夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説【一人暮らしビギナー向け医療コラム】

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夏に向けて増えるお悩み「寝ている時に足がつる!」

「怪我をしたり病気になってしまったらどうしよう」というのは一人暮らしビギナーが抱える大きな不安の1つだ。
暑い日が増えてきたこの時期、寝ている時に急に足がつって飛び起きた、という経験はないだろうか。いったいなぜ?何かの病気の兆候なの…?と不安に思う人もいるのでは。

そんな一人暮らしビギナーのお悩みを少しでも解消するべく、Twitterで医療ニュースなどを発信して人気を博している医師のおると先生@Ortho_FL)が医療コラムを連載中!

今回のテーマは「足がつる」。さっそくチェックしていこう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り
夜中に足に激痛が!足がつる原因や対策をチェックしよう

足がつる原因って?これって病気なの?

そもそも「足がつる」ってどんな状態?

「つる」という単語は、漢字では「攣る」と書く。この文字は「痙攣(けいれん)」という単語で使用されることからわかるとおり、つるという現象は「筋肉の痙攣」にあたるとされている。

医学的には「こむら返り」と呼ばれることから、こむら(腓:現在でいうふくらはぎの部分)に起こることが多いとされているが、太ももや手足の指、首などの筋肉にも起こることがある。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り ふくらはぎ
ふくらはぎの部分に起こりやすいため「こむら返り」とも呼ばれる

こむら返り(足がつる)の原因

こむら返りは筋肉疲労や脱水、電解質の喪失、血流障害などが原因であると考えられている。
そのためスポーツ後などや夜間などに発症する場合が多く見られる。
しかし厳密には原因不明であることも多い。

こむら返り(足がつる)の症状

こむらがえりが特に予兆もなく起こることがある。
起こると、突然数秒から数分間ほど非常に強い痛みと筋肉の収縮が続く。

こむら返り(足がつる)が起こりやすい人

前述したとおり運動後や夏などで脱水などが進行した場合などが起こりやすい傾向にある。

また薬剤の使用や、妊娠など、あるいは元々持病があるような人でもこむら返りは起こりやすくなると考えられている。
代表的な病気として脊髄性、末梢神経性、筋性、血行不全性、などの疾患や、肝機能障害、甲状腺疾患、糖尿病、透析、破傷風……などなど、原因は多岐にわたる。

もう激痛で目覚めたくない!「足がつる」症状の予防は?

こむら返り(足がつる)予防の対策①:電解質を含む水分を十分摂取する

では、足がつらないように予防するためには、どのようなことをすれば良いのだろうか。
原因からもある程度推測できると思うが、重要なのは「電解質を含む水分を十分摂取する」ということだ。

特に夏は気温上昇に伴う水分の喪失量も多く、夜間などでもよく汗をかいてしまい、脱水傾向になりがちである。しっかりと水分を補給することを心がけよう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り 水分補給
足がつることが多い人は充分な水分補給を!

また、体内で水分調整を助ける働きがある「電解質」(カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラル)も、発汗によって失われてしまう。
これらはサプリメントでの補充なども悪くはないが、過剰摂取を避けるために、できれば規則正しいちゃんとした食事を摂取することが望ましいだろう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り バランスのよい食事
バランスよく食事から補充するのが理想だ

こむら返り(足がつる)予防の対策②:身体を冷やさない

また、「身体を冷やさないこと」もポイントである。エアコンや季節などでの気温低下などによる冷えは、血行不良を引き起こす可能性があるため、加温なども有効といえる。

血行不良をやわらげるため、散歩、ストレッチ、マッサージなども予防法としておすすめだ。
ストレッチはアキレス腱から下腿後面を伸ばすようにする必要があり、1回10〜30秒を数回、それを1日2〜4回実施することが推奨される。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り 寒がる女性
血行不良を防ぐためにも体を冷やさないことは大切だ

実際に足がつってしまった時にできる対策って?

足がつってしまった場合の応急的な処置としては、痙攣が起こっている筋肉を伸ばすことで、速やかに回復させることが可能である。
最も簡単な方法は、膝を伸ばした状態で足関節を背屈(足首を上に反らせる)させることだ。

また整形外科などでは、足のつりに効果的な処方なども何種類かあり、なかには即効性のある薬剤も存在する。足がつる状態があまり頻回に続く場合は、一度受診を検討すべきであると考える。

再発を予防するためには、原因についても考えることが重要である。
元々別の疾患があり、たびたび足がつってしまったりするような場合は、元となる疾患の治療も行う必要がある。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り 寒がる女性
足が頻繁につる場合は医療機関を受診しよう

まとめ:足がつる時の予防と応急処置のポイント

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】夜中に足がつる原因って?予防や対策を医師が解説 こむら返り 予防と応急処置

足がつらないように対策をして快適な睡眠を!

足がつってしまった時の痛みは突然起こり、なおかつとても強いためパニックに陥ってしまう人もいる。
しかし対処法を知っておけば自分で治療ができる疾患のうちの1つでもある。

一人暮らしの場合、ある程度医療に対する知識を包括的につけておくということが必要不可欠となるだろう。
治療に勝るものは予防であると考えられるので、暑くなり始めてきた今頃からしっかりと予防して行こう。

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文=おると@整形外科医

フリーランス整形外科医。Twitter・YouTubeにて一般向けの医療啓蒙からネタまで取り扱っている。Twitterではフォロワー5万人越え、医師アカウントの影響力ランキング1位。YouTubeでは一般向けに分かりやすくかつ面白く病気に対する知識を発信している。

※記事内で紹介する内容は一定の効果を保証するものではありません

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