賃貸契約の流れとは?所要時間や「重要事項説明」のチェック項目を解説
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賃貸契約のポイントとなる「重要事項説明」のチェック項目

前のページでは、賃貸契約の流れについてご紹介してきた。ここからは賃貸契約の前に必ず行われる「重要事項説明」について紹介する。
「重要事項説明」とは、家賃や解約、違約金、部屋を使用する上での条件など「特に大切なこと」を不動産会社から入居予定者に説明する機会であり、賃貸契約を結ぶ前に必ず実施しなければならないと法律で定められているものだ。
重要事項説明・契約には難しい言葉も多く登場するが、以下のポイントを押さえておけば大丈夫。わからないことは質問し、解決してからハンコを押そう。
重要事項説明のポイント①設備の状況
ガスコンロ・エアコン・照明器具などは、前の住人が置いていったものである可能性がある。内見のときに設置してあったとしても契約書に記載がなければ、故障時の修理費用は自己負担となる場合があるので、必ず確認しておこう。
重要事項説明のポイント②契約期間中のこと・更新について
更新料は大家さんに、更新手数料は更新事務を行う不動産会社などに支払うものだ。契約書に記載がなければ支払う必要はないが、書いてあれば更新時に必要となる。家賃の1~2ヶ月分が相場。
重要事項説明のポイント③敷金の精算の仕方
敷金とは部屋を借りる際に貸主に預けておく保証金。借り手の不注意で傷をつけたり汚したりした場合に、退去時にその補修費用を差し引いたうえで返還される。借り手が支払う範囲は契約によって異なるが、畳の表替・壁紙の交換・ハウスクリーニング代などは、借り手の負担とされることがある。
重要事項説明のポイント④退去の方法
契約期間内に部屋を出て行く際には、「部屋を出て行きます」と退去予告をしなければならない。予告しなければならない時期は、居住用の建物であれば退去の1~2ヶ月前に設定されていることが多い。余計なトラブルを避けるためにも必ず確認しておこう。
重要事項説明のポイント⑤家賃以外にかかるお金について
敷金・礼金・仲介手数料・管理費(共益費)・保険料、そのほかにはハウスクリーニング代・自治会費などが必要な場合がある。特にチェックすべきは、敷金・礼金・仲介手数料だ。敷金1~2ヶ月・礼金1ヶ月・仲介手数料1ヶ月が一般的な目安となる。
重要事項説明のポイント⑥ライフライン(電気・ガス・水道)の状況
電気はアンペアに余裕がないとブレーカーがすぐに落ちてしまうようになるため、こちらも確認しておこう。ガスは、都市ガス・プロパンガスで毎月の料金が1.5~2倍ほどの差がある。また、水道は浄化槽より下水道の方が料金が高くなりやすいので、内見時の説明と違いがないか確認しておこう。
賃貸契約の際に注意すべきこと

契約時に起こりやすいトラブルに関しても、事前知識さえあればトラブルは回避できる。いくつかピックアップしてみたので、契約時にはこれらのことも注意するようにしよう。
重説・契約には難しい言葉も多く登場するが、疑問点があればその日に解決させておくと良い。新生活は何の疑問もなく、スッキリさせた状態で始めるようにしよう!
賃貸契約の注意点①:交わした契約書は大切に保管する
契約書は原則的に再発行されないため、失くさないように心がけよう。万が一紛失した場合、貸主の契約書・不動産会社の複写が存在するのでコピーしてもらおう。
賃貸契約の注意点②:不明点・疑問点は賃貸契約が成立する前に解消しておく
重要事項説明の後、契約書に署名・捺印して契約が成立する。契約成立までの流れは以下の通りである。
①重要事項説明を聞く
②契約書にサインする
③契約成立
契約書にサインした後は、原則としてこれを覆すことはできない。契約をキャンセルすると違約金が発生することもあるので、きちんと確認してからサインしよう。
もし不明点や疑問点がある場合は、必ず重要事項説明の段階で行わなければならない。後になって「知らなかった」「聞き忘れていた」と言っても通用しないため要注意だ。どんなに些細な内容だとしても、気になることは契約成立の前に質問しておこう。
賃貸契約の流れを把握して、スムーズに入居しよう

賃貸契約成立までのステップは、細かく9つにわけられる。それぞれのセクションにおける所要時間を確認し、必要書類がある場合は時間に余裕を持って揃えておこう。契約成立までの流れをざっと押さえておけば、理想的な物件へスムーズに入居できるはずだ。
参考)賃貸物件契約書のひな形はこちら
契約書のひな型を事前に見ておいて当日は落ち着いて契約しよう。
住宅:「賃貸住宅標準契約書」(改訂版)のダウンロード – 国土交通省
文=安藤あつし
※「CHINTAI2018年4月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
2021年7月加筆=CHINTAI情報局編集部