専有面積とは?一人暮らしに必要な専有面積、 算入する範囲、畳数の目安を解説

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思ったより狭い! なんてことのないように、専有面積について知っておこう

専有面積にはどこまでが含まれる?
専有面積にはどこまでが含まれる?

物件を探している際に「専有面積」という単語を目にしたことはないだろうか。専有面積とは部屋の広さについてを表す言葉だが、具体的にどの部分を指しているのか、畳数だと何畳になるのかなど、正確なところはよくわからない人も多いだろう。

そこで今回は「専有面積」という言葉について、似た言葉との違い、一人暮らしに必要な専有面積の目安などについて詳しく解説していきたい。

この記事でわかること
専有面積とは、賃貸アパートやマンションで借主が自分専用のスペースとして利用できる面積
玄関ポーチ、ベランダ、ロフトは専有面積に含まれない
一人暮らしなら最低でも20㎡は必要

「専有面積」の定義とは?

専有面積とは、賃貸アパートやマンションなどの集合住宅において、借主が自分専用のスペースとして利用できる室内の面積のことである。

寝室などの居室をはじめ、キッチン、トイレ、浴室、玄関などの生活スペースは基本的に専有面積に含まれる。また、クローゼットや下駄箱などの収納部分も同様だ。

このため、専有面積を見て実際に使用する部屋の広さをイメージする時は、トイレや浴室、玄関の面積を差し引いて考えなければならない。

クローゼット
クローゼットも通常、専有面積に算入される

「専有面積」に含まれない部分

それでは、専有面積に含まれない部分はどこだろうか。順に解説していく。

専有面積に含まれない部分① 玄関ポーチ

前述のとおり玄関部分は専有面積に含まれるが、「玄関ポーチ」は専有面積には含まれないため注意が必要だ。

集合住宅における「玄関ポーチ」とは、玄関の外側にある門扉で囲われた部分のこと。この部分は室外にあるため、専有面積の計算には算入されないのだ。

専有面積に含まれない部分② ベランダ、バルコニー、テラス

ベランダやバルコニー、テラスについても専有面積に含まれない。確かに、これらのスペースは普段その部屋の住人しか使用しないが、災害時には避難経路としても使われることから、法律的には「共有部分」として扱われているのだ。

そのため、ベランダやバルコニー、テラスに借主の私物を置いて避難経路を塞いではいけない。自宅にベランダ等のスペースがある場合は、私物を置かないよう注意しよう。

バルコニー
ベランダやバルコニーは「共有部」扱い

専有面積に含まれない部分③ ロフト

一見、ロフトは「生活に使っているスペース」として、専有面積に含まれるようにも思える。しかし、基本的には専有面積に含まれない。ロフトは建築基準法上、生活空間ではなく、屋根裏収納や床下収納などと同じような扱いとなっているからだ。

逆に言えば、ロフト付き物件は専有面積の表記上よりも、使用できるスペースが広いといえる。物件探しの際には頭に入れておくと、部屋の選択肢が広がるだろう。

ただし、ロフトのように見えるスペースでも、下記基準を満たす場合はロフトではなく「部屋の2階部分」として扱われる.

  • ロフト部分の高さが1.4m以上ある
  • ロフト部分の面積が下の階の1/2以上ある
  • 人が常時利用するようような用途になっている

上記にあてはまる場合、専有面積に算入されるので注意しよう。

ロフト
ロフトは専有面積に含まれない

専有面積を表す「壁芯面積」と「内法面積」の違いを知ろう

ちなみに、専有面積を表す表記には、「壁芯面積」と「内法面積」の2種類がある。

壁芯面積とは、柱や壁の厚さの中心を基準にして測った面積のことである。壁の中心線を基準としているため、実際に使える面積よりも壁の厚み分広く表記されている。分譲マンションなどはこちらの表記であることが多い。

一方、内法面積は壁の内側を測った面積を指す言葉だ。こちらは壁の内側の面積なので、壁芯面積よりも実際の広さをイメージしやすいだろう。賃貸マンション、賃貸アパートなどはこちらの表記であることが多い。

このように探している物件が分譲なのか賃貸なのかによって、表記方法が異なることを知っておくとよいだろう。

一人暮らしだと専有面積は何㎡くらい必要?

では実際に物件を探す場合、どれくらいの専有面積の物件を選ぶべきなのだろうか。一人暮らしの場合を例に、専有面積の目安について解説する。

平成28年に国土交通省が発表した「住生活基本計画」では、単身者が「健康で文化的な住生活」を営むために最低限必要な専有面積を「25㎡」と定めている。これが一人暮らしをする場合の専有面積の一つの基準となるだろう。

ただし、特に家賃相場が高い都市部においては、25㎡の専有面積を確保できない場合も多い。実際、専有面積が20㎡以下の物件も多く存在する。学生が一人暮らしを始める場合、「とりあえず生活するのには困らない」と感じる広さは20㎡前後だろう。なお、そのうち7~10㎡程はトイレや浴室、キッチン、通路などが占めるため、実際に生活できるスペースは8~10㎡程になる。

上記はあくまで目安なので、最終的には自分のライフスタイルに合わせた物件選びが大切だ。

専有面積はライフスタイルや予算に合わせて検討しよう
専有面積はライフスタイルや予算に合わせて検討しよう

専有面積は、畳数にして考えると分かりやすい

ここまで専有面積について解説してきたが、物件探しの際、専有面積の数値を見てもどれくらいの広さなのかイメージできない人もいるだろう。

普段から「畳で言うと〇畳分」というふうに部屋の広さを畳数でイメージしている場合は、専有面積の数値を畳数に変換した方が分かりやすいかもしれない。

専有面積を畳数に変換する場合の計算式は下記のとおりだ。

畳数=専有面積÷1.62㎡

例えば、専有面積が20㎡の場合は約12畳という計算だ。

ただし、畳には京間、中京間、江戸間などの種類があり、地域や物件によって少しずつ畳のサイズが異なる。あくまで大まかな計算方法として覚えておいてほしい。

専有面積を知っておくことで物件選びがスムーズに

物件を選ぶ際に、部屋の広さは重要な要素である。専有面積はそんな部屋の広さを表す言葉だが、よく分からないままでは「思ったより狭かった」ということになりかねない。専有面積をしっかり知っておくことで、希望の広さの物件を探しやすくなるだろう。専有面積についての知識を身に付け、スムーズな物件選びを目指そう。

文=市川剛史(株式会社YOSCA)

CHINTAI編集部
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