同棲の引越しにかかる初期費用はいくら?安く抑える9つのコツも伝授

同棲の引越しにかかる初期費用とは
同棲で必要となる具体的な初期費用は、主に物件の契約に関わる費用、引越し費用、家具・家電の購入費用の3つに分けられる。なかでも多くを占める物件に関する費用は、住むエリアの家賃相場によって大きな差が生じる。
たとえば東京都内で1LDKの賃貸物件を選ぶ場合、初期費用の目安は約100万円ほど。ここからは、その内訳について詳しく解説していく。
この記事でわかること
同棲を始めるのにかかる初期費用の目安は、物件入居55万円、引越し8万円、家具30万円
引越し費用を抑えるなら「相見積もりをとる」「閑散期を狙う」「荷物を少なくする」で工夫
経験者にアンケート!実際にかかっていた生活費は3〜5万円台だった
このページの目次
同棲にかかる初期費用➀物件にかかる初期費用の目安
- 費用目安:55万円
東京都内にある家賃10万円の賃貸物件に入居する場合、初期費用の目安は55万円だ。内訳は以下のとおり。
当月分の家賃(=日割り家賃) | 50,000円 |
翌月分の家賃(=前家賃) | 100,000円 |
敷金(1ヶ月分) | 100,000円 |
礼金(1ヶ月分) | 100,000円 |
仲介手数料(家賃1ヶ月分+消費税) | 110,000円 |
火災保険料 | 18,000円 |
鍵の交換代 | 16,500円 |
保証会社利用料 | 50,000円 |
このように入居する物件の家賃の額によって、敷金や礼金などの金額も変わってくる。また物件によっては消臭・消毒などで、プラスの費用が必要となるケースもあるだろう。しかし、これらが任意なら支払う必要はない。
家賃額を決める目安のひとつが、手取り収入の3分の1に抑えること。手取り30万円の場合は約10万円以内、40万円の場合は約13万円以内を目安にすると、同棲生活をスムーズに始められるはずだ。
同棲にかかる初期費用②引越し費用の目安
- 費用目安:8万円程度
引越し費用は搬入する荷物の量や、移動距離によって大きく変わってくる。
また、注意したいのが引越しをする時期だ。大学入学や卒業、会社への入社、異動などが集中する春の時期は、他の時期と比べて引越し料金は高くなる。
同棲にかかる初期費用➂家具・家電の購入費の目安
- 費用目安:30~40万円
同棲するためには家具や家電も必要だ。二人用のベッドやソファ、冷蔵庫などを一通り新品で揃えると大きな出費となる。
ダブルベッド | 50,000円 |
ベッドカバーや枕など | 15,000円 |
ソファ(二人掛け用) | 40,000円 |
テーブル | 25,000円 |
洗濯機(7kg以上に対応) | 70,000円 |
冷蔵庫(300L以上) | 90,000円 |
電子レンジ(20L以上) | 15,000円 |
テレビ(40型) | 60,000円 |
カーテン(3窓分) | 20,000円 |
人によって必要なものはそれぞれ変わってくるので、上記に挙げた品物の種類や価格は若干変動することが予想される。また、部屋の大きさや生活スタイルによっても変わるので、あらかじめ予備費を設けておいた方が良いだろう。
同棲にかかる初期費用を安く抑えるコツ~物件選び編~
先に述べたように、賃貸物件契約に関する費用が初期費用の多くを占めている。また、家賃は毎月コンスタントに支払うことになるため、多くのカップルができるだけ安く抑えたいと思っていることだろう。ここからは、物件選びで費用を抑えるコツを3つ紹介する。

敷金・礼金なしの物件を選ぶ
多くの賃貸物件では敷金や礼金がかかるものの、それらが不要なところも少なくはない。契約書の内容にもよるが、おおよそ家賃2ヶ月分の節約が叶うことになる。
ただし、敷金がない物件に入居する際は注意してほしい。敷金は賃料の未払い・不払いに対する補填のほか、入居中の不注意、または故意で発生した物件への傷・汚れに対する修繕費用としてあてがわれる。敷金不要の物件で傷や汚れが発生した場合、退去時に支払いが必要になるかもしれない。
フリーレント物件を選ぶ
フリーレント物件を選ぶのも、初期費用の節約が叶うおすすめの方法だ。フリーレントとは、大家さんが決めた一定期間、家賃が無料となる契約形態のことを指す。
物件の契約日から一定期間は家賃が無料となり、期間が終わると家賃が発生する。具体的な期間は物件によってさまざまだが、1ヶ月分の家賃を無料にしているところが多い。
ただし、短期間の利用には向いていない。多くのフリーレント物件では最低利用年数が示されており、短期で解約すると違約金が発生するおそれがある。仕事をしている場合、異動の可能性はないかなど、長期間利用できるかどうかを確認してからフリーレント物件に申し込むと安心だ。
不動産会社に仲介手数料の値引き交渉をしてみる
可能であれば、不動産会社の担当者に仲介手数料の値引きをしてもらえないか交渉してみよう。仲介手数料とは、賃貸物件を契約する際に仲介をしてくれた不動産会社へ支払う費用のことだ。物件の案内や重要事項の説明、大家との交渉、契約締結などの対価として支払う。
仲介手数料の相場は家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分。料金は会社ごとに決められているので、値引き交渉自体はおかしいことではない。仲介手数料は会社の利益に関係してくるものなので、むやみに値引きをお願いするものではないが、「これぐらいの予算なら契約できる」と具体的な金額を示しながら丁重な姿勢でお願いしてみよう。
同棲にかかる初期費用を安く抑えるコツ~引越し編~
引越しに関わる費用も、少し工夫をすることで安く抑えられるようになる。自身のスケジュールや状況に合わせて無理のない範囲で実践してほしい。

引越し業者は相見積もりを取って選ぶ
引越し業者によって具体的な料金が異なるため、1社だけでなく複数の引越し業者へ同じ条件で見積もりの依頼をしよう。他の業者の料金がわかっていれば、特定の業者との料金交渉もスムーズに進められるはずだ。なお、相見積もりができるサイトもあるので、それらを上手に活用すると良いだろう。
引越し日を平日や業者の閑散期に設定する
引越し業者の料金は時期によって変動する。利用者が集中する土・日・祝日や、前述した春の時期は総じて引越し費用が高い。
反対に、平日や閑散期と呼ばれる時期は利用者が集中しないため、ほとんどの引越し業者では値下げをする。業者によって違いがあるものの、一般的に閑散期は毎年6月・11月・1月の3つ。
6月は梅雨で天気が安定しないこと、11月は第二の繁忙期(9月頃)が落ち着くこと、1月は年始で引越す人が少ないことから引越し件数が減る。時期の調整ができる場合、平日や閑散期の引越しを考えてみよう。
荷物をなるべく少なくする
引越しプランにもよるが、引越し料金は搬出・搬入する荷物量に比例することが多い。そのため、荷物の量をなるべく少なくすることで引越し費用も抑えられるようになるだろう。
引越しを片付けのチャンスとして捉え、家の中にあるものを整理してみてほしい。使わなくなったものや着ることのない洋服などを処分することで、引越しの荷物量を減らせる。
混載便や帰り便、フリー便を利用する
混載便や帰り便、フリー便といったプランを用意している業者もあり、通常のプランよりもお得に引越しができる。混載便は、同じエリアへ引越しをする、他の人の荷物と一緒に運ぶプランのこと。ただし、荷物がある程度集まらないと利用できないことから、荷物の到着日を指定できないのが一般的だ。
帰り便は、引越しが終わった後の空いたトラックを利用して引越しを行うプランのこと。ただし、スケジュールが不定期となるため、日程や時間帯の指定は基本的にできない。
フリー便は、引越しの時間を指定しないプランのことを指す。業者のスケジュールに合わせて、空いた時間帯に引越し作業を行ってもらえるが、繁忙期では早朝や夜遅い時間に作業が始まることも少なくはない。そのため、時間にゆとりがある方や不規則な対応にも慣れている方におすすめのプランとして知られている。
同棲にかかる初期費用を安く抑えるコツ~家具・家電購入編~
家具や家電をすべて新品で揃えようとした場合、出費がかさんでしまうことが予想される。ここからは、家具・家電の購入費用を安く抑えるコツについて解説していく。
リサイクルショップやフリマアプリで購入する
節約のために、新品ではなくリサイクルショップやフリマアプリで販売されている中古品を購入すると良いだろう。使用感や傷・汚れの程度などは商品によって異なるものの、中には新品と同じようなクオリティのものも少なくはない。
ただし、家電の場合はメーカー保証期間が終わっている可能性があったり、新品よりも早く寿命を迎えてしまったりすることも想定される。予算や目的、ニーズに合わせて購入するかどうか検討してほしい。
最初に揃えず、必要になったタイミングで購入する
同棲を始める際、いきなりすべての家具・家電を揃えず、必要になったタイミングでその都度購入するのも良いだろう。最初に家具や家電を揃えたとしても、実際には使わない可能性も考えられる。最初はベッドや冷蔵庫、洗濯機や電子レンジといった最低限の家具・家電だけを準備しておき、必要に応じて買い足していくのがおすすめだ。
また、お互いが既に一人暮らしをしている場合は、現在使っている家具・家電で引き続き使えそうなものを持ち寄ると良いだろう。
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確認しておきたい!同棲の引越しのおおまかな流れ
まずは引越しを始めるまでの流れを理解しよう。直前に準備を始めると料金が高くなるおそれがあるので、早めに動くことを心がけることが大切だ。

同棲の引越しが決まったらすぐにやること
- 引越し日時を決める
- 引越しのおおよその予定を組む
- 不動産管理会社へ住んでいる物件の退去の申請
まずは、引越し日時を確定させることで、逆算して予定を立ててほしい。間際になって日時を決めると、引越し料金が高くなる可能性が出てくる。
また、今住んでいる住居が賃貸であれば1~2ヶ月前を目安に申し出よう。
同棲の引越し1ヶ月前~2週間前までにやること
- 引越しの見積もり
- 不用品の整理
- ガス、水道、電気などの使用停止・開始手続き
引越しの見積もりは、インターネットを使って同時に依頼すると良いだろう。業者によってサービスや料金が異なるため、自分に合った業者を選ぶことが大事だ。不用品の整理は、引越しの荷物の量にもつながってくるので、早めに対応してほしい。また、ガス・水道・電気などの使用停止は立ち合いが必要となるケースもあるのでこちらも早めに動こう。
同棲の引越し2週間前~引越し当日までにやること
- 転出、転居の手続き
- 郵送物の転送手続き
- 引越しの荷造り
引越し2週間前からはやることが一気に増えてくる。住民票などの異動は、引越し後でも問題ないが、期限などもあるので気をつけよう。また、転入先では国民年金保険の手続きも必要となる。郵送物の転送手続きは窓口だけでなくインターネットでも可能なので、日中窓口に行けない人は利用してみると良いだろう。
大変だと思われがちな荷造りだが、大型家具や家電製品などは、基本的には業者が梱包してくれる。しかし、日用品などの梱包は自分で行う必要があり、当日までに作業が完了するよう、スケジュールを組んで少しずつ進めていかなければならない。
同棲の引越し当日にやること
- 引越し先ですぐに使うものの確認
- 引越し作業員との打ち合わせ(荷物の搬出・搬入、作業確認)
引越し当日まで使用していたもの(寝具など)は、引越し先ですぐに使うはずなので、段ボールに何が入っているかわかるようにしておこう。また、引越し作業員には壊れやすいものなどをあらかじめ伝えておくと安心だ。
【アンケート】引越し後の同棲で生活費がどれくらいかかるのか
引越しが終わった後は実際に生活が始まる。生活費について同棲経験者にアンケートを取ったので、結果を見ながら今後の節約に活かしていこう。

続いて、毎月の二人の食費についても見ていこう。食費のアンケート結果だが、3万円台・4万円台・5万円台がそれぞれ約15~20%を占めていて、バラつきがある印象だ。
食費に関しては、カップルによって外食をするかしないかによって異なってくるので、バラつきが出て当然かもしれない。食費にお金をかけ過ぎているようであれば、上記の結果をもとに考え直してみるのも良いだろう。
同棲経験ありの先輩カップルが語る「引越しの注意点」
ここからは、実際に同棲をしているカップルへのインタビューを紹介する。今回は引越しの注意点について、2組の先輩カップルに伺った。
東京都 Aさん(男性)・Kさん(女性)カップルの場合

「お互い一人暮らし同士からの同棲だったので、家具・家電がすべて重複しており、どちらも持っている状態でした。時間もなかったので、どっちのものを使うのか決めるのが大変でした。」(Aさん・男性)
「ソファもお互い1個ずつあった状態でした。私はお気に入りのソファを手放したくなく、たまたま彼氏は家具に文句を言う人ではなかったため良かったのですが、二人の意見が合わなかったら大変だと思います。」(Kさん・女性)
Aさん・Kさんカップルは、時間がない中二人が持っている家具家電をどうするかで悩んだ様子。処分が必要な場合、別途代金がかかったりするので、よく話し合って決めることが重要だ。
千葉県 Yさん(男性)・Mさん(女性)カップルの場合

「一人暮らし時代の不用品は、洗濯機や冷蔵庫、イケアラックなどの家具はすべて処分し、売れるものはひたすらジモティーアプリで売りました。たまたまうまくいってほぼ全品渡せました。」(Yさん・男性)
「あとは、お互いの荷物の量をチェックしてから間取りを選んだ方が良いです。自分たちは一人暮らし時代に使用していたものを捨てたくなかったので、総量がすべて入ることが絶対条件でした。」(Mさん・女性)
家具や家電などは、フリマやオークションを使ってうまく処分した様子。また、間取り選びで迷ったら、荷物の総量から逆算して決めるのも良いかもしれない。
初期費用を把握し、安心して同棲生活をスタートしよう!
同棲生活をスムーズに始めるためには、物件の契約や引越し、家具・家電の購入などに関わる初期費用を把握することが欠かせない。居住するエリアや物件の種類などにもよるが、東京都内で1LDKの賃貸物件で生活を始める場合、約100万円の初期費用が必要だ。
今回紹介した初期費用を抑えるコツを参考にしつつ、無理のない範囲で節約しながらワクワクする同棲生活をスタートさせよう。
2022年1月加筆=CHINTAI情報局編集部