ヒラギノ游ゴの2兆個の趣味を1つずつ 第7回【平成コロコロ玩具】

第7回のテーマは平成コロコロ玩具
前回のビーダマンに続いて、いにしえのおもちゃについて書こうと思う。
今回は平成コロコロ玩具と称して、月刊コロコロコミックにて紹介されていた玩具をいくつかをまとめて紹介する。90年代の終わりから00年代はじめにかけて小学生だった人なら見覚えのあるものが多いはずだ。
ベイブレード

少し前にTwitterで「青龍、朱雀、白虎、玄武を何で知った?」という質問を投げた。
みんなたちはどのコンテンツで青龍・朱雀・白虎・玄武を知った? おれはベイブレードだよ
— ヒラギノ游ゴ (@1001second) September 28, 2019
この4体はそれぞれ東西南北の守り神で古代中国の「四神」というやつなわけだが、漫画やアニメの類で頻繁に引用されるので世代やクラスタによって答えが分かれておもしろかった。
そして、筆者と同世代のうちかなりの割合の回答がこのベイブレードになるはずだ(よくよく記憶を辿ると筆者は同時代の『ちゃお』の漫画『Dr.リンにきいてみて!』のほうが先だったが…)。
ベイブレードは、主人公の愛機である青龍をモチーフにしたドラグーンをはじめ、ドランザー(朱雀)、ドライガー(白虎)、ドラシエル(玄武)といった幻獣の意匠を施したコマ型のおもちゃ。
四神をモチーフにしていたのは主人公たちの所属するベイブレード日本代表チーム(中国を差し置いて)で、各国の代表ベイブレーダー(ベイブレード選手のこと)の使うベイ(ベイブレードのこと)もグリフォンやハヌマーンといった幻獣をモチーフにしていた。
…といったものが第1世代にあたるベイブレードで、1999年に発売開始し、2001〜2002年の間特に爆発的にヒットした。その後2008年にベイ全体が金属パーツでできた「メタルファイト ベイブレード」が発売。こちらの第2世代もヒットと呼べる人気を集めた。
そして今筆者がハマっているのは現行シリーズの「ベイブレードバースト」。前回取り上げたビーダマン同様、マイナーチェンジを重ねた第3世代で、ベイ同士がぶつかっているうちにパーツが緩んで爆散(バースト)するというたまらない仕掛けを搭載しているのがこれまでと大きく異なる点。
第1世代しか触ったことがない、という人に向けて、筆者が所持する4つを順に紹介する。




そう、今は名前がめちゃめちゃ複雑になっている。
初代シリーズの頃に四神やグリフォンなどの有名どころの幻獣をあらかた使い尽くしてしまったからか、モチーフがスプリガン(イングランド南西部のコーンウォール地方に伝わる妖精の一種)やファブニル(北欧神話やゲルマン神話に登場するドラゴンに変身できる小人)とか、かなりマニアックになっている。
ベイブレードを大人になってから買い直したきっかけは、ちょくちょく開催される身内のホームパーティに持ち込むためだ。みんな大人なのでボードゲームなんかに興じていることが多いのだけれど、筆者はお酒の入った状態で頭を使うゲームをするのが苦手で、もっと簡単な遊びをしたかった。ほかにも同様に苦手なピロートークを回避するために使ったりもしている。事を終えた裸の人間2人がベイブレードに興じる姿を俯瞰で捉えると神話的な趣がある。めちゃめちゃハッピーなので全カップルにおすすめ。
ハイパーヨーヨー

筆者は前回書いたとおりおもちゃの中ではビーダマンに飛び抜けて大きな愛を注いできたけれど、ビーダマンが社会現象と呼べるようなインパクトのあるおもちゃだったかというとそうでもなく、同時期に大ヒット商品として広く世に知られていたのはこのハイパーヨーヨーだ。
コロコロコミックでも案内人を務めていた中村名人は全国の小学生から尊敬を集め、子供たちは日々より高度なトリック(技)をマスターするために鎬を削った。
ヨーヨーのトリックには大まかに分けて2パターンある。
円を描くようにヨーヨーを振り回す代表的な大技、ループ・ザ・ループをはじめとするルーピングプレイと、あやとりのように糸を巧みに操るストリングプレイ。
それぞれに適したヨーヨーの形があり、ルーピングプレイには下の「ソニックブレス」のようにストリングを通すスリットの幅が平行で狭いものが適している。


こちらの「ヴェロシティ」はバタフライ型と呼ばれる反ったスリットのもので、ストリングプレイに適している。ちなみにダイヤルを回すと溝の幅が調整できて便利&かっこいい。
なお、今国内のヨーヨーシーンはREWIND(リワインド)というショップが牽引していて、You Tubeチャンネルでトリックをわかりやすく解説してくれているのでたいへんありがたい。実店舗のほかネットでも購入可。あの頃は入手困難だったし高騰していたけれど、今なら2,000円台で充分なクオリティのものを買えるし、アルミ削り出しの数万円する高級品もあるので、しっかりお金をかけて楽しむこともできる。
プラコロ

筆者が同世代と会って話すときに必ず「覚えてる? ポケモンのサイコロあったじゃん」と言及するのがこの「プラコロ」だ。
当時持っていなかったし、友達の家のおもちゃ箱の中にも見たことがない。
おもちゃ売り場でしか見かけなかった、記憶の片隅にずっとある謎のおもちゃ。例えば指で操作するミニサイズのスケートボード「フィンガーボード」や、頭のボタンを押すとバッティングやピッチングができる「ヤキューマン」。いくつかあるそういったおもちゃの1つがこのプラコロだ。
サイコロを振って、出た目(というか向き)に応じた技を発動、というのを交互にやりながら勝敗を決めるゲーム。数あるポケモン関連商品の中でも絶妙にヒットしなかった部類のおもちゃだ。
次のページでは番外編として、コロコロコミックでホビー漫画が連載されていたわけではないが、平成初期のおもちゃ史を語るうえで欠かせない玩具たちを紹介する。