賃貸契約の流れとは?所要時間や「重要事項説明」のチェック項目を解説

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賃貸契約の流れ、所要時間について知っておきたい!

賃貸物件(マンション・アパート)を初めて契約するときは、書類の用意、連帯保証人や保証会社の準備で戸惑うことが多々ある。

ここでは、賃貸契約のおおまかな流れと、各ステップの所要時間について紹介する。
また必要な書類や注意すべきポイントも紹介するので、前もって準備をしてスムーズに賃貸契約が行えるようにしよう。

契約書に捺印する様子
賃貸物件の契約時のポイントは?チェックすべきところを知っておこう!

【賃貸契約の流れ】申し込みから入居までの全9ステップと所要時間

不動産会社のスタッフ
賃貸物件の契約の流れとは?

まずは賃貸契約の流れについて、検討段階~入居までの9ステップに分けてご紹介しよう。
それぞれの項目でどの程度の所要時間が必要なのかも確認しながら、余裕を持って手続きを進めよう。

賃貸契約の流れ1.住みたい部屋の条件を決める

まずは家賃・間取り・沿線・駅など、住みたい部屋の条件を決める。
家賃は月収の三分の一が目安。また、最寄り駅はたとえば「A駅~B駅の間」というように、ある程度の幅を持って考えよう。

間取りや収納の大きさ、追い焚き機能やオートロックなどの設備条件まで考慮すると、この段階で数日間にわたって悩む人も珍しくはない。

賃貸契約の流れ2.物件を探し、お問合せ

ステップ1でおおよその条件が決まったら、インターネットで物件検索してみよう。賃貸物件検索サイトでは、最寄り駅を指定して検索する機能のほか、通勤・通学時間検索、家賃相場検索などさまざまな機能が用意されている。色々試してみると良いだろう。

予算内の家賃で、自分の理想の条件に当てはまる物件を見つけるのはなかなか難しいもの。2~4週間ほどをかけて新居を見つけるというのが一般的だろう。もしうまく探せない場合は、住みたいエリアの物件を扱う不動産会社に条件を伝えて探してもらうこともできる。

住みたい物件が見つかったら、物件を担当している不動産会社にお問合せしよう。その際、一般的には不動産店舗へ相談に行く日程を予約する流れとなる。

賃貸契約の流れ3.不動産会社を訪問

予約した日になったら、不動産会社を訪問する。事前にお問合せした物件についての説明を受けよう。また、不動産会社側で似た条件の物件をいくつかピックアップしてくれることも多い。

相談にかかる時間は、1回あたり30~40分程度だ。そのまま当日に内見に進む場合は、その分の時間も考慮しておく必要があるので注意しよう。

賃貸契約の流れ4.内見

物件について説明を受け、実際に見てみたいと思ったら内見へ進む。
内見にかかる時間は、1件あたり15分程度が一般的である。多くの場合、不動産会社から車で物件まで案内してもらうことができる。移動する時間も考慮すると、1件あたり20~30分程度を見ておくと良いだろう。

似た条件の物件2~3件をまとめて内見させてもらえる場合が多いため、物件どうしの距離にもよるが、合計で1時間半~2時間ほどみておくと安心だ。

賃貸契約の流れ5.申し込み、入居審査

内見をして、住みたい物件が決まったら入居申込書に記入する。その後、入居申込書を見ながら貸主(大家)が入居に関する審査を進めていく。この入居申込書はあくまでも入居意志の確認を行うものにすぎないので、記入後でも入居申し込みはキャンセルできる。

入居審査にかかる期間は早ければ2~3日程度だが、書類に不備があった場合には1週間~10日前後かかってしまう。

入居審査時に必要な書類

入居審査時に必要な書類
必要な書類を事前に準備しよう

<本人が準備する書類>
①本人確認書類
健康保険証や顔写真がついている免許証・パスポートなどが望ましい。担当者がチェックした後、コピーを取ってくれるので、現物を持って行けば問題なし。身分証の期限が切れていないかは確認しておこう。

②住民票
住んでいる市区町村の役所の窓口で住民票を発行してもらい持参しよう。複数人で借りるなら入居する全員のものを取っておく必要がある。

③収入証明書
会社員であれば源泉徴収票、自営業であれば確定申告書の控えや所得証明書(課税証明書)などが必要になる。無職などの場合は、預金通帳の写しで対応してくれるケースもある。

<保証人が準備する書類>
①承諾書
保証人になることを承諾したことを証明するための書類。不動産会社が書式を用意してくれることが多い。多くの場合は、実印(役所に印鑑登録したハンコ)を押す必要がある。

②印鑑証明書
承諾書に押した印鑑が保証人本人のものであるかを確認するために必要になる。印鑑登録カードがあれば自動交付機で発行できる自治体もある。

③収入証明書
保証人の収入を証明するものが必要になる。借りる本人と同じく、源泉徴収票や所得証明書(課税証明書)などを用意してもらおう。安定した収入がないと保証人と認められない場合がある。

<そのほかに必要なもの>
①ハンコ
だいたいの不動産会社では、印鑑登録をしているハンコ(実印)ではなく、認印でOK。ただし、ゴム印は印影が変形しやすいので不可とされていることが多い。

②初期費用
内容は物件によって違うが、敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、保険料、保証料、鍵交換費など。家賃の6ヶ月分くらいは見ておいた方が良いだろう。カードが使えないこともあるため現金で用意するのが一般的。

③預金通帳・届出印
家賃を自動引き落としにする場合には、預金通帳と届出印が必要になる。届出印とは銀行口座を開設したときに使ったハンコのこと。
間違えてほかのハンコを持って行かないよう、よく確認しておこう。

賃貸契約の流れ6. 契約時の重要事項説明

入居審査に通ったら、晴れて契約を結ぶことができる。

契約当日は改めて不動産会社へ出向き、担当者から「重要事項説明(重説)」を受けたのち、契約を結ぶ。

重要事項説明とは、その名の通り物件について重要な事項について説明を受けること。不動産会社側には、借り手に説明を行うことが法律で義務付けられている。その趣旨は「借りようとしている部屋はこんな内容・条件のものですよ」と説明をし、借り手が十分納得したうえで契約できるようにするところにある。不動産の知識が少ない一般消費者が、よくわからないうちに契約してしまうという事態を防ぐ、借り手側を保護するための制度なのだ。

重要事項説明にかかる所要時間は1~2時間ほど。長時間になり、難しい用語も登場するが、しっかり内容を聞いてわからないことは質問するようにしよう。詳しくは後述の『賃貸契約のポイントとなる「重要事項説明」のチェック項目』でも解説する。

賃貸契約の流れ7. 契約手続き

「重要事項説明」が終わったら、本丸となる「契約」を結ぶ。

契約は、不動産会社と借りる人の間でする約束ごとだ。貸主側と借り手側、お互いの権利と義務を文書にして明確にするためのものである。内容は重要事項説明と被るところもあるが、細かい項目が追加されていることもある。よく確認のうえ、サイン・押印しよう。

なお、契約そのものにかかる時間は短く、数分程度で完了する場合が多い。

賃貸契約の流れ8. 入金

契約時には初期費用を支払う。内訳は前家賃、敷金・保証金、礼金、鍵交換代、保険加入料、仲介手数料など。詳細は物件によって違うので、入金前に確認しておこう。

カードが使えないこともあるため現金で用意するのが一般的。また、契約前日までに指定口座に振り込んでくださいと言われる場合もあるので、家賃の6ヶ月分くらいは用意しておいた方が良いだろう。

賃貸契約の流れ9.鍵を受け取り、入居

前の入居者の退去やハウスクリーニングなどが完了し、担当の方から鍵を受け取れば入居することができる。その後はガスや電気などの確認を行いながら、家具や荷物を部屋の中に運んでいくことになる。

引越しの様子
入居後、ライフラインを確認して荷解きをしよう

次のページでは、賃貸契約の注意点や、契約前に必ず行われる「重要事項説明」のチェック項目についてご紹介!

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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