賃貸の設備故障、修理代は誰が払う?連絡先や正しい対処法を弁護士が解説

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賃貸の設備故障、修理代は誰が払う?連絡先や正しい対処法を弁護士が解説

賃貸物件で暮らしていると、「給湯器のお湯が出ない」「換気扇から異音がする」といった設備のトラブルに遭遇することがある。

そんな時、「早く直したいから」とつい自分で修理会社を手配してしまう人は少なくない。しかし、その良かれと思ってとった行動で、本来必要のない金銭的な負担が生じる可能性がある。

本記事では弁護士監修のもと、賃貸の設備に不具合や故障が発生した際の正しい対処法を紹介。また、修繕費が自己負担になるケースや、知っておきたい「家賃減額」の仕組みについてわかりやすく解説する。

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※記事の内容は、2026年9月の法令・情報に基づいています

芝大門法律事務所 高橋真司先生

慶應義塾大学卒業後、99年に弁護士登録・芝大門法律事務所へ入所。不動産紛争、居住者間のトラブルなど多くの大家さんが悩むテーマを中心に取り扱う「不動産問題のプロ」。著書に「賃貸住宅の法律Q&A」(大成出版社・共著)ほか。

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賃貸物件の設備が故障した!まずやるべきことと基本ルール

設備に不具合や故障が発覚したら、 以下の基本ルールに従って行動しよう。

ルール①:すぐに大家さん・管理会社へ連絡

設備に不具合や故障が発覚したら、まず先に大家さんや管理会社へ連絡を入れるのが鉄則だ。入居者には、借りている部屋を注意深く適切に扱う「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」がある。

設備の異常を見つけたのに「まだ使えるから」と放置し、故障や被害が拡大した場合、この善管注意義務違反に問われ、入居者へ修理費用が請求される可能性があります。ただしこの場合、全額ではなく「放置したことによって修理範囲が拡大し、増加してしまった分の修理費用」に限って入居者へ請求されるのが一般的です。 

ルール②:勝手に修理会社を手配しない

「早く直したいから」「後で領収書を渡せば精算してもらえるだろう」と考え、大家さんに連絡する前に自分で修理会社を手配するのはNGだ。設備は大家さんの所有物であり、勝手に手配して修理代が発生した場合、大家さんに費用を負担してもらえなくなる可能性が高い

水漏れなどの緊急時であっても応急処置が済んだら、まずは大家さんや管理会社に連絡しよう。

法律上、自分で修理会社を呼んでいいのは「大家さんに通知したのに対応してもらえない場合」や「一刻を争う急迫の事情がある場合」などに限られます。良かれと思って勝手に修理を頼むと、大家さん側で事前に状況を確認できないため、「そもそも本当に故障していたのか」と故障の事実自体が不明確になり、費用を負担してもらえなくなる恐れがあるのです。

要注意!修繕費用を入居者が自己負担しなければいけないケース

原則として設備の修繕は大家さんの義務だが、状況によっては「入居者の自己負担」となってしまうケースもある。主に以下のような場合だ。

  • 大家さんへ連絡せず修理を手配した場合
  • 自分の故意(わざと)/過失(うっかり)で壊した場合
  • そのアイテムが設備ではなく「残置物」だった場合 
  • 契約書に「修繕義務免除特約」がある場合

残置物と設備の違い

また、費用負担でとくにトラブルになりやすいのが「残置物(前の住人が置いていった私物)」だ。残置物とは前の住人が退去時に置いていった私物のことで、あくまで「厚意で使わせてもらっている物」という扱いになるため、故障しても大家さんに修理する義務はない。

見た目だけでは「設備」か「残置物」か見分けがつきません。入居時に渡される「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」をチェックしましょう。設備の一覧表で「有」や「〇」になっていれば設備です。もし、設備の欄が「無」になっているのに部屋にあったり、「特記事項(備考欄)」に「※エアコンは残置物とする」と書かれたりしている場合は、残置物となります。

また、「家具・家電プレゼントキャンペーン」などで手に入れたアイテムも、契約上の扱いが「設備」となっているかどうか、確認が必要だ。 自分で判断できない場合は、大家さんや管理会社へ確認し、後々「言った・言わない」のトラブルにならないようメールなどの文面で記録を残しておこう。

大家さんがなかなか修理対応してくれない場合

どんなケースが自己負担になるのか、大家さんがなかなか修理対応してくれない場合はどうすればいいかなど、具体的な対処法については以下の記事で詳しく解説している。

設備が使えない期間の家賃はどうなる?「家賃減額」のルール

大家さんの負担で修理してくれることになっても、部品の取り寄せなどで「数日間、お風呂が使えない」「夏場にエアコンが動かない」といった状況になることは珍しくない。不便を強いられている期間の家賃はどうなるのだろうか。

実は2020年4月の民法改正により、賃貸物件の設備が故障し、入居者に責任がない場合は「使えなくなった割合に応じて家賃が減額される」というルールが明確化されている。

どのような設備が対象になるのか、何日間使えなかったらどのくらい家賃が減額されるのかといった具体的なルールや計算の目安については、以下の記事で詳しく解説している。

なお、家賃の減額が認められるためには、「故障を発見して速やかに大家さんに連絡していること(放置していないこと)」などが前提となる。大家さんが故障の事実を知らなければ対応のしようがないため、異常を見つけたら早急に連絡しよう。

まとめ

賃貸物件の設備に不具合や故障が発生した際、トラブルを防ぐための重要なポイントは以下の通りだ。

  • 異常を見つけたら、「すぐに大家さん・管理会社へ連絡
  • 勝手に修理会社を手配すると、修理代が自己負担になる恐れがあるためNG
  • 入居者に過失がない設備の故障は、使えなくなった期間に応じて家賃が減額される

ここまで故障発生時の対応を解説してきたが、「故障させないこと」も重要だ。日頃から掃除を怠ったり、乱暴に扱ったりして故障させてしまった場合、「入居者の過失(善管注意義務違反)」とみなされて修理費用を請求される恐れがある。トラブルや出費を防ぐためにも、日頃から丁寧な清掃やメンテナンスを心がけよう。

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