【伊織庵 二人暮らしの家】最終話 「同棲すると結婚できない」ってキャッチコピーは誇大広告
語る資格なんて無いかもしれないけど語らせて

最後のテーマは「同棲すると結婚できない」です。
僕はよく知らなかったのですが、世間的にはあるあるらしいです。同棲の最大のデメリットみたいな。
僕は同棲にデメリットなんて無いと思っているので、声を大にして否定したいとこなのですが、僕たちも同棲を8年もして結婚しておりません。
やっと僕が本気のプロポーズをして入籍日を決めたところです。
しかも、この問題について調べてみるとどうやら原因は男の人にあるそうな。マジか。ごめんなさい。思い当たる節がありすぎる。
でも、時間はかかったけどちゃんとここまで来れました。同棲すると結婚できないなんてとんでもない。
という訳で、今回は僕たちがどうしてなかなか結婚に至れなかったのかを赤裸々に告白しつつ、同棲と結婚について思うことを語りたいと思います。
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ステレオタイプ的にはこういうことらしい
同棲しても結婚できないのは何でなのか。どうも男の人にとって結婚って面倒臭いものみたいで、同棲までは行くけどそこから前に進みたくなくなっちゃうみたいです。
結婚とは家族に対して責任を持つことであり、その責任を果たすために生活力を上げなければならないとか、同棲中に相手のことを結婚に相応しくないと判断するも寂しいから別れないとか、結婚に対して悪いイメージを持ちがちだったりとか、何かそんな感じらしい。
なるほど。どれもこれも何か耳なじみのあるやつばかり。ザッツ・ステレオタイプ・サラウンドスピーカーな感じがするぞ。この問題が多くの人が抱える不変的なものであったとしても、理由は人それぞれなのにこうやってそれっぽく分類しちゃうのってどうなんでしょう。
とはいえ、頭ごなしに否定するのもあれだし、僕も一応男で結婚まで時間がかかったのも事実なので、これらが該当するのか一つずつ見ていってみましょう。
結婚は家族に対して全責任を負うことだと思っている男の人について

僕は結婚しても家族に対する責任は一人で全部背負うんじゃなくて、彼女にも一緒に背負ってほしい派です。
そんな派閥があるのかは知らないけど、僕は、俺が守ってやるから安心してついて来い、みたいな漢ではありません。むしろ彼女の方が、私が守ってやるから安心してついてこい、って感じです。
ていうか、同棲中は家のことも外のことも二人で責任を持って、上手く回るように一緒に協力して生活してきたのに、どうして結婚したらそれをガラッと変えようとするんだろう。何を同棲で学んだんだ。
多くの女の人には出産というイベントがあって、それに伴いライフスタイルの変化や負担を求められます。
だから、男の人がその分だけ頑張らないとって背負いたくなるのは分かる。でも、それを理由に結婚をしないのはおかしいでしょ。これまでも二人で一緒に歩んできたんだからさ。
多様化する現代社会、目まぐるしく変化する社会情勢、明日はどうなるか分からない世の中だからこそ、家のことは女の人、外のことは男の人に責任を負わせるみたいな従来の画一的な区分けじゃなくて柔軟にいかないと。
ここまで言っちゃうと男の人からも女の人からも情けないって言われるかもしれないけど別にいいよ。力強く男の人を引っ張ってくれる女の人めちゃくちゃ素敵じゃないですか。支えて、支えられて、引っ張って、引っ張られて。僕たちはそういうやつです。
結婚するつもりが無いのに同棲を続ける男の人について

女の人がいずれ結婚するつもりで同棲してるのに、男の人が結婚するつもりが無いってエグくないですか。僕はもちろんちゃんとありましたよ。
付き合ったらその先には結婚があるあわけで、真面目に付き合うならそういうとこまで考えるが普通でしょ。
僕の場合は、同棲生活はなし崩し的にスタートしたけど、真剣に付き合っていたので、そもそも許しがたい問題が起きない限り別れないことを前提に生活していたし、彼女もきっとそう思っていたと思います。
だから、実際に一緒に生活することで分かったお互いのマイナスな一面も、お互い様って割り切れるようになりました。
そもそも同棲ってこういう意識を持って挑むのが実は正しいのかもしれません。ていうか、これって同棲に問題があるんじゃなくて、その男の人に人間的に問題があるんじゃないかな。
同棲せずに結婚してもろくなことにならなそう。
結婚に対して悪いイメージを持つ男の人

僕の場合、これはあるかもしれません。と言うのも、うちはちょっと複雑なあれで家庭的にあれで僕が物心ついた頃には両親の仲があれあれでヘビーによろしく無かったんですよね。
些細なことでよく喧嘩をしてたし、離婚なんて言葉も頻繁に飛び交ってました。結局は別居したりとか色々ありつつも最後は離婚せずに夫婦生活に幕を閉じたんだけどね。
そんな親たちの影響で、結婚なんてするもんじゃないな、なんて真剣に思ってた時期もありました。でも、こんな家庭環境だったせいか幸せな家庭にはすごい憧れがあって、結婚したら親を反面教師にして絶対に『楽しくて笑顔の絶えない家庭』にしようって思うようになっていきました。
だから、そういうのもあって先に述べたように彼女と付き合いだした時から結婚を意識してたんですね。我ながらとても真面目で素晴らしい、すごく好感の持てる男の人ですね。とは言え、僕のような過去の経験から結婚に悪いイメージを持ってしまった人って少し根が深いかも。
でも、これは逆に女の人次第で同棲してみることで結婚できるようになることもあるかもしれません。
結婚したいけど結婚したくないけど結婚したい

何で僕がなかなか結婚に踏み出せなかったのか。それは、結婚しても『楽しくて笑顔の絶えない家庭』を築けないかもしれないのが怖かったからです。
結婚して『楽しくて笑顔の絶えない家庭』を築きたい。だけど、築けないかもしれない。僕は、結婚に対してポジティブなネガティブ人間という面倒臭いやつだったんです。
前述の通り、幸せな家庭にはすごい憧れがあって、抽象的なイメージはすぐに湧くんだけど、家庭環境があれだったせいか具体的なものが湧かないんですよね。それが不安材料でした。
でも、同じ境遇にあった人が同じ未来を歩むことはありません。思い描く結婚生活を送る人もいます。だから、こんなのは言い訳になりません。
僕は結婚できない別の言い訳が欲しくて、今の『楽しくて笑顔の絶えない生活』に満足しているんだって逃げるようになりました。
ここからこじらせです。
「同棲っていう二人だけの社会は、好きだから、楽しいから、一緒にいたいからっていうすごい純粋な気持ちで構築できるんです。
だから、僕は夫婦じゃなくても純粋な気持ちだけで彼女のことを思って行動するし、彼女の親や親戚は彼女の大切な人だから大切にする。
だけど、外の社会からしたらこういうのって綺麗事でしかないから結婚という制度で干渉してくる。
これが僕からしたら自分の行動や思いに不純なものが混ざるような気がしてすごい嫌だった。結婚しても今までと何も変わらないなんてのはよく聞く話で、事実そういう人はいるし、それが多数だと思うけど、僕は変わりそうな気がした。だから、今のままがいいんだ。」
ご清聴ありがとうございます。ここまでこじらせでした。黒歴史すぎて書きながら恥ずかしくて悶死しそうになりました。
そんな僕が何で結婚に踏み出せたのか。
それはやっぱり彼女のことが好きだからです。こんな僕に彼女は好きだから結婚したいってずっと言い続けてくれました。
僕と一緒に問題を共有して私たちなら幸せな家族になれるよって言い続けてくれました。逃げに逃げまくったけど僕だって本心は彼女と幸せな家庭を築きたい。
子供ができて、親になって、彼女と一緒に歳をとって人生を終えたい。
『楽しくて笑顔の絶えない家庭』は抽象的なもので、それを具体的にすると『楽しくて笑顔の絶えない生活を送る家庭』で、そして、僕たちは『楽しくて笑顔の絶えない生活』を送れているんだから大丈夫に決まってるだろうがと。だから、時間はかかったけれど前に進めました。
おわりのおわり

僕は彼女と付き合って同棲するまで、自分が結婚に対してこんなに面倒な人間だとは気付きませんでした。
でも、彼女と一緒に楽しい生活を送ることができたから、結婚に対して自分が意識せずに抱えていた問題を認識することができたし、彼女と一緒に長い時間を共にしたから、問題を解決することができました。
きっと同棲してなかったら結婚まで進めなかっただろうし、もし結婚できたとしても、『楽しくて笑顔の絶えない家庭』という抽象的なものに心をかき乱されて大変なことになっていたでしょう。
同棲すると結婚できないって言うけど、その事情は人それぞれで、同棲したから結婚できる僕たちのような人間もいます。同棲しても結婚できるかできないかは自分たち次第です。
学問なき経験は経験なき学問に勝る。もし同棲を考えているけど、同棲すると結婚できないって聞くし、なんて及び腰になってる人がいたら思い切って飛び込んでみてください。
結婚する意思があって、二人が楽しく一緒にいたいと思っているのなら大丈夫。同棲にはメリットしかありませんよ。皆さんの幸せな同棲生活とその先にある幸せな結婚生活を祈っています。