関西の部屋探しで目にする「敷引き」とは?仕組みを解説

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賃貸物件を借りるときの「敷引き」って?

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関西で賃貸物件を契約するときに耳にすることがある「敷引き」

関東圏に住んでいる人は馴染みのないものかもしれないが、賃貸借契約に関する用語の中に「敷引き」というものがある。主に関西地方を中心とした西日本の賃貸借契約で使用される言葉なので、実際に関西地方で部屋探しをしたことがないと知らない人も多いだろう。そんな「敷引き」とは一体どんな制度なのか、「敷金・礼金」とはどう違うのか、「敷引き」について細かく解説していく。

そもそも敷引きとは?

京都を除く関西地方や九州地方では、関東圏で見られるような「敷金・礼金」制度ではなく、「敷引き」という制度が見られる。これは入居するときに支払う「保証金」のうち、退去するときにかかる原状回復費用を「敷引き」という名目で、前もって決めてしまうというもの。「敷引き」で指定された分は原状回復のために使う修繕費用となるので、退去時に返還されることはない。

敷引きの相場っていくら?

一般的に「保証金」の相場は家賃の6~8ヶ月程度。「敷引き」はその半額~6割程度だといわれている。「保証金・敷引き」制度には関東圏でいう「礼金」はなく、「保証金」の中に貸主へのお礼も含まれていると考えられる。

敷引きと敷金・礼金の違いとは?

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敷引きと敷金・礼金の違いをしっかりチェックしよう!

ここからは、関東圏で使われる「敷金・礼金」制度と、関西地方や西日本で使われる「保証金・敷引き」制度の違いはどういうものなのか、詳しく解説していこう。

保証金と敷引きの仕組み

「敷引き」の説明をする前に、「敷引き」が含まれている「保証金」について詳しく解説していく。

「保証金」とは、関西地方や九州地方を中心とした西日本地方で使われている言葉で、入居者から貸主に支払われる預かり金のこと指す。賃貸借契約を交わすときに、初期費用として支払う。もし家賃の滞納があった場合には、不足分を保証金から補填することになる。

次に、「敷引き」について解説していこう。物件の退去までに家賃の滞納がなければ「保証金」は入居者に返還されるが、全額返還されるわけではない。そこで引かれるのが「敷引き」である。

賃貸借契約時に預けた保証金の中から、前もって取り決めした「敷引き」の金額が差し引かれ、その差額が返金されるのだ。ここからは、退去時に返還される金額の例を見ていこう。

【例】
「保証金(家賃7ヶ月分)」−「敷引き(家賃4ヶ月分)」=「返還される金額(家賃3ヶ月分)」
※敷引きで足りない場合は、別途請求あり。

敷引きは原状回復の修繕費用に充てられる

「敷引き」された分のお金は、退去した物件の修繕費用に充てられる。賃貸物件をきれいに使用しており、修繕費用がほとんどかからなかった場合でも、賃貸借契約で交わされた通り「敷引き」される金額は変わらない。

しかし使用状況が悪く、原状回復のための修繕費用が「敷引き」の金額より費用がかさむ場合には、別途料金を請求されることがあるので注意が必要だ。

敷金・礼金の仕組み

関西地方や西日本で見られる「保証金・敷引き」と似た制度である、関東圏で一般的な「敷金・礼金」の仕組みについて確認してみよう。

「敷金」と「礼金」は賃貸借契約時に支払う初期費用だ。「敷金」とは、保証金と同じく貸主に支払う預け金である。退去時に賃貸物件の現況を貸主が確認し、原状回復するために修繕費用を見積もった金額を差し引き、差額分が返金される。

原状回復にかかる費用はすべて借主が負担するわけでなく、通常は、通常損耗と経年劣化をすでに支払っている賃料から差し引いて考えるので、借りている期間が長ければ預けていた敷金がほとんど戻ってくる場合もある。

次は「礼金」だが、「礼金」は「敷金」と違い返還されないお金である。大正時代が発祥ともいわれているが、もともとは家を貸してくれた大家さんへの感謝の気持ちをこめて支払われていたお礼が、「礼金」という慣習として残っている。

返還されないお金ではあるが、決して少なくはない出費になる。余計な出費を抑えるためにも、「礼金」の金額も契約時にきちんと確認してみよう。

では、退去時に返還される例を見ていこう。

【例】
「敷金(家賃2ヶ月分)」-「修繕費(実費)」=「返還金(〜家賃2ヶ月分)」
※借主の故意や過失で大きな修繕が必要な場合は別途請求がある。

保証金・敷引きは敷金・礼金よりも高い!

「保証金」の相場は前述の通り、家賃の6〜8ヶ月程度。そのうち「敷引き」が半額〜6割程度だが、首都圏での「敷金」の相場は家賃1〜2ヶ月程度になる。

「礼金」の相場は0〜2ヶ月程度なので、「保証金・敷引き」を一番安い相場より、「敷金・礼金」の一番高い相場の方が安くなる。つまり「保証金・敷引き」制度の方が、「敷金・礼金」制度よりも高くなるのだ。

そのため「保証金・敷引き」制度を取り入れている地域では、条件面などを工夫する大家さんも多い。「保証金・敷引き」の方がほかの地域よりも高くなるので、家賃が安く設定されていたり、2年ごとの更新時期に支払う「更新料(家賃の1ヶ月分が相場)」がなかったりすることが多いのだ。

これらの理由を知っておくと、効率よく物件を探せるようになる。ほかの地域と比べつつ、より費用がかからない方法で契約するようにしよう。

敷引きは減少傾向にある

関西地方に多く見られる「敷引き」の仕組み。「敷引き」が何に使われているのか明確な提示がなかったり、短期間の居住でも長期間の場合と同じ金額を請求されたりするなど、さまざまなトラブルが起きることが多く、「敷引き」を採用する物件数が減少しつつある。

「敷引き」がなければ、保証金と敷金は同じものだと考えてよいだろう。しかし現在でも、関西地方では「敷引き」を利用する物件も多く残っている。そのため「保証金・敷引き」の仕組みをきちんと理解したうえで、契約に臨むことが重要だ。

また、中には不要な請求をしているところも少なくはない。項目ごとにきちんと確認し、正当な理由かどうかを確認することも大事だろう。明らかに不当な場合は、担当者に相談したり、ほかの専門の方にアドバイスをもらったりするなど、しっかりと対策をすることが大切だ。

関西でお部屋探しをするなら敷引きについて知っておこう

関西地方を中心に西日本で多く採用されている「敷引き」制度。「敷金・礼金」と「保証金・敷引き」の違いを前もって知っておこう。そうすれば、関西でのお部屋探しで必ず役に立つはずだ。

退去時にかかる原状回復の費用をおさえるためにも、借りた部屋を掃除したり、修理したりすることも重要だ。「敷引き」による出費を抑えるために、日ごろからきちんと生活をしていこう。

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CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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