賃貸でも壁にポスターは貼れる!確認すべき2つのこと・おすすめグッズを紹介

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賃貸の壁に画鋲でポスターを貼っても大丈夫?確認すべき2つのこと

画鋲でポスターを貼る前の賃貸の壁
壁に画鋲でポスターを貼る前に確認しよう

一方、画鋲でポスターを貼る場合。テープと違って、一度貼りつけてしまえば劣化してはがれてしまうことはないので、ポスターを長期間貼りつけておくには便利な方法だ。ただ、画鋲はどうしても賃貸物件の壁にダメージを与えてしまう。

ここでは、賃貸の壁に画鋲を使用したいと思った際に確認すべき2つのポイントについて説明する。

賃貸の壁に画鋲で穴を開けてOKかは、「賃貸借契約書」の内容による

賃貸物件を退去する際の修繕費については、大家さんと入居者のどちらがどこまでを支払うべきかをめぐり、しばしばトラブルが発生している。そこで国土交通省は平成11年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発行し、目安を定めている。

賃貸借契約の契約書は、基本的にこの「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を元に作成されていることが多い。

上記ガイドラインによると、画鋲でポスターを留めることは「通常の生活の範囲」とされている。このため、原則として補修費用を請求されることはない。ただし、不注意で穴が広がった場合や、壁の材質によって目立ってしまった場合には、原状回復義務が発生する可能性もあるので注意しよう。

また、壁ではなくドアやふすまの枠に空いた穴は、画鋲であっても穴が目立ち、交換費用が高額になるため、同じく原状回復費用の負担が発生することもあるので、注意が必要である。

ただし、上記ガイドラインの内容はあくまで原則。契約書面に特約として、壁紙の補修費用などに関する負担ルールが定められている場合もあるので、確認をした方が良い。記載がない場合は、トラブル回避のためにも、賃貸契約時に確認しておくと安心だ。

原状回復費用が大家さん負担になるもの、入居者負担になるものの例

国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに、原状回復費用が大家さん負担になるもの、入居者負担になるものの例を説明する。

【貸主(大家さん)負担】

損耗箇所考え方
壁等の画鋲、ピン等の穴
(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)
ポスターやカレンダー等 の掲示は、
通常の生活において行われる範疇のもの
であり、そのために使用した画鋲、
ピン等の穴 は、通常の損耗と考えられる。
エアコン(賃借人所有)設置による
壁のビス穴、跡
エアコンについても、
テレビ等と同様一般的な生活をしていくうえで
必需品になってきており、
その設置によって生じたビス穴等は通常の損耗と考えられる。

【借主(入居者)負担】

損耗箇所考え方
壁等のくぎ穴、ネジ穴
(重量物をかけるためにあけたもので、
下地ボードの張替が必要な程度のもの)
重量物の掲示等のためのくぎ、ネジ穴は、
画鋲等のものに比べて深く、範囲も広いため、
通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられる。
なお、地震等に対する家具転倒防止の措置については、
予め、賃貸人の承諾、
または、くぎやネジを使用しない方法等の検討が考えられる。
天井につけた照明器具の跡あらかじめ設置された照明器具用コンセントを使用しなかった場合には、
通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられる。

引用:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

画鋲以外で賃貸の壁に穴を開けてポスターを貼る2つの方法

市販の画鋲を壁に刺した場合、穴の大きさは1mm程度。通常その程度では補修費用を請求されることはない。ただし、不注意で穴が広がった場合や、壁の材質によって目立ってしまった場合には、原状回復義務が発生する可能性もある。

そこで、賃貸物件の壁にポスターを貼る場合、穴が目立たない細い針の画鋲を使うと良い。この細い画鋲は針の直径が一般の画鋲のおよそ半分。刺した後に残る穴の直径も小さくなる。一般的な画鋲の穴と比べると格段に目立たない。

一般的な画鋲に比べて少し高いのは難点だが、それでも穴を開けてしまった場合の処理や退去時の修繕費を考えれば安いものだ。

ここでは、画鋲の代わりとなる2つの商品を紹介する。

賃貸の壁に穴を開けてポスターを貼る方法:ニンジャピン

賃貸の壁にポスターやカレンダーを貼りたいとき、「ニンジャピン」なら壁穴の心配をすることなく貼ることができる。

「ニンジャピン」は通常の画鋲と異なり、針がV字型なので、刺し跡をなでるだけで穴がさりげなく隠れるというスグレモノ。凹凸のあり、薄い柄や色のついた壁紙なら、ピン跡がどこにあったのかまったくわからない。壁にピン跡を残したくないときに最適のピンである。

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賃貸の壁に穴を開けてポスターを貼る方法:ホッチキス

コストをかけずに目立たなくする方法もある。それはホッチキスだ。ホッチキスを180°に開き、そのまま壁に押し当てると壁にホッチキスの針を刺すことができる。

注意点としては、ホッチキスの針は短いため、あまり重量のあるポスターは貼れないこと。薄くて小型のポスターなら十分固定が可能だ。ホッチキスなら壁に穴を開けてもほとんどわからない。

まずは目立たないところで試してみよう。

ホッチキス
まずは目立たないところで試してみよう

賃貸の退去前に行いたい!壁のポスター跡の対策

ポスターをはがした際に残る汚れや穴。賃貸物件を退去する際には、できるだけこれらをきれいな状態にしておきたい。ポスター跡の対策について、テープを使用した場合と画鋲を使用した場合に分けて紹介しよう。

賃貸のポスター跡の対策:テープを使用した場合

テープをはがした跡に接着剤が壁にこびりついて残ってしまい、きれいにはがれない場合がある。こんなとき、力ずくでこすると壁紙が剥がれたり傷む可能性がある。そんなときは「シールはがしスプレー」等を使うときれいにはがすことができ、跡も残らない。ホームセンターなどで購入できる「3M のり取りクリーナー」はかなり優秀だ。

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賃貸のポスター跡の対策:画鋲などを使用した場合

画鋲などで開けた穴を補修する場合は、ホームセンターなどで売っているクロス補修剤を使うという方法もある。穴を埋めるように塗ることで、一般的な白い壁紙であれば、簡易的に穴を目立たないようにすることが可能だ。

ただし、実際にやってみると、完全に補修するのは難しい。賃貸物件の壁の色によっては、補修したとしても目立ってしまう場合もあるので使用前に注意が必要である。また、下手に自分で補修すると、かえって状況を悪化させてしまい、修繕費がかさんでしまうこともある。大きな穴が開いてしまった場合などは、素直に大家さんに相談した方が得策だろう。

壁へのダメージを考慮したグッズを選べば、賃貸でもポスターを貼れる!

グッズを使ってポスターを貼る前の賃貸の壁
ダメージを考慮したグッズで賃貸にポスターを貼ろう

賃貸物件でも、大きな穴が開きづらい画鋲や跡が残りにくい接着剤を使えば、ポスターを貼ることは十分に可能。ただ、何も考えず無計画に貼ってしまうと、後々退去の際にトラブルの種にもなりかねない。いかに壁紙へのダメージを少なくし、跡を目立たないようにするかを、ポスターを貼る前から考えるようにしよう。


文=習志野ジョン

不動産業界を渡り歩き、不動産仲介、賃貸管理など不動産に関して幅広い業務を経験。仕事や趣味で日本中を飛び回っている。旅行へ行っても売り物件や建築計画の看板が気になる40代

2022年3月加筆=CHINTAI情報局編集部

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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