田舎と都会の良いとこどり?デュアルライフのメリットとデメリットとは
デュアルライフって何?どんな暮らし方ができるの?

デュアルライフとは、2つの地域に拠点を持ち生活するというライフスタイルだ。
例えば、平日は都会で働き生活をして、休日は自然豊かな農村部にあるもうひとつのセカンドハウスで過ごすというようなスタイルのことを指す。
そんな都会と田舎の二拠点生活を楽しむ人のことを「デュアラー」と呼び、いま新たな暮らし方として注目を集めている。
そこで今回はデュアルライフの過ごし方や楽しみ方、物件の探し方を紹介しよう。
デュアルライフのメリットとは?
デュアルライフは、うまく取り入れることで、以下のようなメリットを得られる。

オンオフの切り替えが明確になり、生活にメリハリが出る
都会で仕事を頑張った後の休日は、田舎にある自分の家に戻って農作業で汗を流す。
現地の友人とレジャーに出掛けて心と身体をリフレッシュする。
そして、平日は都会に戻ってまたバリバリ働く。
このようにデュアルライフを自分の生活に取り入れることで、家と職場を往復する毎日にメリハリをつけることが可能となるのだ。
自然に触れながら、新たな交友関係も構築できる
田舎の自然や文化、街並みに触れることで、これまでにない経験ができる。
例えば米や果物、果実酒づくりなどの農業体験、福祉、地域文化、伝統行事の体験を行うことができるインターンシップを実施している自治体がある。
これらは都会で自宅と会社の往復をしているだけでは、なかなか経験することは難しい。
自分の関心毎のあるイベント、行事に出向くことで地域のキーパーソンと繋がり新しいアイディアや人間関係が生まれることもある。
地方での文化体験に加えて、実際に人と繋がる-これもデュアルライフの魅力の一つだ。
新たなビジネスチャンスが掴めることも
デュアルライフをきっかけに現地とのコネクションができることで、第二の職場やビジネスチャンスを掴める可能性もある。
週末起業などの拠点として活用している人もいるようだ。
デュアルライフにはデメリットもある

デュアルライフにはデメリットもある。これらのデメリットを考慮したうえで自分の生活にデュアルライフを取り入れることができるかどうかを検討すると良いだろう。
交通費が発生する
二拠点で生活をするため、もちろんながら交通費が発生する。
ただ、工夫次第では交通費を抑えることも可能だ。
例えば、移動をバイクやロードバイクで行い、道中で趣味のツーリングを楽しむという方法もある。軽自動車等であればそこまでガソリン代を気にすることもないだろう。
移動時間がかかる
移動に時間が取られるため、休日の実質的な可処分時間が減ってしまうというデメリットも。
物件の費用がかかる
二拠点に住むということは物件を2つ維持するため、家賃や維持費が2軒分になる。経済的に一定の余裕がなければ、デュアルライフを取り入れることは難しいと言えるだろう。
しかし、地方であれば格安の物件もあるため、趣味だと思って割り切ればそこまで負担を感じないだろう。
デュアルライフはどのような人に向いている?
前述のとおり、 デュアルライフにはメリットとデメリットがある。これを踏まえると、どのような人がデュアルライフに向いていると言えるのだろうか。
田舎と都会の両方が好きな人

デュアルライフでは、都市部と地方、両方での生活を行う。しかし、2拠点で生活するためには、一定のコストや時間が必要だ。
そのため、デュアルライフには、コストや時間を惜しいと思わずに2拠点を行き来できるような、田舎と都会の両方を愛している人が向いている。田舎と都会、どちらかだけが好きなのであれば、片方への移住の方が効率的だろう。
同じ場所にいるのが苦手な人
デュアルライフを始めると、自然と移動距離は増える。環境も大きく変わり、変化に富んだ日々を送ることができるだろう。そのため、同じ場所に留まるのが苦手な人、アクティブに動くのが好きな人は、デュアルライフに向いている。
一方で、変化が苦手な人やインドアな人は、あまりデュアルライフ向きではないと言えるだろう。
金銭的な余裕のある人

前述のとおり、デュアルライフにはコストがかかる。長期にわたってデュアルライフを続けるとなれば、2拠点での住宅費や交通費を支払わなくてはならず、その額は馬鹿にならない。よって、デュアルライフは金銭的にある程度の余裕がなければ始められず、続けられないだろう。
デュアルライフを始めるにあたっては、ライフプランをよく確認したうえで、デュアルライフを始められる資金があるのかどうか慎重に判断する必要がある。
将来的に移住を検討している人
デュアルライフを行っている人の中には、デュアルライフを通して、最終的な完全移住を検討している人もいる。本当に住みたい場所を経験しながら探すために、デュアルライフは有効だ。
フリーランスであればデュアルライフの費用を経費として使うこともできる?

フリーランスエンジニアや在宅ワーカーの人であれば、二拠点の一方の物件を事務所として、経費にすることも可能だ。
また、出社の必要のない仕事であれば、どちらの拠点で生活するかは、自由なタイミングで決められる。
そうすることで移動費なども抑えて、デュアルライフを満喫することができるだろう。
デュアルライフを支援している自治体もある

デュアルライフは、地方にとっても力を入れたいテーマのひとつだ。過疎化の進む自治体も、デュアルライフによる移住者が増えれば潤う。そのため、デュアルライフ支援に取り組む自治体は少なくない。
デュアルライフを支援する自治体では、各自治体の魅力をわかりやすく発信し、また体験できることが多い。そのため、支援制度を利用して、将来的な移住先を検討するのも良いだろう。
石川県小松市の支援制度
石川県小松市では、「こまつデュアルライフ支援制度」として、二拠点移住の需要を喚起すべく、家賃補助を行っている。
住宅登録地が市外の人が、小松市内で3ヶ月以上の賃貸契約をする場合には、戸建て物件なら月1万円、共同住宅なら月5千円の家賃補助が行われる。(条件あり)
小松市は金沢の西南にある、日本海に面した自然豊かな街だ。賃貸物件の家賃はさほど高くないため、市による1万円もしくは5千円の家賃補助は大きい。デュアルライフではコストが問題になるため、費用補助制度はデュアルライフをするにあたっての重要な支えとなるだろう。
千葉県銚子市の支援制度
千葉県銚子市は、国土交通省の「二地域居住等推進モニター調査」として、デュアルライフ誘致のための取り組みが行われた自治体のひとつだ。
銚子は海産物が有名で海に面し、都市部からも比較的近いことから、デュアルライフを始めやすい地域である。そこで、自治体の魅力を肌で感じてもらおうと、空き家を活用し、デュアルライフ検討者向けの「お試し住宅」を整備することにした。また、お試し中には地域をアピールするレクリエーションなども行い、体験を通したデュアルライフ支援を行っている。
デュアルライフの物件はどのように探せばいい?

デュアルライフを始めるにあたっては、いきなり物件から探すのではなく、まずは各地域の情報を収集することから始めよう。そこから情報を比較し、自身が気に入る場所をピックアップしていくと良い。
ある程度地域が絞れたら、通常の賃貸物件検索のように、ポータルサイトを通じた物件検索を行う。すると、希望地域で条件に合った物件が見つけられるはずだ。
デュアルライフを成功させるには、メリットとデメリットをよく理解すること、また情報収集をしっかりと行うことが大切だろう。
文=松本和博
宅地建物取引士。不動産と住宅関連の分野を中心にWEBコンテンツ執筆、書籍制作協力等を行う不動産ライター
※2021年2月加筆=CHINTAI情報局編集部
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