賃貸物件の壁紙が破れたら張り替え費用はどうなる?自分で張り替えてもいいの?
賃貸の壁紙が破れてしまったらどうする?張り替え費用について知ろう

賃貸物件の壁紙をDIYでお気に入りのものに替えてみたり、おしゃれな壁掛けを楽しんだりと、インテリアにこだわりたい方は多いのではないだろうか。
しかし、賃貸物件の場合、許可なく壁紙を張り替えて傷や汚れを付けてしまうと退去時に補修費用を求められる可能性がある。
今回は賃貸物件の原状回復ルールや壁紙の補修費用の目安、賃貸物件での壁紙の張り替え方法などをまとめて紹介する。
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このページの目次
賃貸の破れた壁紙の張り替え費用は入居者が負担する必要がある?
2020年に民法が改正されたことにより、賃貸物件の原状回復に関する義務が明確化された。壁紙の場合、大家さんと入居者のどちらが張り替え費用を負担するのかは以下のようなケースによって異なる。
▽壁紙の場合大家さんと入居者のどちらが張り替え費用を負担するのかについて
大家さんが負担する場合 | 入居者が負担する場合 |
---|---|
1.自然消耗などの経年劣化による変色 2.日常使用の範囲内で発生した電気焼けや画鋲・ピンの使用穴 3.物件のクオリティーを向上させるために行うリフォーム |
1.タバコによる変色や落書き 2.台所の油汚れを放置したことによる損傷 3.結露を放置したことによるシミやカビ 4.クギ・ネジ等を使った重量物の設置跡(地ボードの張り替えが必要な程度のもの) 5.ペットによる破損 |
原状回復をめぐるトラブルとガイドラインによると、基本的に経年劣化や自然現象による消耗では、入居者が壁紙の張り替え費用を負担する必要はない。ただし、タバコによる変色や落書きなど明らかに入居者に故意・過失がある場合は、壁紙の張り替え費用を負担しなければならない。
退去時に高額な費用を請求されないように、どのようなケースで張り替え費用を請求されるのかを引越しの前に管理会社や大家さんに聞いておくようにしよう。
賃貸の傷付いた壁紙の張り替え費用にはいくらかかる?

傷付いた壁紙の補修に必要な費用は、汚損や破損の程度、借りていた年数、工事範囲などにより異なる。
たとえば、壁紙の張り替え。一部の張り替えで済む場合は1,000円以下で収まることもあるが、張り替えの範囲が広ければ数千円程度が目安だ。一般的な無地の壁紙でなく、デザイン性の高い壁紙や入手困難な壁紙を使用している場合は、室内全体の壁紙を張り替える必要があるため、さらに料金は高くなるだろう。
また、破損個所によっては広い範囲での張り替えができず、数cm四方での切り貼りによって補修を行う場合もある。単純な張り替えより手間がかかる場合もあり、費用は1ヵ所あたり3,000~5,000円程度が目安。張り替えと同じように、破損の大きさや補修箇所の量により金額が異なる。
さらに壁紙だけでなく、壁や天井のボード部分を突き破って穴を開けてしまった場合は要注意。壁紙と共に壁の穴も修理する必要があるため、補修費用は20,000~50,000円と高額になる可能性が高いだろう。
壁に穴が開くことは無いと思われるかもしれないが、大きな家具をぶつけてしまったり、上階の騒音が気になり棒で天井を突いてしまったりと思いがけず破損させてしまうケースがある。数万円の補修費用は大きな出費となるため、普段から十分に気を付けておこう。
なお、大家さんによっては、画鋲の跡程度の破損は原状回復の必要がないとする場合もある。どの程度の補修が入居者の負担になるかは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にするのがおすすめ。負担額の目安や、支払いまでの流れなどが記載されているため、一度目を通しておくと良いだろう。
賃貸でも部屋をイメチェンしたい!勝手に壁紙を張り替えてもいいの?
賃貸物件ではリフォーム工事でもDIYでも、壁紙を張り替えるときには大家さんの許可が必要になる。入居者は退去時に原状回復義務があり、基本的に壁紙も入居時と同じ状態に戻しておかなければならない。
リフォーム工事を行うと原状回復は困難になるので、賃貸物件の壁紙は退去時に簡単にはがせるような方法で張るのが一般的だ。この場合、張り替えというよりも重ね張りに近いものの、見た目はさほど張り替えの場合と変わらない。
ここからは、便利なアイテムを活用することで賃貸でもDIYができる壁紙の張り替え方法を3つ紹介する。
賃貸でもOKな壁紙DIY①:はがせる糊で壁紙を張る

スーパーフレスコイージー 180 g
¥1,760/Graham & Brown
水に溶けやすく、はがせる糊で壁紙を張ると、DIY初心者でもキレイに仕上げることができてオススメだ。はがせる糊の代表例が「フレスコ糊」で、乾くまでに壁紙の位置を微調整できるので初心者でも簡単に張り替えができるだろう。
また、水に溶けやすい糊だと、はがした際に残ったシール跡も水拭きでキレイに取り除くことができる。
賃貸でもOKな壁紙DIY②:シールタイプの壁紙を張る

貼ってはがせる シール壁紙 「Hatte me! (ハッテミー)」 リメイクシート モザイクタイル柄 (65cm×1mサイズ) MOSA-01 ホワイト
壁紙をDIYしたいときは、手軽に張り替えられるシールタイプの壁紙を選ぶのも良いだろう。フレスコ糊を使用する場合は、壁紙以外に糊を塗るためのブラシなどが必要になるが、シールと一体化した壁紙ならカッター1つで張り替えが可能だ。
ただし、基本的に一度張ると位置調整ができないので、壁紙をきれいに張る技術が必要になる。
賃貸でもOKな壁紙DIY③:マスキングテープと両面テープで壁紙を張る
はがせる糊やシールを使うのが不安だという人には、マスキングテープと両面テープを利用した壁紙の張り替えも1つの方法だ。まずは元の壁紙にマスキングテープを貼り、その上から両面テープを貼って壁紙を張り付けるという手法だ。普段使い慣れていない糊よりも、マスキングテープや両面テープの方が使いやすいと感じる人もいるだろう。

マスキングテープ60mm×18M 2巻パック
¥485/スリーエム(3M)
接着力、のり残りの少なさ、タテ裂けの起こりにくさ、アールのとり易さ、シャープな見切りなど総合的にバランスのとれた製品。耐熱性にも優れ、様々な環境で利用できる。

コマンドタブ Sサイズ 80枚
¥805/スリーエム(3M)
強力な粘着力で壁などにしっかり貼ることができ、はがしたい時には、引きのばすだけでキレイにはがせる両面テープ。掲示物や壁などに傷やべたつきを残すことなくはがせるすぐれもの。
はがせる壁紙を張る前は必ず試し張りしよう
はがせる糊やシールの壁紙を使用するときは、実際に使用する前に必ず試し張りするように気を付けよう。キレイにはがせる糊や壁紙であっても、元の壁紙との相性により跡が残ったり、傷付けてしまったりする可能性があるからだ。
できれば目立ちにくい隅の方に1ヶ月ほど試し張りして、はがしたときに壁に不具合がないかどうか確認するのが望ましい。壁の状態を確認せずに壁紙を張り替えて元の壁紙を劣化させてしまうと、退去時に修繕費用を請求されるかもしれない。そのような事態を防ぐために、一度試し張りして状態を確認してから壁紙の張り替えを行おう。
賃貸の壁紙の張り替え費用について知って自分の部屋を楽しもう
今回は賃貸物件の壁紙を汚したり破損してしまったりした場合の、補修費用と対策方法についてご紹介した。前述したように、2021年の民法改正により敷金の定義が明文化されているため、その点についても知っておくとより良いだろう。
壁紙を自分の好みにアレンジしたいときには、物件に傷などを付け余計なトラブルにならないよう、今回の記事をぜひ参考にしてほしい。
文=みつまめ(株式会社YOSCA)
2021年7月加筆=CHINTAI情報局編集部