入居審査に通るために必要な年収とは?審査に通りやすくする3つのコツも紹介
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家賃と年収の関係を知っていれば、物件探しの役に立つ!
「素敵な物件を見つけた!少し家賃が高いけど、申し込んでしまおう!」……と、勢いに任せて賃貸契約を結ぼうとすると、入居審査に落ちてしまう可能性も。
物件は、それぞれの家賃に見合った年収が想定されているため、目安よりも年収が低ければ借りることが難しいケースも少なくない。この記事では、物件探しにも役立つ、家賃と年収の関係性を詳しくご紹介する。

そもそも入居審査とは?
アパートやマンションといった賃貸物件を契約する際は、必ず入居審査が行われる。部屋を借りるためには、この入居審査に通らなければならない。「この人に物件を貸しても大丈夫か」「滞りなく家賃を支払ってくれるか」を判断するために実施するのが、入居審査というわけだ。
いくつかの条件が重なると、入居審査に通らなくなってしまう。ここからは、入居審査でチェックされるポイントや必要な書類について見ていこう。
入居審査でチェックされているポイント
入居審査でチェックされるポイントは多岐にわたり、年齢・職業・勤め先・勤続年数などがある。中でも審査結果に大きな影響を与えるものの1つが年収だ。家賃を滞納すると大家さんや不動産会社の収入とならないため、毎月必ず家賃を払えるだけの年収があるかどうかをチェックする。
入居審査に必要な書類
入居審査に必要な書類は、契約者の本人確認書類や収入証明、印鑑証明などさまざまだ。本人確認書類には、保険証や運転免許証などがあるが、不動産会社によっては保険証でなければ認めてもらえない場合もあるため事前に確認しておこう。入居審査をシンプルにしている不動産会社の場合、上記のような書類は不要で、入居申込書の記載のみでOKとしているところもある。
また、本人の収入証明だけでなく、連帯保証人の収入証明を求められるケースもあるだろう。さらに、入居者が未成年であれば保護者の同意書が必要だ。大家さんや不動産会社は、これらの書類から契約者や連帯保証人の支払い能力を確認しているのだ。
入居審査に必要な書類は、状況に応じて異なってくることを理解しておこう。
なお、大家さんや不動産会社からの印象を良くしようと、職業や収入などに関するウソの書類を提出するのは当然NGである。審査では、不動産会社からあなたの住所や勤務先に電話をして記載内容が事実かどうかを確認することも珍しくない。ウソだとわかれば信用を失い、入居審査に通ることはないだろう。提出書類には、正確な情報を記載することが大切だ。
入居審査に通るためには、年収に合った家賃の物件選ぶ必要がある

入居審査では年収も審査基準となることをお伝えした。しかし入居審査では単に年収だけを見て、入居の可否を判断されるわけではない。ここでポイントとなるのが「支払い能力」だ。
支払い能力とは、安定して家賃を支払っていけるかどうか判断できる経済的なスペックのことだ。年収だけでなく勤務先の規模や業績、勤続年数、年齢などのトータルバランスを見て判断される。つまりいくら年収が高くても、家賃の支払い能力がないと判断されれば審査に落ちてしまう可能性もあるというわけだ。
支払い能力の有無は不動産会社などにより定義が異なるが、一般的には「家賃が月収の3分の1に収まっているか」が基準となるといわれている。審査に通りやすい家賃と月収との関係は次の通りだ。
賃貸物件の家賃額 | 審査に通りやすい月収額 |
---|---|
5万円 | 15万円~ |
10万円 | 30万円~ |
15万円 | 45万円~ |
20万円 | 60万円~ |
例えば、家賃が10万円の物件を契約したい場合には、月収30万円が目安という計算だ。
ただし仮に月収が30万円に満たない場合でも、ボーナスを合わせて年収360万円、つまり月平均が30万円程であれば、審査に通る可能性が高い。
反対に、月収100万円の月があれば無収入の月もあるなど、収入に安定性が見られない場合は、たとえ年収が800万円だとしても必ずしも通るとは限らない。つまり「安定して家賃を支払っていけるかどうか」を、さまざまな視点からチェックしているというわけだ。
しかし、年収が基準に満たないからといってすぐに審査に落ちてしまうわけではないので、ご安心を。入居審査において年収がチェックポイントであることに変わりはないが、審査では契約者の人柄や職業などから総合的に判断される。
そのため、家賃が月収の3分の1に収まっていなくても、審査に通る可能性はゼロではない。どうしても気に入った物件があれば不動産会社に相談し、毎月きちんと家賃を支払えることをアピールしてみるのも良いだろう。
年収以外の理由で入居審査に落ちてしまう可能性もある

入居審査を通過するためには、やはり年収が重要な要素となる。しかし年収が目安に達していても、他の理由で入居審査に落ちてしまう可能性もある。主な理由は次の4つだ。
クレジットカードなどの滞納履歴がある
まずはクレジットカードなどの滞納履歴だ。クレジットカードや借金を滞納すると、滞納している情報がクレジットカード会社や消費者金融会社に登録される。仮に物件の契約を信用情報機関や保証会社を介する場合、クレジットカードなどの滞納履歴が判明して、入居審査にマイナスの影響を与えることもあるだろう。
自分の信用情報は本人開示制度を利用して、信用情報機関に開示を求められる。簡単にわかってしまうので、心配な人は一度情報をチェックしておくと良いだろう。またすでに滞納履歴がある人は、滞納履歴があっても審査に通りやすい物件を選ぶことが大切だ。
身だしなみや態度が良くない
審査では契約者の人柄もチェックされている。清潔感に著しく欠ける場合や、不動産会社が不信感を抱くような言動が多い、態度が悪く非常識に感じられるといったときは、収入の基準を満たしていても審査には通りにくいといえるだろう。身だしなみを整えて丁寧な言葉づかいを心がけ、過度な要求や非常識な言動はつつしもう。
最初に電話をかけたときから、すでに入居審査は始まっている。大家さんや不動産会社とのやり取りは終始、良い印象を残すことを意識したい。
連帯保証人の年収が低い
3つ目は連帯保証人の年収が低いことだ。連帯保証人とは自分が家賃を支払えなくなった場合に、本人に代わって家賃を支払ってもらう人である。
そのため、連帯保証人にも一定以上の支払い能力が求められる。年収が低い、不安定な職業に就いているといった場合、連帯保証人には支払い能力がないと判断されてしまうだろう。
連帯保証人になかなか連絡が取れない
不動産会社によっては入居審査時に、連帯保証人に電話連絡をする場合がある。連帯保証人になることを承諾しているか、また家賃額について承知しているかどうかを確認するためだ。仮に何度も電話してもなかなか連絡が取れない場合、「本当に連帯保証人として信頼できるのか?」と、不動産会社の不安は大きくなってしまうだろう。
年収が低くて心配…入居審査を通りやすくする3つのコツ
「気に入った物件があったけど、年収が低いから入居審査に通るかどうか心配」と思っている人も多いだろう。ここからは、入居審査に通りやすくするためのコツについて解説していく。
収入が安定した親族を連帯保証人にする
1つ目は収入が安定した親族を連帯保証人にすることだ。連帯保証人は安定した収入があれば友人でもなれるが、3親等以内の親族とするのが一般的。
ただし定期収入はあっても年金で生活している親などの場合、支払い能力が安定していないと判断される可能性もある。現役で働いており、安定した収入を持っている親族にお願いするのがベストだ。
契約者名を親族にする
契約者名を親族にするという方法もある。代理契約といって実際に入居しない人が、入居する本人の代わりに賃貸契約をする方法だ。親族であれば代理契約を認めている不動産会社も多いため、安定した収入を持つ親族にお願いするのも良いだろう。
不動産会社を味方につける
最後は不動産会社を味方につけることだ。不動産会社のスタッフも、一人の人間に変わりはない。「この人のために、入居できる部屋を見つけてあげたい」と思ってもらうことで、入居審査に通りやすい物件を紹介してくれるはずだ。
身だしなみを整えて清潔感を保ち、丁寧な言葉づかいで話すようにしよう。また仕事や収入、借金の有無などはすべて正直に話すことも大切だ。
もしも入居審査に落ちてしまったら、どうする?
入念に準備をしていたにも関わらず、残念ながら審査に落ちてしまうこともあるかもしれない。そんな時に備えて、あらかじめいくつかの物件を候補に挙げておくと良いだろう。特に、転勤や進学などで引越し日まで余裕が無い場合には、審査に落ちてから再び探すのでは間に合わず、良い物件が全て埋まっている可能性もある。
審査の結果によってはすぐに次の物件へ申し込まなければならないことも考え、スケジュールや物件の候補に余裕を持つことが大切だ。

自分の年収に合った物件探しが入居審査通過の近道
賃貸物件の入居審査に関し、一般的に基準とされる年収はどれくらいか、また年収以外の審査項目で気を付けたいポイントについて紹介した。
いざ入居審査が始まってから焦らずに済むように、年収と支払える家賃のバランスの算出や、証明書類、審査時の身だしなみなど、事前にしっかりと準備をしてから臨むようにしよう。
文=みつまめ(株式会社YOSCA)
2021年5月加筆=CHINTAI情報局編集部