賃貸でルームシェアするメリット・デメリット! 成功させるコツ3つ
ルームシェアとは
人気テレビ番組の影響もあり、ルームシェアを希望する人が増えている。そもそもルームシェアとは、賃貸物件の全てのスペースを友人や知人たちと一緒に利用することである。
似た言葉でシェアハウスというものがあるが、シェアハウスはハウス(=家)をシェアすることを指し、主に一軒家やマンション丸ごとを使うときに利用される言葉だ。
対してルームシェアは、ルーム(=部屋)をシェアすることなので、賃貸物件などの1部屋を借りて共同生活をすることである。
ルームシェアのメリット・デメリット
まずは、ルームシェアのメリットとデメリットを解説していく。ルームシェアを考えている人はぜひ検討材料にしてほしい。
メリット
ルームシェアのメリットは主に以下の3つである。
・金銭的な負担が少ない
・家事の分担ができる
・一人暮らしの寂しさがない
金銭的な負担が少ない
ルームシェアの大きなメリットは、なんといっても金銭的な負担が少ないことである。7万円のワンルームに一人で住むより、10万円の2DKに二人で住む方が一人当たりの家賃負担は2万円も安くなる。
部屋が広くなるとキッチンやトイレ、お風呂などの設備は広くなることが多いため、ワンルームよりも充実した環境で暮らすことができる。
金銭的に負担が減るのは家賃だけではない。月々の光熱費や食費もシェアすることで安く抑えることができ、引越しの初期費用も負担額が少なくて済む。
家事の分担ができる
一人暮らしだと毎日の掃除に洗濯、料理に洗い物などやらなくてはいけない家事が多く、自分の自由の時間がうまくとれないことが多い。ルームシェアの場合は日によって家事の役割を決めておけば、家事をする時間が減りその分自分の趣味や好きなことに時間を使える。
さらに、一人暮らしでは余らせがちな食材の無駄も省くことができる。自分だけでなく人が作ったご飯を食べられるのも大きな魅力のひとつだろう。
一人暮らしの寂しさがない
たとえば実家から離れて一人暮らしを始めた場合は、周りに頼れる人も少なく寂しい思いをしてしまうケースもある。そんなときルームシェアだと、毎日気心知れた友人と過ごすことができるので、寂しい思いをせずに精神的の辛さが軽減されるだろう。
デメリット
そんなルームシェアだがデメリットも存在する。ルームシェアを検討する場合はデメリットも理解しておくと良いだろう。
・プライベートの時間が減る
・シェアメイトと仲違いする可能性も
・突然ルームシェアが解消される場合がある
プライベートの時間が減る
自分の部屋は確保できるものの、他人との共同生活のためプライベートの時間を確保できないと感じる経験者は少なくない。万が一ルール上食事や入浴の時間が決められているなら、自分のリズムで生活するのは難しいだろう。
さらに自分の部屋にいてもリビングなどの共用部分などが騒がしいときは、作業や仕事に集中できずはかどらないこともある。
共用空間は自分だけのものではないので、好き勝手に使えないことがストレスにつながる場合もある。お風呂上がりに裸でリビングでくつろぐなんてことは言語道断で不可能だろう。
シェアメイトと仲違いする可能性も
どれほど仲が良い友人と暮らすといっても、所詮は他人なので価値観の違いが発生する。掃除の頻度や水回りの使い方、トイレの使用方法など一人だと気にならないことが二人暮らしだと気になり、喧嘩になるといったケースはルームシェアではよくあることだ。
気心知れた友人と仲違いしないためにも、ルームシェアではルールを設けることが重要だ。家事分担や支払い、共用スペースの使い方など、トラブルに発展する前に生活のルールを定めておこう。私たちなら大丈夫と高を括ると、後々大切な友人を一人失ってしまうかも知れない。
また、ルームシェアにおいては「相手の価値観を尊重する」という考え方が大切になってくる。価値観の違いを理解しておけば、相手の行動で一喜一憂することが少なくなるだろう。
突然ルームシェアが解消される場合がある
シェアメイトの急な転勤、結婚などでルームシェアがいきなり解消になる場合もある。相手が出ていくとなれば、引越しをするか、もともと折半していた家賃を自分一人で払わなければならないので、かなりの負担になってしまう。
急なルームシェア解消で揉めないためにも、共用スペースの家具家電はどうするかを最初のうちに決めておく方が良いだろう。退去時にかかる費用や家賃に関しても、前もってルールを定めておくと安心できる。ルームシェアは永久的に続かないと考えていた方が良さそうだ。
ルームシェアできる物件が少ない理由
実はルームシェアの物件は数が少なく、「ルームシェア不可」と制限される賃貸物件が多い。人気のルームシェアだが、なぜルームシェアできる賃貸物件が少ないのだろうか。大きな理由を2つ説明する。
ルームメイト同士のトラブルを避けるため
住人同士でトラブルが起こることが多いルームシェア。トラブルになると、最悪の場合ルームシェア解消になってしまい、空室になり家賃による収入がなくなってしまう。 そういったケースを避けるために、前もってルームシェア不可になっている賃貸物件が多い。
リスクのあるルームシェアよりも、しっかりと家賃を払うとされる一人暮らしやファミリーで空室を埋めたいと考える大家さんは少なくないだろう。
騒音などの苦情を避けるため
特に友人同士でルームシェアをする場合は夜通し騒ぐ可能性もあるため、一人暮らしよりも近隣トラブルになりがちである。近隣トラブルになると、周りの住民が引越してしまう可能性も考えられるため、大家さんにとってはリスクが高くなってしまう。
ルームシェアを成功させるコツ
ルームシェアができる物件が見つかり、いざルームシェアを始める! という前に、ルームシェアを成功させるコツを頭に入れておこう。ルームメイトとのトラブルをなるべく避けるためにもぜひ参考にしてほしい。
家賃が払えなくなったときの対策を決めておく
経済状況などにより、どちらかが家賃を払えなくなった場合のことを前もって考えておこう。たとえば、1ヶ月分は肩代わりするが2ヶ月分からは借りてでも家賃を払ってもらう、お互いにあらかじめ1ヶ月分の家賃を予備費として用意しておくなど、事前により具体的なルールを定めておくとトラブルが起きにくい。
家賃や公共料金の支払いなどは代表者がまとめて支払うことが多い。支払日の前にはお金精算する日を設け、ルームシェアにかかる費用を全て清算するルールを定めると良いだろう。
また、ルームシェアする住人同士の共用の口座を作っておくこともルームシェアが成功するコツのひとつだ。その口座から家賃や光熱費の支払いを引き落としにしておくと、代表者の手間が省け支払いを忘れてしまうこともない。
家事の分担とペナルティを決めておく
ルームシェアでトラブルになりがちな家事の分担。掃除や洗濯、料理に皿洗い、ゴミ出しなどの家事を、どれくらいの頻度で誰がいつ行うかをできるだけ具体的に決めておくことが重要だ。
たとえば食事に関していえば、食事当番を決めて、担当の人が全員分の食事を作ったり、各自で用意したり、家庭の数だけルームシェアのルールが存在する。
掃除に関していうと、自室は各自で掃除するのか、当番の人が全部屋掃除するのかも決めておいた方が良いだろう。
万が一担当の日に家事を行わない場合は、ペナルティを定めておこう。ペナルティを定めると自分の担当を忘れにくく、万が一相手が家事をしなくても許す心を持つことができるためだ。ペナルティの内容も、ルール同様住人同士で話し合って決めよう。
退去時のルールを決めておく
転勤や結婚、ルームメイトとの仲違いなどで退去しなくてはならなくなったとき、前もってルールを決めておかないと大きなトラブルにつながってしまう。
主に、決めておきたいことは以下の4つ。
・何ヶ月前にルームシェア解消を告げるか
・共用スペースの家具や家電はどうするか
・残された人の家賃や引越し費用はどうするか
・退去時にかかる費用はどうするか
どちらかの退去はお金に関わることなので、大きなトラブルになりがちである。しっかり具体的なルールを定めておこう。
ルームシェアできる部屋が見つからないときはプロに頼もう
賃貸物件の一部屋を友人や知人と共有して暮らすルームシェアは、金銭的にも精神的にもメリットがあり、家事をする手間や時間を軽減できる効率的な住み方のひとつだ。しかし、他人と一緒に暮らす分プライベートの時間が減ったり、価値観の違いから友人たちと仲違いしてしまったりするデメリットもある。
そんなルームシェアができる賃貸物件は、大家さんにとってはリスクの高い物件となり借りられる賃貸物件の数が少ない。ルームシェアができる部屋がなかなか決まらない場合は、不動産会社などのプロに頼むと、簡単かつ早く物件を見つけられるだろう。
トラブルが起こりやすいルームシェアは、あらかじめ住人同士のルールを定めて住む人全員が快適に暮らせる環境を意識することが大切である。