社会人になってちょっと良いマットレスが欲しい方へ。種類や選び方、買い替えのオススメポイントを詳しい人に聞いてきた
新しいマットレスが欲しくなった
毎日、どれくらいの睡眠時間を取っているだろうか。
人間の人生の約3分の1は睡眠時間だと言われている。これを年数に換算すると、約20年から25年くらいの時間を睡眠に使っているのだ。毎日8時間以上の睡眠時間を取っている人は、それ以上の時間を費やしていることになる。休みの日、特に何もせずスマホを見ながらベッドでゴロゴロし、気付いたら二度寝、三度寝をしている筆者のような人間は、さらに人生の何割かを睡眠に費やしているだろう。
そう考えると、残りの人生の約3分の1を7年前に9,800円で購入した激安マットレスで過ごすのは、いかがなものかと思ってきた。

しかし、どのように新しいマットレスを選んだら良いのか全くわからない。これまでの人生、1万円以上のマットレスを使ったことがないため、その比較材料が一切無いのだ。今まで1,000円の洋服しか着たことがない人間が、急に高い洋服を着たいと思っても自分に何が似合うかわからないのと同じ原理である。
ということで、マットレスについて詳しい方に、その選び方やマットレスがいかに人生において重要なのかを聞いてみることにした。記事のネタにもなるし、一石二鳥である。この記事がぜひマットレス選びの参考になれば幸いだ。
このページの目次
マットレス選びは、とても大事である
一体誰に聞いたら良いのか検討がつかなかったため、インスタで #マットレス と調べて出てきたところに聞きに行くことにした。最近の若い子はグーグルで検索するよりインスタで検索するという話を実践してみたのだ。さすがインスタ先輩、すぐに良さげなマットレスを発見してくれた。

と、いうことでインスタで見つけた素敵なマットレスのメーカーであるコアラ・マットレスさんにお話を伺うことに。
青い縁が特徴のコアラ・マットレスはオーストラリアでは新進気鋭のマットレスブランドらしく、2015年に創立されるやいなやテレビやニュースでたくさん取り上げられて一躍有名となったらしい。最近は日本にも進出をし、高級マットレスとしてはお手頃な価格帯とその素晴らしい寝心地で、SNSを中心に話題になっているそうだ。

今回は恵古さんに、マットレスについていろいろな質問をぶつけてみようと思う。
質問1 そもそもマットレスって、どんな種類があるの?
――今回はお話を伺える機会を頂きありがとうございます。ここに来るまでにネットで色々調べてみたのですが、マットレスにはいくつかの種類があるみたいで……。それぞれどんな違い、メリットなどがあるのでしょうか。
はい。一般的にはマットレスは3つの種類に分けられることが多いです。ボンネルコイルマットレス、ポケットコイルマットレス、そしてフォームマットレスが挙げられまして……。

ボンネルコイルマットレスは、全体的にバネが入っているタイプです。この写真の通り、バネが独立していないため体を面で支えることになります。人間の体は部位によって重さが違うので、横になると「ちょっと硬いかな?」という感想が生まれるかもしれません。
それに比べてポケットコイルマットレスは一つ一つのバネが独立していて体を点で支えるため、部位におおじて沈み方が変わります。メーカーや素材にもよりますが、ボンネルコイルに比べて価格が高くなることが多いですね。
さらにこのバネをより小さくしたものが、フォームマットレスです。スポンジの気泡がコイルの役割を果たしており、種類も豊富で選択肢が多い点が大きなメリットです。
ただ、最終的にはお好みで決められる方が多いかもしれません。寝心地だったり価格だったり、好きな硬さだったり。そしてマットレスの価格は基本的に素材の質に比例しているということも、お伝えしておきたいことの一つです。
なお、マットレスは身体に馴染むまでに約2週間かかると言われています。そのためできれば、自身の身体に合っているかどうかを試せる“トライアル期間”を設けているメーカーさんをご利用いただくと良いかもしれませんね。
――なるほど……。ちなみに、たまに家でソファで寝てしまうことがあるんですが、ソファは寝るのには適していないのでしょうか。
そうですね、ソファによってはコイルが入っているタイプもありますが、ソファは“座る際にどう体重がかかるのかにこだわりを置いている家具”です。寝っ転がって使うことにそもそも重点をおいていないことが多いのかと。だから毎日ソファで寝るのは、あまりオススメ出来ないかもしれませんね。
質問2 自分に合ったマットレスの選び方は?

――マットレスを好みで選ぶ際にもやはり基準があればわかりやすいかなと思うのですが、例えば「こんな体型の人にはこのタイプがオススメ」などの指標はありますか?
一般的なメーカーさんだと、硬さにランクがあったり、筋肉量に合わせたものをオススメしていたりなど、その選び方も豊富です。ただ、細かく硬さなどを調整されているメーカーさんは素材をたくさん組み合わせている事が多いので、多すぎて選びきれないかもしれません。この場合はメーカーさんにお問い合わせをしてみるのが良いかもですね。
また例えば“アスリートが愛用している”という種類のマットレスがあるとします。アスリートは一般的な人と筋肉量が全く違うので、運動をしていない方には合わない場合があるんです。このように、ご自身の特徴がはっきりしている方にはオススメし易いアイテムが多いのですが、一般的な方に対しては「これがオススメ」とは一概には言えないかもしれません。
そう考えると、個人の誤差をそこまで考えない、オールマイティーに使えるものが良いかもしれませんね。もちろん寝てみての相性を見極めるのも大事ですが。
――色々探していくとどんどん値段が高くなってしまいそうですね。
そうですね、自分に合ったものを探したり素材にこだわりだしたりしてしまうと、どうしても値段が高くなってしまうかもしれませんが、でも結局10年使うとなると、価値ある自己投資なのかなと…!
――確かに……。一日で割ったら、そんなに高い買い物ではない気が。
質問3 自分に合ったマットレスを使えば疲れはとれるの?

――年齢が上がるにつれ、寝ているだけで疲れが取れなくなってきまして。自宅のマットレスがボロボロだということもあるかと思うのですが…。やはり良いマットレスを選ぶことで睡眠の質は上がるのでしょうか。
一概にも言えないのですが、弊社としては寝床に入って、いかに早く眠りに落ちるかどうかが大切だと考えています。睡眠時間をいかに最大化するか、ということですね。例えば現在ご利用されているマットレスだと、寝ている際にフレームを感じてしまったり硬さを感じてしまったりすることもあるのではないでしょうか。
――…あります!
その場合、寝付けず30分~1時間ゴロゴロしてしまい、結局睡眠時間が削られてしまうことになるかもしれません。自分に合ったマットレスでない場合、このような弊害が起きることが多くなるそうで。腰が痛くなったり、夜中に起きてしまったり……。なので身体に合ったマットレスを選んでいただき、睡眠の質を改善していただければなと。
――時間ももったいないし、睡眠が取れないし、良いところが全く無いですね……。ちなみに疲れが取れているか確かめる方法ってあるのでしょうか。
最近は“睡眠計測アプリ”を使って確かめる人が多くなってきているそうです。なお、シンプルに日中眠くなるかどうかは一つの指標だそうで、業務に支障が出るくらい眠くなるのは、疲れが取れていないのではないかと。
――思い当たる節がたくさんあります。
質問4 マットレス以外に大切な寝具って?
――いかに自分に合ったマットレスを使ったほうが良いかがわかりました。ちなみにその他に揃えておきたい寝具はありますでしょうか?
はい、マットレスと同じくらい大事な寝具が枕です。人間は頭と首で重さが違うので、それぞれに対応した柔らかさの違いをちゃんと設計されている枕を選ぶのがオススメですね。枕は日本市場にすごくたくさんあるので、ご自身に合うものをいくつか選んで試してみても良いかもしれません。
なおマットレスによって体の沈み方が変わってくるので、マットレスを新しく購入するのであれば、そのタイミングで枕も一緒に選ぶのが良いかと。オーダーメイドで造ることもできるメーカーさんもあるので、お問い合わせみてはいかがでしょうか。

――なるほど…。ちなみにマットレスを購入した際、ベッドフレームは設置したほうが良いのでしょうか?
そうですね、できればベッドフレームがあったほうがお手入れは楽かと思います。分厚さにもよるんですけど、床ってホコリが溜まりやすいので、呼吸環境を整えやすくするために寝ているときは床から距離を保つほうが良いと考えられています。それを踏まえ、空気が通る、湿気がたまりにくい“すのこタイプ”をオススメします。布張りや板張りだと空気が止まってしまい、カビが発生する場合がありますので。
質問5 コアラ・マットレスはどんなマットレス?

――お話を聞かせていただいて、すぐに新しいマットレスを購入したくなりました。ちなみにコアラ・マットレスは他のマットレスと比べてどんな特徴があるのでしょうか?
はい。ちょっと営業トークになってしまいますが、大丈夫ですか?
――もちろんです!
ありがとうございます(笑)。コアラ・マットレスは、先程例に挙げたマットレスの3つの種類のうち、フォームマットレスに該当します。
低反発タイプや高反発タイプ、ラテックスタイプなど色々なタイプがあるフォームマットレスですが、コアラ・マットレスは低反発・高反発の素材を組み合わせることでほどよい弾力性を実現することに成功しました。柔らかな上層部はカラダのラインにフィットして背骨をまっすぐに保ち、弾力性に優れた下層部がカラダの沈み込みを抑えます。さらに徹底的なリサーチを行い、日本人の好みに合わせた硬さを再現しているのが特徴です。
――要するに、オールマイティー型ということですね。
おっしゃるとおりです。ちなみに低反発と高反発素材をブレンドした独自開発のウレタンフォームを、クラウドセルと呼んでいまして、これは通気性に優れた素材で、これまでフォームマットレスの難点とされてきたムレによる不快感を解消しています。
――すごい発明ですね…。ちなみにここ最近になって、フォームマットレスの人気が出てきたのでしょうか?
寝具業界は、これまでずっと革新がなかった業界だったんです。しかし、ここ近年フォームの製造技術が飛躍的に上がりまして。20年前はフォームマットレスといえば“すぐにヘタっちゃうしムレるし、全然ダメなマットレス”というイメージだったのですが、技術があがって、マットレスに適した素材になったんです。
ただ、今はどうしても価格が他のタイプと比べて高価なので、いきなりの購入は躊躇してしまう人もいるかもしれません。お試しで購入をする金額ではないですからね…。そのためコアラ・マットレスでは、身体との相性や寝心地をじっくり試していただきたいと思い、120日のトライアル期間を提供しております。もちろん相性が良くなければご返品が可能です。やはり身体に合ってるかどうかはその方次第ですので…。
――4ヶ月もトライアル期間があれば、自分に合ってるかどうかもわかりますものね。青い縁も可愛いし、シンプルで部屋に馴染みそう。本日はお話ありがとうございました!
↑ゼロディスターバンス技術という独自の技術により、寝返りを打ったり、立ち上がったりする時の振動が、隣の人に伝わることがないんだとか。すごい。
新しいマットレスを注文してみた
お話を聞いて、マットレスがどれほど人間にとって大事なものなのか、そして自分がこれまでいかにマットレスと向き合ってこなかったかということがわかった。なにより残りの人生の約3分の1を、7年前に9,800円で購入した激安マットレスで過ごすのは、いかがなものかと当初よりさらに思っていた。

詳しい説明を聞いたのも購入に至ったキッカケではあるが、せっかくならばオールマイティーに使えるマットレスが良いと思ったのが一番のポイントである。やはり値段は9,800円のマットレスに比べたら少々高いが、10年分の投資だと思えば納得がいく(コアラ・マットレスは10年保証が付いているため、万が一ヘタってしまっても新しい製品が送られてくるそうだ)。セミダブルタイプを買ったのも、今後のためである。(急に太ったりするかもしれない)
実際に寝てみたが、まさに快適そのものだった。軽トラからハイブリッド車に乗り換えた感覚を味わえたと言っても過言ではない。約一ヶ月寝てみて、自分の使っていたマットレスがいかにボロボロだったのかを思い知った。試してみて良くなかったら記事として書けないかもしれないかと思っていたが、それは全くの杞憂であった。
なお、コアラ・マットレスが製造している枕(コアラ・ピロー)も一緒に買ったが、これもなかなか調子が良い。

マットレスによって体の沈み方が変わってくるので、マットレスを新しく購入するのであれば、そのタイミングで枕も一緒に選ぶのが良い。というお話を聞いたからには、一緒に注文するべきだろうと思ったのだ。なお枕の値段はこれまで使っていたマットレスの9,800円よりも高く、果たして枕にこの値段を払うのはどうなのか?と一瞬悩んだが、届いてみて使ってみると触り心地や弾力性、そしてコアラ・マットレスとの相性がとても良いことにビックリした。

人間は寝ている間は頭や首が熱が上がりやすいらしいのだが、この枕は低反発素材に加えジェルを練り込んだ温度があまり上がらない素材を使っているそうだ。早く真夏でも試してみたい。

ちなみに今、コアラ・マットレスの本社があるオーストラリアでは、火災や大雨などの自然災害でたくさんのコアラが命を落としている。コアラ・マットレスでは、WWF(世界自然保護基金)とパートナーシップを提携しており、マットレスを1枚買うたびに売り上げの⼀部を寄付してコアラの保護に貢献しているそう。
なお、コアラ・マットレスの一つのメリットである、隣の人の寝相の悪さも気にせずに朝までぐっすり眠れるゼロディスターバンス技術だが、毎日1人で寝ているので全く検証ができなかった。カップルで寝れば、お互いの寝相の悪さで起こし合わず、喧嘩などがなくなるそうだ。いつか試してみたい。
取材協力
コアラ・マットレス
コアラマットレス体験会、随時実施中!詳しくはホームページより。
https://jp.koala.com/
取材・文=編集部