賃貸にエアコンを自費で設置・増設したい!購入前に確認すべき3つの必須条件

無断でエアコンを追加設置するとどうなる?
大前提として、賃貸物件では大家さんや管理会社に無断でエアコンを設置・増設することはできない。退去時や入居中に損害賠償を請求されたり、最悪の場合は強制退去を命じられたりする恐れがある。
エアコンの追加設置は、壁に穴を開けたり、専用の配線工事を行ったりと大がかりな作業になりやすいもの。一室の工事であっても、壁の穴開けなどが建物全体の耐震性や安全性に関わる恐れがある。
トラブルに発展するのを防ぐためにも、エアコンを設置・増設する際には、必ず事前に大家さんや管理会社の承認を得るようにしよう。
賃貸借契約では、建物の現状を変更する際に大家さんの承諾を必要とする条項(無断増改築等の禁止)が定められているのが一般的です。無断での追加設置は重大な契約違反となります。
無断で設置してはいけない理由はこちら
買ってからでは遅い!エアコン設置における「3つの物理的条件」
エアコンを購入したり、大家さんに設置の交渉をしたりする前に、まずは自分の部屋に以下の3つの条件が揃っているかを必ず確認しよう。ひとつでも欠けている場合、設置のハードルは格段に上がってしまう。
条件①: エアコン専用のコンセントはあるか
エアコンは消費電力が非常に大きいため、通常のコンセントにつなぐとブレーカーが頻繁に落ちたり、最悪の場合は発火・火災の原因になったりする。そのため、天井付近の壁に「エアコン専用のコンセント」が設けられているかを確認しよう。

もし専用コンセントがない場合、大がかりな電気配線工事が必要となるため、大家さんから設置の許可をもらうのは非常に難しくなる。
条件②:壁に配管穴(スリーブ)は空いているか
エアコンは、室内の本体と外の室外機をパイプ(配管)でつなぐ必要がある。そのため、壁に配管を通すための丸い穴(スリーブ)が空いているかを確認しよう。

穴がない場合、壁にドリルで貫通穴を開ける大工事となる。建物の強度や外壁に影響を与えるため、「壁への穴開けはNG」としている賃貸物件もある。
条件③: 室外機を設置するスペースはあるか
室内だけでなく、屋外(ベランダなど)に室外機を水平に置く十分なスペースがあるかどうかも重要だ。
「共用部の廊下や非常通路」に置こうと考える人もいるが、消防法の避難経路の確保などの観点から、共用部への室外機の設置を禁止しているマンションやアパートは多いので注意しよう。
設置の許可と「費用」に関する注意点
上記の3つの条件をすべてクリアしており、大家さんから無事に設置許可をもらえた場合でも、お金と退去時のルールについては注意が必要だ。
注意点①:本体代だけでなく「取付・取外し工事費」も自己負担
借主(入居者)の希望でエアコンを増設する場合、エアコンの本体代金はもちろんのこと、業者に支払う「取り付け工事費」も全額自己負担となるのが一般的だ。
さらに、退去時には自費で「取り外し工事」を行い、新居へ持っていくか処分しなければならない点も念頭に置いておこう。
注意点②:退去時の扱いを決めておく
賃貸物件は、原状回復するのが原則であるため、自費で付けたエアコンは撤去しなければならない。国土交通省のガイドラインにおいても、入居者に修繕費用の負担が求められるケースとして以下のように定められている。
つまり、日常生活で自然にできた汚れや傷であれば大家さんの負担で直すが、「入居者が自分の都合で勝手に開けた穴」や「無断設置による傷」は、入居者の全額自己負担で修繕(穴を塞ぐ工事など)をしなければならない。
しかし、エアコンは次の入居者を募集する際の大きなアピールポイントになるため、大家さんとの交渉次第では「退去時にそのまま置いていってよい(無償で譲渡する)」と許可されるケースもある。撤去費用を浮かすためにも、大家さんに設置の許可をもらうタイミングで「退去時はどうするか」を取り決めておくとスムーズだ。
法律上、入居者が大家さんの同意を得て設置した設備を、退去時に大家さんに買い取ってもらう「造作買取請求権(ぞうさくかいとりせいきゅうけん)」という権利があります。しかし、一般的な賃貸借契約では、特約によってこの権利が排除されている(買い取りはしないと定めている)ことが多いです。費用をかけて設備を設置しても、退去時に買い取ってもらえるとは限らない点に注意しましょう。
これから引越す人へ:入居前にエアコン設置の交渉はできる?
もし、あなたが「これから新しく部屋を借りる」という段階であれば、入居前にエアコン設置の交渉をすることは可能だ。
特に、空室が続いているお部屋の場合、大家さんも「少しでも早く入居者を決めたい」と考えているため、交渉が通りやすい可能性もある。賃貸物件を契約する前に、不動産会社や管理会社を通じて「エアコン設置(または交換)を契約条件として検討してもらえないか」と具体的に伝えてみよう。
ただし、大家さんの意向や建物の構造上どうしても追加設置が難しい場合もあるため、必ずしも交渉が通るわけではない点は理解しておこう。
条件が合わず設置できない場合は「窓用エアコン」も検討を
「専用コンセントがない」「配管穴がない」といった理由で壁掛けエアコンの設置を断られてしまった場合は、「窓用エアコン(ウインドエアコン)」の導入を検討してみよう。
窓用エアコンであれば、壁に穴を開ける必要がなく、通常のコンセントで稼働する製品がほとんどだ。ただし、こちらも窓枠に固定する際にサッシに傷がつく可能性があるため、購入前には必ず大家さんや管理会社へ一声かけて、トラブルを防ぐようにしよう。
なお、窓用エアコンでも追加設置ができないという場合には、大家さんや管理会社に代替案を相談してみよう。
まとめ
賃貸物件でエアコンを自費で設置・増設する際のポイントは以下の通りだ。
- 大家さんへ事前の設置許可は必須
- エアコン本体だけでなく、取り付け・取り外しの工事費用も自己負担
- 「専用コンセント」「配管穴」「室外機スペース」の3点があるか必ず確認する
- これから入居する場合は、契約前に設置の交渉をしてみるのも手
高額なエアコンを購入したあとに「うちの部屋には付けられなかった……」と後悔しないよう、まずは自宅の壁とコンセントをチェックすることから始めよう。








