同棲カップルには「共同口座」が便利?作るメリットやデメリット、開設手順 を徹底解説
同棲の生活費管理。共同口座は作るべき?
憧れや期待が大きい同棲生活だが、お金の管理でトラブルになりやすいという一面もある。お金の話はしにくいものだが、一緒に生活をするときには必ず話し合ってお金の管理方法を決めておくべきだ。
お金の管理はさまざまな方法があるが、そのひとつが共同口座の開設だ。共同口座はお金の流れが把握しやすいため、お金の管理が苦手なカップルにおすすめの管理方法である。
そこで今回は、同棲カップルが共同口座を作るメリットや注意点について紹介する。作成手順についてもお伝えしているので、お金の管理方法のひとつとして参考にしてほしい。
この記事でわかること
共同口座をつくるメリット・デメリット
共同口座の作り方
共同口座以外のお金の管理方法3選
共同口座とは?
共同口座とは、パートナーと共有して使う口座のこと。個人がそれぞれ持つ口座とは別に、口座を作る。
共同口座でお金を管理する場合、家賃や食費をはじめとする同棲に必要な費用は共同口座から出す。このため、面倒な計算やお金の受け渡しが必要なく、支出の管理がしやすい点がメリットだ。
共同口座の活用シミュレーション
共同口座は、2人で決めた金額を毎月決まった日に入金する方法が一般的だ。
ここでは、2021年に総務省が実施した家計調査をもとに、二人暮らしの1ヶ月の生活費を大まかに見てみよう。
1ヶ月の生活費目安
費用項目 | 費用 |
---|---|
家賃 | 80,000円 |
光熱費 (電気・ガス・水道) | 20,000円 |
食費 | 83,000円 |
家具・家事用品 | 12,000円 |
被服及び履物 | 8,000円 |
保健医療 | 16,000円 |
交通・通信 (自動車等関係費含む) | 33,000円 |
教育 | 600円 |
教養娯楽 (書籍・旅行費用等) | 30,000円 |
その他の消費支出 (美容・交際費等) | 66,000円 |
合計 | 348,600円 |
※その他項目は、総務省 「家計調査 二人以上の世帯 2021年」を参考に算出
※参考 総務省統計局 「家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)」
上記の生活費を例にすると、毎月2人で約18万円ずつ共同口座に入金し、そこから生活費をやりくりする。入金額を少し多めにしておけば、何かあったときに臨機応変に対応することも可能だ。節約などで余った生活費は貯蓄に回すこともできる。
同棲に必要な費用については以下記事もチェック!
同棲カップルで共同口座を作るメリット
同棲カップルが共同口座を作るメリットは、以下の3つ。
- 生活費の支払いを一元管理できる
- 効率よく貯蓄できる
- お互いの信頼や理解が深まる
これらの項目について、ひとつずつ説明していこう。
メリット①:生活費の支払いを一元管理できる
何といっても、出費を一元管理できるのが共同口座の最大のメリット。何にいくら使っているかが分かりやすくなり、見直すべき支出がわかれば、節約や無駄遣い防止にもつながるはずだ。
メリット②:効率よく貯蓄できる
自宅購入や結婚資金のために貯蓄をするのであれば、共同口座を作っておくと効率的だ。それぞれが独自に貯蓄をする方法では、実はどちらか一方、もしくは2人ともが全く貯蓄をしていなかった……となる恐れがある。
確実に貯金をしたいなら、生活費管理用の共同口座とは別に、貯蓄専用の共同口座を作っておくがおすすめ。毎月決まった額を貯蓄し、目標額に達するまで引き出せないルールにしておくことでより効率的に貯めることができる。
メリット③:お互いの信頼や理解が深まる
共同口座は2人でお金を管理するための、いわば共同作業ともいえる。毎月決まった額を入金しなければならないし、支出が多ければ改善に向けて話し合う必要がある。共同口座でお金の管理をすることで、お互いの金銭感覚や価値観を理解でき、信頼も深まるはずだ。
「お金のことでけんかをしたくない」という思いからお金の管理を適当にしていると、どちらかに負担がかかり不満が溜まるだけだ。共同口座があれば大切なお金の話をするきっかけにもなるだろう。
同棲カップルで共同口座を作るデメリット
お金の管理がしやすい共同口座だが、一方で2つの点に注意が必要だ。
- どちらかの収入が低いと相手の負担が増える
- 金銭感覚が合わないとうまくいかない場合がある
これらのデメリットを知ったうえで、共同口座の作成を検討してみよう。
デメリット①:どちらかの収入が低いと相手の負担が増える
共同口座は、お互いが毎月決まった額を入金して生活費を払う管理方法だ。収入が同じくらいであれば同じ額を入れて平等に負担できるが、どちらかの収入が低いと同じ額を入れるのは難しいだろう。
たとえば、1ヶ月の生活費が20万円かかる場合、収入の多いAさんが15万円、収入が低いBさんが毎月5万円を支払うとなれば、Aさんの負担額はBさんの3倍となる。一方の負担が大きすぎると感じたときには、別の管理方法を試してみよう。
デメリット②:金銭感覚が合わないとうまくいかない場合がある
金銭感覚がある程度合わないと、共同口座でお金を管理してもうまくいかない可能性がある。特に最初のうちは、「なんでこんなに食費が高いのだろう?」「消耗品にお金をかけすぎているのでは」など、相手のお金の使い方にストレスを感じるかもしれない。話し合いで改善に向かえばいいが、長年染みついた金銭感覚はなかなか変えられないものだ。
ただ、だからといって共同口座をやめ、別々に管理すればいいというものでもない。今後も長く二人で暮らしていきたいのならば、金銭感覚や価値観のズレから目を背けることなく、お互いにすり合わせていく必要があるだろう。
同棲で共同口座が向いているのはどんなカップル?
共同口座は同棲カップルにおすすめのお金の管理方法だ。しかし、共同口座が向いているカップルもいれば、合わないカップルもいる。それぞれのケースをお伝えしていこう。
共同口座が向いているケース
共同口座での管理は、同棲生活にかかる出費が一元化され、支出の明細が分かるのがメリットだ。以下のようなカップルは、共同口座での管理が向いている。
- お金の管理が苦手
- 貯蓄をしたい
- 自由に使えるお金も欲しい
口座に決まった額を入金するだけなので、買い物後の割り勘や精算などが不要だ。生活費を把握できるうえ、余ったお金を貯蓄用口座に移せば無理なく貯蓄もできる。決まった生活費や貯蓄費以外は自分のお小遣いとして使えるため、個人の趣味や娯楽に使うことも可能だ。
共同口座が向いていないケース
共同口座が向いていないのは、以下のようなカップルだ。
- 金銭感覚のズレがある
- 収入の差がある
2人とも浪費癖があると毎月の生活費内でやりくりできなかったり、片方だけが節約家の場合は「もっと節約できるはず」となり、共同口座で管理をすると意見が合わずにトラブルになりやすい。
また、収入に合わせた割合を決めて入金することもできるが、入金額に差がありすぎると一方に負担がかかり、不公平に感じてしまいがちなためストレスの原因になることもあるので臨機応変に対応するといいだろう。
共同口座を作る流れ
共同口座は、以下の手順に沿って作成していこう。
- 入金・支払いのルールを決める
- 銀行を決める
- 口座を作る
- 支払い方法を決める
ここからは、具体的な順番について解説しよう。
ステップ①:入金・支払いのルールを決める
まずはパートナーと話し合い、共同口座を作る目的と、ルールを決めよう。
共同口座のルール:生活費管理を目的とする場合
生活費を管理するための共同口座であれば、以下の二つのルールを事前に決めておこう。
- いつ・いくら入金するのか(入金日と入金額)
- 共同口座から支出して良い項目
入金日は、例えば2人の給料日を入金日にするとわかりやすいだろう。また、「家賃・水道光熱費・食費は共同口座から支出してOK。お互いの娯楽費は個別に負担」等というように、口座に入金したお金の使い道も決めておくと後でケンカになりにくい。
共同口座のルール:貯蓄を目的とする場合
貯蓄を目的に共同口座を作る場合、明確な目標がなければ貯蓄のモチベーションを保ちにくい。まずは「結婚資金のために1年後までに◯◯万円貯める」というように「目的・期日・目標額」も設定しよう。このとき、目標額は無理なく貯められる額にすることが大切だ。
ステップ②:銀行を決める
共同口座のルールが決まったら、次は銀行選びだ。ポイントは以下の3つ。
手数料
特に重視したいのが手数料だ。振込手数料やATM手数料は、たとえ1回が少額でも長い目で見れば大きな額になる。各種手数料が優遇される銀行口座を選ぼう。
生活圏内に支店やATMがあるか
近年ではほとんどの銀行がインターネットバンキングに対応しているため、残高照会や振り込みであればネット対応が可能だが、現金の引き出しや預け入れなどを行うにはATMが必要。そのため、生活圏内にATMがある・コンビニのATMに対応している銀行を選ぶと便利だ。
銀行アプリの操作性
生活費の管理や入出金の把握には、銀行のアプリを使うと便利。ただし使い心地が合わないとチェックするのが面倒になってしまう。アプリの使いやすさや見やすさも、銀行選びのポイントのひとつだ。
ステップ③:口座を作る
銀行口座を作るときに注意したいのが、口座の名義である。共同名義で口座を開設することはできず、どちらかの名義で開設することになるため、あらかじめ2人で話し合って決めよう。
ネット銀行であれば、インターネットから簡単に口座が開設できる。忙しくて日中は銀行に行けないカップルにおすすめだ。
ステップ④:生活費の支払い方法を決める
生活費の支払い方法は、主に以下の3つ。
- 現金
- クレジットカードやバーコード決済
- デビットカード
現金の場合は生活費を引き出して、食費・日用品費など項目ごとに振り分けておこう。家賃や水道光熱費などは、口座振替にして支払い忘れがないようにするのがおすすめだ。
生活費の支払いをすべてクレジットカードや電子決済にすれば、ポイントが貯まりお得に買い物ができる。
口座直結のデビットカードであれば、支払額がその場で分かるうえ、口座にある金額分しか使用できないため、決められた額以上の金額を使ってしまうおそれもない。
共同口座以外の同棲カップルのお金の管理方法
共同口座を作る以外にも、同棲のお金の管理方法には以下のような方法がある。
- 2人の収入をまとめる
- 項目ごとに分担する
- 月ごとに支払いを分ける
方法①:2人の収入をすべてまとめる
収入全額をひとつの口座にまとめ、そこから生活費やお小遣いを出す方法。管理が楽なので、面倒な計算をしたくないカップルにはおすすめ。ただし2人の収入に差がある場合は不満が溜まる恐れもある。
方法②:項目ごとに分担する
例えば固定費とそれ以外というように、項目ごとに分けてそれぞれが負担する方法だ。分け方によっては一方に負担が偏る点には注意が必要だが、収入差のあるカップルにはおすすめだ。
方法③:月ごとに支払いを分ける
偶数月と奇数月など、支払いを月ごとに交代して行う方法。毎月の細かい計算は必要ないが、どちらかが管理にルーズだと支払いを忘れてしまう場合がある点には注意してほしい。交代制なので、趣味にお金を使いたいカップルにおすすめだ。
お金の管理方法は、カップルの収入や考え方などによって異なる。自分たちが管理しやすく、お互いに不満のない方法を見つけることが大切だ。
共同口座はお金管理の方法のひとつ
それぞれが一定額を負担する共同口座は、不公平になりにくくお金について話し合う機会が多い管理方法だ。毎月の生活費を2人で把握しながら、目標に向かって貯蓄をしやすいメリットもある。
しかし、お金の管理にはさまざまな方法があり、カップルによっては共同口座が合わないこともあるだろう。お金の話は避けがちだが、2人で協力して暮らしていくためには欠かせないことだ。共同口座をひとつの管理方法として検討し、自分たちに最適なお金の管理方法を見つけよう。
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