ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説【一人暮らしビギナー向け医療コラム】

最終更新日:

一人暮らしでぎっくり腰になったら、自分一人で対処できる?

「病気や怪我をしてしまったらどうしよう」というのは一人暮らしビギナーが抱える大きな不安の1つだろう。
そんな一人暮らしビギナーのお悩みを少しでも解消するべく、Twitterで医療ニュースなどを発信して人気を博している医師のおると先生@Ortho_FL)が医療コラムを連載中!

おると@整形外科医

フリーランス整形外科医。TwitterYoutubeにて一般向けの医療啓蒙からネタまで取り扱っている。Twitterではフォロワー5万人越え、医師アカウントの影響力ランキング1位。YouTubeでは一般向けに分かりやすくかつ面白く病気に対する知識を発信している。

今回は、前回に引き続き腰にまつわるテーマ「ぎっくり腰」。
特に引越しなどでは、重い物を持ち上げる機会もあり、心配に思う人もいることだろう。動けなくなる場合もあるというぎっくり腰、一人暮らしビギナーは自分一人で対処ができるだろうか?
症状や応急処置などをしっかりチェックしておこう!

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
急な激痛に教われるぎっくり腰。予防や対処を知っておこう!

そもそもぎっくり腰とは?症状や原因、治るまでの期間って?

皆さんはぎっくり腰になったことがあるだろうか?
いわゆるぎっくり腰と呼ばれるものは、急に起こった強い腰痛を指す通称であり、病名や診断名ではない。
医学的には急性腰痛症というものに分類され、その激しい痛みからドイツ語では「Hexenschuss(魔女の一撃)」と呼ばれる。

ぎっくり腰の原因とは?

ぎっくり腰が起こりやすいのは重い物を持ち上げた時など、腰に負荷がかかった場合だが、ただ立ち上がろうとしただけなどの軽い負荷で起こる場合もある。
なぜ起こるのか、どのようにして痛みが出るのかということについては、現在でも完全には分かってはいない。

ぎっくり腰が治るまでの期間は?

急性腰痛の患者を経過観察した論文では、最初の6週間で疼痛は半分以下となり、半年でさらに半分、1年後には疼痛はほぼなくなる結果であった。

それでは、なんでも経過を見ておいていいかと言われるとそういう訳ではなく、椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの病気からくる痛みをぎっくり腰と思って放置したり、整体などで施術を受けて悪化してしまうこともある。
まずは整形外科受診することを強くおすすめする。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
ぎっくり腰はドイツ語で「魔女の一撃」という表現が使われるほどの激しい痛みが特徴だ

ぎっくり腰を予防するにはどうしたらいいの?

ぎっくり腰を予防するためにできることは、中腰での作業を控えること重量物の取り扱いを控えることのように、腰への負担を減らすことなどだろう。

重量物に関しては、男子は自分の体重のおおむね40%、女子では自分の体重の概ね24%程度までに制限しておくことが職場における腰痛予防対策指針で定められている。
引越しの際などは、荷物を持つ前に一度重さを考え、気を付けるようにしよう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
ぎっくり腰予防のため、重い荷物を持ち上げる前は一度冷静に考えよう

ぎっくり腰になったらどうしたらいいの?正しい対処法って?

もしもぎっくり腰になってしまった場合、我々はどう対処すれば良いのだろうか?

痛みが極めて強い時期では、いわゆる痛み止めと呼ばれるような薬を使用し、痛みの少ない体勢をとっているのが良いだろう。湿布に関しては使用してもしなくても構わない。
寝方に関してはうつ伏せは腰への負荷が大きく、基本的には推奨されない。横向きや仰向けでの膝屈曲位などが良いので、楽な方を選ぼう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
うつ伏せは腰腰への負担が大きいため避けた方が無難だ

座り方は椅子に深く腰をかけ、長時間の座位は避けるべきであろう。立ち上がりなどは肘置きや机などを支えにして腰に負担をかけないよう行うべき。キャスター付きの場合は体重をかけることにより、不意に椅子が動く場合があるので注意をしよう。

入浴に関しては初期は浴槽内での姿勢が困難であることも多く、シャワーのみにしておく方が良い場合も多い。

コルセットはあくまで受傷して数日程度にしておくべきだろう。腰痛に関しては動ける範囲内で動く方が回復までの期間が短いとされている。寝たきりは避けよう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
コルセットはぎっくり腰になってから数日程度にとどめておこう

2~3日の安静で効果がない場合や、 動きに伴わず常に腰痛がある、どんどん悪化していく、下肢に痛みやしびれ、感覚障害がみられる、トイレが出にくいなどの症状がある場合は直ちに整形外科を受診しよう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説
悪化した場合はすぐに医療機関へ!

まとめ:ぎっくり腰のポイント

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】ぎっくり腰の原因や症状って?予防・対策・応急処置を医師が解説

きっちり予防・対策すれば、一人暮らしでもぎっくり腰は怖くない!

ぎっくり腰では文字通り「動けなくなってしまう」レベルの痛みである場合も少なくない。
あらかじめ備蓄などがあると、安心して生活ができることだろう。
鎮痛薬などは家に備蓄しておき、内服したのちに整形外科を一度受診するというのが望ましいだろう。

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おると@整形外科医

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