一人暮らしにおすすめの炊飯器は? 選び方・ 最新炊飯器の機能を紹介
一人暮らしの自炊の味方! 炊飯器を買うならおすすめの機種
一人暮らしを始めるにあたり炊飯器は必須アイテムのひとつだ。炊飯器を選ぶ際には注目するべきチェックポイントがあるので、そこを比較することで炊飯器選びでの失敗を防げるだろう。また、最近の炊飯器は炊飯以外にもたくさんの機能が付いており、毎年、新しいモデルが出ている。
最新の炊飯器にはどのような機能があるのかを理解し、自分のライフスタイルに合う炊飯器を選ぼう。

一人暮らし向けの炊飯器はどうやって選ぶ?チェックポイントは5つ
一人暮らしを始めるにあたって、炊飯器を真っ先に購入する人も多い。毎日ご飯を炊きたい人なら、できるだけおいしく炊き上がるような炊飯器を選びたいはずだ。しかし、どこに注目して炊飯器を選べば良いのかわからない人もいるだろう。
ここでは、一人暮らし向けの炊飯器を選ぶ上で、チェックしたい5つのポイントを紹介しよう。
炊飯器の種類で選ぶ

一括りに炊飯器と言っても、市販の炊飯器には種類がいくつかある。炊飯器の種類によって性能や価格が大きく変わるので、それぞれの特徴を知っておくことが大切だ。
最近の家電市場では、以下の3種類の炊飯器が広く販売されている。
マイコン
シンプルな構造で手ごろな価格帯で販売されているのが、マイコン式の炊飯器。マイコン式とは、炊飯器の底に設置した電熱ヒーターを使って内釜を加熱する仕組みのことだ。底のみにヒーターを設置しているタイプだと炊き上がりにムラが出てしまうこともあるが、最近では側面や蓋にヒーターを設置したマイコン式炊飯器も登場している。
また、マイコン式炊飯器は数千円から購入可能だ。一人暮らしでコストパフォーマンスを重視する人におすすめしたい。
IH
電磁誘導によって内釜全体を均一に加熱するIH炊飯器は、お米の炊き上がりにムラが出にくいことが特徴である。十分な火力でお米をしっかりと加熱するので、3合以上でも全体に熱が伝わってふっくらとおいしく炊き上げられるだろう。
お米の味にこだわりたい人や、多めに炊いて作り置きしたい人におすすめだ。
圧力IH
電磁誘導式の加熱に加えて、炊飯時に圧力をかけてお米を炊き上げるのが圧力IH炊飯器だ。圧力をかけることで炊飯時の火力が上がるため、シンプルなIH炊飯器よりも炊き上がりのお米がもっちりしていることが特徴だ。
また、高火力の炊飯によって素早くお米が炊けるので、お米を炊く時間の短縮にも期待できる。性能的には炊飯器の中で一番優れていると言えるので価格は少し高くなるが、毎日おいしいお米を食べたい人は圧力IH炊飯器を選ふと良いだろう。
内釜の素材で選ぶ
内釜の素材は、ご飯の炊き上がり具合を左右する重要なチェックポイントだ。内釜の素材によって熱伝導性が異なり、炊き上がるお米の弾力やツヤに違いが生まれる。
炊飯器の内釜には、以下の3種類の素材が広く採用されている。
鉄釜
鉄は発熱効率が高い金属なので、多くの炊飯器で鉄釜が採用されている。特に電磁誘導式の発熱と相性が良く、IH系の炊飯器で鉄釜を使用するメーカーも多い。鉄釜は熱伝導性に優れており、お米の芯まで熱を伝えてふっくらとした炊き上がりに期待できる。
ただし、他の内釜に比べてかなり重たいので、米を研いだり内釜を洗ったりするときに手間がかかるのがデメリットだ。
炭釜
炭釜は鉄釜と同じく発熱効率が高い内釜素材である。遠赤外線効果でお米をじっくり加熱するので、炊きたての状態を長く保つ効果にも期待できる。また、炭釜は鉄釜よりも軽い素材なので手入れがしやすく、力が弱い女性にもおすすめだ。
しかし、鉄釜に比べると衝撃に弱い性質があるので、落とすと割れてしまう恐れがある。
土鍋釜
土鍋釜はお米が水を吸収するスピードに合わせてゆっくりと加熱できる内釜素材で、おいしいお米が炊けると評判だ。炭釜のように遠赤外線効果でじっくりと中に火を通すだけでなく、土鍋が持つ蓄熱効果によって熱が逃げにくくなり、お米がふっくらと炊き上がる。
上質な炊飯器では土鍋釜を使用していることが多いが、それゆえに土鍋釜の炊飯器は基本的に値段が高い。少し高価な買い物になるかもしれないが、お米の炊き上がりにこだわりたい人は土鍋釜の炊飯器がおすすめだ。
内釡の構造で選ぶ

内釜の素材だけでなく、内釜の構造も注目しよう。各炊飯器メーカーは、よりおいしいご飯が炊き上がるよう、内釜の構造を日々研究している。
炊飯器で採用されている代表的な内釜の構造には、以下の3種類がある。
厚釜
一般的に2.3mm以上の厚みがある内釜を厚釜と呼ぶが、最近では厚みが5mmを超えた内釜も登場しているようだ。釜に厚みがある方が熱を効率良く均等に伝えられるので、おいしい炊き上がりに期待できる。
お米の炊き上がりにこだわりたい人は、内釜の厚みに注目して炊飯器を選ぶと良いだろう。
多層釜
多層釜は、いくつかの素材で層を形成した構造を持つ内釜である。例えば、熱伝導性に優れたアルミや銅を内側に、断熱性が高いセラミックスを外側に配置するといったように、効率良くお米を炊き上げられるように計算して素材の層を形成している。
層の数や種類はメーカーによってさまざまで、日々の企業努力によってより効率を高めた多層釜が開発されている。
また、企業的には多層釜はコストを低く抑えられるので、手ごろな価格帯で販売している商品が多いことも特徴のひとつだ。
真空釜
真空釜は真空層を採用した構造を持つ内釜で、熱を伝えやすくて逃しにくいという特徴がある。内釜を加熱すると内部に真空の層が形成され、効率良く熱を伝えてしっかりとお米を炊き上げるので炊き上がり後のご飯は冷めにくくなる。
保温力に定評がある魔法瓶も真空層を利用することで断熱性を高めている。炊飯器の保温力を重視する人は、真空釜の炊飯器がおすすめしたい。
サイズは3合炊きが目安

一人暮らしで使用するなら、炊飯器のサイズは3合炊きが購入の目安となるだろう。3合炊きなら炊飯器のサイズが小さく、作り置きするご飯を炊くのにもピッタリだ。茶碗並盛りのご飯はおよそ0.5合なので、3合炊きでも6食分まで作り置きできる。
また、最近では3合炊きのコンパクトな炊飯器でも性能が高い商品が多く登場している。ただし、3合炊きはあくまで目安なので、毎日たくさんご飯を食べたい人なら5合炊きを選んでもかまわない。設置スペースや自分のライフスタイルに合わせて、炊飯器のサイズを選ぶことが大切だ。
その他便利機能で選ぶ

炊飯器の中には、お米を炊く以外にも便利な機能を搭載している製品がある。炊飯器の使い勝手を考えるなら、さまざまな機能を搭載した製品を選ぶと良いだろう。
ここでは炊飯器に搭載されている6種類の便利機能を紹介するので、炊飯器選びの参考にしてほしい。
無洗米を炊くメニューがある
炊飯器には、炊き分けを設定できる機能がある。例えば、玄米や五穀米など米の種類、炊き込みご飯やおかゆなど米料理の種類によって炊き分けができるようになっている。
一人暮らしの人の中には、米を洗うのも面倒という人がいるが、その場合は、無洗米がおすすめ。無洗米を利用したいと考えるのであれば、無洗米を炊くメニューがある炊飯器を購入しよう。
エコ炊き機能または蒸気レス機能
エコ炊きは、炊飯器から蒸気が出るのをできるだけ少なくする機能だ。電力も抑えられるので電気代を節約可能。
だが、それ以上に室内に蒸気がこもらないので、湿度が高くなりすぎないというメリットもある。部屋の湿気やカビが気になる人におすすめだ。
早炊きモードが付いているか
普通にご飯を炊くとだいたい60分から70分かかるため、忙しいときにはご飯を炊かなくなる。しかし、早炊きモードのある炊飯器の場合、だいたい30分弱でご飯が炊ける。忙しい人には必須機能だ。
おかずを同時に作れる機能
炊飯器にクックプレートをプラスし、ご飯と同時におかずも作れる機能がある。クックプレートにおかずの材料を入れて炊飯器にセットするだけなので非常に簡単。家でご飯を食べたいが、まだ料理づくりに自信のない人におすすめ。
ひとつの電源でふたつのことを同時進行でするため、電気代の節約にもなる。
パンが焼ける機能
手作りのパンが好きな人には、パン焼き機能付きの炊飯器がおすすめだ。3合炊きサイズの炊飯器なら、小麦粉約100グラムくらいのパンに対応している。ほぼひとりで完食できる量だ。
また、オーブンを使ってパンを焼くと部屋の温度が著しく上昇する。その点、炊飯器を使ったパン作りだと部屋の温度にあまり影響がない。焼き温度はオーブンに比べると低めであるため、ふんわりタイプのパンになる。
スマホ連携
家に帰ってすぐに炊きたてのご飯を食べるぞと炊飯器にセットして出かけたのはいいが、タイマーをかけるのを忘れてしまった。こんなとき一人暮らしだと、誰かに助力を頼むことは難しい。そのようなときに便利なのが、スマートフォンから炊飯器のスイッチを入れられる機能だ。
この機能が搭載されている場合、スマートフォンから設定や炊き上がりなども確認可能な場合もある。帰宅すると炊き上がったばかりのホカホカご飯で夕食を楽しめるのは、非常に幸せなことだ。
ライフスタイルに最適な炊飯器はどれ?
ここまで炊飯器を選ぶ上で大事な機能を紹介した。この機能のうち4つ以上の機能を持つ炊飯器の中から、ピックアップして紹介する。なお、価格帯をあえて幅広い設定にしているが、それぞれの価値観で選んで欲しいからである。
おうちごはんが好きな人におすすめ

¥7,519 Tiger
「タイガーマイコン tacook」は、エコ炊きメニューで35%もの蒸気をカットし、電気代も節約可能。おこわ、炊き込み、おかゆ、そして無洗米と炊き方も選べる。早炊きもできるので、急にごはんが食べたくなったときにも便利だ。
何と言っても「タイガーマイコンtacook」の最大の特徴は、クックプレートでおかずを同時進行で作れる機能だ。クックプレートは炊飯器のお米の上にのせる小ぶりの鍋のようなものだ。ここに材料をのせてご飯を炊くと同時におかずができる。
この機能により、サバの味噌煮や豚肩肉とレンズ豆の煮物などを並行してつくることができる。
無洗米メニュー | エコ炊き(蒸気レス) | 早炊き | おかず同時 | パン | 内蓋取り外し | スマホ連携 |
---|---|---|---|---|---|---|
◯ | ◯ | 〇(33分) | ◯ | × | ◯ | × |
パンも作れ、洗いやすい炊飯器

¥13,700 象印
フタからも加熱される全面加熱方式を採用しており、ふっくらと炊き上がるのが特徴。早く炊きたいときは、「白米急速」というメニューを選べば24分で炊き上がる。玄米や雑穀米、金芽米などを炊く「健康米メニュー」、無洗米にも対応している。発酵から焼き上がりまでの手作りパンができる「パンメニュー」もある。お手入れの際は内蓋を外して丸洗い可能。庫内も手入れをしやすいフラットな底で、清潔な状態を保ちやすい。なお、エコ炊きも可能。
無洗米メニュー | エコ炊き(蒸気レス | 早炊き | おかず同時 | パン | 内蓋取り外し | スマホ連携 |
---|---|---|---|---|---|---|
◯ | x | 〇(24分) | × | ◯ | ◯ | × |
収納場所を取らない炊飯器

¥5,800 コイズミ
場所を取らない小ぶりの「コイズミライスクッカーミニ」は、蓋を外して丸洗いができる。本体が1.3 kgしかないので普段は収納しておき、使用する際に取り出す、といった運用も可能。
大きさも18.9×15.3×18.44cmなので置き場にも困らない。1合の米を約20分で炊き上げるスピード感も魅力。なお、レシピブックが付属されており、ご飯メニュー以外にもお菓子がこの炊飯器で調理可能。
無洗米メニュー | エコ炊き(蒸気レス | 早炊き | おかず同時 | パン | 内蓋取り外し | スマホ連携 |
---|---|---|---|---|---|---|
◯ | ◯ | 〇(20分) | × | △モードはないが可能 | ◯ | × |
ご飯好きにおすすめのおいしく炊ける炊飯器

¥35,800 三菱電機
少し大きめの5.5合炊き。多めに炊いて冷凍しておこうと思うと、3合では少し足りない。その場合は一人暮らしでもこの大きさは必要だ。また早炊きも搭載しており、「うま早モード」と「お急ぎモード」の2種類がある。
「うま早モード」は、30分で簡単な料理が出来上がる時間に合わせている。一方、「お急ぎモード」はなんと18分で炊き上げる。どちらもお茶碗1膳分から美味しく炊くことが可能。スマホに連携し、音声またはタッチで炊飯設定が可能だ。「新・熱密封かまど構造」でさらにかまど炊きに近い仕上がりが期待できる。
無洗米メニュー | エコ炊き(蒸気レス | 早炊き | おかず同時 | パン | 内蓋取り外し | スマホ連携 |
---|---|---|---|---|---|---|
△モードはないが可能 | × | 〇(30分または18分) | × | × | ◯ | ◯ |
炊飯器を置く場所がないなら電子レンジで炊ける

¥1,179 ちびくろちゃん
「ちびくろちゃん」は厳密に言えば炊飯器ではないが、一人暮らしの炊飯アイテム。「ちびくろちゃん」は、電子レンジ専用炊飯器で、少量のご飯を短時間で炊ける。0.5合から炊けるので、お茶碗1杯しか食べない人でもいつも炊きたてご飯が食べられる。0.5合なら、500ワットで約7分プラス蒸らす時間のみ。
大きさも14x14x134cmと普通のどんぶりより少し高い程度だ。場所を取らないので、使わないときは収納しておけば良い。少量のご飯を炊く場合は、炊飯器よりおいしいという声もある。また、ご飯を炊くだけではなく、おかゆや蒸しパンなど調理することが可能。値段もリーズナブルだ。
無洗米メニュー | エコ炊き(蒸気レス | 早炊き | おかず同時 | パン | 内蓋取り外し | スマホ連携 |
---|---|---|---|---|---|---|
△無洗米メニューはないが、水加減で可能 | ◯ | 〇(7分) | × | 〇 | ◯内釜はない。洗いやすい | × |
炊飯器を選ぶのに大きさも考えるべき?

炊飯器は、3合炊き、5.5合炊き、そしてさらに大きな8.5合炊きといった大きさがある。一般的には、一人暮らしの場合、3合炊きが選ばれる。お茶碗1膳が0.5合だから、6杯分。大きな炊飯器で、少量のご飯を炊くのは、電気代の無駄にもなるし、味も落ちるのであまりおすすめではない。
しかし、多めに炊いて、冷凍するのであれば、大きい炊飯器を買うという選択もある。ジャーで保温しているご飯より、冷凍したご飯を電子レンジで温めた方がおいしいという人もいる。また、電子レンジで温める方が電気代も節約になるし、食べたいときにすぐに食べられるというのもメリットだ。
中には置く場所が心配で小さな炊飯器を選ぶ人もいるかもしれない。しかし、実際のところ、3合炊き、5.5合炊きではそんなに大きさは変わらない。紹介した5.5合炊きの「三菱電機 IHジャー炊飯器」が:幅23.7×奥行29.2×高さ22.7cm、「タイガー マイコン 炊飯器 3合 」が23.3×28.3×20.2cmだ。2㎝くらいの違いであれば、使い方で大きさを決めた方がいい。置く場所がどうしても取れないのであれば、「コイズミ 小型炊飯器 ライスクッカー」や「電子レンジ専用炊飯器」がいいだろう。
一人暮らしにピッタリな炊飯器。ライフスタイルに応じたものを選ぼう
今回は一人暮らしに望ましい炊飯器の選び方や、最新のおすすめ炊飯器を紹介した。選ぶ炊飯器によってご飯の炊き上がりに大きな違いがあり、おいしいご飯を食べたいなら炊飯器選びはこだわりたいポイントだ。
たくさんご飯を食べたい、いつも炊きたてを少量でも作りたいなど、あなたのライフスタイルや価値観に合った炊飯器を選んで、一人暮らしでおいしいご飯を食べよう!
文=吉原久美子
※2021年2月加筆=CHINTAI情報局編集部