【フクロモモンガ×二人暮らし】気になる値段や飼い方・ニオイ対策をリアルカップルに取材
フクロモモンガとの暮らしってどんな感じ?値段や飼い方、注意点を教えて!
フクロモモンガは、ペットとしての人気が急上昇している小動物だ。うるうるとした大きい目や手のひらサイズの小さな体、かわいらしい動きなどが特徴で、さらに比較的世話がしやすいエキゾチックアニマルである。
今回はそんなフクロモモンガの値段や飼い方、注意点などについて飼い主へのインタビューをもとに紹介する。これからフクロモモンガを飼おうかと検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。
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モモンガとは

モモンガと聞いて、足の間にある膜を大きく広げて、木から木へと素早く飛び移る小動物というイメージを抱かれている方も多いのではないだろうか。しかし、一口にモモンガといっても大きく2種類に分けられる。フクロモモンガなどの有袋類、そしてアメリカモモンガなどのげっ歯類だ。
モモンガの生息地は固体の種類によってそれぞれ異なり、フクロモモンガはインドネシアやオーストラリアなどに生息している。一方でアメリカモモンガは、メキシコやアメリカ、カナダ南東部などに生息している。
ペットとして飼えるモモンガは2種類
現在ペットとして飼えるモモンガは、フクロモモンガとアメリカモモンガの2種類である。それぞれの生体価格の相場は以下の通りだ。
フクロモモンガ | アメリカモモンガ | |
---|---|---|
種類 | 有袋類 | げっ歯類 |
値段 | グレー・ブラウン:15,000~30,000円 アルビノ:100,000~200,000円 リューシスティック:100,000~300,000円 | 15,000~30,000円 |
フクロモモンガは目や毛の色が豊富で、珍しいカラーになるほど値段が高くなる。フクロモモンガ、アメリカモモンガともに夜行性で、日中は寝て夜に活動することが多い。
モモンガとムササビの違いは?
モモンガと混同されがちな動物として、ムササビが挙げられる。しかし両者は、よく観察すれば見分けることが可能である。
まずムササビは、「空飛ぶ座布団」と呼ばれるように、飛膜の大きさがモモンガよりもはるかに大きい。またムササビの目は顔に対して正面に位置しているのに対し、モモンガの目は側面についているのも特徴である。
フクロモモンガと暮らし始めて5年。一緒に楽しく暮らすコツを聞いてきた!
慣れない一人暮らしの寂しさからモモンガを飼い始めたという田中さん。以来、5年以上一緒に住んでいる。1人+モモンガ1匹の空間に、後から加わったのが彼女の小島さんだった。
以前は一人暮らし向けの部屋に住んでいたそうだが、つい最近2人+モモンガ1匹の新たな生活をスタートさせるべく引越したばかりだそう。
「モモンガとの暮らしってどうなの?」「ニオイ対策、どうしてる?」「一緒に住む前から片方がペットを飼っていた場合、トラブルはあった?」など、気になるあれこれをお二人に尋ねてみた。

プロフィール
名前:田中さん・小島さん
職業:会社員
居住形態:二人暮らし+1匹
モモンガにかかる月々の費用:約3,000円
モモンガプロフィール
名前:クッパ
性別:オス
年齢:5歳
性格:気まぐれ、自由人
ルームデータ
所在地:東京都杉並区
家賃:123,000円
間取り:1LDK(40㎡)
築年数:8年
一人暮らしがつまらなくて、小さなフクロモモンガを飼い始めた
田中さんがモモンガを飼い始めたのは5年ほど前。一人暮らしを始めたばかりだった大学1年生の秋頃だそう。
「一人暮らしがつまらなくて『ペットを飼おう!』と思い立って、友達と一緒にペットショップへ行きました。小型のエキゾチックアニマルなら一人暮らしの賃貸住まいでも飼いやすいかなと思って、友達はハリネズミ、僕はモモンガに決めました。モモンガのオスはニオイがきついと聞いたのでメスを探したのですが、在庫がなくて、結局オスを飼うことに。生体価格は1万5000円くらいでした」(田中さん)

最初に購入したのは滑車付きのケージ(8,000円くらい)。そのほかにエサ用の台や水を入れるボトル、ケージの底に敷き詰める木のチップ、持ち運び用のミニカゴなど。「初期費用や食費がそれほどかからないので、学生でも手軽に飼い始めることができました」と田中さん。
そして、いよいよ1人+1匹の生活がスタート。当時、焼き肉店でアルバイトしていたことから、カルビクッパからインスピレーションを受けて「クッパ」と命名した。

モモンガは夜行性なので、日中はあまり活動せず、夜になってから活発に動き出す。夜、田中さんがクッパをケージから出してあげると、カーテンによじ登って遊んでいることが多いのだという。
「カーテンは爪で引っかかれてボロボロです。たまにフンがついちゃってるときもあります」と苦笑いする田中さんだが、カーテンはクッパくんの遊び場として割り切っている様子だ。

フクロモモンガのお世話の分担は0:10。彼女は基本「眺めているだけ」
その後、モモンガと暮らす部屋に彼女の小島さんがしばしば訪れるように。最初に「モモンガを飼っている」と聞いたとき、小島さんはどう思ったのだろうか?
「『一人暮らしなのにちゃんと飼えているの!?』って思いました。でも、話を聞いて実際に会ってみたら、そんなに手間がかからない動物みたいで。一緒に住むにあたっても心配ごとはありませんでした。最初のうちは夜寝ているときにクッパが滑車をカラカラ回す音が少し気になりましたけど、すぐに慣れましたし。ちなみに、クッパのお世話は彼が100%していて、私は2人が戯れているのを眺めているだけです」(小島さん)

モモンガとの暮らしにすんなり溶け込んだ小島さんだが、一緒に住み始めてびっくりしたことがあったそう。
「いつも夜はケージに戻すのですが、たまに鍵を忘れてることがあって。ベッドで寝ているときに上からクッパが降ってくることがあるんです。あれは最初、びっくりしました」(小島さん)
「寝ている間に足の指を噛まれて、飛び起きることもあるよね(笑)」(田中さん)


次は、モモンガと快適に暮らすためのおすすめアイテムや工夫をご紹介!
室温が27度を超えたら冷房を自動でオン。脱臭機も24時間つけっぱなし
最近1LDKの部屋に引越したばかりの2人。新居で家具のレイアウトを考えるときに、まず決めたのがクッパのケージ置き場だったそう。
「ニオイが気にならないようにリビングの一番奥で直射日光が当たらない場所、かつ、カーテンによじ登りやすい場所に置きました」(田中さん)

新居は西向きの部屋のため、室温が高くなりすぎないように今まで以上に気を付けているという。
「前の家でも頻繁に室温を確認して、暑かったり寒かったりする場合はエアコンを使っていたのですが、今の部屋に引越したタイミングで家電をスマホでコントロールできる『Nature Remo』を設置しました。今は、室温が27度を超えたら自動でエアコンがつくように設定しています。外出中でもスマホで家電の遠隔操作ができますし、常に室温を確認できるので設置してよかったですね。ペットを飼っている方におすすめです」(田中さん)
室温コントロールのほかに、モモンガと暮らすうえで大変なことは?
「クッパはオスのモモンガなのでニオイ対策は絶対必要。ケージの隣に置いて24時間付けっぱなしです。この脱臭機は飼い始めたときから使っています」(田中さん)

そしてもう1つ、田中さんが気を付けているのが室内をきれいにしておくことだそう。
「家にいるときは寝る時以外ケージを開けてクッパが自由に出入りできるようにしているため、食べかすやフンが床に落ちていることがあるんです。あと、まちがってクッパが虫やホコリを食べてしまうことも避けたい。その対策として、最近ルンバを購入しました。1日1回、2人が仕事で不在にしている間にルンバが掃除をしてくれるので助かります」(田中さん)
最新の家電製品をうまく活用して、モモンガとの快適な暮らしを楽しんでいるようだ。

部屋に遊び相手がいるから、毎日が楽しくなる
家で1人でいるときは大抵クッパと遊んでいるという田中さん。「ケージの天井にぶら下がって懸垂してたり、おいしそうにエサを食べてたりする姿がとてもかわいい」と話す。傷みにくいエサと水をきちんと用意しておけば3日くらいは不在にしても大丈夫とのことなので、モモンガはペットを初めて飼う人にもおすすめしやすい動物と言えそうだ。
モモンガとの暮らしに必要なアイテム・欲しいアイテム
ここからはインタビューの内容をもとに、モモンガとの暮らしに必要なアイテムや用意しておきたいアイテムを紹介する。
モモンガとの暮らしに必要なアイテム:寝床
モモンガを迎え入れるために必ず必要なのが、モモンガの寝床となるケージである。ケージの中に設置すべきアイテムは、以下の通りだ。
- 滑車
- エサ用の台
- 水を入れるボトル
- ケージの底に敷き詰める木のチップ
- 持ち運び用のミニカゴ
モモンガは高くジャンプする習性があるので、高さのあるケージがおすすめである。またケージの底に敷き詰める床材は、ハムスターやうさぎ用のものでかまわない。
モモンガとの暮らしに必要なアイテム:エサ
雑食であるモモンガに与える食べ物としては、以下のものが挙げられる。
- ペレット
- ミルク(必要に応じて)
- サプリメント(必要に応じて)
- 野菜、果物(おやつとして)
総合栄養食であるペレットは、適切な量を1日1回与えよう。また体質や体調に応じて、適宜ミルクやサプリメントで栄養を調整するといいだろう。おやつとして与える野菜や果物は、中毒症状を引き起こすおそれもあるため、種類や量に注意が必要だ。
モモンガとの暮らしに欲しいアイテム:足場
モモンガは、本来木の上で生活する動物である。したがってケージの中には、モモンガが落ち着いて過ごせるように止まり木やコーナーステージといった足場を設けておこう。
モモンガとの暮らしに欲しいアイテム:脱臭機
フクロモモンガには臭腺があり、オスのモモンガは繁殖期になるとニオイが気になることも。そのような場合に備えて、ケージを空気の循環しやすい場所に設置したり換気をこまめに行ったりするほか、脱臭機を設置しておくのも得策である。
フクロモモンガの値段や飼い方、注意点を知って賃貸で楽しく暮らそう
今回はフクロモモンガの値段や飼い方、注意点などについて紹介してきた。
フクロモモンガのかわいらしい姿に癒されるだけでなく、多くの刺激や新たな発見などがあるため、飼い始めると日々の生活がこれまで以上に豊かになるかもしれない。モモンガの習性や特徴を理解した上で、実際にモモンガを迎え入れてみてはいかがだろうか。
文・写真=編集部