6畳のレイアウトのコツは?狭い部屋を広く見せるテクニックをプロが伝授!

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一人暮らしの部屋

一人暮らし向けの物件に多い、居室の広さが6畳のワンルームや1K。しかし、スペースが限られているため、家具の選び方やレイアウトに悩んでしまう人も少なくない。

そこで今回は、インテリアトータルプロデューサーのMAKOさんに、6畳の部屋をレイアウトする際のポイントについて教えてもらった。あわせて、レイアウトの手順やワンルームと1Kのレイアウト例も紹介する。6畳の部屋に引越す人や、模様替えを検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。

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6畳ワンルームの間取り図

※洋室の場合「6畳」ではなく間取り図に「6帖」と記載されているケースもある。この記事では「6畳」と表記する

株式会社 Laugh style 代表、インテリアトータルプロデューサのMAKOさんのプロフィール写真

インテリアトータルプロデューサー。株式会社Laugh style代表。「笑顔あふれる空間」を理念に掲げ、オフィスから個人宅まで多種多様なインテリアコーディネートを手掛ける。テレビやラジオなどのメディアにも多数出演。
保有資格:インテリアコーディネーター、宅地建物取引士など

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6畳の広さはどれくらい?

6畳とは、文字通り畳6枚分の広さのこと。間取図などに表記される1畳の広さは「不動産の表示に関する公正競争規約」によって次のように定められている。

「住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚あたりの広さは1.62㎡(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること」

出典:不動産公正取引協議会連合会『不動産の表示に関する公正競争規約』表示規約施行規則

したがって6畳の広さを平米数で換算すると「1.62㎡×6=9.72㎡」以上となる。ただし、この数値はあくまで目安。定義で「以上」と記されているとおり、1畳が1.63㎡や1.64㎡で計算されることも。

そもそも畳のサイズは地域によって異なる。関東圏でよく使われる江戸間は1.54㎡だが、関西圏で見られる京間は1.82㎡と、広さに少々違いがある。同じ6畳表記でも実際の広さは物件によってまちまちだ。

同じ6畳でも、ワンルームと1Kで居室の広さが異なる

左の間取り図がワンルームで、右が1K。黄色で塗られたスペースが6畳の広さとなる

同じ6畳でも、ワンルームと1Kでは広さに違いがある点も覚えておきたい。そもそもワンルームはキッチンと居室の間にドアなどの仕切りがない間取り。対する1Kは玄関やキッチンと居室の間がドアなどで仕切られている 。

※キッチンと居室の間にドアなどの仕切りがなくても、床の素材が居室と違うなどキッチンとしての独立性が強い場合は、1Kとみなされる

1Kは居室だけで6畳となるが、ワンルームでは6畳内にキッチンや玄関のなどのスペースも含まれる。そのため、同じ6畳でもワンルームの方が1Kより居住スペースが狭くなる。

6畳の部屋をレイアウトする際の手順

ここからは6畳のレイアウトを考えるのに必要な3ステップを解説していく。この手順を踏むことで、自分に合ったレイアウトが見つかりやすくなる。

  • ステップ1:部屋のテーマを決める
  • ステップ2:必要な物をリスト化する
  • ステップ3:レイアウトを設計する

ステップ1:部屋のテーマを決める

レイアウトを考える際は、部屋のテーマを決めることが重要。まずは「どんな部屋でどんな暮らしをしたいか」という理想から逆算しよう。

テーマが定まったら、ナチュラルやモダン、北欧、モノトーンなど部屋全体のテイストを具体化。InstagramやYouTubeなどで検索し、好みのテイストを保存しておくと効率的だろう。

事前に部屋のテーマを明確にすることで、インテリアの統一感を保ちやすくなります。

ステップ2:必要な物をリスト化する

次に、理想の実現に必要な家具・家電・インテリアをリスト化する。自分のライフスタイルを考慮しながら、どのような家具・家電・インテリアが最適かを考えよう。

同時に大切なのが、不要な物を洗い出すこと。6畳の部屋では置ける家具・家電・インテリアも限られるので、理想を叶える上で不要となる家具を見極めることが重要だ。居室の床面積に対する家具・家電・インテリアの占有率は1/3が目安。

また、収納付きのベッドや作業スペースにもなるダイニングテーブルなど、多用途で使える兼用家具を取り入れることで、家具を減らせる場合もある。

ライフスタイルの分析は、仕事や趣味など、普段どのように部屋で過ごしているか洗い出していくと効率的に進められるでしょう。

ステップ3:レイアウトを設計する

最後にレイアウトを設計する。まず部屋の寸法を測り、家具・家電・インテリアのサイズをリサーチ。生活動線を確保できる配置を決めていく。室内で大人1人が余裕を持って通れる幅は「最低でも60cmが必要」と言われている。動線上には障害物を置かず、直線的で行き来しやすく、日常動作のムダが少なくなるようにしよう。

また、室内で自分がよくいる場所からの視界を想像することも大切。間取り図のように俯瞰でレイアウトを考えると「実際に家具を並べてみたら、部屋がゴチャゴチャして見える!」というケースも。ベッドやテーブルからの景色も考慮することで、イメージと現実のギャップを減らすことができる。

レイアウトを思いついたら、実際に身体を動かしてシミュレーションを行い、効率的な配置か確かめると良いでしょう。

6畳の部屋をレイアウトする際のポイント

部屋に好きな家具をどんどん配置すると、圧迫感が出て狭く感じたり、生活動線が不便になったりするため注意が必要だ。ここからは、6畳の部屋を快適に暮らせるようにレイアウトするための3つのポイントを見ていこう。

  • ポイント1:部屋の形に合わせる
  • ポイント2:最初に大きな家具の配置を決める
  • ポイント3:各スペースに役割を与え、最適な家具を用意する

ポイント1:部屋の形に合わせる

6畳の間取りは部屋の形で3種類に大別できる。「長方形」と「正方形」、三角形や部屋の一部がカーブしているそれ以外の「変形」で、一般的に多いのは長方形の間取りだ。部屋の形によってレイアウトのコツは異なるため、それぞれのポイントを押さえておきたい。

居室が長方形の間取りのレイアウト

長方形の間取りには縦長横長がある。縦長は部屋の奥に家具を配置して開放感を演出できる一方、横幅が短いので家具・家電・インテリアの置き場所が制限されやすい。

横長はベッドや食事スペースを区切りやすいが、入口正面に物を置くと圧迫感が出るため、大型家具は両端の壁などに置き場所が限定される。

居室が正方形の間取り

居室が正方形の1kの間取り図

正方形の部屋は奥行きが短く、圧迫感が感じやすい。4辺の壁の長さが大きく変わらないので大型家具を配置しやすく、比較的レイアウトの自由が利く。中央にスペースを空けられるため、模様替えがしやすいのも利点だ。

居室が変形の間取り

変形の間取りは数こそ少ないが、三角形や壁が湾曲しているタイプなど多様な形が存在する。デッドスペースが生まれやすく、大型家具の置き場所も限られるが、部屋の形を生かせば、無二の個性を演出できる。部屋づくりの肝は、無駄なスペースをなくすレイアウトを心掛けることだ。

ポイント2:最初に大きな家具の配置を決める

レイアウトを決める際は、ベッドやテーブルなどの大きな家具から配置を決めていくとスムーズ。先に大きな家具の位置が決まることで、部屋全体のイメージを掴みやすくなる。

6畳の部屋では、大きな家具を壁付けすることが原則。配置は「左右」と「コの字型」に大別できる。以下それぞれのポイントについて説明する。

家具を壁の左右に配置するレイアウト

長方形の間取りに合ったレイアウト。部屋の左右の壁に沿って家具を配置すると、中央に縦長のスペースをとれる。部屋の奥に掃き出し窓がある部屋なら、窓の抜け感を活かせば、奥行きを強調可能 。ベランダまでの動線を確保でき、洗濯物の出し入れもしやすい。

ベッドやテレビなど大きな家具を入口の死角となる場所に置くと、視覚的な圧迫感も軽減できる。

家具をコの字型にレイアウト

正方形の間取りに合ったレイアウト。両側の壁や窓に沿って家具をコの字型に配置すると、中央にスペースを広くとれる。ベッドを部屋の奥に置ければ、手前に広いスペースを確保できるため、ソファやテレビ台など他の大きな家具を置きやすい。

また、家具の数を減らせば、すっきりとした空間を演出しやすい。入口からベッドまでスムーズに移動しやすいのもポイントだ。

ポイント3:各スペースに役割を与え、最適な家具を用意する

レイアウトを考える際は、各スペースに役割を与えることも大切だ。そのスペースで叶えたい目的を具体化することで、「アレもコレも!」と中途半端になることを防ぐことができる。

たとえば「読書をゆっくり楽しみたい。だけどベッドは寝る専用のスペースとしてメリハリをつけたい」という場合は、背もたれに傾斜がついた一人掛けのラウンジチェアを用意してみよう。

ラウンジチェア
ラウンジチェアの例

座面や横幅が広いものを選べば、シートの上であぐらをかくこともでき、ゆったり座れる。

6畳の部屋を広く見せるレイアウト術

MAKOさんに6畳の部屋を広く見せるレイアウト術を教えてもらった。

空間に余白をつくる

空間には余白をつくることが肝心だ。必要な家具数を絞るだけでなく、できるだけ壁付けして置くこと。部屋の中心にスペースをとることで、生活動線を確保しやすい。

また、床にはなるべく物を置かないこと。見える床のスペースが広いほど、部屋が広く見える。掃除がしやすくなるというメリットもあるため、必要な物以外は置かないことを心掛けよう。

部屋と家具のラインを統一する

MAKOさんのインテリアコーディネート事例画像
テレビ台やローテーブル、ソファの高さが統一された部屋(画像提供:MAKO)

家具を配置する際は、部屋と家具のラインを合わせることが重要。たとえば、テーブルや椅子の脚はまっすぐなものを選ぶと、ドアや窓枠などの「縦のライン」と揃って、部屋全体が整って見える。

置きたい家具の脚が垂直でなく、部屋の縦のラインと合わないなら、視覚的に“混線”しない場所に配置するのがベターだ。

家具の高さや奥行きを合わせる

家具の高さや奥行きを揃えると、凸凹がなくスッキリと整った雰囲気になる。高さや奥行きが異なる家具を置きたいときは、間を開けよう 。

なお、ベッドやテーブルなどの大きな家具は、ロータイプのものがおすすめ。背が低ければ視界にあまり入らないため、大きな家具でも圧迫感を緩和できる。家具と家具の距離が取りづらい6畳の部屋では、背が高い家具に圧迫感を感じやすい。

透け感を演出できる家具を盛り込む

透け感を演出できる家具を取り入れるのも一つの手。ガラスやアクリル、レースやメッシュ、籐(とう)などの素材でできた家具は床面が透けて見え、部屋を広く見せてくれる。たとえば、ガラステーブルやレースカーテンなどを活用すると良いだろう。

また、スツールやオープンシェルフなど、背もたれや背板がない家具を使うのも有効だ。ソファやテーブルも細い脚のものを選ぶと、床面が広く見えて、開放感が高まる。

壁面収納を活用する

収納スペースが足りない場合、壁面収納を活用するのもよい。賃貸物件でも、アイテムを引っ掛けて飾れる有孔ボードや突っ張り棚を活用すれば、壁を傷つけずに設置できる。

ただし、壁面収納を多用したり、壁面収納上に物を配置しすぎたりすると、部屋に圧迫感が出てきてしまうので注意しよう。

高い位置にアイキャッチを設ける

絵画やポスター、吊るすタイプの観葉植物(ハンギンググリーン)やモビールなどを高い位置に飾るのもアイデアの一つ。自然と目線が上に向くので、開放感が高まる。

ただし、飾る場所には注意が必要。玄関やドア前などの正面に設置すると、圧迫感を与えてしまう。一定の距離を置き、正面から少しずれた場所に置くのが鉄則だ。

室内の色は、5色以内にまとめる

室内で使う色は、5色程度に限定する 。家具や雑貨を同系色にすれば、空間にまとまりが生まれるからだ。たとえば、床とカーテン、ベッドとチェアなどを同系色にすれば統一感を出しやすい。

白やアイボリーなど明るい色を基調とすると、部屋全体が明るい印象となり、空間を広く見せる効果が期待できる。

6畳のワンルームと1Kのレイアウト例

ここからは、6畳のレイアウト例を紹介。ワンルームと1KのおすすめレイアウトをMAKOさんに教えもらった。どちらも背の低い家具を使ったロースタイルのコーディネートで、部屋を広く見せることができる。

6畳ワンルームのレイアウト例:ミニマルな暮らしを好む人向け

MAKOさんによる6畳ワンルームのレイアウト例

室内にキッチンがある部屋で6畳となると、生活スペースはかなりコンパクト。収納も小さい場合 が多いので、収納家具を設置するとさらにスペースが限定される。

だからこそ、大きな家具はできるだけ点数を減らすのが原則。テレビをプロジェクターにし、カーテンをロールスクリーンにすることで、テレビ台を置かずに生活スペースを確保できる。

また、ロータイプの家具も積極的に活用したい。テーブルはもちろん、ベッドの高さも抑えよう。
プフクッションはロースタイルで平面的になりがちな空間に高さを加えて、アクセントとして機能する。座るだけでなく、フットレストや簡易テーブルとしても使えるのも利点だ。

ころんとした丸いプフクッション(クッションスツール)

ローテーブル以外で作業したい必要な場合は、折りたたみデスクや、ウォール(壁掛け)デスクの活用も検討しましょう。

6畳1Kのレイアウト例:居心地と利便性を両立したい人向け

MAKOさんによる6畳1Kのレイアウト例

キッチンが部屋の外にある1Kでも居室が6畳だとスペースが限られるため、できるだけ兼用家具を使いたい。

ベッドとテレビを左右の壁に向かい合うよう配置することで、ベッド兼ソファとして活用。さらにベッド下収納を利用すれば、部屋をすっきり見せられる。自宅で勉強や仕事をするなら、テーブルはデスクと兼ねて、少し大きめのものを選ぶと良い。

テーブルとベッドはロータイプを利用。高さを抑えることで視界が抜け、奥行きを感じさせられる 。
全身が映る姿見を活用するのも一案だ。全身のチェックがしやすいだけでなく、空間の縦ラインを強調。さらに、窓と向かい合わせにすることで光を取り入れて室内を明るくし、部屋を広く見せることもできる。

光を反射する鏡を置くことで、部屋が明るくなり、広く感じられます。姿見を玄関付近に置けば、お出かけ前の全身のチェックもしやすいですよね。

6畳のレイアウトや家具選びでよくある質問

6畳の部屋では「家具は小さく・少なく」が基本となる。それゆえに「自分のライフスタイルには大きな家具が必要。だけど、部屋が狭くならないかな?」と悩んでしまう人もいるだろう。

ここでは、レイアウトと家具選びに関する質問に回答。こちらもぜひ部屋づくりのヒントとして活用してほしい。

Q.家具選びのポイントは?

家具選びで重要なのは、やはりサイズ。家具を配置したい場所を採寸し、サイズの合う物を選ぼう。あわせて、家具メーカーが提供する無料3Dシミュレーターなどを活用して、レイアウトをシミュレーションすると効率的だ。

また、初めての一人暮らしでは、家具・家電・インテリアは少しずつ揃えていくのが無難。最初に一通り揃えようとすると、あまり使わない家具まで買って部屋が狭くなる原因となりがちだ。

最初は、生活に最低限必要なベッドやカーテン、テーブルなどに絞り、生活していくうえで本当に必要な家具だけを都度買い足していくとよい。

Q.セミダブルのベッドは置ける?

一般的なセミダブルベッドのサイズは195cm×120cm程度。6畳の部屋でも置けないサイズではないが、これはあくまでもマットレス部分の大きさだ。

ベッド全体の大きさはフレームによって変わる。フレームを合わせた大きさに注意しつつ、ほかの家具の数を減らせば、6畳でも置くことができるだろう。

セミダブルベッドのおすすめは、フレームのない脚付きのマットレス。ベッドカバーの色は、ホワイト系の色味とし、すっきりとした雰囲気を演出するのもよい。

Q.ソファのサイズはどれくらいが目安?

6畳の部屋でも、ロータイプの1人掛けソファや小さめサイズの2人掛けソファなら、家具の点数を絞れば設置できる。幅や奥行き、高さを抑えたものを選ぼう。横幅を抑えられるアームレスソファなら、アームがない分すっきりとした印象となるのでおすすめ。

Q.インテリアで個性を演出するテクニックを教えて!

ウッド(木)やファブリック(布)、メタル(金属)などの異素材を合わせると、空間に独自の表情を持たせることが可能。同系色で揃えつつ、ザラザラやツルツルなど、異なる質感の素材を合わせるのもアリだ。

また、下記のアイテムは、部屋に個性を出す小物として取り入れやすい。

  • クッション
  • フラワーベース(花器、花瓶)
  • ブランケット(ソファやベッドに掛ける)
  • ポータブルライト

各社からさまざまなテイストのアイテムが発売されているので、お気に入りを探してみるのも面白い。

Q.部屋のカラーを決めるコツは?

前述した通り、部屋に使う色は5色までがベスト。インテリアの色は「ベースカラー」「アソートカラー(メインカラー)」「アクセントカラー」に分類され、理想とされる配分も決まっている。それぞれの特徴と理想の配分を覚えておくと、部屋作りに便利だ。

ベースカラー床や天井、壁など室内の大部分を占める色。理想の割合は部屋の70~75%
アソートカラー大きな家具やカーテン、ラグなどに用いる部屋全体の印象を決める色。理想の割合は部屋の20〜25%
アクセントカラークッションや小物などに使って部屋を引き締める色。理想の割合は部屋の5%程度

6畳のレイアウトは家具をミニマルにすることが重要

6畳の部屋は、スペースが限られる。だからこそ、自分のライフスタイルを分析し、家具・家電・インテリアは自分にとって必要最小限とすることがポイントだ。

そのうえで部屋を広く見せるレイアウトを活用すれば、自分らしく快適に暮らせる部屋をつくることができるはず。MAKOさんのレイアウト術をぜひ参考にしてほしい。

監修=MAKO(株式会社Laugh style)
文=綱島剛(DOCUMENT)

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