二人暮らしの食費はいくら? 予算の立て方や食費節約のコツもご紹介

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食費をやりくりするコツ

食費をやりくりするコツ

ここでは、具体的な食費のやりくり方法について、買い物時買い物後調理時の3つのパターンに分けて紹介する。

全てを一度にする必要はないが、できることから始めて、一つでも多く取り入れてほしい。

買い物時のコツ

コスパの良い食材を中心に購入する

食費を抑えるには、 栄養価が高く、コスパの良い食材を中心に選ぶのがポイント。
グラムあたりの単価や、1パックで何食分作れるかを意識すると、より節約につながる。

たとえば、以下のような食材がコスパが良く節約しやすい。

食材平均価格
野菜・キャベツ(1玉) 322円
・もやし (1袋)42円
・じゃがいも(500g)279円
・しめじ(1パック)160円
・えのき茸(1パック)106円
肉類・鶏むね肉 100gあたり 125円
・豚肉こまぎれ 100gあたり 150円
・豚ひき肉 100gあたり 166円
・鶏むねひき肉 100gあたり 140円
加工食品・納豆(3パック)85円
・豆腐(1丁)106円
・あぶら揚げ(1枚)74円
麺類・パスタ(600g) 430円
・うどん(2食)279円
・焼きそば(3食)213円
その他・たまご (10個入) 236円
※出典:おねだんノート(2025年4月4日時点)
※すべて税込み表記
※実際の価格は時期や地域によって異なります


近年は、食料品をはじめとした物価の上昇が顕著で、特に野菜などの価格変動が激しくなっている。家計への負担が増す中で、少しでも食費を抑える工夫が必要だ。

肉は、節約しやすい「鶏むね肉」「豚こま肉」「豚ひき肉」「鶏ひき肉」を中心に、特売品や旬の野菜、大豆製品を取り入れながらかさ増しすると、食費を抑えやすい。

また、鳥インフルエンザなどの影響で価格が変動しやすい「卵」は、栄養価が高く、自炊の助けになるため、ストックしておくと便利だ。

野菜が高いときは、業務用スーパーなどの冷凍野菜を活用するなど、臨機応変に使い分けるとよい。

買い物は空腹時を避けて予算とメモを持って行く

予算は1ヵ月分を5週に分け、1週間分を専用の財布に入れて買い物へ行くと管理がしやすい

また、空腹時に買い物へ行くと、嗜好品など不要なものを必要以上に買ってしまいがちだ。メモに書いた必要なものを優先的に購入し、残った予算で嗜好品類を買うようにしよう。

1週間分のまとめ買いもしくは3日に1度のプチまとめ買いをする

働きながら自炊をする場合は、休日にまとめ買いをして、小分け冷凍や下味冷凍(※)をすると平日の自炊が楽になる。

しかし、予定外の外食などで使い切れないこともあるため、外食の予定が多いなら、3日に1度のまとめ買いにして、食材の管理をしやすくするとよいだろう。

(※)「下味冷凍」の詳しい方法は後述

安い店舗や割引デーを使い分ける

店舗によって値段設定は異なる。近隣のディスカウントスーパーや業務スーパー、ドラッグストアなど、安く買える店を上手に使い分けることで、購入費用を抑えられる。
よく買う定番の食材については、買い物をしながら価格をリサーチしておくと、どの店で購入するのが得か分かり、時間の節約にもつながる。

また、同じ店舗でも日によってお買い得商品が変わるため、チラシアプリなどで事前にチェックしておくと便利だ。
特に食パンや卵、牛乳などの「白物食材」はドラッグストアでも安く提供されることがあるので、近隣のドラッグストアで価格をチェックしておくとよいだろう。

値引き品や見切り品はよく考えて買う

広告の品や割引シール、見切り品は、家計の助けになることもあるが、浪費の原因になりかねない。調味料などのストック用なら問題ないが、もともと買う予定のなかった生洋菓子などの嗜好品は、たとえ半額でも不要な支出になりやすい。

今日の晩御飯用に、半額のお肉を加熱して食べるはOK。など上手に使い分けたい。

日持ちがするものとしないものの割合を考える

生魚やもやし、葉物野菜など、すぐに食べきる必要がある食材ばかりを買うと、食べきれずに廃棄することになりかねない。

冷凍できる肉や日持ちのする根菜類なども組み合わせることで、食品ロスを減らせる。

買い物しながらポイントを貯める

食費を抑えるために、 ポイントサービスを活用するのも効果的だ。
ポイントは、実質的な値引きに相当するため、二重取り、三重取りやポイントアップを狙い、効率よく貯めたいところ。食材を購入しながらポイントを貯めれば、後日そのポイントを使って食材を購入することもできるし、外食費に充てるのも一つの方法だ。

たとえば、ポイントが貯まる決済サービスを利用すると、効率よくポイントが貯まる。QRコード決済や、特定のキャンペーンを活用することで、ポイント還元率をアップさせることができる場合もある。ポイントの付与条件や対象商品を確認し、賢く活用しよう。ただし、ポイントを貯めるために余計なものを買わないよう注意が必要だ。

おすすめの貯め方は、クレジットカードや携帯キャリア、QRコード決済など、ポイントが連携するサービスを統一することだ。特定の「ポイント経済圏」を決めて効率よく貯めると、ポイントが貯まりやすくなる。

貯まったポイントは、誕生日やクリスマスなどのイベント費用に充てる ことで、特別な支出を抑えるのにも役立つだろう。

買い物後のコツ

まとめ買いをした肉を小分け冷凍する

「鶏胸肉」「豚小間切れ肉」「ひき肉」などの節約食材をまとめ買いし、1食分(200g程度)ずつラップに包んで小分けにする。購入時にトレイについていた値札を切り取って、ジップ式の袋に入れ、一緒に冷凍しておくと、購入日が一目でわかるので便利だ。

「下味冷凍」や「冷凍貯金」を活用する

購入した食材と長持ちさせ、調理時に使いやすくする方法として、「下味冷凍」「冷凍貯金」がおすすめだ。

「下味冷凍」とは、カットした肉や玉ねぎを焼肉のたれなどで味付けし、ジッパー付きの保存袋に入れて揉み込み、冷凍しておく方法のこと。朝出勤前や前日の夜に、冷凍庫から冷蔵庫へ移しておけば、帰宅後にフライパンで加熱するだけで簡単におかずが一品作れる。

「冷凍貯金」とは、食材やおかずを冷凍しておくことで、忙しい日々に時間や心のゆとりを作る習慣だ。たとえば、特売で買ったきのこは、石づきを取ってバラし、保存袋に入れて冷凍する。凍ったまま取り出して、そのまま調理できるので便利だ。同様に、ブロッコリーは小房に分けたり、インゲンの筋を取ったり、小松菜をざく切りにして冷凍することもできる。

このような方法を活用すれば、食材の無駄を減らし、調理の手間も省ける。冷凍保存を上手に使うことで、時間・栄養・お金を貯め、家事の負担を軽減することができる。

作り置きおかずを作る

自炊が中心で弁当も作る場合、作り置きおかずを活用すると、昨今値上がりが著しい冷凍食品の利用を減らせる。

定番の作り置きおかずには、ひじきの煮物きんぴらごぼう切り干し大根などがある。季節の食材を使った料理として、夏野菜のラタトゥイユナスとピーマンの味噌炒めなどもおすすめだ。

作り置きおかずを作る際は、菌の繁殖にも注意して欲しい。
味付けは濃いめにし、しっかりと加熱調理をすることが基本だ。また、汁気をできるだけ減らし、保存容器はフタ付きの清潔なものを使う。調理された作り置きおかずは、冷ましてから冷蔵または冷凍保存する。
容器から取り分けるときは、清潔な箸やスプーンを使うことも忘れてはいけない。

調理時のコツ

消費期限・賞味期限が近いものから調理する

食肉や生魚、刺身、生めん類、総菜など、消費期限が設定されている食品は、期限を過ぎると食中毒のリスクがあるため、廃棄しなければならない。
そのため、消費期限が記載された食材は、早めに食べきることが大切だ。

一方で、賞味期限は品質の劣化が穏やかな食品に表示される。
牛乳や乳製品、豆腐、卵、肉加工食品、缶詰や乾物、乾麺などに多く設定されているが、製品によっては賞味期限が短いものもあるため、管理はしっかりとしておきたい。

使い切りたい食材をキーワードにして献立を考える

献立を考えるコツは、使い切りたい食材と組み合わせたい食材をキーワードにして、レシピサイトやYouTubeなどの動画サイトで検索をすること。複数のレシピが表示されるため、その日の気分や調理時間の目安に合わせて作れそうなものを選ぶだけでよい。

難しく考えずに、さまざまな食材の組み合わせを楽しむのもおすすめだ。
弁当を作る場合は、調理時に弁当用のおかずをあらかじめ取り分けておくと、後の作業がラクになる。
取り分けたおかずは、冷ましてから冷凍保存し、弁当に詰めるときは加熱してから詰めるようにしよう。

その他のやりくりのコツ

その他のやりくりのコツ

食費のやりくりには、買い物や調理の工夫が重要だが、生活全体を見直すことで節約につながる方法がある。

ここでは、日々の習慣や工夫によって、無理なく食費を抑えるコツを紹介する。

外食は特別なときだけにする

共働きで二人暮らしをしていると、外食やコンビニ、テイクアウト、デリバリーなど、手軽に食事ができる選択肢に頼りがちになる。
これらは忙しい日々の助けになるが、頻繁に利用すると食費の予算をすぐに使い切ってしまうだろう。
食費の予算を守るためには、自炊をメインにして、外食は誕生日など特別な日に楽しむようにするのが理想的。

物価が高騰する中、食費をやりくりするには、自炊と外食を上手に使い分け、バランスを取ることを心掛けよう。

弁当を作り、お茶も持参する

前述のとおり、できるだけ外食や総菜の購入回数を減らすことが、食費節約の近道になる。

弁当は、作り置きおかずや前日のおかずを活用すると、負担を減らしながら継続しやすい。もし弁当作りが難しい場合は、おにぎりをまとめて作って冷凍しておくだけでもよい。時間がないときは、冷凍おにぎりをレンジで温め、海苔を巻いて持参するだけでも十分活用できる。

また、ペットボトル飲料を購入せず、自宅で作った麦茶などを水筒に詰めて持参すれば、飲料代の節約につながる。
お茶は、水出しよりもお湯で作ると傷みにくくなる。煮出す必要はなく、容器にお茶パックを入れ、熱湯を注ぐだけでもよい。冷めたら冷蔵庫で保管し、衛生的に管理することが大切だ。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税とは、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度。

寄付することで、住んでいる自治体の住民税の控除や所得税の還付を受けられる。
ただし、寄付の上限額は所得によって異なるため、ふるさと納税サイトなどで事前に確認する必要がある。

たとえば、3万円を寄付した場合、約1万円分の返礼品をもらえ、自己負担額の2000円を差し引いた2万8000円分の税金が還付または控除される。控除を受けるには、ワンストップ特例制度を利用するか、確定申告をする必要がある。

ふるさと納税では、寄付金の約30%が返礼品として受け取れるため、お米や野菜などの食材を選べば、家計の負担を軽減しながら食費を節約することができる。

家計簿アプリなどで家計を共有する

食費の残額を把握し、共有することで、自炊への意識が高まり、計画的な支出がしやすくなるだろう。家計簿アプリの共有機能を利用すると、どちらがいくら使ったのかを簡単に確認でき、無駄遣いを防ぎやすい。

また、チャージ式のペアカードを作り、食費専用の支払いにすることで、予算管理がより明確になる。

ふたりでお金の流れを可視化し、協力しながらやりくりする習慣をつけることが大切だ。

家庭菜園にチャレンジする

野菜の価格が高騰すると、食卓の彩りが少なくなり、どうしても見た目が茶色っぽくなりがちだ。

そんなときは、ネギ大葉パセリなど、比較的育てやすく彩りになる野菜を家庭で栽培するのも一つの方法。
100円ショップでは、2つで100円とリーズナブルな価格で種が手に入る。また、近隣にホームセンターがあるなら、種だけではなく、土とプランターも揃えると、長期間活用できる。

植物を育てるのが好きな人にとっては、節約しながら食卓を豊かにできるおすすめの方法といえるだろう。

二人で共通の目標を持てば、節約が楽しくなる!

二人で共通の目標を持つ

本記事では、二人暮らしにおける食費の予算の決め方や配分方法、やりくり術などを紹介したが、そもそもなんのために食費をやりくりするのかを考えていただきたい。

将来の結婚式のためなのか、住居費用なのか、旅行費用なのか、食費をやりくりする目的を明確にすることで節約のモチベーションが高まる。これは食費だけでなく、生活費全体のやりくりにも当てはまる考え方だ。

家計のやりくりをするうえで重要なのは、二人で試行錯誤しながら楽しむこと。将来のために努力する過程が、辛く感じたり負担になったりしてしまっては本末転倒だ。「節約=義務や負担」としてとらえるのではなく、「生活の一部」として自然に習慣化できれば、一生続けられる「お得なスキル」になる。

二人暮らしは一人暮らしと比べ、出費を抑えやすい環境ともいえる。
この機会を生かして、将来のライフイベントに向けて計画的に貯蓄を進めていきたい。

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