【弁護士監修】賃貸のエアコンが故障!連絡先や対処法、修理代の負担などを解説

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【弁護士監修】賃貸のエアコンが故障!連絡先や対処法、修理代の負担などを解説

賃貸物件で暮らしていると、「猛暑日にエアコンから冷たい風が出ない」「真冬に突然暖房が止まった」といったエアコンのトラブルに見舞われることがある。

「早く直したい!」と自分で修理を手配する人もいるかもしれない。しかし、備え付けのエアコンの修理にはルールがあり、良かれと思った行動が思わぬ費用負担を招くケースもある。

本記事では弁護士監修のもと、賃貸のエアコンが故障した際の正しい対処法と、修理費用の負担ルールを紹介。また、大家さんに連絡する前に自分で確認すべきポイント、そして日頃からできるメンテナンスについても詳しく解説するので参考にしてほしい。

※記事の内容は、2026年9月の法令・情報に基づいています

芝大門法律事務所 高橋真司先生

慶應義塾大学卒業後、99年に弁護士登録・芝大門法律事務所へ入所。不動産紛争、居住者間のトラブルなど多くの大家さんが悩むテーマを中心に取り扱う「不動産問題のプロ」。著書に「賃貸住宅の法律Q&A」(大成出版社・共著)ほか。

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大家さん・管理会社に連絡する前に!まずは自分で確認すべき3つのポイント

エアコンが動かない=故障、と考えてしまいがちだが、実は簡単な見落としが原因であるケースも非常に多い。大家さんや管理会社に慌てて連絡する前に、まずは以下の3つの事態が起きていないか確認してみよう。

ポイント①:リモコンの電池切れや設定ミス

最も多く、かつ意外と見落としがちなのが「リモコン」のトラブルだ。電池が切れかかっているとエアコン本体へ正常に信号が送れないことがある。 まずは電池を新しいものに交換し、液晶表示が薄くなっていないか確認しよう。

また、「冷房・暖房・ドライ」などの運転モードの設定ミスや、設定温度が適切でないケースも多い。室温が低いときに冷房を使う・室温が高いときに暖房を使うと、エアコンは稼働しづらくなる。現在の室温と設定温度をもう一度見直そう。

ポイント②:室外機の周りに物を置いていないか

「電源はつくのに冷風(温風)が出ない」という場合は、ベランダ等にある室外機の周辺をチェックしよう。 室外機が正常に動いていないと、エアコンは機能しない。たとえば冷房の使用時、室外機からは熱い風が排出されているが、周囲に荷物や鉢植えなどを置いてふさいでいると、熱がこもってエアコンの効きが悪くなってしまう。

また、室外機に直射日光が当たって高温になりすぎている場合も、排熱がうまくできずにエアコンに負担がかかる。室外機カバーで日陰を作るなど、対策が必要だ。

ポイント③:冬場なら「霜取り運転」の可能性も

冬場に暖房を使っている際、急に温風が止まった場合は「霜取り運転」を行っている可能性が高い。霜取り運転とは、室外機の周りについた霜を溶かす動作のこと。大雪の降る日など、気温が大幅に下がる日に起こりやすい。

霜取り運転中は室内のエアコンが一時停止するが、通常10分程度で自動的に運転が再開されるので、慌てずに待ってみよう。 ただし、20分以上待っても再開されない場合は、フィルターの詰まりなど別の原因を疑おう。

【要注意】エアコン専用ブレーカーが落ちている場合は「即連絡」!

エアコンの電源が入らない場合、分電盤にある「エアコン専用回路」のブレーカー(安全ブレーカー)が単独で落ちているケースがある。エアコンは消費電力が大きいため、部屋全体のメインブレーカーとは別に、専用のスイッチが設けられていることが一般的だ。

しかし、ここで注意が必要である。「他の部屋でドライヤーや掃除機を使った」という理由で、エアコン専用のブレーカーが単独で落ちることはない。もし専用ブレーカーのみが落ちていた場合、エアコン本体や室外機のショート(故障)、あるいは漏電といった深刻な電気トラブルが発生している可能性が高い。

漏電や故障が原因の状態で、自己判断で無理にブレーカーをONに戻すと、火災や感電のリスクがあり非常に危険だ。専用ブレーカーが落ちているのを発見した際は、絶対にそのままスイッチを上げず、速やかに大家さんや管理会社へ連絡して専門業者による点検・修理を依頼しよう。

故障が確定したら!まずやるべきことと基本ルール

上記の4つのポイントを確認しても動かない場合は、故障の可能性が高い。すみやかに以下の基本ルールに従って行動しよう。

ルール①:すぐに大家さん・管理会社へ連絡を

「エアコンの具合がおかしい」と感じた時点で、早めに大家さんや管理会社へ連絡することが重要だ。特に夏や冬など、エアコンの使用が集中する繁忙期は注意が必要。修理会社への依頼が増えるため、対応してもらえるまで数日から1週間程度待つこともある。部品交換が必要な場合は、さらに時間がかかるケースもあるため、早めに連絡して修理までの待ち時間によるストレスを軽減しよう。

ルール②:自分で勝手に修理したり、故障を放置したりするのはNG!

「すぐに直したいから」と、大家さんに連絡せずに自分で修理会社を手配するのはNGだ。勝手に修理してしまうと、本来大家さんが負担するはずだった費用を入居者が自己負担することになりかねない。

なぜなら、大家さん側が事前に状況を確認できていないため、「そもそも本当に故障していたのか」という事実自体が不明瞭になるリスクがあるからだ。

また、「調子が悪いけどまだ動くから」と不具合を放置して悪化させた場合も、入居者の過失(善管注意義務違反)とみなされて修理代を請求される恐れがある。この場合、「放置したことが原因で修理範囲が拡大し、増加してしまった分の修理費用」については、入居者が請求される恐れがある。

エアコンに限らず、賃貸物件の設備が故障した際の基本ルールは共通しています。勝手な修理手配や、不具合の放置はトラブルの元です。自己負担になってしまうケースの詳細は、設備トラブルの基本ルールを解説した以下の記事をあわせて確認してください。

賃貸のエアコンの修理費用は誰が負担する?

賃貸のエアコンが壊れた際、修理費用や交換費用は誰が負担するのだろうか。結論から言うと、そのエアコンが「設備」であれば、費用は基本的に大家さんの負担となる。

「設備」と「残置物」で負担者が変わる

賃貸物件に入居時から備え付けられている備品や設備(付帯設備・初期設備)は、貸主(大家さん)の持ち物だ。そのため、「使用年数による寿命」や、「取扱説明書通りに普通に使っていたのに、内部の部品などが勝手に壊れてしまった(自然故障)」というケースであれば、大家さんの費用負担で修理・交換してもらえる。

しかし、前の住人が置いていった「残置物」である場合は、大家さんに修理義務はなく、入居者が自費で対応しなければならない可能性がある。エアコンが設備なのか残置物なのか分からない場合や、見分け方については以下の記事を参考にしてほしい。

【⑪記事目のリンクを貼ります】

エアコンが使えない期間は「家賃減額」のルールも

真夏などにエアコンが完全に壊れ、修理に日数がかかってしまう場合、2020年4月の民法改正に基づく「家賃減額」の対象になる可能性がある。 日本賃貸住宅管理協会のガイドラインでは、エアコン故障時の減額目安を以下のように定めている。

  • 減額の目安: 月額家賃の10%(季節や間取りにより変動あり)
  • 免責期間: 3日間(使えなくなってから「4日目以降」が減額対象)
  • ホテル代の補償: 原則対象外(大家さんにホテル代を負担する義務はなく、あくまで家賃の減額のみ)

例:家賃8万円の物件で、エアコンが7日間使えなかった場合
・免責期間の3日を引いた【4日分】が対象
・目安:約1,066円の減額(8万円×10%÷30日×4日)

上記はあくまで目安であり、最終的には話し合いとなります。減額が認められるには「故障を発見して速やかに大家さんに連絡していること(放置していないこと)」が大前提です。

その他の設備の減額目安など、詳しいルールについては以下の記事を参照してほしい。

自分でできる!エアコンの故障リスクを減らす対策

エアコンが故障した際は基本的に大家さん負担で直してもらえるが、繁忙期は修理に時間がかかる。できることならエアコンが故障してしまう前に、日頃からリスクを減らす行動をとることが大切だ。

対策①:負担のかかる使い方をしない

極端な設定温度はエアコンに大きな負担をかける。室温と設定温度の差は「5℃以内」にするのがおすすめだ。また、冷房と暖房を頻繁に切り替えたり、短時間で電源をつけたり消したりを繰り返すことも、故障の原因になりかねないため避けよう。

対策②:使わない時期も「慣らし運転」を行う

エアコンは夏と冬しか使わないという人も多いが、長期間使わないと内部にホコリが溜まり、寿命が短くなってしまう。使わない時期(春や秋)でも「月に1回程度」は慣らし運転を行おう。

また、オフシーズンにプラグを抜いて節電している場合、久しぶりに使う際は、いきなり電源を入れずに「数時間前からプラグを差し込み、通電させておく」ことで本体への急激な負荷を防ぐことができる。

対策③:定期的にフィルター掃除を行う

エアコンは室内の空気を吸い込むため、ホコリやゴミで汚れやすい。汚れが溜まるとエアコンに負担がかかるため、定期的なフィルター掃除は欠かせない。 夏場や冬場など頻繁にエアコンを使用する時期には、故障防止と節電を兼ねて、2週間に1度の頻度でフィルターの丸洗いを行うのがおすすめだ。

注意!クリーニングを依頼する際は事前に許可を

「フィルターの奥の汚れが気になるから、プロの業者にクリーニングを頼もう」と考える人もいるだろう。しかし、ここにも注意が必要だ。

エアコンは大家さんの所有物(設備)なので、入居者の自己判断で勝手にクリーニングを依頼するのは避けましょう。万が一、清掃中に水漏れが起きたり、洗浄液で部品が故障したりした場合、「誰が責任を取るか」でトラブルになる恐れがあります。クリーニングを頼みたい時は、必ず事前に大家さんや管理会社へ相談し、許可を得てから手配してください。

まとめ

賃貸物件でのエアコン故障時の対応と、日頃のリスク対策に関するポイントは以下の通りだ。

  • 備え付けのエアコンが故障したら、勝手に修理せず、大家さんに連絡する
  • 不具合を放置するのは「善管注意義務違反」となりNG 
  • エアコンが「設備」であれば、修理・交換費用は基本的に大家さんの負担になる
  • 故障を防ぐため、日頃からフィルター掃除や月に1回の慣らし運転を行う

真夏や真冬にエアコンが使えなくなるのは死活問題だ。日頃の丁寧な使い方と定期的なメンテナンスを心がけ、万が一の故障の際には正しい手順で管理会社へ連絡しよう。

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