人気の街・池袋に住むなら銭湯通いがおすすめ! 平和湯、ゆラックス、稲荷湯を巡ってきた
銭湯を活用してブクロを我が街にする!
「ブクロ最高~!」ってなわけで、今回も始まりました当コーナー。ナビゲーターは「銭湯を活用して家賃を下げる会」会長の奈良崎コロスケでございます。
住みたい街があるけれど、家賃が高そう……なんて思ったことはないでしょうか。しかし「風呂・トイレ別」という条件を妥協すれば、家賃はガクッと下がるんです。
今回の調査対象は新宿・渋谷と並ぶ副都心の1つ池袋。
90年代のカラーギャング全盛期をモチーフにした小説&ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の影響が強烈すぎて、“ちょっと怖い街”という印象が定着していたが、ここ数年、豊島区が全力でイメージアップ作戦に取り組み、いまでは「住みたい街ランキング」の上位に顔を出すほど。いや~、時代は変わりましたね。

「住みたい街」に急浮上した池袋に到着
まぁ、実際のところカラーギャングなんて過去の遺物と化したし、渋谷や新宿と比べて池袋の歓楽街が特別怖いということもない。

客引きには絶対についていかないこと!
池袋ってどんな街?
山手線、埼京線、湘南新宿線、西武池袋線、東武東上線に加え、地下鉄も丸ノ内線、有楽町線、副都心線と3線を網羅。交通の至便さは都内屈指である。もちろん大手百貨店も軒を連ねているし、東京芸術劇場を筆頭に文化施設も充実している。

いろんなお店が多く、人通りも多い華やかなサンシャイン60通りを抜けると……

サンシャイン60が見えてきます
「そんな大都会に、住む場所なんかあるの?」と訝しがる諸兄も多いことだろう。あるんですよ、それが。
新宿・渋谷と違い、池袋は10分も歩けば下町風情あふれる昭和の面影を残した住宅地が出現。立教大学や平成帝京大学も駅から近いため、若者・単身者向けの物件も多々存在する。

池袋駅から徒歩約12分の平成帝京大学・池袋キャンパスの周辺は単身向け物件多数
とはいえ、さすがに駅近で風呂・トイレ別の築浅マンションを借りようと思ったら、それなりの家賃になってしまう。
「バス・トイレ別」という条件で池袋駅徒歩10分圏内の家賃相場を見てみたところ、8.85万円。一方、バス・トイレ別にこだわらなければ、8.40万円まで下がることが判明した。あくまでこれは平均であり、中には7万円以下の堀出しモノ物件も!
※間取り:ワンルーム・1K・1DK/CHINTAIネット調べ(2020年1月8日時点)
「とはいえユニットバスはちょっと……」とテンションを下げているそこのアナタ、池袋駅から徒歩圏のノースサイドには3つの銭湯が元気に営業中。「今日はゆっくり足を伸ばして湯船につかりたいな~」という気分の時は、銭湯を利用すればいいのだ。
前置きはここまで! さっそく池袋の銭湯と周辺エリアの調査に行ってみよう。
池袋銭湯その① 池袋の森の先に現れた都市型銭湯「平和湯」
まずは池袋駅から最短距離で行ける銭湯をご紹介しよう。池袋駅北口を出て5分、池袋平和通り商店街にある「平和湯」だ。途中には池袋の森も!

池袋平和通り商店街に入ると

池袋に森が出現!? どうやらここは、池袋平和通り商店街の一角にある、公園「池袋の森」らしい

そんな池袋の森からほど近くに「平和湯」はありました
ビルの地下にあるタイプなので天井は低いが、とてもきれいで清潔な都会の浴場といった趣だ(とはいえ70年の歴史を持つ老舗ですが、ビル化してからは30年余)。
いろいろな種類の浴槽があるタイプが最近の銭湯トレンドだが、ここは大きな浴槽が1つドーンと構えるシンプルなスタイル。その大きな浴槽の中でバイブラ(気泡系)やジェットなどが楽しめるようになっている。いつ行っても地元のお客さんや観光客などでにぎわっている人気銭湯である。

深夜1時までやっているのがうれしい
【平和湯】
住所:豊島区池袋2-64-11
営業時間:15時~25時
定休日:毎週月曜日
ひとっ風呂浴びて、ちょっと周辺を散策。この平和湯から白い煙突が天高くそびえる豊島清掃工場方面に向かい、首都高の下の歩道橋を超えると、一気に住宅密集地に突入する。

超目立つ白い煙突が豊島清掃工場

商業エリアから首都高をまたぐと住宅地が広がる(豊島健康プラザより撮影)
池袋銭湯その② コンビニ併設で利便性抜群!「ゆラックス」
集合住宅を横目に池袋から歩くこと10分程度。ゆったりとした時間が流れるエリアで営業しているのがコンビニを併設した銭湯「ゆラックス」だ。

コンビニの中に銭湯が組み込まれた珍しいスタイル

コンビニのレジが銭湯の受付になっています
創業は1953年(昭和28年)と古いが、現在のオーナーが2002年(平成14年)に経営を引き継ぎ、現在のスタイルにリニューアルしたそうだ。マンションタイプなので天井はやや低めだが、バイブラ、ジェットエステはもちろん、電気風呂やアロマ風呂も完備。300円の追加料金を払えば、遠赤外線サウナ(温熱刺激で血行がよくなる)も楽しめる。
風呂上りにコンビニで買い物をして帰れるのも非常に便利。まさに一粒で二度おいしい銭湯だ。
【ゆラックス】
住所:豊島区上池袋2-10-6
営業時間:15時~23時
定休日:毎週土曜日
池袋銭湯その③ 腐女子にオススメしたい「稲荷湯」
3軒目は「ゆラックス」から明治通りをわたった場所にある「稲荷湯」。ここも創業は終戦直後の1948年(昭和23年)と古いが、現オーナーが1968年(昭和48年)に引き継ぎ、ビル型へと生まれ変わった。

「ゆラックス」から「稲荷湯」へ向かう途中の住宅街に現れたキュートな子安稲荷神社

住宅密集地のビル型銭湯「稲荷湯」

ビル型だが場内は明るくて天井も高く、開放感満点
2000年(平成12年)にリニューアルしたが、レトロな雰囲気はそのまま。天井が高く、開放的で、銭湯の醍醐味は失われていない。主浴槽ではバイブラ、電気風呂、パワージェットを完備。日替わりで薬湯も楽しめる。サウナの併設はないが、それでも水風呂がある点も素晴らしい。やっぱり水風呂は重要ですよ。
ずいぶん遠くまで歩いているように見えるかもしれないが、それでもサンシャインシティからは徒歩で10分弱の位置。乙女ロードに通うには最適なので、腐女子の方にぜひともオススメしたい。
【稲荷湯】
住所:豊島区上池袋1-9-17
営業時間:15時30分~25時
定休日:毎週水曜日
近くのカフェで本日の〆
試しに帰りはサンシャイン方面を抜けて池袋駅へ。
途中には腐女子たちが戦利品を披露しあうであろうカフェがあちこちに点在していたので、隠れ家的なカフェ「maruni(マルニ)」で一服させてもらう(1Fは禁煙・2Fは完全分煙)。

しっかりめの食事もとれる使い勝手のいいカフェ「maruni」

maruniのワッフルはボリューム満点!
風呂がなくても池袋に住めば問題なし!
てなわけで、ふだんは足を踏み入れることのない、池袋ノースサイドの庶民的な住宅エリアで3軒の銭湯をまわってみましたが、いかがでしたか? 繁華街というイメージとはかけ離れた憩いの場所が多いこと多いこと。
副都心での生活なんて家賃が高そうで無理だよ!と思っていた人も、「3ユニットバスの物件に住んで、銭湯通いならアリかもな」と思っていただけたら幸いです!
文・写真=奈良崎コロスケ
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