一人暮らしの理想の間取りは?部屋づくりのプロが間取りの特徴や選び方を解説

お部屋探しにおいて間取り選びは重要なポイント。しかし、初めての一人暮らしでは「どんな間取りを選ぶべき?」「ワンルームと1Kって、どう違うの?」と頭を抱えている人もいるだろう。
そんな悩みを解消すべく、自分に合う間取りの選び方と、各間取りの特徴やメリット・デメリットを、インテリアトータルプロデューサーのMAKOさんに教えてもらった。理想の一人暮らしを叶える「お部屋づくりのプロ」ならではの視点を、お部屋探しに取り入れてみてほしい。
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間取りのミスマッチを防ぐ2つの方法

自分にぴったりなお部屋を見つけて、理想の空間をつくるために必要なことがある。それは、ライフスタイルの分析だ。仕事や趣味など日々の活動を振り返り、お部屋での過ごし方(例:自炊するのか、来客はあるかなど)を洗い出そう。
その部屋にどれくらい住み続けるか、将来どんな暮らしをしたいかも含めて考えてみてください。
次に、食事やリモートワーク、寝る場所などのスペースをしっかり分けたいか、を考える。各間取りの最も大きな違いは、仕切りの有無だからだ。居室が広い物件は仕切りのないワンルームでも存在し、パーテーションやシェルフ(棚)を使えば生活スペースを区切ることはできる。しかし、キッチンと居室の間に扉や壁がないと料理のニオイが部屋に充満しやすい。
ライフスタイルを振り返り、理想の部屋を事前に思い描くことで、間取りのミスマッチを防止できます。
【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
一人暮らし向きの間取りの種類とメリット・デメリット
一人暮らしする人が多い間取りは、ワンルーム(1R)、1K、1DK、1LDKの4種類。もちろん2K以上を選ぶ人もいるため、以下5種類それぞれの間取りの特徴やメリット・デメリットを解説していく。
ワンルーム(1R)の特徴とメリット・デメリット

ワンルーム(1R)とは、玄関から居室までが一体となっている間取り。居室とキッチンの間にドアなどの仕切りがないことが特徴だ。居室の広さは6~8畳程のものが一般的。間取り図に記載される居室の面積にはキッチンや廊下部分も含まれるため、居住スペースが狭い傾向にある。

ワンルームは、学生やミニマリストの方にもオススメの間取りです。仕切りがないため、開放的な印象で生活動線を確保しやすいというメリットがあります。
ワンルームのメリット
- 生活動線がシンプルで、効率的に生活できる
- コンパクトな空間なので、掃除や整理整頓がしやすい
- 部屋全体が1つの空間なので、照明や冷暖房代などの電気代が抑えられる
ワンルームのデメリット
- 収納スペースが少なかったり、なかったりする部屋もある
- キッチンが狭い物件が多い(シンクと1口コンロ、収納がまとまったミニキッチンの場合も)
- 玄関から居室が見える間取りが多く、荷物の受け取り時などに部屋の中が見えてしまう可能性がある
- 料理のニオイが居室に広がりやすい
- 玄関の外に声や生活音が響きやすい
- 玄関と居室が近接しているためドアの開閉時に外気が入り込み、室温が変化しやすい
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【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
1Kの特徴とメリット・デメリット

1Kは、基本的にキッチンと居室の間がドアなどで仕切られている間取り。また、床の素材がキッチン部分と明らかに異なっている場合なども1Kに含まれ、キッチンの独立性が強いことが特徴。
不動産広告の内容が正しいか審査・調査している「不動産公正取引協議会連合会」の規定で、キッチンスペースの広さは4.5畳未満と定められている。水回りと居室が分かれているため、ニオイや湿気が居室に入りづらい。
玄関と居室の間にドアなどの仕切りがある物件なら、プライバシーを守りやすくなります。
1Kのメリット
- 居室に料理のニオイが広がりにくい
- 玄関の外に声や生活音が響きにくい
- 玄関と居室が仕切られている物件が多いため、荷物の受け取り時などに部屋の中を見られる心配が少ない
1Kのデメリット
- 収納スペースが少なかったり、なかったりする部屋もある
- キッチンにエアコンの風が届きにくい
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【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
1DKの特徴とメリット・デメリット

1DKは、1つの居室とDK(ダイニング・キッチン)が分かれた間取り。不動産広告の内容が正しいか審査・調査している「不動産公正取引協議会連合会」の規定で、DK部分の広さは4.5畳以上〜8畳未満と定められている。
1Kよりキッチンスペースが広く、自炊にこだわりがある人向き。1DKは、1980~1990年代に流行った間取りなので、築年数の古い物件が多いのも特徴だ。
ダイニングスペースが広い部屋なら、家族や友人を招いた際もそこでおもてなしできるので、寝室を見られずに済みます。
1DKのメリット
- ワンルームや1Kよりもキッチンスペースが広くて調理しやすい
- 居室に料理のニオイが広がりにくい
- ダイニングスペースが広い物件の場合、居間のように使ったり、来客をもてなしたりできる
- ダイニングキッチンを作業スペースにするなど、多様な使い方も可能
- 食事と寝室のスペースを分けられ、生活にメリハリをつけやすい
- 玄関の外に声や生活音が響きにくい
- 玄関と居室が仕切られているため、荷物の受け取り時などに部屋の中を見られる心配が少ない
1DKのデメリット
- 築年数の浅い物件が見つけにくい
- ワンルームより部屋数が増えるので、光熱費や清掃の手間などが増加する可能性がある
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【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
1LDKの特徴とメリット・デメリット

1LDKは1つの居室とLDK(リビング・ダイニング・キッチン)が分かれた間取り。不動産広告の内容が正しいか審査・調査している「不動産公正取引協議会連合会」の規定で、LDKの広さは8畳以上と定められている。
2000年以降に普及し、最近ではテレワークの普及によって自宅に広さを求める人が増えて、競争率が高くなっている。
1LDKは、リモートワークが多く寝室と作業スペースを分けたい人、自宅に家族や友人をよく招く人にオススメの間取り。各スペースが広いので、置ける家具やインテリアの自由度も大幅にアップします。
1LDKのメリット
- 食事と寝室のスペースを分けられ、生活にメリハリをつけやすい
- ダイニングスペースと居室が分かれているため、来客対応がしやすく、プライベートも確保しやすい
- 室内の広さに余裕があるため、家具やインテリア、レイアウトの幅が広がる
- スペースを分割しやすく、多様な使い方が可能
1LDKのデメリット
- 部屋が広い分、掃除や整理整頓に手間がかかる可能性がある
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【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
2K以上の特徴とメリット・デメリット

予算に余裕があって部屋を分ける必要があるなら、2K以上の間取りも一人暮らしの候補に入ります。
生活スペースを明確に分けたいなら、2K以上の間取りも候補となる。2K以上なら独立した居室が2つ以上あるため、居間と寝室、ワークスペースなど用途によって空間を分けられるのが利点だ。
当然2Kと2DK、2LDKなど各間取りで特徴は異なるが、1LDK以下と比べた際のメリット・デメリットは次のとおり。
2K以上のメリット
- 部屋が壁やドアで仕切られ、生活にメリハリをつけやすい
- 居室が複数あるため、用途に合わせて部屋を使い分けることができる
2K以上のデメリット
- 2Kや2DKの場合、築年数が古い物件が多い
- 一人暮らしだと、部屋を持て余すリスクがある
- 部屋数が多く広い分、掃除や整理整頓に手間がかかる可能性がある
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【参考記事】快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授
一人暮らしの間取り選びでよくある質問
Q.間取り図を見る際のポイントは?
間取り図を見る際は、まず居室の広さや形を確認しよう。居室の形が三角形などの変形間取りだと、置きたい場所に家具が配置できなかったり、デッドスペースが生まれやすかったりと、レイアウトに悪影響を与えかねないので要注意。
次に各部屋や設備の配置を調べる。見落としがちなのは、トイレの配置。居室に面していると「来客時に音が気になった」という失敗談もよく聞く。
家具・家電・インテリアの置き場所に影響を与えるため、窓やコンセントの配置も忘れずに確かめよう。間取り図にレイアウトを記載して、生活動線を確保できるかシミュレーションしておくとよい。
Q. 一人暮らしに必要な部屋の広さはどれくらい?
一人暮らしに必要な部屋の広さは、人によって異なる。しかし、国土交通省による「住生活基本計画における居住面積水準」では、一人暮らしで最低限必要な広さ(最低居住面積水準)を「25平米」と定めている。
畳数に換算すると15.43畳となるが、これはあくまで室内全体の広さ。玄関やバス、トイレや収納などを含んでおり、居室だけなら6〜10畳程度と推測される。ワンルームや1Kでも基準を満たす物件は少なくない。
もちろん、専有面積が25平米に満たない物件でも、スペースを効率的に活用したり、荷物が少なかったりすれば問題なく生活が可能。また、占有面積が小さくてもロフトなどが付いて、室内を広く使える物件はある。「25平米未満だと生活ができない」というわけではないので、目安の1つとして参考にすると良いだろう。
ライフスタイルに合わせて理想のお部屋を見つけよう
一人暮らしに最適な間取りは、ライフスタイルや生活において何を重視するかで異なる。しかし、事前に間取りごとの特徴やメリット・デメリットを理解し、お部屋での過ごし方をイメージすることで、理想のお部屋を探しやすくなる。
イメージをもとにインターネットで条件に合う物件を探し、どんな間取りなら理想を叶えられるか迷ったときは、不動産会社に相談してみよう。
監修=MAKO(株式会社Laugh style)
文=綱島剛(DOCUMENT)