賃貸物件の内見チェックポイント。当日の流れや持ち物、注意点も紹介
このページの目次
- 物件の内見ポイント
- 部屋に「住みたいか」と「後悔しないか」を確認
- 【玄関】生活動線は十分に確保されているか?
- 【玄関】シューズボックスは棚の高さにも注意!
- 【玄関】扉は建て付けにカギは種類に注目
- 【居室】家具・家電の配置を意識し測れる部分は全て測定!
- 【居室】湿気を調整する換気扇は付いていれば高ポイント
- 【居室】窓は日当たりだけでなく通気性も調べよう
- 【居室】エアコンは年式を確認しておこう!
- 【居室】TV端子やLAN付きコンセントをチェック
- 【収納】サイズだけでなく収納のしやすさも重要
- 【ベランダ】実用面と防犯面をWでチェック!
- 【キッチン】料理をする際に不具合がないかシミュレーションしよう
- 【キッチン】調理器具と調味料は無理なく収められるか?
- 【キッチン】冷蔵庫置き場は「冷蔵庫+α」の広さがあるかで評価すること
- 【水まわり】付近に必要な物をきちんと置けるかがポイント
- 【水まわり】入浴中とその前後で不便を感じないか調べる
- 【水まわり】バスルームで見るべきはカビ対策となる換気扇
- 【水まわり】洗濯機置き場は広さだけでなくどこに置かれるかも肝心
- 【トイレ】「外」も「中」も清潔か見ておくべし!
- 【共用部】オートロックは侵入しづらさ、防犯カメラは配置状況が大切
- 【共用部】ゴミ置き場の状況は物件選びの大きな判断材料
- 【共用部】物件の管理は郵便受けにも反映される
- 【周辺環境】便利かつ安全に住めるかがチェックの基準
- まだまだある!部屋全体でチェックすべきこと
- 内見は不動産会社の担当者とコミュニケーションをとりながら
物件の内見ポイント
ここからは物件を内見する時に注意しておきたいことをご紹介。
部屋に「住みたいか」と「後悔しないか」を確認
内見をする際は、冷静に部屋の実情を確認したい。判断基準は二つ。「この部屋に住みたいか」と「この部屋に住んでも問題ないか」だ。
内見したらイメージと違った、というのはよくあること。サイズ感や雰囲気など、部屋の“実物”を気に入ったかどうかは、重要なポイントだ。家賃や設備など各条件と照らし合わせて、納得できないのであれば借りるべきではない。逆に、心の底から「住んでみたい」と思えるなら、それは“借り”の合図だ。
もちろん条件面だけではなく、自分のライフスタイルと合っているかを想像し、問題がないか確認するのは必須。
内見で確認すべき箇所は、部屋の傷やサイズ、臭いなど、間取図や写真などでは分からない部分。チェックする際のコツは、物件での暮らしをリアルにイメージすることだ。
例えばキッチン。料理をする姿を具体的にイメージしながら、冷蔵庫の位置が適切か、収納が十分かをチェックすると見落としが少なくなる。
内見では、間取図や設備の情報が正しいか確認することも大切。誤記があったなら、日頃の管理が悪い物件の可能性も捨てきれない。単純なミスかもしれないが間違いを見つけたら、念のため、原因を聞いておくこと。

【玄関】生活動線は十分に確保されているか?
玄関から居間やバス・トイレなど部屋間の生活動線はとても重要。荷物を持って移動できるくらいのスペースがあるか、歩きにくい設計になっていないかチェックだ。

【玄関】シューズボックスは棚の高さにも注意!
シューズボックスは、靴がどれだけ入るかを確認する。ポイントは、棚間の高さ。棚間が狭いと、ハイカットスニーカーやブーツなどはきちんと収まらないこともある。

【玄関】扉は建て付けにカギは種類に注目
扉は隙間がないか、スムーズに開閉するかなど建て付けを確認。カギは数と種類を見る。数は多い方が良く、種類はディンプルシリンダー錠など防犯性が高いものが好ましい。

【居室】家具・家電の配置を意識し測れる部分は全て測定!
日当たりと、壁・床・天井の汚れや傷の確認は基本。ポイントとなるのは、ずばり居室の広さだ。各辺の長さをメジャーで測定し、持ち込む予定の家具・家電が設置できるかチェックする。その際、家具・家電を置いても動線が確保できるか念頭に置くこと。また、窓のサイズも調べておく。

【居室】湿気を調整する換気扇は付いていれば高ポイント
居間に換気扇がある物件も少なくない。湿気のこもりやすさは部屋の快適さを左右する。換気扇があるか、ちゃんと動作しているかも見ておこう。

【居室】窓は日当たりだけでなく通気性も調べよう
窓のサイズと位置を確認し、日当たりや通気性も見ておくこと。窓の四隅にカビや結露跡が残っていたら、風通しが悪い可能性があるので注意。

【居室】エアコンは年式を確認しておこう!
実はエアコンも部屋の判断基準となる部分。きちんと動作するかだけでなく、その年式も聞いておこう。古いものだと電気代がかかりやすい。

【居室】TV端子やLAN付きコンセントをチェック
意外に見落とされがちなのがコンセントの位置。コンセントの位置によっては理想どおりに家具・家電を置けないこともある。

【収納】サイズだけでなく収納のしやすさも重要
クローゼットは各辺のサイズを測定しておくこと。衣服や小物など、収納したい物が入りきるか確かめよう。

【ベランダ】実用面と防犯面をWでチェック!
ベランダは、洗濯物を干せるスペースがあるかチェック。広さだけでなく、洗濯物を吊るせる高さが確保されているかが重要だ。また、外から侵入される恐れがないかも合わせて確認しておこう。

【キッチン】料理をする際に不具合がないかシミュレーションしよう
食材を調理するスペースは十分か、コンロは鍋などが安定する形か、コンロの数はいくつか、水圧は弱くないか、ゴミ箱を置く場所は確保されているかなどを確認しよう。

【キッチン】調理器具と調味料は無理なく収められるか?
キッチンの収納はしっかり確認したい。収納の数や配置場所、収納の形状なども見て、必要な調理器具や調味料が置けるか確かめる。

【キッチン】冷蔵庫置き場は「冷蔵庫+α」の広さがあるかで評価すること
冷蔵庫置き場は、サイズをきちんと測定することが大事だ。測定の際は扉をきちんと開けるかも念頭に置くこと。

【水まわり】付近に必要な物をきちんと置けるかがポイント
洗面台は広さや台の高さ、水圧など使い勝手をチェック。特に、収納容量はポイント。ドライヤーやタオルはもちろん、男性なら整髪料や髭剃り、女性なら化粧品やスキンケアグッズなどの置き場所を具体的に確認しよう。
【水まわり】入浴中とその前後で不便を感じないか調べる
バスルームは浴槽が汚れてないか、サイズが狭くないかを見る。加えてシャンプー、リンス、バスグッズを置ける場所があるかも確認したい。

【水まわり】バスルームで見るべきはカビ対策となる換気扇
バスルームは、換気扇や窓の有無など湿気対策ができているかも確認事項だ。換気扇の動作だけでなく、ダクトがきちんと接続されているかも大事。

【水まわり】洗濯機置き場は広さだけでなくどこに置かれるかも肝心
洗濯機置き場は室内か屋外か確認。室内なら置き場所の広さを測る。また、脱衣所までの動線もチェック。離れていると、洗濯物を持っていく手間がかかるからだ。

【トイレ】「外」も「中」も清潔か見ておくべし!
トイレは便器だけでなく、トイレタンクの中も確認。手入れされてないと、カビが生えていることもある。もしカビがあったら入居までに清掃してもらおう。

【共用部】オートロックは侵入しづらさ、防犯カメラは配置状況が大切
マンション自体のセキュリティも気になるところ。オートロックや防犯カメラの有無も調べよう。

【共用部】ゴミ置き場の状況は物件選びの大きな判断材料
ゴミ捨て場の位置は事前に確認しておこう。また、敷地内にゴミ置き場がある場合は、その状態を確認しておこう。清潔さから物件の管理が行き届いているか判断できる。

【共用部】物件の管理は郵便受けにも反映される
郵便ボックスはカギの有無と散らかり具合を見る。散らかっていれば管理がずさんな可能性がある。さらに外からポストに手を入れられないかも確認しよう。

【周辺環境】便利かつ安全に住めるかがチェックの基準
コンビニやスーパー、ドラッグストアなど周辺に何があるかは重要。最寄りの駅前や、駅から家までの利便性も確かめたい。

まだまだある!部屋全体でチェックすべきこと
内装に汚れと傷がないか
壁や床、天井など汚れや傷は要確認。写真を撮っておくか、入居前に修理してもらうこと。
部屋に傾きがないか
めったにないが、床が傾いてないかも確認。ビー玉などを置いてみて転がらないか調べる。
日当たりが良いか
リビングだけでなく全部屋で日当たりはチェック。周辺に光をさえぎる建物がないかも確認。
部屋から臭いがしないか
タバコや下水などの臭いがしないか。外からの臭いも洗濯物につく可能性があるので注意。
騒音は聞こえないか
近隣住民の生活音や周辺の環境音がうるさくないか、窓を開けた状態と閉めた状態で確認。
通信環境が悪くないか
RC造や、高層ビルに囲まれている物件は携帯電話の電波が届きにくいので注意が必要。
耐震強度は十分か
新耐震基準で造られているかどうか。1981年以降の建物はこの基準で造られている。
内見は不動産会社の担当者とコミュニケーションをとりながら
不動産会社を訪れた際に大切なのは、きちんと担当者を会話すること。希望条件や各条件の優先順位などを伝えることで、担当スタッフも希望に沿った物件を掲示しやすくなる。
また、実際に住みはじめて「ここじゃなかった……」なんて後悔しないよう、内見のチェック項目をしっかり把握し、見定める気持ちで臨もう!
教えてくれたのは?
文=綱島 剛
写真=阿部昌也
※「CHINTAI2018年4月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています