【日本最古の地下街】観光の街・浅草でディープでレトロな浅草地下商店街を散策してみた
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浅草で日本最古の地下街を探索してみない?
世界に名だたる観光地・浅草。雷門、仲見世通り、浅草寺といった名所のみならず、この街は〝日本最古〟の宝庫でもあることをご存じだろうか。
今回は「浅草」の住み心地をチェックしがてら〝日本最古の地下商店街〟として知られる「浅草地下商店街」を訪ねてみた。

浅草ってどんな街?
東京都台東区の東に位置する「浅草」。鉄道は東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン・都営浅草線・つくばエクスプレス、バスは都バス・京成バス・東武バス・コミュニティーバス「めぐりん」と、都内有数の交通網を備えている。
エリア内を流れる隅田川沿いには広々とした歩道「隅田川テラス」があり、散歩やジョギング、桜の季節には花見も楽しめことでも有名だ。
浅草=観光地のイメージから住み心地に疑問を抱く人も多いと思うが、駅周辺にはオオゼキ、ライフ、三平ストアなどのスーパーが点在し、駅ビル「浅草エキミセ」には100円ショップやファストファッション、書店や家電量販店までそろう。日用品の調達に事欠かず、かつ繁華街ならではの非日常感も楽しめる「浅草」は、ファミリーから一人暮らしまで幅広い層に人気の街なのだ。



浅草は〝日本最古〟の宝庫
その「浅草」には、日本最古の商店街「仲見世通り」、日本最古の遊園地「花やしき」、日本最古のバー「神谷バー」、日本どころか東洋最古の地下鉄駅「浅草駅(現・東京メトロ銀座線)」など、〝日本最古の◯◯〟がいくつもある。江戸時代から近代、そして昭和と長らく栄えてきた、歴史ある繁華街ならではの特色だ。


そうした〝日本最古の◯◯〟の中で、ひときわ異彩を放っているのが昭和30年開業の「浅草地下商店街」。神田須田町地下鉄ストア(昭和6年~平成23年)、銀座三原橋地下街(昭和27年~平成26年)が消滅した今、日本の地下街において最も古い存在なのだ。
昭和遺産の多くは日常とともにあるがゆえに見過ごされがちで、気付いたときには消失していることも多い。噂によれば「浅草地下商店街」も近年、空きテナントが増えているらしい。これは聞き捨てならぬ! 現存しているうちに体感しておかねばと、さっそく訪ねてみた。
浅草文化を地下から支え続ける異空間へGO!
「浅草地下商店街」への出入口は4つ。銀座線浅草駅の出入口8と出入口6(新仲見世商店街内)、銀座線浅草駅改札口(出入口5・6・7・8方面)、東武線と銀座線の地下連絡通路からアクセスできる。
今回は「浅草エキミセ(松屋浅草)」そばにある出入口8から潜入してみることにした。

階段を降りると剥き出しのダクトや薄汚れたコンクリートがお出迎え。階下にはスタンディングスタイルの店らしきものが見える。

階段脇にはショップリストが貼られていた。こちらも数年前に新調されたものと思われる。飲食店、理容店、整体院など22店舗が表示されており、そのうち3つはコインロッカーのようだ。




階下に見えたスタンディングスタイルの正体は「立喰いうどん・そば 文殊」だった。浅草ダンディがひしめき合う様を横目に西へ通路を進むと、右に「700円カット」正面に「香香(シャンシャン)」の文字が現れる。
階段脇のショップリストには「香香(シャンシャン)」という店名は見当たらなかったので、新しく入った店だろう。「香香(シャンシャン)」を右手に向きを変えると、その先にはコインロッカーや金券ショップ、そして「浅草地下商店街」で2番目に古い店「福ちゃん」がある。




創業50余年の「福ちゃん」で名物焼きそばに舌鼓
昭和40年からここで営業している、焼きそばで有名な「福ちゃん」。50余年の歴史を物語るのは、飴色に染まった壁やカウンター。
居合わせた常連客の〝スーパーホッピー〟ことセキちゃん曰く「この汚さが良いんだ。リフォームなんかしたら二度と来ないよ」。名物の焼きそばは懐かしい銀皿で供される。アットホームで気取りない雰囲気が心地よく、つい長居してしまった。







「福ちゃん」に別れを告げ、通路を北に戻ってみる。「福ちゃん」向かいの「Jプライス」は中古DVDや家電小物を揃えるディスカウントショップ。店主のナガイさんは「浅草地下商店街」会長だ。







タイ通も納得のハンパない本場感を「モンティ」で満喫
「たんぼ」の真向かいにあるのが、タイ屋台料理の「モンティ」。日本人の味覚に迎合することなく、本場の味そのままに提供している。ゆえに辛い! とにかく辛い! しかしクセになる辛さ、つまり美味!
店員さんは日本語がほとんど通じないし、電飾はビッカビカだし、もちろんBGMもタイのポップチューンだし、タイの屋台街に迷い込んだようなバーチャル感が楽しい。










いやはや、食べ過ぎた。そして辛過ぎた。しかし、我々にはどうしても訪ねたい店がまだ残っている。そう、この「浅草地下商店街」が開業した当時から営業している店だ。「モンティ」の電飾でバカになった目をこすりながら、3軒隣りの「亀すし」へ向かった。
「浅草地下商店街」の生き証人がいる「亀すし」
きっと頑固な大将が黙々と切り盛りしているのだろう……とドキドキしながら暖簾をくぐると、そこには温厚な面持ちのご主人が待っていた。
オススメのちらし寿司をいただきながら「浅草地下商店街」の変遷を聞かせていただく。初代店主(ご主人の父上)は吉原の入り口で寿司屋を営んでいたが、地下街開通に伴う店舗募集を見て63年前に移転してきたとのこと。
「昔はここから松屋の花売場が見えてね。福ちゃんのところは証券会社だったんだよ。景気のいい時は常連さん達と〝友亀会(ともきかい)〟と称して旅行したり、楽しかったよ。店主が亡くなると店も終わっちゃうって感じでね、気がついたら開業年からやってる店はウチだけになっちゃったね」と、生き証人ならではの言葉があふれる。長く続くことの尊さに感じ入るばかりだった。







「亀すし」で心もお腹も大いに満たされたし、そろそろ帰ろう……と思ったのも束の間。目線の先に忍者を発見!
昭和ノスタルジーに支配された「浅草地下商店街」で忍者、しかも背後には近未来風ディスプレイ。思わずカメラを向けると忍々ポーズで応えてくれた。よし、一体どういうことなのか話を聞いてみよう。

ワンカップ酒と缶詰で楽しむスタンディングバー「忍者場」
長身イケメン忍者の説明によれば、この店は平成29年9月にオープンしたばかりのスタンディングバーらしい。全国各地のカップ酒を常時約300種、カクテルやビールも約80種ラインナップしているとのこと。しかもノーチャージ、WiFiフリーだ。
客の約4割は外国人観光客らしく、お酒片手にコスプレやカラオケを楽しんでいくという。昭和一辺倒の「浅草地下商店街」に新風を吹き込んでる店だなぁ……とりあえず乾杯!











地下探訪を終えて……
まもなく平成も終わるというのに、今なお昭和であり続ける「浅草地下商店街」は〝レトロ〟なんて甘っちょろい言葉では片付けられぬ、ディープな空間だった。
しかし、ユニークなアイディアで勝負する新しい店も登場していることがわかり、訪れる前に抱いていた〝消失しそうなの?〟というお節介な気持ちは薄らいだ。昔から続く店で人情に触れ、新しい店で好奇心を満たし、明日も楽しく生きていこうと思わせてくれる空間だった。
それは「浅草」という街の魅力に通じるかも知れない。古いものをとても大事にしているけれど、新しいものを楽しむ余裕もある街。そんな「浅草」に興味が湧いたなら、さっそく部屋を探してみよう!
写真・文=野中かおり
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