干す?立てかける?意外に楽ちんなマットレスのお手入れ方法を「東京西川」に聞いた
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マットレスのお手入れ方法ってどうすればいいの?

ベッド派にとって、日々の寝心地を左右するマットレス。そういえば、ベッドを買ってからシーツはちょくちょく洗っているけど、マットレスをちゃんとお手入れしたことなかったかも……なんて人も多いのでは?
そこで、寝具メーカー「東京西川」の品質管理室室長、池田努さんにマットレスのメンテナンス法を聞いてみた。
マットレスのお手入れ方法
「マットレスもほかの寝具と同様、湿気を逃がすことが大切です。とはいえ、掛布団などと違って気軽には干せないもの。天気の良い日に寝室の窓を開け、シーツなどをすべて取り外してからベッドサイドに立てかけて風を当てるだけでも十分です」(東京西川・池田さん)
サイズによってはマットレスが重くて立てかけられない場合もある。そういう時はタオルケットなどを丸めて20cmくらいの高さにしてマットレスの下に挟み、マットレスを浮かせて下側に風を通すと良いそうだ。
ここからは、より具体的にマットレスのお手入れ方法をご紹介しよう。特に干し方については、マットレスの素材によって異なるため注意が必要だ。
理想的な干す頻度
マットレスを干すのに理想的な頻度は、素材によって異なる。ウレタンやラテックスなら3日に1回程度、ポケット・ボンネルコイルなら1~2週間に1度程度を目安と考えよう。定期的に干さなければ、ダニ・カビの発生を抑えられなくなるほか、マットレスの劣化も早めてしまうため注意しなければならない。
マットレスの干し方
マットレスの素材によって干し方は異なる。この後の項目で素材別に詳しく解説するが、その前に一覧表にしてまとめたので、まずは概要を確認しておこう。
素材・タイプ | 干し方 |
---|---|
高反発・低反発ウレタン ラテックス ファイバー系 | 風通しの良い場所に立てかけて陰干しする |
ポケット・ ボンネルコイル | 立てかけて扇風機の風を当てながら干す |
折りたたみ | 開いた状態で風通しの良い場所に立てかける |
脚付き | 窓際に移動させるか、扇風機の風を当てる |
陰干しをするものもあれば扇風機を使うケースもあるので、お手入れをする前に一度使っているマットレスを確認してみよう。次の項目では、素材別に分けて適切なお手入れ方法をご紹介する。
「高反発・低反発ウレタン」「ラテックス」「ファイバー系」マットレスの場合
これらの素材の場合、熱に弱いため天日干しをしてはならない。仮に天日干しOKのマットレスだとしても、1~2時間程度で室内に運んだ方が良いだろう。ベッドの本体からマットレスを下ろし、窓際など風通しの良い場所まで移動させて、日光が当たらないように陰干しするのが基本だ。
ポケット/ボンネルコイルのベッドマットレスの場合
ポケットコイルやボンネルコイルのマットレスは重く、遠くまで移動させることが難しい。特に女性の場合はうまく運べないことも多いので、転倒事故を防ぐためにも、ベッド脇の壁に転がすように立てかけて、扇風機の風を当てて乾かそう。風が当たりやすいように、マットレスとベッドの間に本を挟むなどして、スペースを作るように工夫することがポイントだ。
折りたたみマットレスの場合
折りたたみ式の場合は持ち運びしやすいため、ウレタンやラテックスと同じように窓際まで移動させて陰干しすれば良い。持ち運びできない場合は、コイル式と同様にマットレスに扇風機を近づけて、風を当てながら乾かそう。
脚付きマットレスの場合
脚付きの場合も、移動させられるかどうかで対応が異なる。移動できる場合は、なるべく窓際に移動させて陰干ししよう。
また、傾けられる場合は、窓の方向にマットレスの面が広くなるように立てかけると良い。仮に移動が困難な場合は扇風機を使って乾燥させるようにしよう。
もしもマットレスを干さないで過ごすとどうなるの?

もしもマットレスを干さなかった場合はどうなるのだろうか。詳しく解説する。
ダニやカビが発生しやすくなる
ベッドを干さないで過ごしているとマットレスに寝汗が染み込み、湿気が溜まってしまう。湿気が多いマットレスはダニやカビが発生・繁殖しやすい環境であり、放置すると次第に増えていくことになる。
ダニやカビはアレルギー源でもあり、人体にさまざまな影響を与える。最悪の場合は肺や気管支にダメージがおよんでしまうため、なるべく早めに対策をしなければならない。
ベッドやマットレスの劣化が早くなる
そもそもベッドやマットレスは湿気や水分に弱いため、適度に干さなければ劣化を早めてしまう。特にウレタン系のマットレスは湿気によるダメージが顕著にあらわれやすく、変形する恐れもある。
ベッドやマットレスのお手入れ方法・長持ちさせるコツは?
ベッドやマットレスは比較的高価なものが多く、頻繁に買い替えることも難しい。なるべく長持ちさせるためにも、定期的なお手入れは必須だといえる。
万が一、湿気が溜まってカビなどで汚れてしまっている場合は、薄めた中性洗剤を浸した布で汚れを落とそう。その後、乾いた布で軽く拭いて自然乾燥すればOKだ。
ところで、マットレス自体はどのくらいの期間、使用できるのだろうか?
「使用環境や商品にもよりますが、弊社の場合は目安として、ポケットコイル(コイルスプリングを一つひとつ円筒形のポケットに入れて、それらをすき間なく並べたタイプ)であれば10年程度、ノンコイル(スプリングのないタイプ)は6~7年程度としています。」(東京西川・池田さん)
マットレスが1カ所だけヘタってしまうのを防ぐため、上下左右を置き換えると◎。こうすることで、スプリングが長持ちするのだ。
マットレスは適度に干して、ダニ・カビの被害を防ぎながら長持ちさせよう
マットレスは適度なタイミングで干さなければ、ダニやカビが発生して健康被害を受けるリスクがある。また、マットレスそのものの劣化を早めてしまい、余計な出費にもつながってしまう。基本的には風通しを良くすれば適切にケアできるので、お手入れはそんなに難しくはない。毎日使うものだからこそ、常に清潔さを保って快適な眠りを実現しよう!
取材・文=南澤悠佳(ノオト)
取材協力=西川株式会社
2021年8月加筆=CHINTAI情報局編集部
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