賃貸物件の防音対策は「音の種類」に着目!おすすめアイテムも紹介

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賃貸物件での効果的な防音対策を知りたい!

耳を抑える女性
防音トラブルには事前に対策しよう!

近隣トラブルの例としてよく挙がるのが「騒音問題」。特にアパートやマンションでの暮らしは同じ建物内の話し声やドアの開閉音、足音などが問題になりやすい。

また、昨今ではテレワークが普及し、自宅で仕事をしているという人も増えている。隣の部屋の音が気になって集中できないようでは仕事の効率も落ちてしまう。逆に、自分が原因で周囲に迷惑をかけてしまう場合もあるだろう。

今回は、騒音につながる音の種類や騒音が起きにくい賃貸物件の見つけ方、さらにおすすめの防音対策グッズについて解説していく。騒音トラブルで悩んでいる方はぜひチェックしてほしい。

賃貸の防音対策を行う前に!騒音の種類を知ろう

音には「空気音」と「固体音」がある。それぞれに合わせた防音対策を行うために、まずは騒音となる音の性質を知っておこう。

騒音の種類①:空気音の特徴と対策

空気音とは、音が空気を伝わり、外から壁や窓を通過して聞こえてくるもの。アパートなどの集合住宅で発生する空気音の例としては、隣人の話し声やテレビ・オーディオの音、外を通るパトカーの音などが挙げられる。

空気音は、音の通り道となっている窓やドアの隙間を塞ぐこと、音が漏れないように防音パネルなどで補強することなどで対策可能。他の住戸から聞こえる音、自宅から漏れ出る音のどちらにも対策を行うことができる。具体的な対策方法や防音グッズについては後述する。

騒音の種類②:固体音の特徴

固体音とは壁や床などの物体が振動することで伝わってくるもの。例としては、足音や物を床に落とした音、洗濯機の振動音などだ。

他の住戸から聞こえる固体音を防ぐことは、空気音への対策と比べ難しいが、自分が出す固体音を軽減することは可能だ。

賃貸で騒音トラブルが起こってしまう原因とは

賃貸物件で騒音トラブルが起こる原因は、いったいどこにあるのだろうか?

ここでは主な原因を3つ紹介していくので、自身が住む物件と照らし合わせながら確認してみてほしい。

建物の構造

建物の構造によって、音の伝わり方は変わってくる。住人が出す音はそこまで大きくなくても、物件の防音性が低いために騒音だと感じてしまう場合があるのだ。

建物構造による防音性の違いは、防音性が高い順に以下のとおり。木造の防音性が特に低く、SRC造の防音性が高いとされている。

  1. SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造
  2. RC(軽量鉄骨)造
  3. 鉄骨造
  4. 木造

一般的なアパートは木造・鉄骨造で建てられているため、音が響きやすい・漏れやすいと考えておこう。一方、主にマンションタイプの建物で用いられるSRC造はコンクリートなので、他の構造に比べると防音性が期待できる。

また、寝室が隣の住戸のリビングと直接面していると、テレビの音や話し声といった生活音が気になりやすい。騒音を抑えるために、隣の住戸との間に収納スペースを設けている物件も多い。

時間帯

時間帯によって騒音の程度が変わることも珍しくない。たとえば、隣に住んでいる人が夜勤の仕事をしている場合、相手は日中眠っているので生活音は聞こえてこないだろう。しかし、夜中や朝方は相手の出勤・帰宅時間となるため、騒音トラブルによる睡眠不足に悩まされてしまうかもしれない。

また、近所に工場や工事現場など大きな音が出る施設がある物件の場合、休日は静かでも平日の日中に稼働音が響くことも考えられる。

入居者のマナー

騒音トラブルは、入居者一人ひとりのマナーが悪いことでも発生する。たとえば、一軒家のときと同じ感覚で大きな声で電話をしたり大音量で音楽を聴いたりすると、隣の人は不快に感じてしまう。騒音の基準は人によって異なるので、自分勝手な行動を控えるほか、もし隣人からの騒音に悩む場合は管理会社などへ相談をしてみよう。

賃貸で騒音トラブルが起きてしまったら

賃貸住宅での騒音トラブルには、自分自身が出した音でトラブルが起きているケースと、外部による音に悩まされているケースの2種類が考えられる。

騒音の内容にもよるが、まずは、トラブルの原因となっている音の種類を確認しよう。前述した空気音と固体音、それぞれで特徴や対処法が異なる。音を見分けられたら、それぞれに合った対処法を取っていくとよいだろう。

注意したいのは、近くの部屋からの騒音に悩んでいる場合に、音を出している部屋を自己判断し苦情を入れることだ。上の階からの音だと思っていたら隣や斜め上からの音だった、といった場合もある。

賃貸物件であれば管理会社など、客観的に状況を判断できる第三者に相談のうえ、解決することをおすすめする。

【賃貸の防音対策】空気音におすすめの方法

騒音の種類について理解したところで、それぞれに合わせた防音対策について順に見ていこう。

空気音の防音対策①窓などの隙間を防音テープで埋める

ドアや窓からの音漏れ対策としては、枠や床との隙間に防音テープを貼るのがよいだろう。窓やドアの隙間を埋めることで気密性がアップする。また、空気音の音漏れだけでなく外気の侵入も防ぎ、寒さ対策にもなるほか、開閉の際の「バタン」という音が響くのも防いでくれる。

防音シートにはゴム製やウレタン製などがあり、厚さや幅もさまざま。用途に合うサイズを見つけよう。ホームセンターや100円ショップなどでも購入できる。

空気音の防音対策②窓に防音カーテンをつける

窓全体を覆う防音カーテンで外からの空気音を防ごう。遮光や防炎などの機能がついている防音カーテンもあるので、この機会にお部屋のカーテンを見直してみよう。

色や素材感もさまざまなので、お部屋の雰囲気に合わせて選んでほしい。

空気音への防音対策③:壁に防音シートを貼る

隣戸との境となる壁を通して音が伝わるのを防ぐため、壁に厚手の防音シートを貼る方法もある。壁が薄い部屋の場合は特に効果的だ。最近では無地の防音シートだけではなく、さまざまなデザインの防音シートが販売されている。自分好みの空間を演出しよう。

この防音シートは貼ってはがせるタイプなので、賃貸でも使いやすい。(元々の壁の材質によっては、うまくはがせない場合がある。試してから使おう)

【賃貸の防音対策】固体音におすすめの方法

続いて、自宅からの固体音を下階や隣に伝えないための防音対策について説明しよう。

固体音への防音対策①スリッパを履く

スリッパは身近な防音アイテム
スリッパは身近な防音アイテム

室内を移動する際の足音が気になる場合にはスリッパを利用するとよいだろう。下の階に伝わる足音、つまり固体音を防ぐことができる。

4色のカラーから選ぶことができ、どれもシンプルなデザインとなっているためおすすめだ。

固体音への防音対策②ラグやマットを敷く

椅子を引く音など家具から出る音が気になるときは、家具の下にラグやマットを敷くのがおすすめだ。固体音の軽減につながるほか、床への傷を予防できるメリットもある。

ラグを敷くことで階下への足音などを軽減できる
ラグを敷くことで階下への足音などを軽減できる

固体音への防音対策③家電など振動するものに防振シートを敷く

モーター音が気になる家電に使えるのが防振シートだ。家電の下に敷いて振動を吸収するタイプのものがよい。
もしもっと手軽に振動を抑えたい場合は、100円ショップで売っている滑り止めマットでもある程度は効果を出してくれるだろう。

固体音への防音対策④洗濯機にはゴム製の防振パッドもおすすめ

洗濯機のようなかなり振動の大きいものには、こちらのようなゴム製の防振パッドもおすすめ。ゴムは劣化によって床に貼りついてしまう場合があるので、下にもう一枚紙などを敷くことをおすすめする。

賃貸で騒音トラブルに悩まないために!物件探しの4つのコツ

騒音トラブルを起こさない・騒音に悩まされないために、賃貸物件を探す段階でいくつか注意しておきたいことがある。最後に物件探しの4つのコツを見ていこう。

角部屋など隣の部屋との接点が少ない部屋を選ぶ

角部屋とは、アパートやマンションの中で各階の端に位置する部屋のことだ。ほかの住戸と接する面積が少ないため、騒音トラブルの対策として角部屋を選ぶのはひとつの手だ。

同じように、1階や最上階の部屋もおすすめ。1階なら階下に生活音が響く心配がなく、そして最上階なら上階の音に悩まされることがない。

周囲の在宅率が高い日・時間帯に内見する

内見できる時間帯は、不動産会社や管理会社によって制限されることもあるが、できるだけ周囲の在宅率が高い日・時間帯を選ぶのがベターだ。住人がいるときに内見することで、どのくらい生活音が響くのかを確認できる。可能であれば平日の昼間だけではなく、平日の夜間や休日の昼間なども一度チェックしてほしい。

内見時に壁の厚さを確認する

部屋の壁が厚いと騒音も響きづらいため、壁の厚さを確認することも重要だ。内見の際、壁をコンコンと軽く叩いてみよう。高い音がしたら防音性が低く、逆に詰まったような重い音なら防音性が高いと判断できる。

また、隣室の玄関ドアとの距離も要チェックポイント。玄関ドア同士の距離が近い場合、壁が薄い可能性がある。

内見時に共有スペースの状況を確認する

内見する際に、ゴミ捨て場や郵便受けといった共用スペースをチェックしてみよう。共用スペースがどんな状態になっているかを見ることで、入居者のマナーがある程度わかる。ゴミが分別されていなかったり、チラシやダイレクトメールで散乱していたりする場合、マナーの悪い住人が住んでいる可能性がある。

また、エントランスやエレベーター内などにある掲示板にも注目。騒音に関する注意書きが掲示されている場合は、実際に騒音トラブルが起きていると推測できる。

賃貸の防音対策は音の種類に合わせて

普段自分が感じている周囲からの音や、自分が出している音が空気音なのか固体音なのかを今一度見直し、効果的な防音対策を行おう。賃貸物件では原状回復が大前提となるが、原状回復に影響が出ないような防音グッズも多数販売されている。少しずつ対策を始めて、快適なお部屋時間を手に入れよう。

2022年4月加筆=CHINTAI情報局編集部

CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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