通気口を塞ぐのはNG!?理由や対処方法、掃除方法などあらゆる疑問を解決!
マンション・アパートにある通気口の役割をおさらい!

あまり注目されないが、マンションやアパートにある通気口は、住宅の外側と内側をつなぐ空気の出入り口である。換気扇を回したり窓を開けたりしなくても、通気口があれば常に換気ができる。重要な住宅設備のひとつだ。
ここでは、通気口の仕組みや掃除方法などを紹介していこう。
このページの目次
どのように換気している?通気口の仕組み
マンションやアパート室内の壁や天井についている、小さい通気口。どのように換気を行っているのかピンとこない人も多いかもしれない。通気口の仕組みはいたってシンプルで、以下のとおりだ。
通気口の仕組み
1.壁の通気口から外の空気が入ってくる
2.室内の24時間換気システムやキッチンの換気扇、バスルーム、トイレなどに設置されているファンが回ることで空気が天井に集められる
3.天井に集まった空気がファンによって外に出て行く
部屋の空気は、思っている以上に汚れている。調理による油や掃除のときに使う洗剤の成分、ハウスダストや窓などから入ってくるホコリ、ソファや寝具などから出るホコリなどが、空気中に浮遊している状態なのだ。
いくら換気扇を回して部屋の空気を外に出しても、新鮮な空気が入ってこなければ室内の空気はよどんだままになってしまう。通気口は、外からの空気を部屋に取り入れることで、部屋の空気の汚れを緩和してくれる。そのため、普段からきちんとお手入れをする必要があるのだ。
通気口の正しい掃除方法
部屋に新鮮な空気を入れる働きをする通気口。しかし通気口本体が汚れていると、当然そこを通過した空気も汚れてしまう。
部屋の空気をきれいにするには、通気口を定期的にお手入れしなくてはいけない。正しい掃除方法を覚えておこう。
通気口の正しい掃除方法:室外側
通気口の【室外側】を掃除する方法を紹介する。
まずカバーとフィルターを外す。次に、古い歯ブラシなどを使って、フィルターについている砂や土埃などの汚れを浮かせ、水洗いしよう。このとき、強い力でこすってしまうとフィルターが破れてしまうことがあるため、優しく丁寧に洗うことがポイントだ。
フィルターの水洗いが終わったら、そのまま日に当てて自然乾燥させる。乾燥させている間に、しっかり絞った濡れ雑巾で通気口の内部の汚れも拭き取っておこう。
長期間掃除をしていなかった場合、かなり汚れが溜まっているはずだ。雑巾で拭いたら水で洗い、再度拭くというのを何度か繰り返してみよう。なお、通気口の内部を水で流して洗うことは厳禁。室内に水が入り、壁紙などが濡れてしまう。必ず固く絞った雑巾で拭き掃除をしよう。
通気口の正しい掃除方法:室内側
続いて通気口の【室内側】の掃除方法を紹介する。
まずはプラスチック製のカバーとフィルターを外す。カバーは埃をウェットティッシュなどでふき取ったのち、水洗いをして綺麗にしよう。
室内のフィルターも水洗いするのが基本だが、種類によっては水洗いできないものもある。もし水洗い不可であれば、掃除機でホコリを取ろう。このとき、フィルターのうしろに新聞紙やダンボールなどを当てると、しっかりホコリを吸い取れる。
なお、通気口にフィルターがついていない場合もある。通気口からは虫が入ってきたり、土埃などの汚れが入ってきたりする可能性がある。大きさが合うものを購入し、取りつけておくといいだろう。
通気口の正しい掃除方法:通気口周辺の壁面
室内の通気口周辺は、外から取り込んだ土やホコリなどの汚れがついていることがある。また台風や大雨の後などには、雨風が吹き込み通気口自体の汚れが室内の壁に流れ出てしまうこともある。
壁紙をいきなり水拭きをすると汚れが広がってしまう。水を使っても大丈夫な素材であれば、歯ブラシに少量の中性洗剤と水をつけて優しくたたき、乾いたぞうきんで拭き取ろう。
通気口を閉めるのはNG!その理由とは
マンションやアパートなどのすべての住宅には、建築基準法によって「24時間換気システム」の設置が義務づけられている。
最近は住宅性能の向上により、気密性の高い建物が多い。寒さに強く防音性も高い一方、住宅の中に空気がこもりやすくなってしまう。そうなると家の中に潜むダニやカビ、家具の材質であるホルムアルデヒドなどが室内にたまり、さまざまな健康被害を引き起こす「シックハウス症候群」の発症につながってしまう。シックハウス症候群を防ぐため、2003年の建築基準法改正で24時間換気の設置が義務化されることとなった。
通気口は短時間であれば塞いでいても問題ないが、長時間塞いでいると空気の換気ができず頭痛や吐き気がおこったり、冬場には結露してしまう可能性もある。
そのため、いったん通気口を閉めたとしても、その後必ず開けることを忘れないようにしよう。
それでも通気口を閉めたいときの対処法を紹介!

通気口を塞いではいけないとわかっていても、開けっぱなしにしたくないという人もいるだろう。冬であれば、外気が入ることで寒くなるし、外の音がうるさいこともある。フィルターの状態によっては虫が入ってくるかもしれない。
このような事情がある場合は、下記の対策方法を実践して部屋の空気を循環させよう。
パターン①:寒いから通気口を閉めたい!
通気口を開けると寒いのであれば、もちろん閉めても問題ない。ただし、ファンヒーターやストーブなどを使っている場合、いつもより換気に気をつける必要がある。1時間に1回、10分程度は通気口を開けるように意識しよう。
また、そもそも室内の熱の大部分は窓から放出されるので、寒いと感じているのであれば通気口ではなく窓が原因のことが多い。そのため、窓に断熱シートを貼ったり、サッシの隙間を埋めたりする対策で暖かさを保つのがおすすめだ。
パターン②:虫の侵入を防ぐために通気口を閉めたい!
通気口から小さい虫が入ってくるのが気になる場合は、防虫ネットを貼り付けたり、防虫効果のあるスプレーを使ったりするのがおすすめだ。こまめにスプレーをしておけば、小さい虫も寄りつきにくくなる。
ただし、今まで気にならなかったのに、急に虫が入ってくることが多くなったのであれば、フィルターが外れていたり破れていたりする可能性があるのでチェックしてみよう。賃貸物件でフィルターや通気口自体にトラブルがある場合は、大家さんや管理会社に相談して修理をしてもらうのがベストだ。
パターン③:屋外の騒音が気になるから通気口を閉めたい!
家の周囲が繁華街だったり車の通りが多かったりすると、通気口を開けておくだけでも音が入ってきてうるさく感じるだろう。音は通気口を閉めなければどうにもならない。そのため、どうしても気になる場合は、定期的に開け閉めをしてできるだけ音が入らないようにするしかない。
ただし、通気口の形状によっては吸音材や防音材を取りつけられる。これらのアイテムは音を吸収したり防いだりしてくれるので、通気口の形状をしっかり調べて、取りつけられるものがあれば購入してみよう。
その際、取りつけることで換気システム機能が低下しないかどうかも合わせてチェックしてほしい。換気効率が下がることにより、窓で換気をしなければならないとなると、余計に外の音が聞こえてうるさくなってしまう。
通気口を正しく使って部屋の空気をきれいに!
新型コロナウイルス感染対策として、部屋のこまめな換気が季節を問わず必須となっている。換気は窓を開けて行うのがもっとも効率が良いが、こまめに開け閉めするのは大変だし、寒い季節や雨の日などには開けるのが難しいこともあるだろう。
通気口のフィルターをきちんと掃除しておけば、室内の汚れた空気と外のきれいな空気を入れ換えられる。通気口を正しく使って部屋の空気を清潔に保ってほしい。