賃貸物件で起きやすいトラブル!原因と対処法をご紹介|入居、生活、退去時など
一人暮らしにはトラブルがつきもの!
楽しく自由な一人暮らしだが、思いがけずトラブルに巻き込まれることがある。突然の水漏れやエアコンの故障、隣人の騒音や退去時の高額請求など、トラブルはさまざまだ。
そこで今回は、賃貸物件で起きやすいトラブルについて紹介する。「入居」「生活」「更新」「退去」で起こりうるトラブルと対策方法を解説するので、トラブルが発生しても落ち着いて適切な対処ができるようにしておこう。
家賃滞納の関連記事
【住居確保給付金がもらえる条件は?】収入減で家賃が払えなくなってしまう方へ
このページの目次
賃貸物件の「入居時」手続きで起きやすいトラブル
賃貸物件のトラブルは、物件探しの「入居時」の段階から発生する。その中でも起きやすいトラブルは、以下の2つだ。
・物件の申し込み
・契約内容
それぞれひとつずつ確認しよう。
物件の申し込みに対するトラブル
物件の申し込みのトラブルで多いのは、入居の申し込みをした後のキャンセルを断られる場合だ。
気に入った部屋があり申し込みをしたが、ほかによい物件が見つかったときなど、状況によってはキャンセルをすることもあるだろう。しかし不動産会社や大家さんに断られてしまうことで、トラブルに発展するのだ。
物件の申し込み段階では契約にいたらないため、キャンセルは可能である。ただしトラブルにならないためにも、事前にキャンセルの可否を確認が必要だ。
また、申し込み時に預り金を支払うことがある。こちらは基本的に支払う義務はなく、申し込み段階でキャンセルした場合は返還される。預り金の支払いが生じたときは、期日や名目などを記載した預り証を発行してもらうようにしよう。
契約内容に対するトラブル
契約内容で起きやすいトラブルに、契約をする際に諸費用の金額が上乗せされ、予定の金額を超えるものがある。これは内見時には説明がなく、契約段階になって鍵交換や消毒費用などの金額が追加されて起きるトラブルだ。
管理費や仲介手数料などは、物件紹介への記載や説明であらかじめわかっているものだが、火災保険料や鍵交換などの詳しい諸費用について初めて知らされる場合がある。大きなトラブルにつながるものなので、不動産会社に必要な金額を事前に出してもらおう。
また、契約前に契約金の支払いを求められた場合も、無理に応じる必要はない。契約に納得し成立してから契約金は支払うものであるため、契約前には支払う義務がないことを覚えておこう。
賃貸物件の「入居時」に起きやすいトラブルの対策と対処法
入居時のトラブルは何事も事前に確認しておくことで対処ができる。
入居申し込みのキャンセルの可否や申し込みの期日など、確認するものについては口頭ではなくメールなどで質問しておき、証拠として形に残しておくといいだろう。
また、自分自身が賃貸契約の流れを把握しておくこともトラブル対策のひとつ。契約前に契約金の支払いを求められても、これに応じる必要がないことをあらかじめ知っていれば慌てることもない。何も知らないままでは、自らトラブルに巻き込まれていくようなものだ。
賃貸物件で「生活」が始まってから起きやすいトラブル
「入居時」についてのトラブルや対処法がわかったところで、次は「生活」が始まってからのトラブルを紹介する。
「生活」をしていく中で起きやすいトラブルは、以下の3つである。
1.設備故障にまつわるトラブル
2.室内の汚れやカビ
3.近隣住民とのトラブル
それぞれひとつずつ見てみよう。
水漏れや設備の故障などにまつわるトラブル
まずは、水漏れや設備の故障にまつわるトラブルだ。
水漏れが起きた場合は、すぐに管理会社や大家さんに連絡をする必要がある。水漏れは家電や家具を傷めるだけでなく、階下にも迷惑をかける恐れがある。
またエアコンや給湯器といった備え付けの設備が故障した場合も、管理会社や大家さんにすぐに連絡をしよう。連絡をせずに業者を呼び修理をしてしまうと、修理費は自分で負担しなければならない場合がある。
室内の汚れやカビなどのトラブル
2つ目は、室内の汚れやカビなどのトラブルである。
壁やクロスの室内汚れやカビは、普段から掃除や換気をしていても発生してしまう。しかし故意に結露などを放置し、カビを発生させてしまうと、入居者の負担で修繕費を求められる場合がある。
近隣住民とのトラブル
3つ目は近隣住民とのトラブルだ。
特に問題となるのが生活音などの騒音トラブルである。仮に周辺が静かであっても、隣人の騒音は実際に住んでみて初めてわかることがほとんどだろう。
また、共用部分やゴミ出しのルールを守らなかったり、ベランダでタバコを吸ったりする住民もいる。トラブルに巻き込まれるだけでなく、反対に自分がトラブルの原因となり、クレームを入れられる可能性も十分にあることを忘れずにいよう。
賃貸物件の「生活時」に起きやすいトラブルの対策と対処法
「生活時」に起きやすいトラブルにはどのように対処をするとよいだろうか。
まず水漏れや備え付けの設備故障は、経年劣化か自身の過失によるものかで変わってくる。たとえば蛇口の閉め忘れにより水漏れが発生した場合は入居者負担、経年劣化と判断された場合は貸主の負担になることが多い。
しかし、突然の水漏れや設備故障で、早く修理してもらいたい気持ちから焦って先に業者を呼んでしまうことも少なくはない。このような場合は入居者の負担となることがあるため、まずは管理会社やサポートサービスに連絡を入れよう。
カビや室内の汚れは、入居時からすでにあるものであれば写真を撮ることが大事だ。荷物を運ぶ前に写真を撮り、自身の過失でない証拠を残しておこう。
同様に、近隣住民とのトラブルも可能であれば証拠を残しておくことおすすめする。騒音であれば日時や録音、共用部分やゴミ出しのルール違反は写真を撮り、管理会社へ連絡をする。
大切なのは自分でトラブルを解決しようとしないことだ。必ず管理会社を通してトラブルを解決してもらおう。
ただし、分譲賃貸は部屋ごとに管理会社が違うことがある。その際は直接トラブルを解決する可能性もあるため、きちんと確認することが必要だ。
賃貸物件の「更新時」に起きやすいトラブル
続いては「更新時」に起きやすいトラブルだ。
更新時には、以下の2つに注意しなければならない。
・家賃や管理費の引き上げ
・貸主による更新の拒否
それぞれ詳しく見ていこう。
更新時に家賃や管理費の引き上げをされた
契約更新時に多いトラブルが、家賃や管理費の引き上げだ。更新に伴い、貸主から値上げを求められるケースがある。
貸主が契約の更新を拒否した
続いては、貸主が契約更新を拒否したことによるトラブルだ。入居者が更新を望んでも拒否されてしまえば、新たに物件探しや引越しをすることになり、想定外の支払いが発生してしまう。
賃貸物件の「更新時」に起きやすいトラブルの対策と対処法
更新時の値上げや貸主による更新の拒否は、基本的に応じる必要がない。更新時の値上げや拒否については双方の合意により成立するものなので、正当な理由がなければ、不当な値上げや一方的な拒否ができないのだ。
まずは契約時に更新に関する内容を確認することが大切である。
賃貸物件の「退去時」に起きやすいトラブル
「入居時」「更新時」に起きやすいトラブルについて紹介したが、賃貸物件で最もトラブルになるのが「退去時」だ。
主な退去時のトラブルは以下の2つ。
・敷金が戻ってこない
・覚えのない多額の退去費用の請求
それぞれ詳しく確認していこう。
敷金が戻ってこない
まずは、敷金が戻らないトラブルだ。敷金は家賃の数ヶ月分を初期費用として支払うもので、退去時の修繕や家賃滞納のために使用される。原状回復がされ、家賃滞納もしていなければ敷金は戻ってくる。
しかし原状回復がされていないと見なされ、敷金がまったく戻らないというトラブルが多発している。
覚えのない多額の退去費用を請求された
続いては、覚えのない多額の退去費用を請求されるトラブルだ。入居者が常識の範囲内で生活を送り、故意による破損などをしていないにもかかわらず、修繕費として多額の退去費用を請求されることがある。
賃貸物件の「退去時」に起きやすいトラブルの対策と対処法
退去時のトラブルで起きやすい原状回復。トラブル対策のため、国土交通省による「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を基準に判断をしよう。
ガイドラインでは経年劣化や通常損耗は、貸主の負担とされている。そのため入居者の故意や過失による損耗をしない限り、敷金は戻り、多額の退去費用を請求されることもないのだ。
賃貸物件のトラブルは結局どこに相談すればいいの?
どんなトラブルでも抱え込まず、必ず相談をすることが大切だ。騒音や共用部分のルール違反など生活に関するトラブルは、大家さんや管理会社へ相談をしよう。
退去時や契約などトラブルの内容が不動産会社や管理会社、大家さんであれば以下の機関へ相談をすることをおすすめする。
・消費者ホットライン
・日本賃貸住宅管理協会
・日本消費者協会
・不動産適正取り吹き推進機構
賃貸物件で起こりうるトラブルを事前に把握して安全は一人暮らしをしよう!
賃貸物件は自分が問題なく過ごしていても、近隣住民によるトラブルや貸主とのトラブルに巻き込まれることがある。
万が一トラブルに巻き込まれても、まずはどこへ相談すればいいかがわかるだけでも安心だ。安全な一人暮らしのためにも、事前に起こりうるトラブルを把握しておこう。