自信が持てる街に住む。フォトグラファー・えーちんさんに聞く、東横線沿いでの暮らし
新しい生活のスタートに、あなたはどんな街を選ぶ?
はじめての就職、はじめての一人暮らし。新しい生活のスタートにおける「引越し」には様々な不安が生じる。
家事も全て自分、知らない土地での慣れない移動。そんな暮らしの中心となる部屋選びでは「安心」「居心地の良さ」を求める人も多いのではないだろうか。
株式会社ラブグラフで活躍するフォトグラファーのえーちんさんも、就職のタイミングで上京した。
関西の実家で生活していたえーちんさんの部屋探し、東京での暮らしについてお話を伺った。
お話を伺った人
えーちんさん
フォトグラファー。株式会社ラブグラフに所属し、採用、カメラマンの育成を担当。
大学卒業を機に上京し、現在は武蔵小杉在住。
─── 現在は武蔵小杉に住んでいるということですが、上京してからずっとそこに?
最初は学芸大学駅に住んでいました。右も左も分からない状況で、東京の友人におすすめを聞きました。オフィスが中目黒ということで、東横線沿いを勧められたのが部屋探しの始まりです。
生まれてからずっと関西に住んでいて、何度か東京には来ていましたが土地感は全くなく……。
もともと、上京しよう!と思って就職したわけではないので、引越しの準備は大変でした。
─── なるほど、じゃあ突然東京に。
僕、大学を1年休学しているんです。みんなが就活をはじめるタイミングで、僕はカメラマンとしてやっていきたいという思いがあって。でも、本当にやっていけるのかという不安があったので、実力試しをするために1年間休学しました。
1年間活動した結果、就活はせずにフリーのカメラマンとしてやっていこうと決めて。大学に戻って卒論を書きながらカメラマンとしての活動も続けました。その中で、業務委託を受けていたラブグラフから徐々にカメラマン以外の仕事も任されるようになって。
それが縁で「うちの会社に来て」と言われて、上京することになりました。
─── なるほど、それで今に至るわけですね。
任せてもらえる仕事も増えていたので、卒業前の2月に上京することになって。探す時間もあまりない、東京のことも分からない、一人暮らしも初めてということでとてもバタバタしました。
事前にネットで調べて候補を探し、実際に東京に行く用事があるときに不動産会社に行って候補を回りました。
学芸大学の他にも東横線沿いの祐天寺、都立大学の物件も見ていましたね。時間は少なかったけど、はじめての一人暮らしということでわくわくしました。自分の気に入った場所を最初から選べるので。
自分に合った条件で、ちょうどいい背伸びができる暮らし
─── 右も左も分からない土地での家探しは大変ですよね。その中から学芸大学駅の部屋を選んだ決め手はなんでしたか?
光が綺麗だったからです(笑)
─── 光?!
はい(笑)どこも素敵だったんですが、1番部屋に光が入るというので決めました。完全な南向きで、朝から夕方まで窓の形のまま光が入ってくるような。カメラマンという職業柄、光が綺麗なところに住みたい!という気持ちがあったので。

現在えーちんさんが住む武蔵小杉の街並み。商店街でも素敵な写真が撮れそう
─── 素敵なこだわりだと思います。実際住んでみて、どうでしたか?
メリットは、綺麗だから写真を撮りやすいことと、1年中あたたかいことです。あと、冬でも洗濯物を外に干して乾かすことができました。
デメリットは、光が強いことです。朝とか絶対に目が覚める(笑)でも僕自身、朝は苦手な方なので助かりました。

ほどよく賑わう商店街
─── 秋岡さんにはメリットのほうが多いですね。でも、そこから今の家に引越しをされたのはなぜですか?
駅から遠かったという理由が大きいです。最寄り駅から家まで10分以上あって。通勤のときに少し早く起きなきゃいけなかったり、東京は雪が降ることも多い中、それでも歩かなきゃいけなかったり。
雨の日も10分も歩くと結構濡れたりして、特に冬は冷えて寒かったです。そういうのが辛くて、1年で引っ越すことにしました。
─── なるほど、でも引越した先も東横沿線沿いですね。
通勤に便利っていうのもありますが、本当に気に入っていて。東横線沿いの駅の近くには、商店街があることが多くて。
人が多すぎず少なすぎないので、快適です。人が少ないと、夜遅くは少し危険ですがそれもないです。商店街沿いが明るくて、常に人がいることが多いので夜道も安全に帰れます。

「現在はスーパーも近いので便利です」(えーちんさん)
─── 居心地がいい街が多いんですね。東横線沿いって、結構お金持ちの住むところ!というイメージがあるんですが……。
実際住んでみて、そうだとは思います。でも、普通の定食屋やスーパーもたくさんあるので僕みたいな一人暮らしの人もたくさんいると思います。
仕事で撮影する際にお客さんと話していて、どこに住んでるんですか?と聞かれて答えると、「いいところに住んでますね!」と言われることも多いです。
自慢したいという気持ちはありませんが、やっぱり自分の住んでいる街が名前だけでも認知してもらえるのは嬉しいです。それだけで話のネタにもなるので。
─── 秋岡さんにとって東横線は、東京の象徴なのかもしれないですね
こんなことを言うと逆に格好悪いかもしれませんが、自分に自信を持たせてくれます。いい意味で、背伸びをする場所。
何もわからない状況で、関西から出てきてはじめての一人暮らし。仕事も慣れない中で、それでも家に帰ると「頑張らなきゃ」って思える。次の目標が明確になる感じです。

背中を押してくれる景色がここに
どんなスタートを切るかによって街選びは変わる
はじめての土地での暮らしは、期待と同時に不安が生まれてしまうもの。だからこそ、帰る場所には居心地の良さが大切だ。
地元と似ていたり、好きな店があったり。居心地の良さをつくる要因は人それぞれだが、“ちょうどいい背伸び” で街を選んだ秋岡さん。新しいスタートを加速させてくれる部屋選びというものが、強さにつながるのかもしれない。
写真・編集部
文・Hachi