二人暮らしの食費はいくら? 予算の立て方や食費節約のコツもご紹介
二人暮らしの食費、どう考える?
二人暮らしを始めると、一人暮らしや実家暮らしのときに比べて生活が大きく変わる。お金の管理方法、家事分担など、二人で考えるべきことも増える。初めは慣れないかもしれないが、協力してやりくりをしていこう。
今回は、二人暮らしの「食費」について、予算の決め方と二人の分担方法、節約術などを紹介する。
このページの目次
同棲や二人暮らしにかかる食費の平均額は約8万5000円?

総務省の「家計調査」(2024年)によると、「二人以上の世帯」の食費平均は8万5040円となっている。
本データにおいて、世帯の平均人員は2.88人。単純計算すると、一人あたりの食費は2万9528円、二人分の食費は5万9055円となる。
また、本データの食料費には外食費も含まれている。調査によると、外食費の平均は1万3720円。一人あたり4764円、二人で9528円と考えて計算すると、外食を除いた二人分の食費は4万9527円になる。
昨今の物価上昇により、精米や野菜が値上がりしているため、しっかりとやりくりをしていく必要がある。一方、以下の記事で紹介したとおり、一人暮らしの食費は平均で約4万6000円程度である。二人暮らしの食費は一人暮らしの単純な倍にならず、やりくりをすれば抑えることできると言っても良いだろう。
出典:総務省「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯(2024年)」
二人暮らしの食費の予算の目安と決め方

二人暮らしの食費の平均がわかったところで、次は食費の予算の目安や決め方について解説する。
具体的には、次の3つの方法をおすすめする。
- 平均金額の5万円に設定する(外食費を含む)
- 生活費の20%を食費の予算にする(外食費を含む)
- 二人のライフスタイルに合わせて決める
それではそれぞれ詳しく解説していこう。
平均金額の5万円に設定する(外食費を含む)
一つ目は、外食費を除いた食費の平均金額4万9527円に近い5万円を予算とする方法。この場合、1週間1万円程度で食費をやりくりすることになる。
先ほど紹介したとおり、外食費を含めた二人暮らしの食費の平均は約6万円だったが、あえて外食費も含めて5万円に設定することで、予算にバッファを持たせることができる。
また、「1週間=5週」とすることには意味がある。月始め・月末の週は2~3日程度で終わることがあり、その週に調味料や米などを購入して調整することができる。
この金額は、同調査における二人以上世帯のエンゲル係数28.3%を一人あたりに換算した値とほぼ同じである。
なお、昨今の物価上昇を考慮すると、しっかりとやりくりしないと予算を超えてしまう恐れがあるため、慎重な支出管理が求められる点に注意が必要だ。
やりくりのコツについては、この後のセクションで詳しく紹介するので、ぜひ最後まで読んでほしい。
生活費の20%を食費の予算にする(外食費を含む)
ここでいう生活費とは、住居費や公共料金などの共同支出のことで、食費も含まれる。
たとえば、一人15万円ずつ出し合い、月の生活費が30万円の場合、その20%にあたる6万円が食費(外食費を含む)となる。この場合も、週あたりの予算に分けて管理するとよい。
エンゲル係数の理想的な値は15~20%とされているため、この考え方は合理的といえる。
二人のライフスタイルに合わせて決める
食費には、朝食、昼食(弁当)、夕食に加えて、外食や飲料代、菓子代などが含まれる。二人暮らしの場合、先述した「平均金額の5万円」や「生活費の20%」といった具体的な数値を踏まえながら、それぞれのライフスタイルに合った予算を決めることもできる。
もし朝食と昼食を外食やコンビニで済ませることが多い場合、夕食は自炊にし、外食は特別な時のみとすることで、共通の食費を抑えることができるだろう。
また、飲料類や嗜好品の費用を各自の財布から出すルールを設けることで、ジュースやお酒を飲まない人や、お菓子などを食べない人が共通の食費を負担する不公平感を解消できる。
ただし、この方法を採用すると、食費の分担が曖昧になりやすいといったデメリットもある。そのため、お互いが納得できる形でルールを決めることが重要だ。
二人暮らしの食費の負担方法は?

食費の予算が決まったら、誰がどのように負担するのかを考えることも重要だ。分担の方法によって公平性や管理のしやすさが異なるため、自分たちに合った方法を選ぶことが大切だ。
ここでは、代表的な5つの分担方法を比較表とともに紹介する。
分担方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
同額で折半する | シンプルで管理がしやすい | 不公平感が生じることがある |
収入に応じた負担割合にする | 収入差を考慮し公平な負担が可能 | 計算の手間がかかる |
担当制にする | 分担が容易 | 家計支出全体が見えにくくなる可能性がある |
多く食べる方が多めに負担する | 食べる量に応じた負担で納得しやすい | 不公平感が生じることがある |
食事を作る人と作らない人で負担割合を変える | 家事負担と食費負担のバランスを取れる | 不公平感が生じることがある |
同額で折半する
最もシンプルなのは、折半にする方法だ。
たとえば、月の食費が6万円の場合、それぞれ3万円ずつ負担し合うというものである。
ただし、収入差がある場合は、収入が低い方の負担が大きくなる可能性があるため、次に紹介する「収入に応じた負担割合にする」ことも検討しよう。
収入に応じた負担割合にする
二人の収入差がある場合は、それぞれの収入に応じた負担割合にするのも一案だ。
たとえば、一人の手取り月収が40万円、もう一人の手取り月収が20万円の場合、食費を均等に折半すると収入の少ない方の負担が大きくなる。
この場合、収入が多い方が多めに負担することで、負担の公平性を保つという考え方になる。
具体的には、食費が6万円なら、収入が多い方が4万円、少ない方が2万円を負担するといった方法が考えられる。
担当制にする
住居の契約状況などに応じて、家賃や水道光熱費を負担する人と、それ以外の食費や日用品を負担する人に分ける方法もある。
この方法は、分担しやすいという利点がある一方で、家計全体が見えにくくなる可能性がある。また、食費を負担する人が、そのまま買い物・購入品の管理・調理なども担当するケースが多くなりがちで、不公平感が生じる可能性がある。
そのため、家事の分担も含めて話し合い、バランスよく負担できるよう調整することが重要だ。
多く食べる方が多めに負担する
二人とも同じ量を食べるとは限らない。片方が多く食べる場合、食べる量が少ない方が不満に感じる可能性もあるだろう。その場合、多く食べる方が多めに負担するという方法もある。
この方法は、食べる量の違いを考慮して負担を決めることで、より納得感のある分担ができるというメリットがある。
ただし、多く食べる側が無自覚なケースも多いため、負担割合について違和感を感じた場合は、早めに話し合うことが大切だ。
食費を作る人と作らない人で負担割合を変える
食事を作るには、買い物、献立作り、調理、後片付けなど、一連の作業がある。
二人暮らしの場合、食費の負担だけでなく、こうした作業の分担についても考慮する必要がある。同じ金額を負担しているのに、調理などの負担がどちらかに偏ると、不公平感が生じる可能性がある。
掃除や洗濯、ゴミ捨てなど、ほかの家事分担も考慮しながら、食費の負担を決める方法も検討するとよいだろう。
ここまでは、二人暮らしの食費の目安や予算の立て方について触れてきた。では、実際に食費を抑えるためにはどのような工夫ができるのだろうか?
次のページでは、食費をやりくりするための具体的なコツを紹介する。