ストレスフリーは「持たないこと」から。ミニマリストしおりさんのシンプルかつ丁寧な暮らし

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ミニマリスト・しおりさんに訊く、シンプルな暮らしから得られるもの

「シンプルな暮らしを始めたら、日常でかかるストレスが減った」そう語るのは、旦那さんと二人暮らし中のミニマリスト・しおりさん。

以前は片付けるのが苦手だった彼女の現在の部屋は、そんな過去が信じられないくらいに整っている。

しおりさんのインスタグラムでは日々の「持たない暮らし」のポイントや「シンプルな暮らし」を続けるHOW TOが丁寧に掲載され、フォロワーは約2万人。昨年にはそのライフスタイルのコツが詰まった書籍が発売され、絶大な人気を博している。

今回は、そんなしおりさんに「シンプルな暮らし」を始めるきっかけと、その暮らしを続けるコツを伺った。

プロフィール

名前:しおりさん
instagram:@14_shiori
居住形態:2人

ルームデータ

所在地:千葉県
間取り:1LDK
家賃:非公開
築年数:新築

モノであふれていた新婚時代

今回お邪魔したミニマリスト・しおりさんのお宅は、1LDKのシンプルなお部屋。

通されたリビングにはアースカラーで揃えられたダイニングテーブルとソファのみ。部屋の隅のスペースには観葉植物やかわいい置物が並び、大きな窓から入る光に照らされ、シンプルながらも温かみのある空間が広がっていた。

ミニマリスト・しおりさん宅のリビング
シンプルながら温かみのあるリビング

以前は本当に片付けるのが下手で、モノが溢れかえってたと話すしおりさん。現在のこの部屋からはなかなか信じ難いが…。

「新婚当時は素敵な奥さんにならないと、という思いが強かったんです。素敵な奥さんになるためにいろんな雑誌を読んで、いろいろと試していました。100円ショップのグッズで効率的に家事をしてみたり、限られた用途でしか使えない便利グッズを買ってみたり。気がついたら、モノが多くて自分では管理しきれない量になっていました」(しおりさん)

そして、モノが多くて困ったのは片付けだけではなかったそうだ。

「仕事で疲れて帰ってきて、散らかっている部屋を見ると愕然とするんですよね。「片付けなきゃ」という気持ちが先に出て、生活にも気持ちにも余裕が持てませんでした。夫との喧嘩も度々ありました」(しおりさん)

モノが多いことで、片付けなければいけない事が増え、家事の負担も増えていった。しおりさんの家事の負担が増えるにつれ、二人の関係も少しずつ悪くなっていったという。

「持たない暮らし」という概念にはっとさせられた一冊の本

しおりさんご夫婦は共働きで、2人ともフルタイム。当時は、しおりさんが家事も主に担当していたそう。仕事に家事に追われていたら気持ちに余裕が持てないのも無理もないかもしれない。

そんな時、しおりさんはある一冊の本に出会う。金子由紀子さんの『お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣 (アスペクト文庫)』だ。これを見て、自分が思っていた素敵な奥さんの生活ではなく、シンプルな生活に憧れを持つように。旦那さんにも読んでもらい、2人で生活を見直すことになった。

改めて生活を見直してみると、実は100円ショップでの買い物や小さな小物の購入など、小さな支出が積み上がっていたことに気づいたそう。そして、それらのものは当初は使うものの、後々使わなくなって捨ててしまっていることも多かった。

「自分たちの生活を見返して、大切なものだけ残していると、自分たちの時間に余裕を持つことができました」(しおりさん)

シンプルな暮らしを始めて得たストレスフリーな日々と、良好な関係

シンプルな暮らしを始めて、ストレスが減ったというしおりさん。仕事から帰ってきて、片付いていない部屋をみることがストレスだったのだ。それが無くなったことで、旦那さんとの関係も良くなり、お互い自然体で暮らせるようになったそう。

しおりさんがシンプルな暮らしを始めてからの大きな変化は、片付けなければ!という家事の圧力からの解放だった。それが時短だけではなくて、家族の関係性も好転させてしまうというのだから、侮れぬ。

ただ、シンプルライフの方法はわかっても、なかなか続けられないのが世の常。そこで、シンプルな暮らしを続けていくコツを尋ねてみると……。

「使いにくいと感じたら、どうしたら解決するかを考えています。例えば、うちは旦那がゴミ捨て担当ですが、忘れてしまうことが多く、私が声かけをしていました。でもそれもなかなか大変で。なので、ゴミ箱のふたに燃えるゴミの曜日を書いて、貼るようにしたところ旦那も忘れなくなり、私も楽になりました」(しおりさん)

ミニマリスト・しおりさん宅のゴミ箱
ゴミ箱に指定の日を記載。これだけで旦那さんが自らゴミ捨ての日を間違えなくなった

さらに、同じ収納法でも時間が経てば「使いづらい」と感じることもあるため、一度決めた方法を正しいと決め付けず、その都度旦那さんと2人で話し合って決めているそう。

シンプルな生活を送るなかでの、しおりさんのこだわり

インテリアはお気に入りで統一感を

ミニマリスト・しおりさんのお気に入りの無印のソファー
お気に入りのソファ。休日はここで本を読んでのんびり過ごすのだとか

リビングのインテリアはアースカラーや木目調でナチュラルなテイストに。こうすることでお部屋に統一感が出て、自然な印象に仕上がっている。その上で、お部屋に色味を添えるために様々な工夫をされている。

ミニマリスト・しおりさんの部屋の隅に置かれている観葉植物
リビングに差し色をもたらす観葉植物。葉が大きくかわいい。

「インテリアだけだとどうしても寂しくなってしまうので、観葉植物を置いて育てています。これらはホームセンターでお値打ち品で買ってきたもの(笑)。育てやすい種類なので、お休みの日に少しお手入れする程度ですが、結構楽しく、癒されています」(しおりさん)

しまい切る量だけを持つ

ミニマリスト・しおりさん宅のキッチン
キッチンの収納。引き出しに入るだけの適量が入っている

シンプルな暮らしを始められてからは、「しまい切る量」を持つように心掛けているしおりさん。ついつい新しくアイテムを増やしてしまいがちなクローゼットやキッチン用品などは、その収納スペースに収まらなくなったら何かが多い。そういうアラートを常に持って生活されている。

「取り出しやすさよりもしまいやすさを意識しています。逆にしまいやすければ、次に使うときも考えなくても取り出しやすい位置にしまうことができるんですよね」(しおりさん)

何かが多い、そう感じた後に何を残して何を捨てるのか、その基準を聞いてみると「一軍であるかどうか」と話すしおりさん。

「毎日使うものは残しますし、使わないものは省いていきます。例えば、洋服などは毎シーズンごとに何パターンかコーデを決めて必要な数だけ持つようにしています。迷う服は妹に似合うかをジャッジしてもらいます(笑)。また、特別な日にしか着ないドレスなどは、レンタルをして自分では持たないなど、日々の生活に必要なものだけを持っています」(しおりさん)

時間を有効に使える便利なアイテムを活用

食洗機
愛用されている食洗機。必要な所には必要な投資を。

しおりさんご夫婦は共働きで平日はとにかく多忙。シンプルな暮らしを始められたのも、家事に費やす時間を少しでも削減したいという思いもあったとのこと。そんななか、購入して助かったのは、時間を有効に使えるハイテクな家電たちだった。

「食洗機はずっと愛用してます。私も旦那も家事が好きなタイプではなかったんですね。平日疲れて帰ってきて、お皿洗いとか大変じゃないですか。だから入れておくだけの食洗機を買ったんです。導入してみると、旦那も自分から食器洗いをやってくれるようになって。喧嘩も少なくなるし、時間もできるしでとても良かったです」(しおりさん)

限りある時間を有効に使える、時短家電は忙しい人の強い味方なようだ。だが、気になるのは初期投資。しおりさんも購入費用を捻出するのは、大変だったのではと話を伺うと、「持たない暮らしを始めてから小さな出費が削られて、結構お金が貯まるようになったんです」とのこと。

小さな出費が減ったおかげで、便利な時短アイテムにお金をかけられるようになり、家事が楽になり、仕事に集中できるようになるという正のループができたようだ。

時短できるハイテクなアイテムによって家事の時間は大幅に削減され、今では2人とも、お休みの日は本を読んだり、友達と遊んだりという時間を取ることができているそう。

シンプルな暮らしを始める皆さんへ、しおりさんからアドバイス

「まずは、どんな暮らしがしたいのかを2人で話し合って同じイメージを持つことが大切」としおりさん。

誰かの方法を一部取り入れることは良いことだが、過ごしやすい家はみんな違う。なので、自分たちがどうしたら過ごしやすいと感じるのか、具体化することが大事、としおりさんは話す。

「例えば、導線。日々どういう経路を通って、私たちは動いているのか、それを見直すだけでもものの配置が変わってきます。私たちのこのテーブルは食事だけではなくて、家計簿の記載などにも使います。なので、鍋敷きや計算機などを脚の部分に吊るしてすぐ手に届くようにしています」(しおりさん)

テーブルにかかっている小物
導線を考え、必要なものはすぐに手に届く場所に

確かに、しおりさんのお部屋には使いたいと感じるものがその近くに置いてあることが多く、とても気遣いが行き届いているホテルのような印象だ。

私たちも、モノを取りに余分に動くなど、知らず知らずのうちに無駄な動きをしているかもしれない。どんな部屋に住みたいのかイメージをもち、使いづらい部分を一度見直す、それがシンプルな暮らしへの第一歩なのかもしれない。

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文=いとう
写真=編集部

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