賃貸契約の名義人は変更できるの?方法と注意点は?
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賃貸物件での名義変更をしたい!そんなときはどうすればいい?

何かしらの事情により、賃貸物件の名義変更が必要になるというケースがある。その場合、そもそも名義を変更できるのか? と疑問に思う人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、賃貸物件での名義変更をする場合にどのような方法・注意点があるのかについて解説していく。賃貸契約の名義人変更の必要がある人はもちろん、今後賃貸契約の名義変更が必要になりそうな人もぜひ参考にしてほしい。
賃貸物件の名義人変更は可能なのか?
そもそも、賃貸物件の名義人は誰のことを指すのだろうか。名義人とは契約者のことであるが、契約者には以下の義務がある。
賃貸物件契約者の義務
・賃料支払い義務…家賃を支払う義務
・用法遵守義務…契約内容の範囲で使用する義務
・目的物返還義務…借りた状態に戻して返還する義務
・善良管理注意義務…部屋や設備などを大事に使用する義務
家賃の未払いや故意や過失で設備を破損した場合は、賃貸契約の名義人が責任を負う。たとえば、住宅用で契約したのに会社の事務所として使っている場合などは、用途遵守義務に反しているといえる。
学生の賃貸契約で多いのが、親が名義人で住居者が子どもというケース。子どもが設備を破損した場合などは、名義人である親が責任を負うことになるのだ。
契約者である名義人の責任は非常に重く、原則として契約の途中で名義人を変更することは難しい。しかし、場合によっては名義変更が可能なケースもある。
物件に住んでいない人でも名義人になれるのか?
物件に住んでなくても名義人になることは可能だ。たとえば子どもが住居人で親が名義人、名義人が会社で従業員が住居人というケースである。
しかし、その場合は、名義人と住居人の関係性や、名義人は住まないということを納得してもらったうえで契約する必要がある。このことを納得してもらわないまま契約すると、「名義貸し」と見なされてしまい、契約違反となる場合があるため注意が必要だ。
「連帯保証人」と「名義人」の責任の違いは?
連帯保証人とは、名義人と連帯して同等の責任を負う人のことだ。今までは保証金の限度額が特に決められておらず、家賃滞納や原状回復費に関しても名義人と同等額の責任を負う立場であった。
しかし、2020年4月1日の民法改正により、連帯保証人の責任範囲が定められ、保証金の限度額についても事前に定めることが義務付けられたのだ。限度額については、具体的な金額がわかるように明記する必要があり、限度額についての明記がない場合の契約は無効となる。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合とは?

それでは、賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合には、どのようなパターンが考えられるのか見ていこう。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合①:結婚して苗字が変わった、改名を行った
結婚して苗字が変わった場合など、契約者自体は変わらないが名前だけが変わったというケース。このような場合においては、契約者の名義を変更する必要がある。
また、同じ会社であることには変わりないけど、会社名が変更したという場合も、契約者の名義変更が必要となる。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合②:契約者の離婚、死亡
主人が契約者だったが、離婚して他人となった妻が引き続き住みたい場合、あるいは主人が亡くなって妻が住み続けたいというケース。これらの場合においても契約者を変更しなければならない。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合③:名義を契約者以外の家族に変更したい
親が契約者であるが、子どもの就職などによって今の名義を子どもに変更したいという場合が挙げられる。また、就職した会社で家賃補助があるため、家の契約者を会社名にする、妻の会社の家賃補助を受けるために、契約者を妻にする必要があるといったケースも当てはまる。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合④:まったくの他人に名義変更したい
同棲解消によって契約者の彼氏が退去して彼女が一人で住みたいという場合や、友達とシェアハウスをしていて、契約者が退去して友達が残る場合なども該当する。また、契約者は退去するが、一緒に住んでいた親族以外の人が住み続けたいというケースも同様だ。
賃貸物件で契約者の変更を行う必要が出てくる場合⑤法人契約から個人契約に切り替えたいもしくはその逆パターン
会社が名義人の法人契約の場合、従業員が退社して個人名義に変更して住み続けたいというケースが当てはまる。また、家賃補助の期間が決まっている場合で、家賃補助の期間が満了となり個人契約に変更するケースや、転職先の会社規定で個人から法人契約に変更する場合なども該当する。
賃貸物件の契約者を変更する場合には、「名義変更」と「再契約・新規契約」がある
賃貸物件の契約者を変更する際、さまざまなケースがあることがわかった。契約者を変更する場合は「名義変更」を行えばよい場合と、「再契約・新規契約」が必要な場合がある。それぞれどのようなケースが当てはまるのか見ていこう。
賃貸物件の契約者を変更する場合:「名義変更」
名義変更をすれば済むケースは、名義人自体は変わっておらず、結婚や改名によって名前が変更したというケースだ。この場合は、賃貸人と賃借人の契約自体は変わらないため、名義変更という手続きで済む。
また、法人自体は変わらず、会社名が変わったというケースも名義変更の手続きのみでよい。
賃貸物件の契約者を変更する場合:「再契約・新規契約」
再契約や新規契約が必要になるのは、今までの名義人と別の人間が契約者となる場合だ。同棲解消や、ルームシェア解消などにより、契約者は退去するが同居人は住み続けるという場合、再契約や新規契約が必要だ。
離婚や死別などで夫から妻の名義に変更する場合や、親から子どもへ契約者を変更する場合、大家さんや管理会社によっては名義変更をすれば契約を継続できることもあるので相談してみるとよいだろう。ただし、その際は再度入居審査が必要な場合があるので、注意が必要だ。
なお、敷金や仲介手数料などを引き継ぐのか否かなども、大家さんや管理会社に事前に確認しておくとよいだろう。
賃貸契約で名義人を変更するときの注意点
実際に賃貸契約の名義人を変更する場合、どんなことに注意したらよいのかを見ていこう。
賃貸契約で名義人を変更するときの注意点①:名義変更もしくは再契約・新規契約で審査が必要になることもある
賃貸物件を契約する際に、勤務先や勤続年数、年収などを記載して入居審査を受ける。名義人の変更や再契約、新規契約を結ぶ場合には新契約者について入居審査が必要になる場合がある。賃貸物件を貸す側としては、名義人が変わったことで家賃の支払いが滞っては困るからだ。
結婚や改名などの場合は、名義人が変わらないため、勤務先などの変更がない限り再審査の必要はないのである。
しかし、離婚や死別によって配偶者が引き続き住む場合は、再審査をする可能性が高い。また、専業主婦で長い間働いていなかったというケースも同様だ。その場合、貯金や遺族年金などの情報を提出し家賃の支払い能力を示す必要がある。
なお、親から子どもに名義変更する場合も、就職先の情報や見込み年収などで再審査する可能性が高い。
賃貸契約で名義人を変更するときの注意点②:連帯保証人が必要になる場合がある
賃貸契約の連帯保証人は、契約者の親族が連帯保証人になっているケースがほとんどだ。そのため、離婚や死別で配偶者が引き続き住む場合などは、連帯保証人を変更する必要がある。
そのほかの名義変更の場合も、連帯保証人の変更や追加などを求められる場合があるので、あらかじめ連帯保証人になってもらう人にお願いしてく必要がある。
まとめ
賃貸契約の契約者は、そうそう変更できるものではない。しかし、婚姻や改名などによって、契約者自体は変わらないという場合、名義変更をすれば賃貸契約を継続することができる。
そのほかのケースは、大家さんや管理会社によって違いがあるので、自己判断をして契約違反とならないよう、事前にしっかり確認しておこう!
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