【一人暮らしビギナー向け医療コラム】インフルエンザの潜伏期間・症状・予防・対策を医師が解説
2020年も流行!?一人暮らしの敵、インフルエンザ
病気になってしまったらどうしよう」というのは一人暮らしビギナーが抱える大きな不安の1つではないだろうか。特にこの時期心配なのは「インフルエンザ」。ひどい高熱や頭痛などの症状で辛い経験をしたことがある人も多いのでは?
そんな一人暮らしビギナーのお悩みを少しでも解消するべく、Twitterで医療ニュースなどを発信して人気を博している医師のおると先生(@Ortho_FL)が医療コラムを連載中!
今回のテーマは「インフルエンザ」。さっそくチェックしていこう。
そもそもインフルエンザとはどんな病気?高熱などの症状や、潜伏期間は?
インフルエンザとはどんな病気なの?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気である。
症状としては以下の症状が現れるのが特徴となっている。
・38℃以上の発熱
・頭痛
・関節痛
・筋肉痛
・全身倦怠感
・のどの痛み
・鼻汁、咳 など
高齢者や小児、妊婦、慢性呼吸器、心疾患、代謝性疾患、免疫機能不全などがある方は重症化のリスクがあると考えられ、合併症である肺炎などに十分注意する必要がある。
インフルエンザと風邪はどう違うの?
一方、風邪はおもにウイルス感染による上気道炎ではあるが、原因のウイルスの数は非常に多い。
のどの痛み、鼻汁、咳などの症状は見られるが、全身症状があまり現れないことは判断の手がかりとなると考えられる。
インフルエンザにはどうやって感染するの?
インフルエンザのおもな感染経路は、感染者の咳やくしゃみを体内に入れてしまう飛沫感染である。
潜伏期間、いわゆる症状が出現するまでには感染から数日かかるため、感染しているものの全く症状のない人たちが周りにいる可能性があり、注意が必要である。
インフルエンザはどんなところが危険なの?
インフルエンザは感染力が非常に強く、患者推計値は年間で1,000万人を超える。
つまり、多くの人間が毎年感染の危険にさらされること、そして致死率は低いもののインフルエンザによって命を奪われる人がいることが問題である。
自分が感染しないことももちろん、感染してしまった場合、周りにうつさないようにしなければならないのはこのためである。

高熱が出ることや、非常に強い感染力がインフルエンザの特徴といえる
一人暮らしは特に気をつけたいインフルエンザ!予防はどうしたらいいの?
病気をしたときは自分ひとりで対応しなければならない一人暮らし。インフルエンザを予防する上で重要だと言えるのは以下の点である。
・流行前のワクチン接種
・マスクなどによる感染源への接触防止
・外出後の手洗い等
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
・人混みや繁華街への外出を控える

インフルエンザが流行する前にワクチンを接種しておくのがよいだろう
熱が出たけどこれって初期症状?一人暮らしでインフルエンザになってしまった時の対策は?
もしもインフルエンザにかかってしまったかもしれない場合、以下のような対応を取ることが望ましい。
①:感染拡大を防ぐため、人混みや繁華街・学校・職場などには行かない
②:どうしても外出をしなければならない場合は最低限にしておき、必ず飛沫感染対策としての咳エチケットを徹底する
・咳やくしゃみを他の人に向けて発しない
・できるだけ不織布製マスクを常時着用する
・とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ハンカチ・ティッシュ・肘の内側などで口と鼻を覆う
(参考:厚生労働省 咳エチケットサイト)
③:安静にしてしっかりとした休養をとる
④:栄養、水分を十分に補給する

マスクを着用することが基本だが、とっさの時の対策も頭に入れておこう
また、インフルエンザ感染時の受診についてだが、基本的にインフルエンザに対しての特効薬というものは存在せず、効果のあるタミフルでも症状を1日程度早く引かせるという程度である。
インフルエンザの時におすすめの食べ物は?お風呂に入ってもいいの?その他疑問を解説
インフルエンザになったときにおすすめの食べ物は?
食べ物に関しては消化吸収が良い物を摂取する必要がある。以下のようなものが無難ではないだろうか。
・おかゆ
・重湯
・よく煮込んだうどん
・味噌汁
・野菜スープ
・リンゴのすりおろし
・アイスクリーム(脂肪分の少ないもの) など
インフルエンザのときは入浴してもいいの?
入浴に関しては、高熱が出ており動くことすら辛いような時期に無理して入浴する必要はないと考える。
インフルエンザであっても入浴自体は禁止とはならないが、ぬるめのお湯で短時間とし、湯冷めをしないことや水分を多めにとることなどに注意をする必要がある。

入浴してはいけないわけではないが、湯冷め防止や水分摂取に気をつけよう
症状が治まっても感染拡大に注意!インフルエンザの感染期間はいつまで?
前述した通りインフルエンザに関しては感染力が強く、インフルエンザ様の症状が治まったとしても感染力は残っているという点には十分な注意が必要。
感染の可能性がなくなる時期というものは、学校保健法で言われる「発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで出席停止」というものを基準にするのが妥当である。
症状が出現した日は第0病日とし、翌日から1.2.3…と数えることを注意したい。

感染拡大を防ぐためにも、発症後5日後かつ解熱後2日後までは外出を控えよう
まとめ:一人暮らしでインフルエンザになった時のポイント
インフルエンザの症状が出たら、慌てず対策してゆっくり休もう
一人暮らしでインフルエンザにかかってしまった場合、症状も辛く不安な気持ちも強いだろう。そのためにも日常的に予防を意識して生活することが大切である。
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文=おると@整形外科医
フリーランス整形外科医。Twitter・YouTubeにて一般向けの医療啓蒙からネタまで取り扱っている。Twitterではフォロワー5万人越え、医師アカウントの影響力ランキング1位。YouTubeでは一般向けに分かりやすかつ面白く病気に対する知識を発信している。
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