換気時間はどのくらい必要?正しい換気方法を紹介

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部屋の空気は汚れやすい!適切な換気時間を知ろう

換気 時間
意外と汚れている部屋の空気

部屋を換気をしないと、部屋中に浮遊しているハウスダストやホルムアルデヒドなどのアレルギー物質が外に出ていかない。これらは、アレルギーや気管支喘息などの原因になってしまうものなので、対策をする必要がある。

ここでは部屋の適度な換気時間や換気のメリット、正しい換気方法を紹介する。正しい換気を実践して、部屋の有害物質を外に出し、新鮮な空気を部屋の中に取り入れよう。

部屋の適切な換気の時間は5分程度

窓を開けて換気をする回数と時間の目安は、部屋の大きさにもよるが2時間に1回、5分程度とされている。

1度の換気時間を長くするよりも、換気の回数を増やした方が効率的だ。短い時間で良いので、こまめに換気をするようにしよう。特に暖房を使用する冬場は、短時間の換気が効果的だ。

換気時間を長くしても、換気の回数を減らしてしまうとあまり意味はなく、部屋の冷気や暖気を逃がしてしまうだけなので気をつけよう。

時間を守って部屋の換気を行うべき理由

換気をこまめに行う必要があるのは、部屋に溜まったハウスダストや二酸化炭素などを排出するためだ。

人やペットは酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すため、密閉された部屋で生活をしていると室内に二酸化炭素が溜まる。室内の二酸化炭素濃度が一定数を越えると頭が働かなくなったり、眠気に襲われやすくなったりする。こまめな換気をすることで仕事や勉強の作業効率がアップするのだ。

時間を守って部屋の換気を行うべき理由
シックハウス症候群を防ぐためにも換気は重要!

また、換気が不十分であると室内の空気汚染等により「シックハウス症候群」を引き起こす可能性がある。

主な発症要因として、建材や内装材などから放散されるホルムアルデヒドや、アセトアルデヒドといった有機化合物による室内空気汚染が挙げられる。シックハウス症候群には目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹などの健康影響が指摘されているため、汚染物質から身を守るためにも、こまめな換気を心がけよう。

参考:シックハウス対策のページ ( 厚生労働省)

エアコンで部屋の換気はできる?

エアコンでは、換気ができないと考えた方が良い。一般的なエアコンは家の中の空気を取り入れて、温度を調節してから室内に戻すという仕組みでできている。換気機能があるエアコンを使用するか、窓開け+換気扇の併用などで換気をするようにしよう。

部屋の換気を行う3つのメリット

部屋の換気を行う3つのメリット
換気をするとどんないいことがあるのだろうか?

部屋の換気を行うべき理由として、二酸化炭素の排出や、シックハウス症候群の予防を挙げた。

ここでは、換気の3つのメリットをお伝えしよう。

部屋の換気を行うメリット①:カビやダニの増殖を抑えられる

カビやダニが発生する原因のひとつに湿気がある。カビやダニが繁殖してしまうと、健康にも悪影響を及ぼす。また賃貸物件の場合、退去時の修繕費用を負担しなければならなくなることもある。換気を定期的に行えば、部屋にこもった湿気を逃がすことができるため、カビやダニの増殖を抑えられる。

カビやダニの増殖を抑えられる
家具と壁との間に、すき間を作ることも大切

また、家具を置く際は、壁との間に5㎝以上のすき間を作るようにしよう。家具と壁との間にすき間がないと、空気の通り道がなくなり湿気が溜まりやすくなる。結果として、カビやダニが増殖しやすい環境になってしまうため、あらかじめ空気の通り道を確保しておくことが重要だ。

部屋の換気を行うメリット②:結露の防止につながる

結露は、室内の温度と外気の温度の差が大きく、室内の湿度が高いときに発生しやすい。結露を放置するとカビやダニの発生につながるため、早めに手を打たなければならない。

結露を防ぐためには、水分が多く含まれた空気を外に排出する必要がある。そのため、こまめに換気をして部屋の空気を入れ替えることで結露を防ぐことができる。

部屋の換気を行うメリット③:こもったニオイを取ることができる

換気を行うことで、部屋にこもった臭いを外に逃がすことができる。

特にトイレやキッチンなど臭いがこもりやすいところは、換気をすることでスムーズに臭いを取ることができる。また、換気によって新鮮な空気を取り込むことで、気持ちをリフレッシュすることもできるだろう。

ここからは、部屋の正しい換気方法とおすすめの時間帯について解説する。ポイントを押さえて、効率良く換気をしよう!

部屋の正しい換気方法と時間帯、ポイント

換気といっても、むやみに窓を開ければ良いというわけではない。

ここでは、効率の良い換気の方法を紹介していく。

部屋の正しい換気方法①:空気の通り道を作る

部屋の正しい換気方法①:空気の通り道を作る
サーキュレーターや扇風機を活用して空気の通り道を作るのもおすすめ

窓を1ヶ所開けただけでは空気の通り道ができず、汚れた空気が部屋に溜まったままになってしまう。そのため、できるだけ2ヶ所の窓を開けて換気をするようにしよう。部屋の対角線上にある窓を開ければ、部屋の空気が流れやすくなり、より効果的に換気ができる。

しかし、部屋の間取り的に空気の通り道を作ることが厳しい場合もある。そのような場合、サーキュレーターや扇風機を活用するのがおすすめだ。

部屋に窓が1ヶ所しかない場合は、ドアを開けてサーキュレーターなどを窓の外に向けて設置しよう。窓の外側にサーキュレーターを向けることで、汚れた部屋の空気を効率的に外に出せるようになる。

窓がない部屋の場合は、ドアを開けてサーキュレーターなどを置き、部屋の外に汚れた空気を流すようにしよう。このとき浴室やトイレなどに設置されている換気扇を回すと、より効率良く汚れた空気を排出できる。

部屋の正しい換気方法②:窓を全開にしない

部屋の正しい換気方法②:窓を全開にしない
窓の開け方にもポイントがある!

換気というと窓を全開にしたくなるかもしれないが、実はこれは逆効果。空気は狭いところから広いところへ移動するときに勢いが増すため、窓を全開にすると換気の効果が得られにくくなってしまうのだ。

空気の入口になるよう、1箇所の窓は5〜15cm程度開けておき、空気の出口になるもう1箇所の窓は全開にしておこう。こうすることで、空気の動きが活発になり、効率的に換気ができる。

また、エアコンを使っているときに、エアコン付近の窓を開けると、エアコンに負担がかかり、電気代が上がってしまう。そのため、エアコン使用時にはエアコンから遠い窓を開けて換気しよう。

なお、冬は部屋をある程度部屋を暖めてから換気をした方がエアコンに負担がかからない。

部屋の正しい換気方法③:時間帯は12時~16時の間がおすすめ

換気は、湿度の低い時間帯に行うとより効果的だ。1日でもっとも湿度の低い時間帯は、春夏は12時〜16時、秋冬は12時〜14時頃である。換気をするならば、この時間が特におすすめである。

ただし、花粉のピーク時は日中に換気をすると部屋の中に花粉が入ってしまう可能性がある。花粉の量は気温の高さと関係しているため、花粉のピーク時には気温が上がる前の早朝に換気を行うのが良いだろう。

ちなみに、窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンを取り付ければ、部屋に入る花粉の量を減らすことができる。

部屋の正しい換気方法④:雨の日の場合は、上がってからがねらい目

部屋の正しい換気方法④:雨の日の場合は、上がってからがねらい目
弱い雨の場合は換気してOK

雨の日は窓を閉め切る人も多いと思うが、雨によって室内に生じた湿気が逃げ場を失ってしまう。そのため、雨が上がったタイミングで窓を開けて換気しよう。

雨が部屋に吹き込むほど強く降っていない場合であれば、10分程度換気をすることは問題ない。雨が断続的に降る場合は、窓を2ヶ所開けて風通しを良くするのがおすすめ。室内に風を入れるだけでなく、空気の抜け道を作ることで換気にかかる時間を短縮させられるのだ。

窓の近くに扇風機やサーキュレーターを設置し、部屋の外に向けて風を当てれば、より効率的に換気ができる。

部屋の正しい換気方法⑤:24時間換気システムを正しく使う

シックハウス症候群を防ぐために、2003年に改正建築基準法により、すべての住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられた。基本的に24時間換気システムは、常にスイッチを入れておこう。そうすれば、およそ2時間で室内の空気を入れ替えることができる。

ただし、24時間換気システムを正しく使用しなければ、せっかくの機能が役割を果たさない。

外から空気が入ってきて寒いなどといった理由で通気口を閉じたり、24時間換気システムのスイッチをオフにしてしまったりすると、換気ができなくなってしまう。換気が不十分だとシックハウス症候群を引き起こす可能性もあるため、注意が必要だ。

部屋を適切な方法で換気して、快適に生活しよう

正しい換気を行えば、大きなメリットを得ることができる。二酸化炭素の排出やカビ・ダニ増殖の防止、結露の防止やシックハウス症候群の予防など、さまざまな効果が期待できるだろう。

換気時間は2時間に1回、5分ほどが良い。空気の入口の窓を小さくし、空気の通り道を作ることで効率的な換気が行える。適度な換気をして、快適な生活を送ろう!

2022年4月加筆=CHINTAI情報局編集部

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