大河ドラマ『麒麟がくる』第十回あらすじ&イラストレポート【麒麟がきても、こなくても】

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ファン目線で大河ドラマを楽しむイラスト連載!

毎週日曜放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』を楽しむ、大河ドラマ追っかけレポート!
毎週金曜日、前の週のおさらいを兼ねてあらすじと感想をお送りする(以下、ネタバレを含みます)。

『麒麟がくる』第十回「ひとりぼっちの若君」のあらすじ

今川義元(片岡愛之助)によって側室の子・織田信広を人質にとられた信秀(高橋克典)は、竹千代(岩田琉聖)との人質交換に応じようとしていた。
今川の勢力が力をつけることを危惧した斎藤道三(本木雅弘)は、明智十兵衛(長谷川博己)に尾張の帰蝶(川口春奈)のもとを訪れ、成り行きを偵察してくるよう命じる。

熱田で味噌を売っていた菊丸(岡村隆史)に味噌をもたせ、贈りものを口実に城を訪れる十兵衛。折しも城に戻ってきた信長(染谷将太)に鉄砲について問われ、正しい答えを返し気に入られる。中へ通されたところにやってきたのは、渦中の竹千代であった。
竹千代から「父(広忠)を殺したことを気にしないでほしい」と言われた信長は、竹千代と将棋を指すことにする。天井裏から菊丸が見守る中、竹千代は「敵である今川の顔を知りたい」と語り、人質交換には前向きでいることを伝える。

5年ぶりに京へ戻った旅の一座は、駒を育てた伊呂波太夫(尾野真千子)のものだった。思い出ばなしの中で、自分を助け、一座に預けた侍の家紋が「桔梗」だと聞かされる駒(門脇麦)。恩人が明智家の人間だと知る。

大河ドラマ追っかけレポート⑩(3/22放送回)

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』第十回追っかけレポート

文句を言いつつ、絶対やり遂げちゃう主人公

「命がいくつあっても足らんわ!」
十兵衛が誰もいないところで叫びたくなる気持ち、わかる。斎藤道三父娘に軽く「行け」と命じられて行く命がけのおつかい、これで何度めだろうか。そりゃ「鬼め!」と悪口を言いたくもなる。わかるよ、十兵衛。
しかしそれも、十兵衛が人並みはずれて賢い上に、やれと言われたら愚痴を言いつつも何があってもやり遂げる、しつこさがあるから。貴重な鉄砲を手に入れ、京の名医を連れ帰り、織田信秀の病状を探り、織田信長がどんな男か調べる。
文句を言いながらもなかなかすごいことをしている、さすが主人公。

十兵衛の叔父のように、裏では上司の陰口を言いながら、面と向かってはすべて同意して特に意見しない、そんな生き方の方が楽だし、たぶん長生きしそうな気がするけれど、それができずにすべて全力で正直なところが十兵衛のかわいらしさでもあり、行く末を案じてちょっと悲しさを感じるところでもある。

さて、そんな十兵衛の今回のおつかいは味噌を届けるという口実で帰蝶のもとへ。
「はいはい父がいつも通り十兵衛に何か探らせにきたのねー」とさっさとわかってしまう帰蝶、さすが斎藤道三の娘。織田家に嫁ぎつつ、斎藤家のためにここにいるという自分の役割を忘れていない。
十兵衛のおつかいはうまくいきそうだな、と思ったところに帰ってきてしまう織田信長。

生と死を笑顔で向けてくる男・信長

前回からそうなのだが、彼が出てくるとテレビを観ているこちらもぴりっと緊張する。次に信長が何をするか、予測ができないのだ。
婚礼をすっぽかし泥だらけで現れて、素直に謝る。おめでたい引き出物として、満面の笑みで生首を差し出す。将棋をしたいとかけよった竹千代を突き飛ばす。
優しい顔と恐ろしい顔が、くるくると回転し続けていて、次にどの顔を見せるのかがわからない。

今回も、鉄砲で撃ったイノシシという「死」と、帰蝶のために手折った野菊という「生」を、同時に運んで帰ってきた。
鉄砲と花、そのどちらをこちらに向けてもおかしくない男、信長。
そして一度見た顔は、完全に変装していても忘れない男、信長。絶対こんな人の近くに行きたくない。

こんなに恐ろしい信長を軽くいなせる、彼よりもっと恐ろしい女性が帰蝶。まさかあんなに簡単に、十兵衛に信長を探らせていたことを言ってしまうとは思わなかった。そして恐ろしい信長がやがて天下を取ると信じている。強い。

かわいそうな、ひとりぼっちの人質のはずが……

そこにやってくる竹千代。人質としてあちらこちらに移動させられ、まるで将棋の駒のように「モノ扱い」されている若君。

かわいそうに……という同情するこちらをひっぱたくように、竹千代もまた恐ろしいことを次々口にする。将棋はしないという信長に「負けるのがこわいのか」「父を討ち果たしたからか」「気にするな、自分もあの父は大嫌いだ」「敵を知るために今川へ行く」……ひいい。

この屋敷には恐ろしい人間が三人も揃っている。こんな中で「明日も鉄砲の話をしよう!」と言われてしまった十兵衛、本当に命がいくつあっても足らない。
恐ろしい人たちの恐ろしい話を天井からこっそり覗いている、味噌を運んでさっさと帰ったはずの菊丸。彼の命もいくつあっても足りなさそう。どうか最終回まで生き残って欲しい。

イラスト・文=渡辺 裕子

テレビ大好きイラストレーター+ライター。ローチケHMV/きょうの健康/リアルサウンドなどで、イラストコラムや挿絵を担当中。
ツイッター:@satohi11
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