夢の古民家賃貸暮らしを実現!大自然の中で暮らす方法を聞いてきた
古民家を借りて過ごす、大自然に囲まれる穏やかな時間
「田舎でのびのびと暮らしたい!」そんな風に思っても、実際に見つけるのはなかなか難しい。
今回は、「田舎バンク」を利用して夢の田舎暮らしを手にいれたという祖父江さん一家のお宅を訪問。
自然あふれる中でのびのびと家族と暮らしたい。環境から住む場所を選んで一家が辿り着いた先は、築100年以上の古民家だった。
どのように、この住まいを見つけ、どのような暮らしを送っているのだろうか?

古民家賃貸を借りた祖父江さんファミリーに、探し方や魅力を聞いてきた!
プロフィール
名前:祖父江 聡明さん
性別:男性
年齢:36歳
職業:会社員
名前:奈々子さん
性別:女性
年齢:40歳
職業:会社員
ルームデータ
所在地:愛知県豊田市
家賃:30,000円
間取り:8LDK
築年数:100年以上

とっても広い8LDKの間取りも、土地が広い田舎ならでは!
自分らしい環境は自分らしい暮らしを叶える
木々が生い茂る山中の、なだらかな斜面に建つ古民家。8LDKの家屋と、山羊と犬が飼われている広々とした庭には、穏やかな時間が流れていた。
祖父江さん一家は、夫婦、娘、母親の4人暮らし。どのように理想の生活を手に入れたのか。きっかけは、妻・奈々子さんの母が倒れたことだった。当時は静岡県御殿場市に住んでいたが、母と同居するため、地元である愛知県に引っ越すことに。

玄関には広い土間があり、昔ながらの古民家らしさを感じることができる。靴を収納する以外に自転車や上着をかけるスペースまである
「場所は通勤を考え、名古屋市~豊田市周辺にしました。ただ、住まいはライフスタイルに合った家にしたかったんです」(聡明さん)
キャンプ好きの祖父江さん夫婦は、自然に囲まれて暮らしたかった。そこで田舎にある、自分たちの生活に合わせて自由にリフォームできる物件が良いと考えた。
「庭付きの広い家が必須条件。でも費用は抑えたかった。そこで思い浮かんだのが古民家。私たちの条件にピッタリだと思いました」(奈々子さん)

奈々子さんの寝室。一人一部屋だけではなくペットの部屋まである
さっそくインターネットで情報収集。各自治体が主催する「空き家バンク」のサイトで、物件情報をチェックした。条件に合う物件は少なかったが、気になる物件を2軒ほど見つけ、内見することに。

聡明さんのお気に入りの場所は、家の外にある作業小屋。ラジオから音楽が流れる中でモノ作りを楽しむ。男心をくすぐる素敵な空間だ
「放置されている空き家だけあって、2つともボロボロ。でも2軒目に見た家は、梁が太くて造りはしっかりしていました。しかも、賃貸で借りられるのでリーズナブル! リフォームが前提なので、この家で問題ないと思い、契約を決めました」(奈々子さん)
だが、そのまま即契約とならない。豊田市の空き家バンクでは、入居者は物件の所有者と地域住民で三者面談をする必要があった。
「自治会への参加や草刈りの当番制、地域住民の人柄などを事前に知れて良かった。これから住むにあたって重要なことですから」(奈々子さん)
面談をして正式に契約をした祖父江さん夫婦。しかし、まだやることがたくさん。前居住者が残した家具を片付け、リフォームをしなければならない。床や天井など全面改修しなければ、そもそも生活すること自体が難しいからだ。そうなると当然お金がかかる。修繕費は100万円を超えた。しかし、豊田市から交付される補助金制度を利用し、賢く住み替えることができたという。

庭が広いため、山羊と犬も飼える。なんと、この2つの小屋もDIYで作ったとのこと
そうして移住し、今年で1年半。住んでみた感想を奈々子さんに聞くと「良いことばかりです。自分たちのやりたいことを気軽に叶えられるのが最高ですね。もちろん、近所にお店がないなど不便もありますが、ネットショッピングなどのおかげで生活に大きな問題はありません」と教えてくれた。

娘・白羽ちゃんの友達が遊びに来た時はここの部屋で遊ぶそう。小学校まではバスで通うが家の前まできてくれるので安心。子育て環境も整っている
家族4人暮らしも、一人一部屋のゆとりある住居。休日はBBQや、家庭菜園など自然を満喫する。今後は山羊牧場を開くそう。住環境にこだわり、田舎暮らしを選んだ祖父江さん一家。好きなことを目いっぱい楽しむ、その姿はその選択の正しさを証明しているようだった。
文=綱島 剛
写真=阿部昌也
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※「CHINTAI2018年7月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています