【一人暮らし女子の部屋作り事例】海外インテリア&アンティークなDIY部屋
好きなジャンルをDIYで演出した、世界観たっぷりの一人暮らし
シンプル・シックなお部屋も憧れるけれど、好きなジャンルを上手に組み合わせたミックスインテリアに挑戦してみたい人も多いのでは?
海外インテリアとアンティークの雰囲気を組み合わせ、おひとり様DIYにいそしむioさんは、自分自身もワクワクしながら部屋作りをしている模様。素敵な部屋作りのコツやポイントをじっくり聞いてみよう。
プロフィール
名前:ioさん(26歳)
インスタグラム:@riff______
職業:美術雑誌の編集アルバイト
居住形態:1人
ルームデータ
所在地:東京都
間取り:1R
築年数:約30年
家賃:60,000円/月(管理費はなし・ネット費用込み)

これを買ってからずーっと床で過ごすようになった」という程、お気に入りのラグ
このページの目次
「光・香・音」をテーマにした、海外インテリア×アンティークな一人暮らしの部屋
故郷・鹿児島で美術系の学校を卒業し、生粋の布好き・ものづくりフェチなioさん。部屋を心地よい空間にするため「光・香・音」の3つのテーマを設けている。
光は全てオレンジに統一し、電球をゆるめて明るさも調整。夜は電球1つやロウソクだけで過ごすこともあるほど、ポツンとした光が心地いい。
「香は青山の専門店で買ってきたお気に入りのお香を、毎日1本夜に焚き、その1本のためにお酒を飲むという感じ。1本32円という金額も、贅沢な時間のためなら惜しくありません」(ioさん)
さりげなく流れる音楽も、「音質は良くないけどラジオっぽいとか、重低音を響かせたいとか、目的や気分に応じてスピーカーを切り替えて楽しむ」というほどのこだわりを見せる。

IKEAの3連ライトは裸電球のまま使ったり、ガラスのシェードをかぶせたりアレンジが楽しい
部屋は白とグレーと木の素材に絞り、差し色としてラグを敷いた。シンプルにまとめる先人たちが多いなか、「海外インテリアとアンティークの融合を目指す」という心意気が評価され、インテリアの写真投稿サイトで“ミックスインテリア賞”を受賞したほど。
確かに様々な要素が混在しているようで、上手にまとまった落ち着きのある部屋が、不思議な居心地のよさを演出している。
思い立ったらすぐ動く!休日を気分よく過ごすための前夜祭的模様替え
木をインテリアの肝にするのにも「釘を打ったりドリルで穴も開けられるので便利だから」という理由ため。そう、ioさんは筋金入りのDIYラバーでもある。
「とにかく手を動かしてものを作るのが好きなので、このヘッドレストも自作。枕が落ちるのを防げるし、服もかけられるので便利です。ローチェストにしているのも実はりんご農家から買ったりんご箱。重ねたりボンドで留めたり色を塗るのも自由で、不要になればバラして処分できる手軽さも魅力なんです」(ioさん)

トンカチだけでは物足らず、ドリルも買って自作したという自慢のヘッドレスト。引っ越す時はバラして板にして持っていくつもり

メルカリで購入したりんご箱。ペンキで塗ろうとも考えたが、木の質感が部屋を中和してくれるのでそのまま利用している
引越し時の現状復帰が課題だが、そこを上手に工夫するのも賃貸の醍醐味。ロールカーテンはカーテンレールに結束バンドで固定し、仕切りのカーテンは突っ張り棒に通し両脇をマステで巻いて画鋲で天井に留めている。
「画鋲の穴が気になる時は、ティッシュにボンドをつけて針で穴を埋め、乾いたらハサミで切ると綺麗に仕上がる」と、立つ鳥が後を濁さない工夫も教えてくれた。
2~3ヶ月に一度は全てを動かす大掛かりな模様替えをするというioさん。頭の中で配置が決まったら、すぐ動かずにはいられない。
基本は「金曜の夜」。「休みの日を新しい気持ちで過ごしたいから、休日前の夜にベッドやチェストなどの大物を動かして、微調整は休日にする。休みなら足りないものも買いに行かれるし、新しい部屋で休日を迎えられて気分があがる」のだという。
そして模様替えは家具移動にとどまらない。「壁紙を購入すると意外とコスト高。日暮里で1m100円の布を購入して壁にホチキスで留めるだけでも気分転換になる。この壁にも少し前まで緑の布を貼っていました」とインテリア初心者へのアドバイスも的確だ。

少し前の部屋は緑一色。ホチキスで留めた布は、引っ張ればすぐに外せて模様替えをより簡単に
すべては夜のために…お籠りのための一人暮らしDIY
「朝が苦手…」と話すioさんのメインイベントは「夜」にある。仕事が終わったら急いで帰宅し、まずは朝バタバタと出かけたままの部屋を整える。夕食の献立を決めてから買い物に出かけ、食事の支度。素早く食べてから、「いざ!夜の部がスタート」だ。
「ワイン、日本酒、ウィスキーなど、飲みたいお酒に合わせた肴も手作りする。外で飲むよりも、心地よく整えた自分の部屋の方が落ち着くから、家飲みが基本です」とにっこり。量は多くないものの、毎晩ほのかな光と好きな香に包まれながら、ゆっくりお酒を楽しむ時間が代え難い至福のひとときなのだそう。

大理石風のシートを貼って高級感を出したスツールもお気に入りアイテム
休日の過ごし方も、基本は掃除・料理の作り置き・韓国ドラマを見ながらのお酒…と「部屋」がすべての中心にある。「外で人と関わって心をすり減らすより、ずーっと家にいたいタイプ」と自分で分析するとおり、ioさんが独創的かつスタイリッシュな心地よい空間を生み出すのは、ほかでもない「お籠り」するための場所を整えているのである。
思わず猫がふみふみしながら寝床を準備している姿を思い浮かべたが、奇しくもioさんから「一生外に出なくていいように、次は猫を飼いたい」という言葉が漏れた。まさに猫が猫を飼うの巻。
夢は土間のある「古民家のアトリエ」をDIYで作ること
ここで少しこの部屋について紹介しよう。
この部屋を選んだポイントは、商店街や24時間営業のスーパーなどの周囲環境面と、「角部屋・鉄筋(音漏れ防止)・室内洗濯機」などの希望の部屋条件が重なったから。また築30年以上という古い物件にも関わらず、部屋を邪魔しない大型収納や、つや消しマットな床材などの改造具合が気に入ったからだという。

元押し入れだったであろうクローゼットは、大容量だが引っ込んでいて邪魔にならない
キッチンは広くはないが、1口コンロとオーブンレンジを駆使しての食事の支度も今や堂に入ってきた。食事もほぼ自炊で、お弁当も毎日持参すると聞けば「女の子らしさ」という言葉も浮かぶ。しかし実際は「とにかく作る行為が好き」というナチュラル・ボーン・クリエイターだからに他ならない。

こじんまりしたキッチンから、バスク・チーズケーキやプリンなど多くの名作が生まれている

インテリアの王道「おしゃれなウィービング・タペストリー」も、短大で学んだ知識を活かして自ら織り機で織る
賃貸物件という制約のなかで、ここまで自由に思い切りよく冒険をしている(ように見える)ioさんに、今後の夢を聞いてみた。
「いずれは古民家を買って、自分で壊して作り直してアトリエを構えたい。その古民家には土間も作って、モルタルも自分で塗って…とにかく一から暮らしを作りたい。でも次の更新時に古民家は探せないと思うので、普通に賃貸を借りて床に石膏ボードを敷き詰めて、そこにコンクリートを塗ろうかと考えています」。と、あくまでも挑戦する姿勢を見せた。
一人暮らしDIYの極意を聞いてみた!
ioさんのようにドリルを購入しなくても、身近なものを使って一人暮らしDIYには挑戦できる。簡単な自己流アレンジの極意をまとめてみた。
・壁紙は割高なので格安の布を張り替えて模様替えを
・インテリアに木を使うと中和剤になって部屋がまとまる
・結束バンドやマスキングテープ、石膏ボードなど部屋を傷つけずにアレンジできるアイテムを駆使
・休日を新しい気持ちで過ごせるよう、模様替えは休日前の夜がおすすめ
居心地のよい自分だけの城を作れたら、外に出たくなくなってioさんのような“積極的なお籠り生活”を始められるかもしれない。
文=元井朋子
写真=編集部