【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説

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日常生活に支障が出る、一人暮らしでの骨折

「病気や怪我の時にどうしたらいいだろう」というのは一人暮らしビギナーが抱える大きな不安の1つだ。
「深刻な怪我」というイメージが強い骨折。痛みや治療の大変さだけではなく、一人暮らしで骨折してしまうと、それまで当たり前に行っていた日常の動作ができず苦労するケースもあり、心配な怪我といえるだろう。

そんな一人暮らしビギナーのお悩みを少しでも解消するべく、Twitterで医療ニュースなどを発信して人気を博している医師のおると先生@Ortho_FL)が医療コラムを連載中!

おると@整形外科医

フリーランス整形外科医。TwitterYoutubeにて一般向けの医療啓蒙からネタまで取り扱っている。Twitterではフォロワー5万人越え、医師アカウントの影響力ランキング1位。YouTubeでは一般向けに分かりやすくかつ面白く病気に対する知識を発信している。

今回のテーマは「骨折」。
さっそくチェックしていこう!

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説
もしもの時に備えておこう

そもそも骨折とはどんな症状?

骨折とは強い衝撃などによって骨の形が変わってしまった状態のことを指す。

たとえば一般に「ヒビが入った」などと呼ばれるものも、亀裂骨折という立派な骨折である事はあまり知られていない。
症状としては、患部の痛み・腫れ・皮下出血の出現などが典型例である。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 足の怪我
ヒビが入った状態も骨折の一種だ

骨折をしてしまった時の正しい応急処置

それでは、骨折が疑われる状態になった時の応急処置はどうすべきなのだろうか?
次のような対応が望ましいので、チェックしていこう。

すぐにアクセサリーを外す

骨折を疑った時にまずすべきなのは、指輪や腕輪などのアクセサリーを外すことである。
特に手首などを怪我してしまった場合、急速に指などがむくんでしまうため、指輪が取れなくなり困ることが多い。血流が悪くなると指が壊死するため、早めに行うべきである。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 指輪を外す様子
むくみによって指輪などのアクセサリーが取れなくなってしまうため、早急に外そう

とにかく安静に

その後、行うべき応急処置としては、安静・冷却・挙上と考える。
そもそも痛みによって安静にせざるを得ないと思われるので、痛みの少ない姿勢などから患部を動かさないようにしよう。

また患部を直ちに冷却することにより、出血や患部の腫れを予防する効果があるだろう。
手首などを怪我した場合は心臓より高い位置に手を吊り下げることにより、腫れの予防が可能である。

「整形外科」を受診

そして一番大切なのは「整形外科」を受診するということである。
骨折しているかどうか診断するのは、レントゲンなどがある整形外科でしか不可能である上に、骨折部がずれている場合などは整復操作なども必要になるためである。

なお、上記の応急処置を継続しながら受診してもらうこととなるのだが、できれば受診の際にはタイトな服を着てこないよう注意していただきたい。
固定をする場合は衣類の着脱が必須になり、また捲って固定したとしても今度は固定がつっかえて脱げないなどという事態に陥りかねないためだ。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 説明する医師
骨折してしまったら専門の医療機関である整形外科を受診するのが大切だ

骨折の治療期間、一人暮らしの生活はどうしたらいい?

骨折してしまったものの骨折部のズレがない場合は、基本的に手術をしないで固定のみで治す「保存療法」になることが多いだろう。
固定はおよそ1ヶ月程度は装着することになり、また自分で取り外ししてしまうと簡単に骨折部がずれてしまうため、必ず医師の指示通りに装着する必要がある。
そのため生活で不自由が生じてしまうので、ここでは生活の工夫を述べたい。

上肢の骨折の場合

・スプーンやフォークを使う
・動かしてもよい関節は積極的に動かす
・上着の着衣は骨折側から着る、脱ぐ時は骨折側を最後に脱ぐ

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 フォークを持つ手
骨折した箇所に負担をかけないように、食事の時はフォークやスプーンを使うとよいだろう

下肢の骨折の場合

・寝る時は足の下にクッションなどを入れて挙上する
・医師の指示なしに絶対に足をつかない

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 足の下にクッションを敷いた様子
足を骨折した場合は寝る時にクッションを足の下に敷くのがおすすめだ

骨折の治療期間中の注意

ギプスに棒を突っ込んで掻かない

骨折の治療のギプスを着用していると中が痒くなってきたりする場合があるが、くれぐれも長い棒などを突っ込んで掻いたりするのはやめよう。もしも傷になってしまった場合、環境が悪く感染などに至りやすい。

入浴時の注意

またもう一つ必ず直面する問題は入浴である。
基本的には固定より上までゴミ袋を被した上でテープで口を封じ、さらにもう一度同様に、さっきのゴミ袋よりも上まで新しいゴミ袋をかぶせてテープで口を封じて、できるだけ濡らさないようにシャワーなどで入浴しよう。

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 シャワー
濡らさないように工夫してシャワーで済ませるようにしよう

まとめ:骨折のポイント

【一人暮らしビギナー向け医療コラム】骨折の応急処置や治療期間の生活の注意点を医師が解説 骨折のポイント

一人暮らしだと特に苦労する骨折!無理せずしっかり治療しよう

骨折は一度受傷してしまうとおよそ3ヶ月程度治療に時間を必要とすることとなる。
自分は骨折なんかしないだろうと考えている人も少なくはないと思うが、そもそもすると思って怪我する人間などこの世にほとんどいないので、日々注意を払って生活し、骨折してしまった場合は適切な自宅でのケアを行うようにしよう。

おると@整形外科医

フリーランス整形外科医。Twitter・YouTubeにて一般向けの医療啓蒙からネタまで取り扱っている。Twitterではフォロワー5万人越え、医師アカウントの影響力ランキング1位。YouTubeでは一般向けに分かりやすくかつ面白く病気に対する知識を発信している。


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