シンプリスト・エヌケンさんの余白のある一人暮らしの部屋

最終更新日:

モノを捨てられない人必見! 考え方をシンプリストに変えれば人生も変わる!?

現在シンプリストとして「暮らしの楽しみ方」や片付け・収納・自炊・掃除などの情報を発信し、14.9万人のフォロワーを持つエヌケンさん。

闇雲にモノを少なくするのではなく、「豊かさ・充実感」が大事と説くその裏には、部屋に対する真摯な哲学があった。

エヌケンさんが辿り着いたシンプル暮らしの知恵を深掘りする。

緑色のソファーに座るシンプリストのエヌケンさんとシンプルな一人暮らしのお部屋

プロフィール

名前:エヌケンさん
職業:ネットアパレルの会社員
年齢:23歳
Instagram :@nken_second

ルームデータ

居住地:兵庫県
居住人数:1人
間取り:1K(22㎡)
築年数:11年

14畳からあえて6畳へのダウンサイジング! 究極のシンプリスト生活へ舵を切る

3軒目になるこの部屋の一つ前は「地方都市(石川県)の14畳の部屋」に暮らしていたというエヌケンさん。何を置いても邪魔にならない懐の深い広い部屋から、あえて半分以下の狭さにした理由を聞くと、

「強制的にモノを減らし、やるしかない状況に追い込んでシンプリストへ移行したかったから」と覚悟を感じさせる答えが。

「前の部屋は職場へのアクセスが悪くて無駄な時間が多かったので、今回はどうしても駅近にしたかった。地方から都市部への引越しだったので、家賃を抑えたい気持ちもありました」(エヌケンさん)

シンプリスト・エヌケンさんお気に入りの白い独立洗面台
もう一つの条件でもあった独立洗面台。これで朝の支度と掃除が楽になったという

「シンプルな暮らし」に目覚めたのは14畳の部屋に住んでいる時。自分の将来やこれからの人生を考えていた時に、フリーで自由に情報発信しながら稼いでいる人たちに刺激を受けた。

ただ情報を受け取って満足していた自分に疑問を持ち、「アウトプットを前提にしたインプット」を心がけるうちに変化が訪れたという。

「BGM代わりにテレビをつける癖があったんですが、時間が無駄になるうえ、とにかく余計な情報に振り回される。そこでまずテレビを捨てたら、勉強の効率が格段にあがり、情報は自分で調べる癖がついて必要な情報だけが入るようになりました」(エヌケンさん)

最大の時間泥棒と言われるテレビを捨てたことで、自分の情報発信力もあがり、一気に踏ん切りがついた。そのタイミングで引っ越すことになったため、シンプリスト道に大舵を切ることを決意。14畳の部屋で使っていたベッドやこたつなどの家具や雑貨類は全て現地で処分し、身軽な引越しを敢行した。

「心機一転するつもりだったので、思い切って家具を処分したら結局引越し代も浮いて一石二鳥でした。上下50着ほどあった洋服も20着に減らし、この部屋にぴったりなサイズの家具を全て揃え直しました」(エヌケンさん)

ミニマリストたちが実践していることをインスタや雑誌を調べまくり、自分に必要なもの・足りないものをリストアップ。こうしてエヌケンさんの新たなシンプルで丁寧な暮らしがスタートした。

シンプリスト・エヌケンさんが自炊に使っているキッチン
自炊生活にシフトしたことで食費が4分の1に! 家事力をつけるのもシンプル暮らし化の一環

シンプリストへの最初の一歩。捨てるコツを聞いてみた

では実際にモノに溢れていた14畳の部屋を、どうやって6畳のシンプルな部屋に変身させたのか。エヌケンさん曰く、「とにかくモノを捨てた」というプロセスを具体的に聞いてみた。

Step 1 ゴミを捨てる

ショッパーやパッケージ、段ボールなどを取っておく人は意外と多い。

「売却時に必要かも」とキープしているかもしれないが、これはゴミなので捨てる。

Step 2 買い換えられるものを捨てる

捨てても買い換えられるもの(例えば服や雑貨など)は一度捨ててみる。

買い換えられない思い出の品やアルバムなどのスペースは実は大したことがない。

Step 3 ストック品を捨てる

安心のためにストックしていることが多いが、今はいつでも何でも買える時代。

必要な時に必要な分を買うようにする。

Step 4 収納グッズを捨てる

入れる場所があればモノは減らない。

衣装ケースや収納ボックスなど、入れるスペースそのものを減らせば、モノを捨てるしかない。

この4ステップだけでも相当数のモノが減らせそうだが、「それでも捨てられない」という人には、エヌケンさんから耳の痛いひとことをどうぞ。

「捨てられないなら、それでいいと思います。でもなりたい自分には一生なれない。もし“こうなりたい”と思う理想の自分があるなら、どこかで踏ん切りをつけることが大事です」(エヌケンさん)

何を残すかから考え、シンプルに整理されたシンプリスト・エヌケンさんのお部屋
「何を捨てるか」よりも「何を残すか」を考えた方がいいとエヌケンさん。残すもの以外は処分、と考えると選びやすい

自分を苦しめない、シンプリストになるための心得

エヌケンさんの部屋を見るとわかるが、ドライフラワーやプロジェクター、フレグランスグッズなど、「趣味のモノ」が部屋にあることに気づく。

「テレビは見ないけど映画は大画面で観たい。だからプロジェクターはマストアイテム。ドライフラワーは教室に通うほど好きだし、香りフェチなのでお香類も捨てません。僕はモノを最小限にしたミニマリストではなく、生活要素を簡素化・単純化したシンプリスト。日々の生活は豊かで充実したまま、無駄だけを省きます」と話す。

シンプリスト・エヌケンさん自作のドライフラワー
自作のドライフラワーが壁を静かに飾る

そのモノのおかげで快適に楽しく暮らしていたのに、「捨てなきゃ」と突き詰めすぎると苦しくなる。「捨てること」「持たないこと」に拘泥し過ぎるのは、時にはストレスにもなる。

「でも残し過ぎれば、当然シンプル暮らしは手に入りません。残すなら“なぜ残すのか”を徹底的に自分に問うて、他のモノで代用できるなら残さない。シンプリスト生活は、この“残す”と“捨てる”のバランスが肝」ときっぱり言い切る。

好きなモノは常に増えていくので、“好き”という気持ちにも優先順位をつけて、下位のものから削除していけば増え続けることはないという。

プロジェクターとシンプリスト・エヌケンさんお気に入りのアロマグッズを置いた棚
プロジェクターとアロマグッズを置いた棚。この位置から投影すると、ソファからもベッドからもベストな位置になるとか

ちなみにエヌケンさんは100通以上あった手紙(大切な宝物だった)を捨てた時に、「俺にはもう捨てられないものはない」と無敵状態になったという。

「なぜ手紙を保管しているのかを突き詰めて考えたら、過去の頑張った自分・褒められた経験を捨てられないだけだった。それを捨てて未来の自分に向き合おうと思えた時、自分の中の執着心がスーッと消えたのを感じました」(エヌケンさん)

ここまで来るとモノの取捨選択というより、人生哲学の領域だ。「どう暮らすか」は「どう生きるか」。ただ闇雲にモノを捨てるのではなく、自分がどうなりたいかを考え、判断を重ねて実現していく。その過程にシンプル暮らしがある。

エヌケンさんと話していると頻出する「徹底的に考える」「自分に問う」という言葉の意味が何となくわかるような気がしてきた。

目に入る情報を最小限に。集中力アップの部屋で人生が変わる!

エヌケンさんの部屋の話に戻そう。この部屋を作るうえで心がけたことを聞いてみると…。

「殺風景で余白があること。モノが視界に入ると、脳が疲れて集中力が散漫になり、やりたいことができなくなる。だからこの部屋では余計なモノが目に入らないようにしました」(エヌケンさん)

人は1日で9000回ほど選択・決断をしているらしい。

だからせめて自宅にいる時だけは「選択回数」を減らせるように、目に触れる情報を制限したいのだという。

「例えばティッシュケース。普通は色がついて英語の名前が入っている。それが目に入るだけで、“何でこの色なんだろう”とか“この英語は和製英語なのかな”とか、さまざまな連想が始まります。脳にその連想をさせないために、無印の箱に入れました。“そんなことまで”と思うかもしれませんが、この積み重ねでしか選択回数は減らせないので」と徹底している。

シンプリスト・エヌケンさんが愛用している無印のティシュケース
何の情報も発信しない無印のティッシュケースを愛用

エヌケンさん一番のお気に入りの場所は「ソファ」。

インスタの原稿を書く時も、スマホで情報を検索する時も、全ての作業はこの大好きなグリーンのソファの上でする。

「ソファは14畳の部屋の時にさえ持たなかったアイテムですが、この部屋では絶対に欲しいと購入したもの。あえてグリーンにしたことで、部屋全体が重くならずにまとまりました。ソファとテーブルなどの大きなアイテムを置いてはいますが、部屋に余白は必ず作るようにしています。部屋にも人生にも、余白は絶対に必要です」(エヌケンさん)

シンプリスト・エヌケンさんお気に入りの緑色のソファー
欲しいもの、必要性を説明できるものは必ず購入する

決して広くはない6畳だが、余白の持たせた心地よい部屋は確かに落ち着く。

ここでエヌケンさんが学び、インプットしたことは、この部屋のように美しく整理整頓されて多くのフォロワーたちに知恵を授けている。やはりオーガナイズされ余裕のある部屋は、住人のアウトプットや日々の生活、そしてその後の人生にまで影響を与えるのかもしれない。

究極の整理整頓術! シンプリストの黄金ルール

せっかくなので部屋の引き出しやクローゼットの中も見せてもらった。

見える部分以上に生活感のない、整理整頓の見本のような収納のポイントを伝授してもらおう。

ポイント1:8割収納を心がける

収納にも余白を残す。出し入れが楽なうえに、整理と管理が格段に楽になる。

ポイント2:収納はカテゴライズする

仕切りケースで「下着・靴下・Tシャツインナー・掃除用具」などをカテゴリー別に入れる。

シンプリスト・エヌケンさんのベット下の下着収納
ちなみにこれがエヌケンさんのインナー類の総数(少ない…)

シンプリストの黄金ルール3:ハンガーの数で服の数を管理

愛用のマワハンガーでトップス10枚、ボトムス5本が服の上限数。色を統一しているので、組み合わせもいろいろできる。

この量だと取り出し・戻しにストレスがない。ちなみにバッグは基本一つだけに決めている。

シンプリストの黄金ルール4:「1つ買ったら1つ手放す」を厳守

上限数は絶対に超えないように守る。

服は1点豪華主義なので、処分しなくてもすぐに買い手がつくそうだ。

シンプリスト・エヌケンさんの整理されたクローゼット
お気に入りの服しか残っていないクローゼットは整理しやすい

シンプリストの黄金ルール5:コスパの悪い服は持たない

基本的にトップスは「長袖だけ」。夏服は1シーズンしか着られないのに場所を取るのでコスパが悪い。夏は長袖をまくって着る。

シンプリスト・エヌケンさんの黒い靴のみに統一された靴箱
靴は黒だけに統一。コーディネートにも迷わず時間も短縮できる

シンプリストの黄金ルール6:整理・管理のしやすさを最優先に

パッと見で何が入っているか、何が不足しているのかが分かると整理・管理しやすい。収納の基本は見やすさでもある。

洗濯・お風呂関係のモノがまとめて収納されているワイヤーバスケット
ワイヤーバスケットは中身が一目瞭然で整理・管理がしやすい。洗濯・お風呂関係のモノは最短距離の場所に置く

ミニマリストは無理でも、“好きなものは残してもいい”シンプリストなら、ちょっぴりハードルが下がるはず。

思い立ったら吉日! 部屋だけでなく、日々の生活そのものが簡素に単純に変化するシンプリスト生活を、今日からはじめてみませんか?

文=元井朋子
写真=編集部

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