入がほぼ必須となっている。また、申し込みから家賃発生までのスケジュールや初期費用の相場を正しく把握しておかないと、後から「予算が足りない」と焦ることになる。

入居申し込みをすると、通常1ヵ月以内には家賃が発生します。例え入居希望日が数ヵ月先であっても、家賃の発生を待ってもらうことは原則できません。引越し希望時期より早すぎるご来店には注意が必要です。また、初期費用の相場は「家賃の4〜6ヵ月程度」ですので、事前にお互いで費用感を共有し、資金計画を立てておくことが大切です。

Q&A

Q1:新居の家具やインテリアを決める時のコツが知りたい

A1:二人の好みが違う場合、お互いの意見を少しずつ取り入れた「折衷案」にするのは実はNG。誰の好みでもない中途半端な部屋になってしまうため、「リビングは自分、寝室は相手の好みにする」など、スペースごとに担当を分けるのが失敗しないコツだ。

Q2:引越しの挨拶は二人揃って行くべき?

A2:新生活を気持ちよく安心してスタートするためにも、引越しの挨拶はできれば二人揃って行くのがおすすめだ。どんな人が住んでいるのかお互いに顔を知っておくことで、防犯や将来的なご近所トラブルの防止にもつながる。手土産の選び方や訪問のマナーを押さえておこう。

Q3:これから始まる同棲生活、喧嘩せずに仲良く過ごす秘訣は?

A3:大好きな人との暮らしはワクワクする反面、生活習慣の違いでイライラしてしまうことも。家事の分担や生活費の管理など、無理のないルールを事前に話し合っておくことがずっと仲良しでいるための秘訣だ。事前に決めておきたいルールについては以下を参考にしてほしい。

まとめ

同棲の「審査」と「契約」は、二人の新生活への本気度が試される最終関門。収入の安定している側を契約者に据え、双方の親の協力をしっかりと取り付けるという正しい手順を踏めば、審査の壁を過度に恐れる必要はまったくない。「契約者」と「世帯主」のルールも正しく理解し、二人で力を合わせて最後のステップをクリアし、最高のスタートをきってほしい。

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