マンション管理会社って?管理組合との違いは?メリット・デメリットについても紹介
マンションの管理会社について知って後悔しないお部屋探しをしよう!
マンションで快適に暮らすためには、室内環境だけではなく周りに住んでいる人のマナーや共有部分の清潔さ、マンションの規約などがとても重要になってくる。
賃貸物件を借りる場合、同意しなくてはならない管理規約を管理しているのが、マンション管理会社や管理組合だ。
管理規約に同意しなければ契約が締結しないため、特に深く考えず規約に同意をする人も多い。
しかし、マンション管理会社や管理組合は快適な生活に関わってくるので、同意をする前に一度、管理体制についての知識を蓄えておこう。
このページの目次
マンションの管理会社の役割とは?管理組合との違いは?
マンションの管理会社は、居住者が快適かつ安全に暮らせるように建物や設備を整える、そしてマンションの資産価値が下がらないよう、日々管理にあたっている。ここで疑問となってくるのが、管理組合も同じ役割を持っているのではないかということだろう。
管理組合は、マンションの区分所有者全員で構成されている団体で、入居すれば自分の意思に関わらず管理組合の一員となる。ただし、日常業務は理事会によって行われる。
管理組合もマンションの維持管理をする役割があるが、すべての日常業務を行うのは無理がある。マンション管理には、専門知識が必要となるので、管理会社に委託するのが一般的だ。
つまり、マンション管理会社は、管理組合に管理業務を委託された専門業者となる。名称や役割は似ていても、マンションの管理会社と管理組合とは、まったく異なる団体なのだ。
マンションの管理会社の業務内容って?
マンションの管理会社は、入居者が快適に暮らせるように環境を整えるのが仕事だが、実際にどういった業務をするのか、あまり詳しくないという人も多いだろう。
毎月支払う管理費は、管理業務のために使われるものなので、業務内容をしっかり把握しておく必要がある。
業務委託方法により行う業務は異なるが、ここではマンション管理会社の業務内容4点を詳しく紹介していこう。
マンション管理会社の業務内容①:事務管理業務
管理業務の中でも重要となるのが事務管理業務。
事務管理業務は、管理費や修繕積立金の徴収と管理・滞納者の確認や督促・経費の出納・月次会計報告・不動産価値を維持するための修繕計画や実施の調整などを行う。また、管理組合の総会のサポートや重要書類の保管なども行っている。
マンション管理会社の業務内容②:管理員業務
管理員業務というのは、簡単にいうとエントランスにいる管理人が行っている仕事だ。
業務内容は居住者や来客への対応などの受付業務、設備や建物、電球の目視点検などが主なものになる。また、無断駐車のチェックなどの点検業務、外注業者が作業するときに必要になる立会業務など、さまざまなものがある。
ただし、マンションの規模によっては管理人が常駐していなかったり、日勤のみだったり、巡回と清掃のみということもある。
マンション管理会社の業務内容③:清掃業務
清掃業務は共用部分の拭き掃除や掃き掃除、ゴミ出しなどを行うのが一般的だ。定期清掃は年に数回、清掃の専門業者が行う。
また、マンションによっては特別清掃があり、共用部のガラスや照明器具を清掃する。
マンション管理会社の業務内容④:建物・設備管理業務
建物・設備管理業務は建物の外観の点検を行うものだ。照明やエレベーターなどの電気設備や消防用設備、給排水設備などの保守点検を行う。
ただし、エレベーターと消防設備に関しては、定期的に点検することが法律で義務づけられているため、これらの点検は専門業者に委託している。
管理会社へのマンション管理業務の委託方式
前項ではマンション管理会社の業務内容を紹介したが、どこのマンションでも同じ管理業務をしてもらえるわけではない。管理会社がどこまで管理するかは、業務委託方式によって違ってくるのだ。
一般的には、管理業務のほとんどを任せる全部委託が多いが、マンションによっては一部の業務委託しかしていなかったり、すべての業務を自主管理していたりするところもある。
委託方式は自分の生活にも関わってくることなので、委託方法ごとの特徴やメリット・デメリットを確認しておこう。
管理会社へのマンション管理業務の委託方式:全部委託
全部委託とはすべての管理業務を一括して管理会社に任せる方式だ。管理会社があらゆる業務の窓口になるのが特徴で、管理組合は業務がきちんと行われているかのチェックのみを行う。管理の質も維持できるので、入居者は快適な生活を送ることができる。
デメリットとしては、管理会社に丸投げしてしまい、管理組合の管理意識が薄れることだ。管理意識が薄れると、業務チェックを怠ることにつながり、結果的にマンション管理が適切に行われなくなるリスクが挙げられる。
管理会社へのマンション管理業務の委託方式:一部委託
管理会社はすべての業務に関わっているが、エレベーターやオートロックなどの設備点検や共有部分の清掃などは専門業者に委託している。このように、別会社に委託している部分を管理組合から発注する方式にして、そのほかの管理部分だけを管理会社に委託するのが一部委託だ。
一部委託にすれば、間に管理会社をはさまず設備点検や清掃業務を依頼できるため、その分の手数料が発生しない。また、管理組合の方で業者を選べるので、より納得のいく形で契約することができる。
一方、管理組合の役員が業者選定や契約をしなくてはいけないので、その分の負担が増えてしまう。契約の際には、業者との交渉も必要になるため、契約するまでの労力がかかってしまうのもデメリットとなる。
管理会社へのマンション管理業務の委託方式:自主管理
自主管理というのは、管理組合が管理を行う方式だ。管理会社に業務委託をするのではなく、自分たちですべての業務を行うので管理費を安くできるメリットがある。
しかし、マンション管理の専門会社があることからわかるように、管理というのはとても大変なので、だんだん管理しきれなくなってしまう。やがて無管理状態になり、資産価値や修繕計画などが適切に行われなくなるのがデメリットだ。
また、管理費や修繕積立金の管理も管理組合が管理することになるため、横領や使い込みなどのリスクも高まる。自主管理をしているマンションは避けた方が無難だろう。
マンションの管理会社はデベロッパー系と独立系
マンションの管理会社には、デベロッパー系と独立系の2種類がある。
不動産の知識がないと、どちらの種類であっても同じと思ってしまうかもしれないが、それぞれに特徴があるのでチェックしておこう。
マンションの管理会社:デベロッパー系
デベロッパー系というのは、マンションを施行・販売した会社の系列グループとなる子会社が管理をするタイプである。
親会社が建設を行っているため、マンションの構造をきちんと把握していることから、適切な管理を行いトラブルにも迅速に対応してくれるのがメリットだ。
ただし、管理品質が高いだけに管理委託費用も高額になるというデメリットがある。
マンションの管理会社:独立系
独立系とはマンションの管理だけを行っているタイプだ。基本的にマンション管理の専門家ではあるが、会社の質によっては管理品質や対応能力が低いというデメリットがある。
しかし他社との競争が激しいため、管理委託費用がデベロッパー系より安いというのがメリットとなっている。
マンションを選ぶ際は管理会社にも着目してみよう!
マンションを選ぶ場合、家賃や間取り、周りの環境などを基準にするのが一般的だが、マンションで生活していくとなると建物自体の管理ということも重要なチェックポイントになってくる。
いくら理想的な物件でも、管理体制が整っていなければ気持ちよく暮らすことはできない。トラブルなどにきちんと対応してくれるかなど、物件を借りるときは管理会社にも注目してみよう。