【弁護士監修】賃貸の鍵を紛失したら?正しい対処法、深夜・スマートロックのケースも解説

賃貸の鍵をなくして家に入れない時、焦らず正しい手順を踏むことが重要だ。
早く家に入りたいからと、管理会社や大家さんに無断で鍵開け事業者を呼んで鍵を壊してしまうと、賃貸借契約違反としてトラブルに発展する恐れがある。
本記事では弁護士監修のもと、賃貸物件の鍵を紛失した場合の正しい行動手順、深夜に気づいた時の対処法、そして近年増えている「スマートロック」が開かない場合の解決策について詳しく解説する。
※記事の内容は、2026年9月の法令・情報に基づいています
このページの目次
賃貸の鍵をなくした時の正しい行動3STEP
鍵を紛失した際、手当たり次第に行動するのは危険だ。以下の3つのステップで冷静に対処しよう。
STEP1:心当たりのある場所をもう一度探す
探す場所:
- ポケット
- カバンの裏地
- 立ち寄ったお店
- 駅から自宅までの道中 など
焦っていると同じ場所を何度も探してしまうため、探した場所をスマホ等にメモすると効率的
STEP2:交番で「遺失届」を出す
悪意ある第三者に拾われ、犯罪に使われるリスクを防ぐために交番へ届け出よう。また、落としたカギがすでに届いている可能性もある。
深夜の場合・近くに交番がない場合には、管轄の警察署へ電話しよう。一時的に遺失物届を受け付けてもらえる。(後日書類に記入する)
STEP3:管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐ
それでも見つからない場合、「どうやって自室に入るか」を管理会社や大家さんに相談しよう。
24時間対応のサポート窓口がある・大家さんが近所に住んでいる場合、スペアキーを持って駆けつけてくれるケースがある。
管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐのが鉄則です。「深夜だから悪い」と連絡をためらい、自分で勝手に鍵開け事業者を呼んでしまう方がいますが、これは絶対にやめましょう。勝手な鍵開けや鍵交換は、大家さんの所有物に無断で手を加える行為となり、賃貸契約違反に問われる恐れがあります。
深夜・休日に鍵を紛失!連絡が取れない場合はどうする?
どうしても管理会社や大家さんに連絡が繋がらない場合や、24時間サポートなどに加入していない場合、現実的な選択肢は以下の2つだ。
①朝まで安全な場所で待機する
翌朝の管理会社の営業開始まで、 ファミリーレストランやインターネットカフェなど安全な場所で朝まで待機すれば、費用も抑えられる。
②自分で鍵開け事業者に依頼する(事後報告が必須)
「どうしても翌朝まで待てない」「明日大事な仕事があり、家に入れないと困る」といった場合は、24時間対応の鍵開け事業者に依頼するしかない。
ただし前述の通り、賃貸物件での勝手な鍵開けは契約違反になるリスクがある。やむを得ず自分で事業者を手配した場合は、あくまで「鍵を開けるだけ(破壊や交換はしない)」に留めてもらおう。
翌日の営業時間になったら、すぐに管理会社へ連絡を。「昨晩、連絡が繋がらずやむを得ず事業者に開けてもらった」と報告しよう。
鍵開け事業者の費用相場と選び方の注意点
鍵開けの所要時間は、事業者が到着して30分〜2時間程度。鍵の構造にもよるが、鍵を破壊することなく開錠してくれることが多い。
鍵開け費用は1万円~10万円程度と幅がある。防犯性が高い鍵ほど作業が難しいため、以下のような順で費用が高くなっていく。
※参照:鍵開けにかかる料金の相場は?場所・種類別の費用相場やおすすめ業者も|最安修理ドットコム
| 鍵の種類 | 費用の目安・特徴 |
|---|---|
| ディスク・ピンシリンダー | 【8,000~15,000円程度】 片方・両方にギザギザがある一般的な鍵 |
| ロータリーディスクシリンダー | 【8,000~15,000円以上】 防犯性とコストのバランスが良く、多くの物件で普及している |
| ディンプルキー | 【10,000~40,000円程度 】 表面に丸い凹凸がある防犯性の高い鍵 |
| スマートロックやカードキー、特殊鍵など | 【10,000~100,000円】 物理鍵が存在しないケース、補助錠が複数ある場合など。 機種によっても費用が大きく異なる ※既存の鍵の上から取り付ける後付けタイプは、元の鍵を開けて対応できる場合がある ※補助錠が複数ある場合:鍵開けの作業費は鍵ごとにかかるため、鍵の数に応じて費用が上がる |
さらに、深夜料金や交通費(出張費用)などが別途加算されるケースも多い。
鍵開けの事業者を選ぶ際は、「費用の安さ」よりも「信頼性」を重視すべきだ。また、電話口で現場の状況を説明したうえで目安の金額を聞き、「現場を見ない限り金額は一切わからない」などと理由をつけて全く見積もりを明かさない事業者には、依頼しないのが無難だ。
スマートロックが開かない場合の対処法
最近の賃貸物件では、スマートフォンなどで開け閉めを行う「スマートロック」が導入されていることも多い。鍵を落としていなくても、「締め出されてしまった」というトラブルが多発しているため、以下の対処法を覚えておこう。
①物理鍵が併設されている場合
スマートロックの多くには、通常の鍵穴(シリンダー)も併設されている。スマホが使えなくても、持っている物理鍵を使ってドアを開けることが可能だ。
※契約によって物理鍵が渡されていない場合もある
②スマートロック自体の電池切れの場合
スマートロックは電池で動作するものが多く、電池切れの合図を見逃して締め出されるケースが非常に多い。多くのスマートロックには、室外側に「非常用電源端子」が付いている。乾電池やモバイルバッテリーから電源を一時的に供給すれば、開けられる仕組みになっている。
③スマホの充電切れ・紛失の場合
自分のスマホの充電が切れたり紛失したりした場合は、家族や友人、知人にスマホを借りて、自分のアカウントでアプリなどにログインすれば鍵を開けられる。あらかじめ家族のスマホをサブキーとして登録しておけば、遠隔解錠が可能な場合もある。
④パスワードを忘れた場合
解錠パスワードを忘れたり、機種変更で設定が引き継げなかったりした場合は、パスワードの再発行が必要になる。ただし防犯上、新たな解錠パスワードは「契約者本人」にしか発行できない。管理会社・大家さんに連絡して手続きを行おう。
スマートロックは便利な反面、電池切れやアプリの更新漏れによって締め出される可能性があります。電池交換の作業や費用を「入居者」と「管理会社」のどちらが負担すべきかは、契約によって異なります。トラブルを防ぐためにも、事前に確認しておきましょう。万が一、スマートロックが開かずに鍵開け事業者を呼ぶ場合でも、手順は通常の鍵と同じです。必ず管理会社や大家さんに一報を入れてから対応するようにしてください。
鍵が見つからない場合は「鍵の交換」が必要
警察に遺失届を出しても鍵が見つからなかった場合、防犯のために「鍵のシリンダー(鍵穴)交換」を行う必要がある。費用がかかるため躊躇するかもしれないが、もし運転免許証や保険証など「住所などの個人情報がわかるもの」と一緒に鍵を落としていた場合、空き巣などの犯罪に巻き込まれる危険性が非常に高い。
鍵の交換には必ず「貸主(大家さん)の承諾」が必要だ。勝手に交換せず、大家さんや不動産会社、管理会社に今後の対応について相談しよう。
なお、鍵を紛失した費用(開錠代や鍵の交換費用)は、過失がある「入居者自身」が全額負担するのが大原則だ。ただし、入居時に加入した火災保険のオプションに「遺失物特約」などが付帯している場合、保険金が下りて自己負担額が減ることもある。家に入れたら保険証券や契約内容をしっかりと確認してみよう。
まとめ
賃貸物件の鍵の紛失は、入居者だけでなく大家さんにとっても重大なセキュリティ問題だ。勝手に鍵を壊して開けたり、管理会社に内緒で鍵交換を行ったりするのは、後々さらに大きなトラブル(退去時の高額請求など)を招く原因になる。
まずは落ち着いて記憶を辿り、見つからなければ警察へ遺失届を提出する。そして、必ず管理会社や大家さんに連絡して指示を仰ぐこと。万が一深夜に鍵開け事業者を呼ぶ際も、事後報告を怠らないようにしよう。いざという時にパニックにならないよう、24時間サポートの連絡先やスマートロックの非常用端子の場所を、日頃から確認しておくことが大切だ。







