リノベーション賃貸のメリット・デメリットとは?選ぶ際のポイントも解説

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リノベーション賃貸のメリット・デメリットを知りたい!

リノベーション物件
まるで新築かのように生まれ変わるリノベーション物件

賃貸物件を探す際、よく目にする「リノベーション物件」という言葉。簡単にいえば、築年数が経過した物件を修繕し、新たな価値を加えた物件のことを指す。

リノベーションされた賃貸物件に暮らすと、どんなメリットがあるのだろうか。また、築年数が経過していることによるデメリットはないのだろうか。順に解説していく。

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このページの目次

リノベーション賃貸とは

そもそも「リノベーション」とは、「築年数が経過した建物に大規模な工事を行い、新築の状態よりも性能を高めたり、付加価値を与えたりすること」を指す。一般的には、間取りの変更や水道管・排水管の取替え、冷暖房設備の変更など規模の大きな工事をした物件は「リノベーション」に分類される。

リノベーションとリフォームの違い

よく似た意味の「リフォーム」という言葉があるが、これは老朽化した建物を新築の状態に戻して、元の機能を回復させることを指す。

ただし「リフォーム」と「リノベーション」という言葉に明確な線引きはなく、おおよそ同じ意味で使われている場合も多い。

リノベーション賃貸の5つのメリット

賃貸物件を探す際、「リノベーション賃貸」を選ぶメリットはどのようなことがあるだろうか。

以下で説明していく。

リノベーション賃貸のメリット①:室内は新築同様にきれい

リノベーションされた部屋
外観と内装のギャップに驚くかもしれない

アパートやマンションの外構デザインには、その年代ごとに流行のテイストがある。築年数が経過したアパートやマンションでは、外観だけ見るとレトロに感じることが多いだろう。

しかし、リノベーションされた賃貸物件の場合は、外観はレトロでも室内は新築のようにきれいになっていることが多い。設備も最新モデルが使われていることもあり、機能性にも優れた部屋に生まれ変わっている。部屋選びの際は外観のイメージにとらわれず、内観もしっかりチェックしよう!

リノベーション賃貸のメリット②:相場より家賃がリーズナブル

新築や築浅物件に比べてお得感があるリノベーション物件
新築や築浅物件に比べてお得感がある!

室内が新築並みにきれいであっても、同じエリアの新築・築浅物件よりも安い家賃で借りることができる場合が多い。なかには周辺相場よりも10〜30%、それ以上の安い物件もあるようだ。

室内が新築同様でも、築年数が経過していると家賃は下がりやすい。新築・築浅物件と比べ、リノベーション賃貸ならお得に借りられるため、あえてそのような物件を探しているという方もいるようだ。

住みたいエリアがあるけど、家賃が高くて諦めていたという人であれば、リノベーション物件を検討すると良いだろう。

リノベーション賃貸のメリット③:オシャレな内装が多い

リノベーションされた部屋
一工夫加えたデザインの物件も多い

そもそもリノベーションは、基本的には築年数が経過して人気がなくなってしまった物件に対し、付加価値を与え、空室を埋めるために行われることも多い。このため、賃貸物件にありがちなオーソドックスな内装とは一線を画す、オシャレな内装に仕上がっている場合も多いのだ。

新しい設備なども揃っており、機能的かつ人と被らないようなオシャレな内装の部屋に住みたい方には最適だといえる。個性豊かな賃貸を希望している場合は、特にリノベーション賃貸がおすすめだ。

リノベーション賃貸のメリット④:最新機能が備わっていることもある

リノベーションされた賃貸の場合、トイレやお風呂などの水回りに、最新モデルが使われていることがある。毎日使うものだからこそ、清潔で新しいものを使いたいと思うのが心情だ。

節水型のトイレや、カビの生えにくい素材の浴槽など、使いやすさや機能性の高い製品を使えば、快適に過ごせるだろう。

リノベーション賃貸のメリット⑤:物件選びの選択肢が増える

並列したおもちゃのイメージ
多くの選択肢から気にいった部屋を選びたいもの

部屋探しの際、リノベーション物件を含めると選択肢が圧倒的に増える。物件探しを行ううえで、希望の条件をすべて叶えるのは難しいもの。住みたい地域や、希望の部屋の広さなど、譲れない条件を挙げていると予算がオーバーし、なかなか理想の部屋には出会えない。

しかし築年数にこだわらず、リノベーション賃貸も候補に入れると、選べる物件数が急増する。外観や築年数で決めずに、内装に注目すれば新しくてきれいな部屋が見つかるかもしれない。

リノベーション賃貸の5つのデメリット

さてここまでリノベーション物件のメリットをお伝えしてきたが、デメリットはあるのだろうか。築年数が経っていることで、構造的な部分にデメリットがあるといえる。

リノベーション賃貸のデメリット①:1981年以前に建てられた物件は旧耐震基準

日本列島
耐震性で劣る場合もある

リノベーション物件は、築年数が30年以上のものも多い。現在の耐震基準が導入されたのは1981年6月1日。それより前に建築確認を受けた建物は、現在の耐震基準を満たしていない可能性がある。

新耐震基準では、「震度6強から7の地震で倒壊・崩壊しないこと」と定められているが、旧耐震基準では「震度5で倒壊しない」となっている。つまり、震度6以上の地震には耐えきれずに、倒壊するおそれがあるということだ。築年数が経過した物件では、耐震補強工事が施されているかなど、耐震性について確認をしておくべきだろう。

リノベーション賃貸のデメリット②:電気容量が少ない可能性がある

家と電気
見落としがちな電気容量

電気容量とは、同時に使用できる電気の量を表すもの。電気容量が少ないと、家電製品を複数同時に使うことでブレーカーが落ちてしまう。

一人暮らし向けの物件の場合、電力契約の「アンペア数(A)」は「20A」または「30A」契約になっている場合がほとんどで、築年数が古いマンションでは電気の契約容量が20Aであることも多い。たとえば、エアコン(6.6A)と冷蔵庫(2.5A)を常時運転させたうえで、電子レンジ(13A)と電気ケトル(11A)を同時に使いたいという場合、20Aの物件ではブレーカーが落ちてしまうのだ。

電気容量の契約アンペア数が足りない場合、アンペア数を変更する必要があるので、まずは契約している電力会社に連絡してみよう。ただし、契約アンペア数を上げると電気代の基本料金が高くなるため注意が必要だ。

また、アンペア数を変更する際は、事前に管理会社や大家さんに連絡しよう。なかには、建物全体の電気容量が決められており、アンペア数を変更できないケースや、アンペア数の変更のために工事が必要になるケースもあるからだ。なお、アンペア数を変更した場合、退去時には元の契約内容に戻す必要もあるため留意しておこう。

リノベーション賃貸のデメリット③:防音性が低い可能性がある

耳をふさぐ女性
建物の構造によっても差が出る

いわゆる「欠陥住宅」が問題となった2000年、住宅の強度や耐久性を高めるための法律が施行された。また、遮音性や省エネルギー性などを表示できる「住宅性能表示制度」が創設され、これにより住宅の性能をより客観的に評価・比較できるようになった。これ以降に建てられた住宅は、性能についてより厳しいチェックを受けている場合がある。

防音性能が低い物件では、隣人の生活音による不眠やトラブルのリスクもある。もちろん、古くてもしっかりした強度・防音性が確保された物件もあるが、ひとつの基準として覚えておいてもいいだろう。リノベーション賃貸がどのような素材を使って建設されているのかをあらかじめ確認しておくとトラブルを避けられる。

リノベーション賃貸のデメリット④:水回りの設備が古い可能性がある

綺麗なキッチン
写真からは判断できないところだからこそ慎重に確認を

リノベーション物件を検討する際は、キッチンやバスルームなどの水回り設備が問題なく使用できるか注意しよう。トイレやお風呂などがきれいなものに変えられていたとしても、給水管や排水管などの設備が交換されていないケースがある。

配管が古い物件は使用に問題がなかったとしても、異臭が発生することもある。気になる場合は不動産会社に問い合わせよう。

リノベーション賃貸のデメリット⑤:内装以外の共用部は古いままの場合も

部屋の中がきれいにリノベーションされていても、建物の外観や共用部は古いままの場合がある。たとえば、エレベータや集合ポストなどの共用部分がリノベーションされていない場合、使い勝手の悪さや古さを感じることがあるかもしれない。

物件によってはオートロックがついていなかったり、防犯カメラがなかったりする。特に女性の一人暮らしや子どもがいる家庭など、セキュリティ面が気になる場合は内見時に細かくチェックしておこう。

リノベーション賃貸を選ぶ際のポイント

注意しなければならないデメリットがある一方、リノベーション賃貸は内装面・家賃面でのメリットが多い。住んでから「失敗した」と後悔がないように、選ぶときは以下のポイントを確認しておこう。

  • 1981年6月以降築、または耐震工事済の物件を選ぶ
  • 水回りの設備状態を確認する
  • 防音性を確認する
  • 修繕履歴を確認する
  • 事故物件ではないか確認する

上記5点について、詳しく解説していく。

耐震基準は「1981年6月以降」がひとつの基準

まず、先述のように「1981年6月以降」に竣工の物件であれば、現在と同じ耐震基準で建てられている。ひとまず安全といえよう。

ただし、1981年以前に建てられた物件でも、しっかり耐震補強工事が行われている物件もある。物件情報の備考欄に「耐震工事済」などの文言を表示している物件も多い。耐震工事が済んでいるかどうかや、建物構造については不動産会社の担当者へ問い合わせてみよう

内見時に水回りの設備をチェックする

蛇口から出る水
事前チェックが大事

たしかにリノベーション物件は古い物件が多いが、キッチン、お風呂などがメンテナンスされている物件であればデメリットを回避できるだろう。内見の段階で、事前に下記の項目を確認することでトラブルを回避することができる。

水回りのチェックポイント

  • 洗面台の排水管周りに湿気が溜まってないか、カビが生えていないか
  • シャワーや蛇口の水の流量
  • 浴室タイルにカビはないか
  • トイレの水の流れ具合、給水管の水漏れがないか

内見時に防音性をチェックする

快適な生活のために、防音性のチェックも欠かせない工程のひとつ。多くの世帯が同じ建物内で暮らす集合住宅では、生活音や騒音に悩まされることも多いものだが、防音性の高い賃貸であればそのようなリスクを軽減できる。

防音性のチェックポイント

騒音は、実際に足を運んでみないとわからないことも多い。内見に訪れる際は、できれば休日の日中などほかの住人が在宅している可能性が高い時間帯を選び、どの程度生活音が聞こえるか確認してみよう。

また、下記のポイントもあわせてチェックしよう。

  • 壁の素材をチェック:壁をノックするように中央をたたく
  • 建物の構造を確認する:鉄筋コンクリート造の物件がおすすめ
  • 窓の防音性を確認する:二重サッシや防音ガラスがベスト
  • 窓の厚さを確認する:3mm以下でないことを確認
  • 窓のサッシ:窓がスムーズに動き、閉めたときにぴったり閉まる感覚
  • 玄関ドアの防音性

修繕履歴を確認する

修繕履歴とは、外装の塗り替えやシロアリ駆除など何か不具合が出たときに行った修理・修繕の記録のことである。主に補修・修繕・改修などの時期やかかった費用、具体的な施工内容が記載されている。

なお、修繕履歴はインターネット上で公開はされないため、気になる方は不動産会社に連絡して確認しよう。

事故物件ではないか確認する

事故物件かどうかを確かめるには、不動産会社に聞くのがスマートな方法である。事故物件の場合、管理会社や不動産会社はその旨を入居希望者に伝える義務があるのだ。

もし物件情報の備考欄に「告知情報あり」と記載されていたら、事故物件かどうかを疑おう。家賃の低さは魅力的かもしれないが、後悔しないためにも必ずチェックしてほしい。

リノベーション賃貸の防音対策に使えるおすすめグッズを紹介

防音性に不安があれば、防音グッズを使って対策しよう。ここからはおすすめの防音グッズを紹介していくので、気になるものがあればぜひ取り入れてみてほしい。

おすすめ防音グッズ①:防音カーテン

部屋で一番大きな開口部である「窓」は、外部からの音や自室からの音漏れの原因となりやすい。そこで、窓にしっかり防音対策を施すことで遮音性が高くなる。

防音機能のあるカーテンは話し声のほか、ペットを飼う場合や楽器を演奏する場合などに効果的。インテリアの邪魔をしないのも◎。

防音カーテンの遮音効果はどの程度か気になるところだが、実は自動車や電車など、低音域の音にはあまり効果を発揮しない。

反対に、話し声や犬の鳴き声などの中高音域の音には効果が期待できる。そのため、近所から聞こえる話し声や、踏切の音が気になるといった場合には有効だ。防音カーテンに変えると、普通のカーテンとの違いも明確に感じられるだろう。部屋を静かな空間に保ちたいときにはぜひ防音カーテンを活用してみよう。

防音カーテン 2枚組 遮光1級 形態安定加工 幅100cm×丈200cm ブラウン

防音カーテン 2枚組 遮光1級 形態安定加工 幅100cm×丈200cm ブラウン
インテリアコンポ¥5,877

おすすめ防音グッズ②:防音シート

きれいにはがせるフェルトタイプの防音シート。1枚当たりの価格も安く、カッターで好きなサイズに切って使えるので、必要な分だけ用意すれば済む。この防音シートは、音を吸収する「吸音」と音を遮る「遮音」、物がぶつかる振動を減らす「防振」の3つの機能によって音漏れや騒音を防いでくれている。

賃貸物件は、退去時に原状回復が求められ、部屋をある程度きれいにする必要があるため、シートの選び方には気をつけよう。防音シートは、壁に傷がつかず、さらに撤去しやすいものを選ぶのがベストだ。壁に立てるタイプやはがしやすいシールタイプなどがあるので、自分に合うものを購入するといい。

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リノベーション賃貸はデメリットを回避すればお得な物件

リノベーションされた賃貸物件。外観は築年数相応でも、室内は新築同様にきれいで住みやすい環境になっている。メリットとデメリットがそれぞれあるが、デメリットをうまく回避したり取り除いたりすることで、より快適な物件を見つけることができるだろう。

※この記事に掲載した商品の情報は2022年4月12日現在のものです。

文=松本和博

平成23年度 宅地建物取引士試験合格。不動産と住宅関連の分野を中心にWEBコンテンツ執筆、書籍制作協力等を行う不動産ライター。

2022年4月加筆=CHINTAI情報局編集部

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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