礼金とは何? 敷金との違いや役割についてわかりやすく徹底解説
初期費用で礼金の役割とは……?
賃貸物件を契約する際に必要となる初期費用に「礼金」と言う項目が含まれていることがある。
初期費用の多くを占める礼金だが、なぜ支払うのか、については知らないことも多いのではないだろうか。
本記事では、どうして礼金がゼロの物件があるのかについてもふれながら、礼金について徹底解説をする。
このページの目次
賃貸物件を契約する際の「礼金」はなんのために払うのか?
賃貸物件を初めて借りる人や、初期費用を抑えたい人にとって気になるのが礼金。
一体どのような目的で礼金を払うのだろうか。
ここでは礼金に関する以下の3つのことを紹介する。
- 礼金とは何なのか?
- 礼金の特徴
- 礼金と敷金の違い
一つずつ見ていこう。
礼金とは?
まず一番の疑問は、そもそも礼金とは一体何かということだ。礼金は、大家さんに対してお礼の意味を込めて渡すお金である。今よりも賃貸物件が少なかった時代に、家を貸してくれた感謝の気持ちとして渡していたものだ。
また、大学進学や就職をする子どものために、心付けの意味として送ったものなど、さまざまな由来がある。いずれも大家さんへの感謝やお礼の意味として支払われてきたのだ。
しかし以前と比べると世の中の賃貸物件自体の数も増えている。また昔のように大家さんと入居者の間に密な関わりがなく、直接顔を合わせる機会も少ない。そのため本来の意味での礼金ではなく、慣習だけが残っているのが現状だ。
礼金の特徴
礼金の特徴は、一度払うと戻ってこないという点だ。前述したように、礼金は本来大家さんへのお礼ために支払われていたものである。
そのため慣習として根付いている現在でも、返還がされないのだ。また礼金については法律で定義が定められているわけではない。
礼金と敷金の違い
「敷金」とは、借主が支払うべき金銭を負担する目的で、前もって貸主に預けておくお金のことだ。
部屋を借りた後に生じた損傷に対し、退去時に原状回復をするために敷金が使用される。しかし、家具の設置跡や鍵の取り替え、日焼けなどは通常消耗となり負担の対象にはならない。
また、タバコのヤニやペットによる傷など、入居者に責任がある場合の修繕・修理などに使用される。礼金と異なり、敷金は退去時に引かれる費用との差額が返還されるという特徴がある。
敷金について詳しくはこちらの記事でチェック!
礼金の相場は?
物件によって異なるが、礼金の相場は一般的に家賃の1~2ヶ月分といわれている。
敷金と礼金は、大家さんや管理会社によって設定される。
また、礼金の相場は地域によっても変わるため、住むエリアの相場を事前に確認しておこう!
「礼金ゼロ」物件は、どうして礼金をゼロにできるのか
最近では「礼金・敷金ゼロ」という物件を目にするが、どうして礼金を0円にできるのだろうか。
敷金・礼金がゼロの物件は、相場よりも家賃を上乗せしていたり、短期解約違約金などの特約を設けたりしている場合がある。
また、空室を避けるために礼金をゼロにしていることもある。空室が長期化し収入がなくなるよりも、礼金をなくして入居者を入れた方が、長期的に考えると得になる。そのため、敷金・礼金をゼロにしていることもあるのだ。
敷金・礼金ゼロ物件での注意点
敷金と礼金は初期費用の多くを占めており、家賃の数ヶ月分がかかる。そのためどちらも払う必要がないならお得に感じるだろう。しかし、敷金と礼金がない物件にはさまざまな理由がある。
まず前述した通り、敷金と礼金の分が家賃に上乗せされていることがある。そのため相場よりも家賃が高いことがあるので、確認が必要だ。
次に設備が古い、駅から遠いといった物件の場合があることだ。条件が悪く入居者が集まりにくい賃貸物件は、空室を避けるために敷金と礼金をなくしていることがある。初期費用が抑えられるからと安易に決めず、実際にどのような賃貸物件であるかを見に行くことをおすすめする。
また、敷金ゼロの物件は、退去時に清掃費などを実費で請求される場合がある。初期費用は抑えられるが、敷金よりも高くなってしまうことがあるのを覚えておきたい。さらに入居時に別途クリーニング代を請求される物件もあるため、契約時に必ず確認が必要である。
初期費用を抑えるには?
礼金は大家さんへのお礼の意味合いがあるため、返還されないことをお伝えした。それでは、初期費用をなるべく抑えにはどのようにしたらいいのだろうか。
初期費用を抑えるには以下の3つの方法がある。
- 「敷金なし」物件を探す
- フリーレント物件を探す
- 引越し費用を抑える
初期費用を抑える方法①:「敷金なし」物件を探す
礼金なしの物件だけでなく、近年は敷金なしの賃貸物件が増えている。賃貸物件を契約する際に敷金と礼金がなければ、初期費用はかなり抑えられるだろう。
初期費用を抑える方法②:フリーレント物件を探す
次にフリーレント物件を探すことで初期費用を抑える方法だ。フリーレント物件とは、入居後ある一定期間の家賃が無料になる物件のことを指す。共益費や管理費を支払う必要はあるが、通常の賃貸契約に比べると初期費用が抑えられる。
初期費用を抑える方法③:引越し費用を抑える
最後は引越し費用を抑える方法だ。初期費用には引越しの費用が含まれることを忘れてはならない。荷物が少なければ自分でレンタカーを借りるのもよいだろう。また、引越し業者に頼む場合も、繁忙期を避けたり荷物を少なくしたりするなど工夫をすることで、初期費用は抑えられる。
ただし、自分で引越しをする際にはいくつか注意点がある。レンタカー代や友人へ手伝ってもらった場合は謝礼が必要であり、また時間もかかる。さらに慣れない作業で、引越し中に賃貸物件そのものに傷をつけてしまうことがある。
自分の荷物の量やトータル費用、時間や労力を総合的に判断して引越しを行おう。
礼金を交渉することはできるのか?
初期費用を少なくするためにも、できることなら礼金も抑えたいのが本音ではないだろうか。実は、礼金は交渉することができる。
礼金は一度支払ってしまうと戻ってこない。そのため減額をしたい場合は、契約をする前に値下げ交渉をする必要がある。
礼金の交渉が比較的しやすい物件
礼金は交渉が可能であることをお伝えした。しかし礼金の交渉をしたからといって、すべての提案を承諾してくれるわけではない。
礼金の交渉が比較的しやすい物件は、以下のような条件であることが多い。
- 相場より礼金が高い
- 空室が長期間続いている
- 駅から遠いなど条件の悪い
大家さんからすると、最も避けたいのは長期間空室が続くことだ。そのためいつも入居者を募集している物件や駅から遠くて人気がない物件は、比較的礼金の値下げ交渉をしやすい傾向にある。
一方で「駅から近い」「新築または築浅」など、条件のよい物件の場合は値引きには応じてもらえない可能性が高い。人気の物件は常に入居者がいる状態のため、礼金の値下げに応じる必要がないのだ。
まとめ
礼金を支払う意味や敷金との違いについて紹介した。礼金は本来、家を貸してくれたお礼や心付けとして大家さんへ渡された謝礼である。しかし現在の礼金は慣習として根付いているもので、法律で定義が定められているわけではない。
また敷金と異なり、礼金は返還されない点も注意が必要だ。初期費用を抑えるために、礼金の値下げ交渉をするのもよいだろう。
礼金についてしっかりと確認をしたうえで、後悔のない引越しをしよう!
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